200平成17  919曜日

新市市長選・狩俣吉正氏が再浮上/反自公勢力が擁立模索

 十月一日に発足する新市「宮古島市」の市長選で一度候補者として名前が挙がった連合沖縄会長で平良市出身の狩俣吉正氏(55)を擁立する動きが水面下で展開されている。十一日に行われた衆議院選挙の結果を受け宮古の「反自公勢力」の一部が狩俣氏の擁立に向けた動きを展開しているようだ。狩俣氏本人も十七日から宮古入りして反自公の関係者と接触しているとの情報もある。狩俣氏は本紙の取材に対して「求められて逃げることはしない。今後の状況を整理する必要もあり、正式に求められれば話し合いに応じたい」と述べるなど、市長選立候補に対しては現段階で前向きな姿勢を示した。
 狩俣氏は今回の衆院選で宮古出身で沖縄1区に当選した下地幹郎氏を支援する「反自公連絡会」を野党や労組で発足させて代表世話人となって活動を展開してきた。「第三の波」を強調する下地幹郎氏の考えとも同調している。
 下地幹郎氏は「現段階で支持候補は白紙」としながらも「推薦、支持する人物は考えが同じであることが条件」としていることから狩俣氏の擁立が具体化すれば下地幹郎氏の判断も注目となっている。
 また、狩俣氏を推す関係者の一人は「現在、名前の挙がっている二人のうちどちらかを選ぶことは難しい。反自公もそうだが、反共産の立場もあることから狩俣氏が立候補してくれた方が選挙も取り組みやすい」との声も聞かれている。
 現在、新市市長選に向けては平良市長の伊志嶺亮氏(72)と、保守系の選考委で衆院選前に擁立が決定した前城辺町助役の下地敏彦氏(59)が立候補を表明している。下地幹郎氏を支援し反自公を掲げている狩俣氏が候補者に加わって三つどもえとなれば今後の市長選構図は大きく変化していくことも予想されている。
 そのほか、狩俣氏は「宮古の現状は沖縄本島や八重山に比べても経済の落ち込みが激しい。新しい風を吹かせないといけないと考えている人が多いことも事実。そういった声に対しても聞く耳を持ちたいと思っている」と述べた。
 狩俣氏をめぐるこれまでの動きは、今年の五月に一度、自治労平良市職員労働組合の一部から擁立を模索する動きがあったが現在は終息している。しかし衆院選後、政局が混迷化し各方面と互いの動きをけん制し合ってほとんど動きがないのが現状だ。宮古の反自公勢力の中には「伊志嶺氏、下地敏彦氏どちらも支持はできない」との意向もあったことから、ここにきて第三の候補として狩俣氏の名前が再度、急浮上してきている。
 狩俣吉正(かりまた・よしまさ)1950(昭和25)年生まれ。55歳。平良市狩俣出身。宮古高校、琉球大学短期大学部法政学科卒。貴金属加工職などを経験し、72年平良市役所入り。81年宮古地区労働組合協議会事務局長、96年自治労県本部執行委員長、99年から連合沖縄事務局長を務め、2001年の10月に連合沖縄会長に就任している。

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きょう「敬老の日」/地域挙げて長寿を祝福

2-1.jpg (39183 バイト) きょう十九日はお年寄りを敬い長寿を祝う「敬老の日」。各部落では地域の高齢者たちを祝う敬老会が盛んに行われ、これまでの労をねぎらい長寿を祝福する。宮古地区で来年三月までに百歳を迎える新百歳は九人。地区全体の百歳以上の高齢者は二十一人となる。
 敬老の日に先立ち下地町の来間部落は十八日、来間小中学校体育館で二〇〇五年度敬老会を開催し六十五歳以上八十三人を祝福した。同部落の最高齢者は九十九歳の大浦カニメガさん。福原好一さんが新会員として仲間入りした。保良栄成部落会長は「来間部落の発展は皆さんの長年にわたる苦労と努力のたまもの。深く感謝したい。これからも人生の中で培った経験と知識で我々後輩を指導していってほしい」と祝いの言葉を述べ、ますますの健康を願った。敬老会員を代表してあいさつした具志堅善徳さんは地域を挙げての祝福に感謝。「健康に留意し、来年も再来年も全員笑顔で敬老会に参加することを願う」、新会員の福原さんは「来間発展のため一日一日を大事にし素晴らしい人生を送りたい」と喜びを話した。川満省三町長、保良榮男議員も祝いの言葉を述べ祝福した。
 舞台では来間小中学校の児童生徒などによる余興が披露され、お年寄りたちを楽しませた。

 写真説明・舞台で披露される余興を笑顔で楽しむお年寄りたち=18日、来間小中学校体育館


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宮古署取り締まり強化へ/シートベルト装着義務違反

3-1.jpg (25113 バイト) シートベルト装着義務違反での検挙件数は二〇〇三年が二千六十三件、〇四年が二千二百四十八件と年々、増加傾向にあるが、今年はすでに昨年、一昨年の年間件数を上回る二千六百九十四件が検挙されている。
 シートベルト装着義務違反は罰金がなく、行政処分(一点減点)のみが課せられる。同署では「(罰則が)比較的軽いため、意識が低いのでは」と分析する。
 今年、管内で発生した死亡事故は五件。このうち、歩行者やオートバイ運転手が犠牲になった三件を除く二件中、一件はシートベルトを着用していなかった。
 先月、下地町の交差点で発生した乗用車とワゴン車の衝突事故は、双方とも四十`以上で走行しており、衝撃でワゴン車は横転、乗用車は大破したが、乗車していた全員がシートベルトを着用していたため、軽傷や無傷で済んだという。同署交通課では「シートベルトが大けがを防いだ典型的な例として挙げられるのでは」と話している。
 「ベテランから初心者まで違反者は幅広い。運転する上で、最も基本的なのがシートベルトだが、検挙件数が多いのは意識の低さを裏付けている。今一度、初心に帰ってほしい」と同署交通課の伊波興二課長。「エアバックもシートベルトとの併用で初めて最大限の効果が得られる。いつ、どこで交通事故に巻き込まれるか分からない。普段からのちょっとした習慣付けで命は守れる」と警鐘を鳴らし、ドライバーの意識向上を求めている。
 シートベルト装着義務違反が増加している。宮古警察署(伊波盛春署長)管内で、今年九月十五日現在の検挙数は二千六百九十四件。前年同期の千五百八十九件に比べ千百五件(七〇%)と急増している。宮古全域で強化した取り締りによるものだが、同署では「まだまだ氷山の一角」と指摘。「比較的軽微な違反のため、ドライバーの意識がまだまだ低い」として、取り締まりを継続していく方針だ。

 写真説明・ドライバーの意識向上が求められている

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学びの成果、現場で/宮古エコツアーガイド養成

4-1.jpg (21888 バイト) 宮古エコツアーガイド養成研修(主催・宮古広域圏事務組合、宮古島地下水水質保全対策協議会、委託先・NPO法人おきなわ環境クラブ)の修了式が十七日、同事務組合で行われた。約三カ月のプログラムを終えた二十人の受講生らは、晴れ晴れとした表情で修了証を受け取った。受講生らは今後、宮古の歴史、文化、自然、水環境などを紹介するガイドとして活躍する。
 修了式で同クラブの下地邦輝事務局長は「これからが本当のスタート。常に勉強という姿勢を持ち、多くの現場で経験を積んでください」と激励した。
 同事務組合の仁木哲事務局長は「市町村合併で、宮古広域圏事務組合はなくなるが、事業は新市に引き継がれ、エコツアーも強化されていくと思う。これからもエコツアーを発展させるため、一緒に頑張ろう」と呼び掛け、受講生らに修了証を手渡した。
 受講生を代表して平良寛明さんは「学んだことを現場で生かさなければ、ただの知識で終わってしまう。学んだことを無駄にせず、現場で生かせるよう、これからも頑張りましょう」とあいさつした。
 同研修は、六月からの三カ月間、宮古島について歴史、文化、観光、水環境など、ガイドとして必要とされる豊富な知識を学んだ。
 受講生らは次の通り。(敬称略)
 ▽竹井章▽酒井靖之▽猪澤也寸志▽平良寛明▽近澤知代▽木場恵美子▽菅原利幸▽川満真理子▽川満きよみ▽前里ゆかり▽砂川明男▽砂川博秋▽佐藤宣子▽海宝千代▽下地和枝▽久貝正明▽砂川スミ子▽高江洲秀子▽野原優子▽内田正美

 写真説明・仁木事務局長(左)から修了証を受け取る受講生=17日、宮古広域圏事務組合


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出場12選手を激励/25日に県身障者スポーツ大会

 今月二十五日に開催される「県身体障害者スポーツ大会」に出場する宮古地区代表の十二選手を支援しようと「選手派遣支援チャリティーコンサート」(主催・宮古「身障連」支援ユヌグクルの会)が十七日、マティダ市民劇場で開かれた。フォークシンガーののひなひろしさんら四個人・団体が出演し、それぞれ魅力あふれるステージで観客を魅了した。
 コンサート開幕前には、大会参加用のユニホームが各選手に贈呈され、選手を代表して与那覇正規さんが「期待に応えられるよう頑張る」と抱負を語り会場から激励の拍手を受けた。
 この催しは、各自治体が負担する宮古身体障害者連合会への補助金が、逼迫する財政事情を理由に年々減少していることから、個人の力を集めて支援しようと初めて開催。五月二十二日に派遣が決定した十二選手に、収益金でユニホームを贈ったほか、全国大会などへの出場時に残りの収益金を活用してもらうという。
 コンサートに先立ち、主催者を代表して下地豊一会長は「各選手とも、宮古地区代表として自分の力を十二分に発揮してくれるでしょう。今後も私たち一人ひとりが身障者に心を寄せ、共に豊かな心で歩むことを希望する」とあいさつを述べた。
 同連合会の池間太郎会長は「会場の皆さん、障害者に対する心のバリアを取り除き、同じ目線で接してください。また障害者の皆さんは体の障害者でも心の障害者にならないよう、笑顔で毎日を過ごして」とそれぞれに呼び掛けた。伊志嶺亮平良市長も駆け付け、激励のあいさつを述べた。
 コンサートでは、玉城流真文の会の子供たちが艶やかな衣装で琉球舞踊を踊り、観客の笑顔を誘ったほか、みやこ学園のメンバーが「寿太鼓」を勇壮に披露。また、クイチャーパラダイス首里教室の玉城弘さんが、交通事故で足の自由を失った後に習い始めたという三線を演奏。最後には、フォークシンガーののひなひろしさんが代表曲などを披露し、渋い歌声で観客を魅了した。
 宮古地区代表選手は次の皆さん。(敬称略)
 【走幅跳】▽与那覇正規(平良)▽喜屋武淳子(同)【やり投】▽新里利男(上野)▽波平常雄(多良間)【立ち幅跳】▽与那覇ひとみ(平良)【ソフトボール投】▽平良彦次(下地)▽洲鎌邦夫(同)▽川満敏明(平良)【車いす百b】▽高沢末子(城辺)【ハンドボール投】▽狩俣博利(城辺)【百b走】▽与那覇トミ(上野)【五千b走】▽国仲満(上野)

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子供たちのかわいらしさには一際大きな拍手が送られた
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勇壮な踊りを披露するみやこ学園のメンバー=17日、マティダ市民劇場


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   竜巻発生にびっくり/親子お天気教室

6-1.jpg (23216 バイト) 親と子のお天気教室(共催・宮古島地方気象台、宮古教育事務所、平良市教育委員会)が十八日午後、平良市中央公民館で開かれた。多数の親子連れが参加し、気象の仕組みや緊急時の対応などついて知識を深めた。子供たちは、竜巻発生装置の中でできた竜巻を興味津々の様子で見入っていた。
 同教室は、台風、地震、津波などの自然現象についての正しい知識を持ち自然災害から身を守るとともに、自然を身近に感じ親しむことで心豊かな児童の育成を目的に開催された。
 親子連れらは「気象観測ってなんだろう?」「台風と集中豪雨」などのアニメ映画を鑑賞。次いで竜巻発生装置による竜巻実験、地震による液状化実験などを見学。
 このうち、竜巻発生装置ではドライアイスを使って竜巻を発生させた。子供の中にはびっくりする人や竜巻を手で触って喜ぶ人もいた。
 共催者を代表して、同委員会の久貝勝盛教育長があいさつ。「自然現象が発生した時への緊急時の対応をどうするのか」と述べ、普段から危機管理の意識を持つように呼び掛けた。

 写真説明・子供たちは実験で発生させた竜巻を不思議そうに見入っていた=18日、平良市中央公民館

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