国指定重要無形文化財の組踊「執心鐘入」を上演する「児童生徒の組踊鑑賞会」(主催・県教育委員会)が二十一日、県内での上演の先陣を切って伊良部町中央公民館で開かれた。町内の全小、中学生や住民らが鑑賞し、独特の節回しのせりふやストーリー展開に感動し、大きな拍手を送っていた。きょう二十二日は午後一時三十分から、平良市立狩俣中学校体育館で開催される。
組踊は、せりふを主として歌(音楽)と踊りで筋を運ぶ形式の歌舞劇(演劇)。「執心鐘入」は、今からおよそ二百八十年前に、玉城朝薫が作った作品。
「執心鐘入」は、美少年の中城若松が奉公のために首里城へ向かう途中の一軒家で、留守番の娘と出会う。若松は娘の誘いを断り、逃げた。娘は恋が実らず鬼女となった。お坊さんと小僧がお経を唱え、鬼女を説き伏せて退散させるというストーリー。
子供たちは事前に学習していたことから、見どころの場面では真剣な表情で見入っていた。
同鑑賞会は、組踊を学校教育に取り入れることによって、児童生徒に郷土芸能への理解と関心を深めさせ「心の教育」に寄与すると同時に、組踊の県内での普及・啓発の基礎づくりをすることと、若手実演家に表現活動の機会を確保することにより後継者の育成を図ることが目的。
写真説明・鬼女(左)を退散させるためお経を唱えるお坊さんと小僧=21日、伊良部町中央公民館
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