2005年(平成17年) 9月25日 日曜日
☆ 実施港湾に平良港/国交省が選定
みなと観光交流促進プロジェクト
国土交通省が、二〇〇五年度から推進する「みなと観光交流促進プロジェクト」を実施する港湾として、平良市の平良港など全国十港が選定されたことが二十四日までに分かった。県内では平良港のみ。同プロジェクトは、みなとを生かした観光振興による地域の活力向上に取り組むもの。同省はノウハウの提供や、計画策定過程における社会実験の支援などを行う。また選定を受けた地域では、港湾管理者と自治体、民間の関係者による「みなと観光交流促進協議会」が設立され、促進計画を策定、実施する運びとなる。伊志嶺亮市長は「特にソフト面での支援が期待できる」と述べた。 同プロジェクトは、国交省港湾局が、政府の「観光立国」実現の取り組みと連携するため〇四年度に立ち上げられた。「みなとの観光交流」、「海からのアクセス」、「都市と観光地の施策との連携」などの観点から、地域が一体となりソフト、ハードの連携施策を重点的、一体的に実施し、みなとを核とした地域の観光振興を図るのが狙い。 今年度に入り実施港湾の選定作業が進められた結果、平良港など全国十港が選ばれた。平良港で想定される観光振興テーマは「海辺の自然を活用したみなとの観光振興」。平良市港湾課は「まだ正式な連絡は受けていない。週明けには国交省に確認を取り、対応していきたい」とコメントした。 平良市など同プロジェクトを実施することになる地域においては、同プロジェクトのガイドラインに基づき、港湾管理者と自治体、企業、NPOなど地域の関係者による「みなと観光交流促進協議会」が設立される。 同協議会では、みなとを核とした観光振興を進めるための「みなと観光交流促進計画」を策定、実行に移していく。具体的には、▽各種イベントの開催▽水域利用の弾力化▽景観の向上▽緑地の維持管理―などが推進される見込み。同プロジェクトを実施した各地域の成果は、全国の港湾に反映させることになる。 平良港以外で選定された港湾は▽網走港(北海道)▽船川港(秋田県)▽館山港(千葉県)▽福井港(福井県)▽清水港(静岡県)▽新宮港(和歌山県)▽鳥取港(鳥取県)▽八幡浜港(愛媛県)▽名瀬港(鹿児島県)―。 |
☆ 大空に夢広がる/「空の日・旬間」で各種イベント
「空の日」「空の旬間」にちなんだ二〇〇五年度「空の日」事業(主催・同事業下地島空港実行委員会)が二十四日、同空港で行われ、航空機や管制塔見学、お天気コーナーなど各種イベントで空港業務についての周知を図った。多くの親子連れが訪れ普段見る機会のない管制塔やコックピット内を見学。興味津々な様子で空港内をめぐり「空」にかかわる仕事について学んだ。 同実行委員会では、航空の世界に親しみ関心を持ってもらおうと各種イベントを開催。参加者たちは地上三十二bの高さにある管制塔から下地島空港を一望し、景色に歓声を上げた。職員が滑走路の長さや下地島空港が建設された目的、航空機をキャッチするレーダーなど各種機器についても説明。子供たちは目を輝かせながら降り立つ飛行機を管制塔から見たり、双眼鏡をのぞいて景色を楽しんでいた。航空機見学ではエンジンや車輪格納庫、コックピットなどを間近で見学。巨大な機体やエンジンの騒音に驚いた様子ながらも興味津々な様子で見入っていた。 吉濱拓哉君(佐良浜小二年)と妹の可莉ちゃん(3つ)は「飛行機が空港に飛んでくるのが近くで見えた」と笑顔。久貝拓夢君(鏡原小四年)は妹の優花ちゃん(鏡原幼稚園)とコックピット内を見学し「スイッチがいっぱいあってかっこよかった」と楽しんだ様子。大城里佳さん(伊良部小五年)は「管制塔から見た景色がきれいだった。滑走路も大きかった」と感想を話した。 写真説明=飛行機を見学する参加者たち。間近で見る巨大な機体と内部に興味津々=}日、下地島空港 |
☆ 恋の叙情歌、切々と 世代超えた歌声響く/
伊良部トーガニまつり
第五回伊良部トーガニまつり(主催・いらぶ観光協会)が二十三日夜、同町佐和田の平成の森公園で行われた。三部門に子供からお年寄りまで計九人が出場。「伊良部トーガニ部門」では、池間武人さん(39)=同町前里添=が、即興で歌う「島タウガニ部門」では浜元マツさん(80)=伊良部町国仲=が、「トーガニアヤグ部門」では中曽根美星さん(11)=城辺町西里添=がそれぞれ最優秀賞に輝いた。
「伊良部トーガニ」は「唐金」と呼ばれた人物が初めて歌ったとされる伝統民謡。哀調を帯びた旋律で男女の情愛を歌う。同まつりは、「伊良部トーガニ」を祖先が残した貴重な文化遺産と位置付け、保存継承を図ろうと毎年開催している。 |
☆ 愛好家らため息/宮古島盆栽展が開幕
第九回宮古島盆栽展示会(主催・日本盆栽協会宮古島支部)が二十四日、平良市の宮古グリーンセンターで開幕した。会員らが枝の先まで気を配り、造形美を追求した作品がずらりと展示されている。きょう二十五日まで。時間は午前十時から午後五時まで。初日は、日本盆栽協会八重山支部の新城弘志顧問による講習会が行われ、初心者から愛好家まで多数が参加して技術を学んだ。 会場では、同支部会員の入賞作品がずらりと並べられ、訪れた盆栽ファンをうならせていた。表彰式はきょう二十五日、同センターで行われる。午後四時から。 講習会では、新城さんがハマシタンやゴムジュを教材に使い、木の全体的な美しさを引き出す剪定(せんてい)の仕方を指導。根張り、幹模様、枝のバランスに配慮し熟練の技ではさみを入れると、参加者たちは熱心な表情で見入っていた。中には、仕立てを思案中の盆栽を自宅から持参し、新城さんにアドバイスを求める愛好者らの姿もあった。 |
☆ 島の伝統誇らしく/多良間島の八月踊り/
国立劇場おきなわ初公演
【那覇支局】国の重要無形民俗文化財に指定されている「多良間島の八月踊り」が二十四日、浦添市の国立劇場おきなわで初めて公演された。仲筋字の住民約六十人が十五演目を厳かに舞い、伝統文化をアピールした。会場には有名な民俗芸能を一目見ようと、大勢の人が訪れた。 今回の公演は同劇場の依頼を受け、行われた。地元での演舞は十時間繰り広げられるが、この日はその一端を披露した。 公演は勇壮な獅子舞で幕開け。一人の若者と二頭の獅子が、太鼓やホラ貝、三線などの演奏に乗って、舞台いっぱい躍動した。 出演者を紹介する顔見せとも言われる総引には、華やかな衣装の女性や子供たち、武将姿の仲宗根豊見親(なかそねとぅゆみゃ)らが登場した。 舞台は若衆踊、女踊、二才踊などの後、与那国の首長・鬼虎の討伐シーンを詳細に演じる組踊「忠臣仲宗根豊見親組」でクライマックスを迎えた。各出演者の名演技に会場から拍手が送られた。 同行した下地昌明多良間村長は「格式高い国立劇場で、多良間の伝統文化を紹介できたのは良かった。今回の公演が、島のPRと活性化に結び付けば幸い」と話した。 八月踊り 人頭税の納税が終わる旧暦八月に、納めきった喜びと、翌年の五穀豊穣(ほうじょう)を願ったもの。起源ははっきりしていない。 写真説明=出演者全員が登場した「総引」=}日、浦添市の国立劇場おきなわ |
☆ 宮国君兄弟が最優秀賞/平良市シィーシャコン
平良市地域こども教室実行委員会(安慶田昌宏会長)主催の「第二回平良市シィーシャコンテスト」の表彰式が二十四日、同市中央公民館で行われ、宮国太希君(東小三年)、立誠君(みつば幼稚園)の兄弟が作った一対の獅子が最優秀賞に輝いた。安慶田会長はあいさつで「今年は団体の出品も増えて、たくさんのユニークなシーシャが集まりうれしく思う」と述べた。作品は今月三十日まで、同公民館で展示される。 同コンテストは、文化活動やスポーツを通して地域の大人と交流を深めることを目的とする「平良市地域子ども教室推進事業」の一環。旧暦八月十五日の十五夜に、家々を訪問して厄払いする、子供たちの「シーシャ」を一堂に集め展示することで、歴史的背景を子供たちに伝承することを目的に昨年始まった。 今年は対のシーシャを含む十五点の応募があり、▽全体的に見て伝統文化を継承しているか▽顔の表情、バランスなどを生かした組み合わせの独創性▽地域性に留意した創作性▽頭という限られた空間を表情豊かに表現している―など、七項目が審査され、最優秀、優秀、優良の各賞が決まった。 審査委員長の奥濱実さんは「十五夜には、無病息災を祈って約五十体のシーシャが活躍したと聞いている。昨年よりもかなりレベルが上がった」と評価した。 受賞者は次の皆さん。(敬称略) 【最優秀賞】▽宮国太希(東小三年)・立誠(みつば幼稚園)【優秀賞】▽砂川昌太郎(北小三年)【優良賞】▽渡辺美海(平良第一小四年) 写真説明=(左から)優秀賞の砂川君、最優秀賞の宮国太希君と立誠君、優良賞の渡辺さん=}日、平良市中央公民館 |