200平成17  916曜日

支庁長廃止報道/きょう首長ら撤回申し入れ

 【那覇支局】県が二〇〇六年度組織見直しの中で、宮古支庁の次長を廃止し農業関係の行政を統括する次長級の調整監の配置や、農林水産振興課、宮古家畜保健衛生所の多良間駐在廃止の方針を示していることが十五日までに分かった。同方針に地元は行政機能低下を招くと反発しており、きょう十六日には宮古市町村会長の伊志嶺亮平良市長や仲間克城辺町長らが県庁を訪ね撤回を申し入れる。
 組織改編の一次内示では農林水産振興課を廃止し、同課の機能は農業改良普及センターと農業水産整備課に分割移転。次長に代わって配置する農林水産調整監は、存続する同二課や家畜保健衛生所などを統括する案が示された。
 同方針に対し伊志嶺宮古市町村会長は「全体の調整機能を果たしている次長や、農林水産振興課の廃止、畜産が盛んな多良間村の駐在員がいなくなることは、宮古にとって大きなマイナス」と反発、現行体制の維持を求めている。
 さらに県は〇七年度以降の組織改編で、農林水産行政を一元化した農林水産振興センター(仮称)を新設し、トップに統括監級を据える案を提示している。そうなった場合、農林水産、土木建築、保健福祉などの各行政が、本庁直属となり、結果的に支庁機能の解体、支庁長の廃止が懸念されるという。この件についても、伊志嶺宮古市町村会長らは県に事情を聞くことにしている。
 来年度以降の組織改編について宮古支庁は「来年度、現在の五課三所を統括している現在の次長のポストを廃止し、農林水産部門の調整監(次長級)を設置することや農林水産振興課の廃止については県と調整している。しかし、一部報道の支庁長廃止や支庁の実質解体などについては聞いていない」と述べた。
 支庁長は一九九六年に地域完結型の事業推進のため次長級から部長級に格上げ権限が強化された。各課事業の実施計画の決定権や、各課、各市町村の総合調整機能を持つ。仮に、支庁長ポストが廃止された場合、地域行政が痛手を受ける可能性がある。

top.gif (811 バイト)

トン当たり2万130円要請へ/06年産キビ最低生産者価格

2-1.jpg (31691 バイト) 二〇〇五年度さとうきび運動方針宮古地区説明会が十五日、JAおきなわ宮古地区事業本部で行われ、〇六年産サトウキビ最低生産者価格を現行のトン当たり二万百三十円、農家手取り額を二万四百七十円で維持するよう国へ要請していくことを確認した。要請行動は今月二十日から二回にわたって実施していく計画。県内から総勢七十五人が上京し関係省庁へ要請を行う。きょう十六日にはJAおきなわ南風原支店で県代表者大会を開催し、所得安定による安心した生産確保を目指してJA関係者や生産農家たちが結束を固める。
 宮古地区説明会には県さとうきび対策本部、県農業協同組合中央会のほか、宮古地区のJA関係者、生産農家らが出席。サトウキビを取り巻く状況や国の考えについて説明され、要請文の内容を確認した。
 要請は〇八年産サトウキビ価格の決定を十月七日と見込んでスケジュールを作成。今月二十日からスタートする第一次要請には構成団代表やJA、生産農家らで要請団を結成し農林水産省や財務省、内閣府へ要請を行う。第二次要請は十月四日から価格決定を見込んでいる十月七日にかけて行う計画で、県内からは県市長会や町村会、JAおきなわ青壮年部・女性部なども参加し、北海道や鹿児島県の要請団とともに関係省庁へ価格の現行維持を要請していく。
 要請では「新たな甘味資源作物政策への移行について」「〇六年産さとうきび価格・関連対策について」を柱に、▽現行通りの農家手取り額維持▽生産振興施策予算の拡充・強化▽サトウキビ・糖業安定生産促進緊急対策事業に代わる新たな事業の創設▽糖業振興臨時助成金、含みつ糖振興対策事業費の継続確保―を求める。

 写真説明・サトウキビの最低生産者価格、農家手取り額の現行維持のため要請内容を確認した説明会=15日、JAおきなわ宮古地区事業本部

top.gif (811 バイト)

城辺町議会58年の歴史に幕/合併で最後、9月定例会閉会

3-1.jpg (23488 バイト) 城辺町議会(伊志嶺幹夫議長)九月定例会は十五日、最終本会議を開き地下ダム資料館の設置および管理に関する条例案など三議案を全会一致で可決、二〇〇四年度一般会計歳入歳出決算認定についても承認した。全日程終了後は全員で一本締めを行い、町政施行以来五十八年間続いてきた城辺町議会の幕を閉じた。
 城辺の地で第一回議会議員選挙が施行されたのは城辺村時代の一九〇八年で、当時十六人の議員が誕生した。その後、二〇〇二年九月に実施された町議会議員選挙まで数えると延べ五百人の議会議員が誕生している。
 十五日の本会議終了後にあいさつした伊志嶺議長は「これまで歴代の議員の皆さんが基本精神の下、議場で当局と活発な論戦を展開し城辺町発展に大きく寄与してきた。町当局も議員の厳しいチェックにより襟を正し業務にまい進できたと思う」と振り返った。その上で「今回は市町村合併という大事業により町議会は消えるが、私たちは宮古の歴史を変える合併の場に立ち会えたことを誇りに思う」と述べ胸を張った。
 続いて仲間克町長が「城辺町議会の幕引きは寂しいが、宮古の発展、そして城辺地域の発展のためという認識の下、これからも互いに頑張っていこう」と話した。
 最後は照屋秀雄副議長の音頭で一本締めを行い、全議員がこれまでの議会生活を振り返りながら両手を力強く合わせ、城辺町議会としての幕を閉じた。
 この日の本会議では三議案、認定六件、陳情二件、決議、意見書それぞれ一件を審議し、すべてを可決、承認した。
 地下ダム資料館の管理に関する条例も可決されたため、町当局は今月中にも供用を開始する。観覧料は一般が一人三百円、団体になると一人二百五十円という設定。学生(高校、大学生)は個人が二百円で団体が百五十円、児童生徒は個人が百円、団体が五十円となる見込みだ。
 また、市町村合併推進体制整備補助金の交付を求める意見書および決議案も承認した。

 写真説明・一本締めで城辺町議会の幕を閉じた=15日、城辺町議会議場

top.gif (811 バイト)

生き生き高齢者に柴田さん/内閣府「エイジレス・ライフ」受賞

4-1.jpg (26584 バイト) 【那覇支局】平良市に住む柴田邦子さん(65)が内閣府の「エイジレス・ライフ実践者」に決定され十五日、喜友名朝春福祉保健部長から、書状と記念の盾が伝達された。自由に生き生きとした生活を送る高齢者を選定し全国に紹介する取り組み。県内からの受賞は一九九三年度に次いで二人目となる。
 柴田さんは鍼灸師の資格を生かし、毎年地元で行われる全日本トライアスロン宮古島大会のボランティアマッサージ班二百五十人の指導にあたるほか、「手話奉仕員の会」会長として聴覚障害者に対する支援活動や、「宮古島サンゴ礁ガイドの仲間たち」事務局員として海浜保全活動を積極的に行っている。今回、こうしたライフスタイルが、高齢者の生き方の良い事例と認められ、全国に紹介されることになった。
 喜友名部長は「長年培った経験と技能を生かされ、豊かに過ごしている様子は、私たち県民とって励みになる。これからも地域とかかわりながら、楽しく充実した生活を送っていただきたい」と祝福した。
 柴田さんは「八十代、九十代の先輩受賞者が多くいる中で、私のような若輩が受賞させていただいた。夢のようで、逆に考えるとこれからも地域、自分自身のために頑張れよ、という応援と受け止め受けさせていただくことにした」と、喜びを語った。

 写真説明・記念の盾を手にする柴田さん(右)と喜友名福祉保健部長=15日、県庁

top.gif (811 バイト)

来年高卒予定者就職希望者が増加/前年7月末比9.7%増

 ハローワーク宮古雇用対策推進協議会(会長・中尾英筰沖縄宮古商工会議所会頭)が十五日午後、平良市内のホテルで開かれた。会員多数が出席。今年七月末現在、宮古管内で来年高校卒業予定者七百二十二人のうち、就職希望者が百五十八人(男子九十三人、女子六十五人)で、前年同月比では九・七%増、人数にして十四人増えていることが報告された。
 冒頭、中尾会長(代読)は「二○○四年度の宮古管内の求職者一人当たりの求人を示す有効求人倍率は○・二八倍で、厳しい雇用状況だった。今日の集まりで意見交換することで共通認識ができ、雇用対策を考えることができる」などと述べた。
 来年高校卒業予定者で、県内外の就職希望者数の内訳は、県内が六十二人(男子三十一人、女子三十一人)、県外が九十六人(男子六十二人、女子三十四人)。県内の内訳は、沖縄本島の四十三人が最も多く、次いで宮古が十七人。沖縄本島・宮古どちらでも良いは二人。
 この日は二○○四年度事業報告、○五年度事業計画が承認されたほか、最近の雇用失業情勢について報告があった。


top.gif (811 バイト)

   アカハラダカが秋の渡りで飛来/伊良部町

6-1.jpg (34609 バイト) 野鳥が北国から南方へ移動する「秋の渡り」の季節に入り、アカハラダカの幼鳥一羽が十五日午前、伊良部町内の松の枝で休んでいるのが確認された。これからアカハラダカの渡りはピークを迎える。
 タカ科に属する小型のタカで体長三○a。日本では旅鳥。成鳥アカハラダカの胸が赤っぽいことから名前の由来になった。幼鳥の体下面は白く、のどから腹までに褐色の縦斑があり、脇腹に褐色の横斑があるのが特徴。
 中国北東部や朝鮮半島などで繁殖し、中国南東部、東南アジアで越冬する。

 写真説明・北国から飛来したアカハラダカの幼鳥=15日、伊良部町(撮影・伊良波彌記者)

top.gif (811 バイト)