200平成17  918曜日

新市市長選・支持候補「今は白紙」

下地幹郎氏が会見で強調

9-18-1-1b.jpg (23378 バイト) 十月一日に発足する新市「宮古島市」の市長選について、十一日に行われた衆議院選挙で沖縄1区から当選を果たした宮古出身の下地幹郎氏は十七日に行われた記者会見の席で「市長選については支援してくれた人たちや中尾英筰氏(沖縄宮古商工会議所会頭)らと相談して決めたい。今は白紙の状態で結論が出せる状況ではない。しかし、誰かを今後、推薦しないといけない」と推薦、支持する人物については現状で白紙を強調した。宮古島市長選に向けては平良市長の伊志嶺亮氏(72)と前城辺町助役の下地敏彦氏(59)が立候補する予定で、宮古でも影響力を持つ下地幹郎氏が「白紙」を強調したことから今後の選挙構図は不透明となっている。
 保守、革新ではない「第三の波」の政治を強調する下地幹郎氏は「この動きが宮古島市長選にも関係すると思う。市長選では誰かを推薦しないといけないし、その条件は私の考え方に合った人物であることが大切」との考えを示した。
 新市長選に向けてはこれまで革新系が平良市長の伊志嶺亮氏の擁立を早々と決定しスムーズな取り組みを現在も展開している一方で、保守系は三年前の平良市長選からの分裂状態を修復しようと候補者選考委を立ち上げて擁立する人物について協議してきた。選考方法をめぐりドタバタ劇はあったものの七月末に前回の平良市長選にも立候補した下地敏彦氏の擁立を全会一致で決定している。
 下地幹郎氏を支持する前県議の坂井民二氏(55)も最終選考まで残ったが、その後、平良市の保守系議員団との合同会見で立候補断念を表明し、下地敏彦氏に協力する姿勢を示していた。
 しかし、衆議院が郵政民営化問題で突然解散し、さらに宮古の政局にも大きな影響力を持っている下地幹郎氏が「反自公」を掲げ沖縄1区に出馬したことから市長選に向けた保守系の関係修復作業も実質止まってしまった。
 今回、1区で当選した下地幹郎氏が宮古島市長選に向けた方針について白紙を強調し、支持者らと相談して決めたいとの見解を示したことから、今後の選挙構図は流動的な状況となってきている。
 また、1区で議席を失った自民党県連、稲嶺恵一知事なども自公路線の修復作業のスタートとして宮古島市長選にてこ入れすることも予想されていることから、今後の各方面の動きも注目となっている。
 そのほか、伊志嶺陣営も下地幹郎氏の支持を得たいとの意向から同氏にすり寄る動きも水面下で展開しているとの情報もあり、下地幹郎氏の意向が今後の政局のカギを握りそうだ。

 写真説明・当選報告の中で国会活動に向けての意欲を語った下地幹郎氏(中央)=17日、宮古空港

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マグロの解体に歓声「カツオ祭り」盛況

海テーマに交流深める「マリンフェス」が開幕

9-18-11-1b.jpg (30540 バイト) マリンフェスティバルイン宮古島(主催・県、財団法人自治総合センター、同実行委員会)最初のイベント「カツオ祭り」が十七日午後、伊良部町佐良浜スポーツセンター前の特設会場で開幕した。大勢のダイバーらが参加。キハダマグロ解体ショーでは、見事な包丁さばきに、思わず「ウワーッ」と感嘆の声がわき起こった。
 同フェスティバルでは、二○○六年一月三十一日までにわたり多彩なイベントが計画されており、来月二日にはバリアフリーダイビングが実施される予定。
 同センターは、毎年宝くじの収益金の一部を地域振興に役立たせようと、都道府県から各種事業計画を募集。県が応募していた同フェスティバルの計画が採択され、宮古では初めての実施となった。
 この日の開会式で、宮古観光協会長の藤村明憲実行委員長は「十月一日から宮古島市となる。みんなで宮古島市は素晴らしい所であるとアピールしてください」とあいさつ。
 同町の浜川健町長は「今日は存分に交流を深めてください。海に囲まれた伊良部島は、環境の良い島だ」とアピールした。
 同町漁協の奥原隆治組合長は「宮古の海の透明度は世界一と言われている。本土へ帰ったら友達にも宣伝してください」と述べた。
 本土から訪れたダイバーらは、カツオの刺し身やカツオ汁などの料理に舌鼓を打ちながら談笑。泡盛を酌み交わし、民謡ショーを心ゆくまで楽しんだ。

 写真説明・キハダマグロ解体ショーでは見事な包丁さばきが披露された=17日、伊良部町


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夜空彩る月の輝き/きょう十五夜 各地で行事

9-18-1-2b.jpg (14834 バイト) 旧暦八月十五日に当たるきょう十八日は「十五夜」。まだまだ日中は暑い日が続く宮古でも、夜になると幾分涼しい風が吹き、少しずつ秋めいてくる季節。十五夜を前にした十七日夜、平良市内の夜空には「中秋の名月」を前にした月の輝きが夜空を彩った。
 十五夜のきょう十八日夜は、平良市狩俣の大綱引きや上野村野原のマストリャー、城辺町砂川の豊年祈願祭など、宮古各地で旧暦八月十五日、十五夜の伝統行事が行われる予定。

 写真説明・「中秋の名月」を前に月の輝きが夜空を彩った=17日午後8時10分ごろ


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宮古野鳥の会 今年の第1群確認

アカハラダカ225羽カウント

9-18-1-3b.jpg (7809 バイト) 宮古野鳥の会(岡徹会長)は十七日、下地町入江橋でアカハラダカのカウント調査を行い、午前七―九時までの間に五百六羽を確認、カウントした。群れの第一群を確認した十六日のカウント数は二百二十五羽。通り雨の降る中行われた観察会だったが、同会会員らは空を雄大に飛んでいくアカハラダカを見つめていた。
 アカハラダカは朝鮮半島や中国南部周辺で繁殖。越冬のため、対馬、沖縄本島、宮古島を通り東南アジア方面へ南下する。七日から始めた観察会では、数羽のアカハラダカを確認していたものの、群れとして確認したのは十六日が初めて。十七日に引き続き、群れを確認した。
 アカハラダカが確認された時間帯(三十分間)ごとの内訳は、▽七時から=九十一羽▽七時三十分から=0羽▽八時から=三百九十五羽▽八時三十分から=二十羽―の計五百六羽。
 同会では、今月二十五日まで毎朝七時から調査を続ける。きょう十八日午前七時から同じ場所で親子観察会を開催する予定。多くの参加を呼び掛けている。

 写真説明・アカハラダカの群れ。上空の高いところを雄大に飛び回る=17日、下地町入江橋

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狩俣線に700本植樹 会員らが第1回活動を実施

美ぎ島グリーンネット

9-18-11-2b.jpg (25009 バイト) 台風による農業被害の軽減と地域の緑づくりを推進するボランティア組織「美ぎ島グリーンネット」(会長・伊志嶺亮宮古森林組合長)の第一回植樹活動が十七日、平良市狩俣間那津地区で行われ、同ネット会員と同地域の住民ら約百五十人が、ハイビスカスやテリハボクなど、四樹種七百六本を県道230号線(通称・狩俣線)沿いの約二百bにわたって植えた。
 伊志嶺会長は「この活動を続けることで、グリーンが増え、災害に強い観光客も楽しめる島になる」と述べ、多くの参加に感謝。地域を代表して間那津地区土地改良区の根間義雄理事長が「大事に愛情を持って緑をはぐくむことで、大きな緑の波となり宮古中を覆い尽くすことを期待する」とあいさつした。
 参加者らは三班に分かれ、ハイビスカス二百三十四本、テリハボク三百五十七本、イヌマキ九十四本、ヒラミレモン二十一本の合わせて七百六本を、一本一本丁寧に植え付けた。
 同ネットの執行委員を務める、県宮古支庁農林水産振興課の長間孝課長は「地域の皆さんにも多数参加してもらえたのでありがたい。植えて終わりではなく、施肥などの保育作業も育つまでは何度も行う」と述べた。
 同ネットは、〇三年九月の台風14号襲来時に農作物が壊滅的な被害を受けた中、防風林が機能している個所の被害が比較的軽微だったことに着目し、地域の手で植樹・育樹活動を実践しようと今年六月に設立された。九月十五日現在、約六百の個人・団体が会員登録している。
 伊志嶺会長は「当面の目標を一千個人・団体として頑張っていきたい」と話している。

 写真説明・一本一本丁寧に植樹する参加者ら=17日、平良市狩俣間那津地区
 

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   引っ越し作業本格化 合併へ慌ただしさ増す

5市町村庁舎

9-18-11-3b.jpg (27081 バイト) 平良市、城辺町、伊良部町、下地町、上野村の五市町村合併による「宮古島市」誕生の十月一日まで、十七日で二週間を切った。五市町村の各庁舎では、職員らによる引っ越し作業が本格化し、合併に向け慌ただしさを増している。
 このうち平良市役所三階の企画室では十七日、公文書や雑文書の選別作業に追われる職員らの姿が見られた。公文書はすべて保管する方針となっていることから、職員らは膨大な数のファイルを一つ一つ確認し、種類ごとに段ボール箱に詰め、古い本やリーフレットなどの雑文書は廃棄した。
 伊良部平師室長は「文書の仕分け作業は非常に大変だが、(合併後最初の業務日となる)十月三日にはきちんと業務を開始できるように頑張っている」と話した。職員らは、冷房の切られた休日の庁舎で額に汗を光らせながら作業をこなしていた。
 合併後は分庁方式をとるため、平良庁舎に総務部、企画政策部と教育委員会、城辺庁舎に福祉部、下地庁舎に建設部、上野庁舎に経済部と、各庁舎にそれぞれ窓口業務を担当する支所機能が置かれる。伊良部庁舎は「伊良部総合支所」となる。各庁舎間の移転作業は、土日・祝日を利用して実施。荷物の仕分け、移動だけでなく、システム端末の移転作業なども並行して行われる。土日に当たる十月一、二の両日で最終の移転作業を済ませ、十月三日から宮古島市の業務がスタートする運び。

 写真説明・合併を前に文書の仕分け作業に追われる職員ら=17日、平良市役所

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