200平成17  917曜日

宮古支庁 次長廃止の撤回など要請

伊志嶺市町村会長ら県に

1-1.jpg (21358 バイト) 【那覇支局】県が二〇〇六年度の組織改編の中で、宮古支庁の次長を廃止し農業関係の行政を統括する次長級の調整監の配置や、農林水産振興課、宮古家畜保健衛生所の多良間駐在廃止の方針を示していることに対し、宮古市町村会長の伊志嶺亮平良市長らは十六日、県庁を訪ね上原昭総務部長に撤回と現行維持を要請した。これに対し上原部長は、次長職を廃止して調整監を配置する改編は農業施策を強化する方針だとし、理解を求めた。家保の多良間駐在は〇六年度は、維持される見通し。

 要請には伊志嶺市長や、仲間克城辺町長、川満省三下地町長、平良市区選出の奥平一夫県議らが訪れた。
 伊志嶺市長は「新市が歩き出す大事な時期に、各課を横断する次長や、グリーンベルトや防風林、サンゴ礁保護など大事な課題に取り組む振興課の廃止が行政機能を低下させ影響を与えないか心配」と述べ、組織の現行維持を要望した。
 上原部長は次長職廃止については「本庁では昨年、次長職をすべて廃止した。出先機関でも次長職は無くなるのが普通だが、宮古、八重山では農業に力を入れるため、次長級の調整監を配置したい」と、方針を説明。農林水産振興課の廃止は、農業改良普及センターと農業水産整備課に職員と機能をそのまま移転するので、弱体化はないとの考えを示した。
 しかし、奥平県議はこの説明に納得せず「今回の組織改編は、稲嶺県政の柱である離島振興に逆行する」と反発した。
 上原部長は十三日、砂川佳一県議らと面談した際「支庁長を部長級から次長級に格下げ」と発言したことにも触れ「自分の勘違いだった」と訂正、〇七年度までは維持されるとした。が、その後「支庁長には実質的に権限はない。予算も本庁から来ている」と述べ、今後に含みを残した。

 写真説明・伊志嶺市長(左端)らが組織改編撤回を要請した=16日、県庁

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58年の歴史に幕、新市へ/平良市議会最後の定例会が閉会

2-1.jpg (25134 バイト) 平良市議会(池間青昌議長)九月定例会は十六日、最終本会議を迎え、五市町村合併前最後の定例会を終えた。最後は池間議長の音頭で、議員全員、当局が高らかに万歳三唱し、五十八年の市制で当局と両輪をなした議会をしめくくった。池間議長は「合併により『平良市』の名称がなくなることに一抹の寂しさを感じるが、歴史、文化、伝統は生き続ける」と述べ、宮古島市の発展に期待を込めた。
 あいさつの中で池間議長は「平良市は一九四七年に市制施行されて以来、国、県をはじめとする関係機関、歴代首長、議会議員、市民の指導、協力があり、宮古圏域の中核として発展してきた。十月一日には、五市町村が合併し、新生宮古島市が誕生する。私たちは先人たちが築き上げた、この平良市の持つ素晴らしい特色を新生宮古島市の発展につなげていかなければならない」と述べた。
 また議長に先立ち、伊志嶺亮市長もあいさつに立ち、「本日をもって五十八年に及んだ平良市で、議会の歴史の幕が閉じるが、この間、平良市の発展のためにご尽力された歴代議長、議員の皆さんに市民を代表して心からお礼を申し上げる」と議員らに謝辞を述べた。

 写真説明・最後の定例会を万歳三唱でしめくくる議員ら=16日、平良市議会

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浜川町長 寂しさと嬉しさ交錯/伊良部町先陣切って閉町式典

3-1.jpg (23076 バイト) 十月一日の新市「宮古島市」の誕生を控え、宮古の五市町村の先陣を切って伊良部町(浜川健町長)が十六日、町内の中央公民館で閉町式典を行った。大勢の住民や町役場職員らが出席。浜川町長は「先人たちが築き上げてきた村・町政の九十七年の歴史が、私の時代に閉じるとは、先人に『すまない、ごめん』、伊良部町に『ありがとう』と言いたい。新市から再スタートとなり、伊良部の夜明けが始まる」と重ねて強調し、寂しさとうれしさを交錯させた表情をにじませた。今月三十日に開かれる閉庁式で九十七年間の歴史に幕を閉じる。二十一日に城辺町と下地町の閉町式典、上野村の閉村式、二十五日に平良市の閉市式典が実施される。
 同町は、一九○八年の特別町村制施行で、伊良部村としての地方自治体が始まった。八二年四月一日の町制施行で町に昇格。村政以来、現在までの九十七年間、漁業と農業を中心とした第一次産業で発展してきた。その間、伊良部製糖工場の誘致、遠洋カツオ漁業による好景気、我が国唯一の下地島パイロット訓練飛行場の開港などで地域経済は潤った。近年国の地方交付税の大幅なカットなどで財政は逼迫し、自立は不可能として合併を選択した。
 式典で、浜川町長は「十月一日から『宮古島市』で出発する。新たなまちづくりには無限の可能性も秘めている。伊良部は地域特性を生かしながら未来永劫に発展していく」など述べた。次いで友利浩一町議会議長があいさつ。
 稲嶺恵一県知事(代読)は「今後、宮古島市の将来像の実現に向け、行政や住民が一体となって、新たなまちづくりを推進されることを期待」、竹林義久沖縄総合事務局長(代読)は「政府全体の方針のもと、伊良部架橋建設など活力ある地域づくりを支援する」とそれぞれ式辞。
 席上、浜川町長が同町の発展に貢献した三十九団体、スポーツで寄与した四個人に感謝状を贈った。祝賀会の舞台では踊りの余興が披露され、会場を明るい雰囲気に盛り上げた。

 写真説明・式典では浜川町長が新市に向け決意を新たにした=16日、伊良部町中央公民館

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宮古島市観光ロゴを発表/10月1日にはキャンペーン実施

4-1.jpg (28463 バイト) 十月一日の市町村合併に伴い、十六日、社団法人宮古観光協会(藤村明憲会長)は「宮古島市観光ロゴ」を発表、宮古島環境自然保護募金推進協議会(長濱政治会長)は「美ぎ島募金」を設立した。新市誕生とともにそれぞれ新たな取り組みで地元の機運を高め、観光地宮古島を県内外へさらにPRする考え。宮古島市スタートとなる十月一日には宮古空港でキャンペーンを行い、島を訪れる観光客らに大々的にアピールしていく。
 宮古島市観光ロゴはマンゴーをモチーフにした赤と黄色の鮮やかなデザインで、文字で島の人々の温かい笑顔を表した。キャッチフレーズは「んみゃーち 美ぎ島 宮古島」。自治体での特定観光ロゴは県内初。店頭でのポスターによるPRのほか、身近に活用できるようステッカーやシールも作製し空港や商店街、バス・タクシー、名刺などに張り付け地元から機運を盛り上げていく。土産店での販売も行い、売り上げの一部は美ぎ島募金へ寄付する。ロゴは同協会ホームページにも掲載しており、事前了解を得ればパンフレットなど商品以外での無料使用も可能となっている。
 藤村会長は「宮古らしい躍動感と情熱のあるデザイン。地産地消ともリンクしている」とアピール。「離島ブームで観光産業は順調に推移し、今年は四十二万から四十三万人の観光客を見込んでいる。地元住民にも愛着を持って各地でロゴを使てもらうことで、誘客にも結び付けていければ。ポスターやステッカーを普及し拡大につなげていきたい」と期待を寄せた。

 写真説明・観光協会が発表した宮古島市観光ロゴ

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30日から「まちなかフェスタ」/西里・市場・下里・中央の4通り

5-1.jpg (24334 バイト) 活気ある街中を再生し、市民のシンボルとすることを目的とした社会実験「にぎわいといやしのまちなかストリート活用事業」の第二回実行委員会(委員長・中尾英筰沖縄宮古商工会議所会頭)が十六日、平良市の宮古島マリンターミナルで行われ、平良市の西里通り、市場通り、下里通り、中央通りの四通りを中心に行われる「宮古島まちなかフェスタ」(主催・沖縄宮古商工会議所、NPOにぎわいみゃーく)の概要を確認した。同フェスタは今月三十日―十月二日の三日間をオープニングフェスティバルと位置付け、各通りで歩行者天国を実施。これを皮切りに十二月のクリスマスまで、各週末にさまざまなイベントが行われる計画。
 同事業は国土交通省の「オープンカフェ等地域主体の道活用に関する社会実験」によるもので今年七月、平良市の中心市街地とその周辺地域が選定された。主催の二団体に、宮古観光協会、宮古青年会議所、西里大通り商店街振興組合、下里通り商店街振興組合、市場通り商店街振興組合の五団体が協賛して行われる。オープニングフェスティバルは三十日を「新市誕生前夜祭」と位置付け西里通り商店街駐車場でオープニングイベントを実施。十月一日は午後四時―同九時、同二日は午前十時―午後六時、四通りとその周辺地域の車両進入規制を行い歩行者天国として開放される。
 市場通りと下里通りの歩道ではテーブルやいす、パラソルが設置され、オープンカフェが開設される。また両通りでは、歩道の一部を利用した各種商品や産品の販売も行われる予定。このほか、下里、西里の両通りの駐車場や中央通りの空き地を「マーケットプレイス」とし、農水産物やフリーマーケットなどの出品スペースとしての利用が可能となる。
 同事業は社会実験であるため、十月には車両規制を行わない形も実施する予定。イベントに当たり、来場した住民や観光客を対象にしたアンケート調査も実施され、社会実験のデータとなる。

 写真説明・「宮古島まちなかフェスタ」の概要を確認した実行委員会=16日、宮古島マリンターミナル
 

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   久松中が文科大臣表彰/食生活研究で高く評価

6-1.jpg (24144 バイト) 平良市立久松中学校(大田敏盛校長)が今月の八日と九日に青森県青森市で開催された「第五十六回全国学校給食研究協議大会」(主催・文部科学省など)で二〇〇三、〇四年度に実施した学校給食など食のあり方をテーマに実施した研究内容が、高い評価を受けて文部科学大臣賞を受賞した。十六日には大田校長が平良市役所に久貝勝盛教育長を訪ねて喜びの報告を行った。
 うれしい報告を受けた久貝教育長は「最近は食の教育と心の教育の大切さが指摘されている中で今回の偉業は素晴らしい。市町村合併を前にうれしい報告を受けて喜んでいる」と述べた。
 大田校長は「二年間学校全体で実施した食の研究成果が認められて文部科学大臣表彰を受けることができて喜んでいる。これも生徒、先生、関係者のおかげだと思っている」と笑顔で報告した。
 久松中学校は〇三―〇四年度の二年間にわたり「望ましい食生活に関する指導のあり方の工夫―学校・家庭・地域の連携を通して―」を研究主題に学校、地域全体で取り組んだ。
 初年度は、学校・家族・地域が連携した取り組み方法の研究や、健康や食に関する講演会の実施など十項目について取り組み、二年目は食生活に関する生徒や家庭の実態調査とその分析と考察などに取り組んだ。
 研究の成果について大田校長は「生徒たちの食に対する意識が変わった。嫌いな食材でもその栄養価などを考えて食べるようになった」と、その成果を報告した。
 二年間に及ぶその内容が高い評価を受け今回、中山成彬文部科学大臣から表彰状が送られた。

 写真説明・大田校長(左から2番目)が文部科学大臣賞の受賞を久貝教育長(左)に報告した=16日、平良市役所

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