2004年(平成1 6年) 1月 26日 月曜日
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南静園で入所者にお気遣い・
天皇皇后両陛下宮古視察
「んみゃいふぃさまい、たんでぃがぁーたんでぃ(お越しいただいて誠にありがとうございます)」―。天皇、皇后両陛下が宮古島視察をされた25日、各地の沿道では多くの人たちが詰め掛け「日の丸」の手旗を振って両陛下の初来島を喜び、島はこの日一日歓迎ムード一色となった。両陛下はティダファームたらま、国立療養所宮古南静園などを視察。南静園では納骨堂で白い菊の花束を献花し、亡くなった方々のめい福を祈った。また、不自由者棟では25人の入所者に対して体調を気遣う言葉を掛けられた。宮古島視察を終えた両陛下はこの日夕方、次の視察地である石垣に向け出発された。
冷たい北風が島全体を包んだこの日も両陛下を一目見ようと沿道にはたくさんの人たちが詰め掛けた。平良市内のサンエーショッピングタウン宮古前から北給油所までの沿道では、たくさんの人たちが詰め掛けて歓迎。この熱烈な歓迎ぶりに両陛下も笑顔で手を振り応えていた。 写真説明=国立療養所宮古南静園では不自由者棟の入所者25人に対して両陛下から体調などを気遣う言葉が掛けられた=25日、国立療養所宮古南静園 |
☆ 住民投票、反対が圧倒的/伊良部町、合併に赤信号
宮古では初めて執行された伊良部町の合併の意思を問う住民投票は25日、投票が行われ、有権者の過半数以上が投票し「投票」は成立した。即日開票の結果、「合併しない」に1773票が投じられ、「合併する」の757票に1016票の大差をつけた。県内では反対多数が占めた伊江村に次いで2例目。有効投票数は2530票で投票率は50・95%。無効投票数60十票。
写真説明・有権者の過半数の投票で開票は成立し、即日開票が行われた=25日、伊良部町の女性若者等活動促進施設 「法定協から離脱」/浜川伊良部町長が会見 写真説明・記者会見した浜川町長(左)と友利議長=25日、伊良部町役場 架橋予算への影響大? |
☆ 両陛下、地下ダム利用農業に理解/ティダファームたらま視察
天皇、皇后両陛下は25日午前、城辺町の「ティダファームたらま」(多良間伸也代表)を訪れ、ハウス内で栽培されているゴーヤー(にがうり)やピーマンなどの成育状況や選別作業などを視察された。地下ダムの仕組みも熱心に質問、水を利用した農業に理解を深めた。案内した同社の多良間代表は「ゴーヤー料理に興味を持ってご質問されていました」と大役を果たしてほっとした様子。お迎え、お見送りをした仲間克城辺町長は「『地下ダムが建設されて、若い人たちが農業に関心を持っておられるようですね』と話していたのがとても印象に残っている」と話した。 天皇、皇后両陛下は、午前10時過ぎ、同社の農場を訪れた。入り口前には、多良間代表や仲間町長、同町議会議員らが出迎えた。 最初に仲間町長が、国営宮古土地改良事業計画を説明。地下ダムの仕組みが一目で分かる立体的な模型を使って、地下水を利用した宮古の農業を紹介した。 天皇陛下に「地下ダムは、どういう人が設計なさったのですか?」と聞かれ、仲間町長は「農水省の優秀な職員が設計しました」と答えていた。 この後、野菜の選別作業を視察した両陛下は、取れたての青々としたゴーヤーに関心を示された様子。ゴーヤーを手に取って「ゴーヤーチャンプルーにして食べるんですか?」との質問に職員が「はい。最近はお茶にも利用されています」と答えるとびっくりしていた。 両陛下は、トマトやゴーヤーが栽培されているハウス内にも足を運んで、成育状況なども熱心に視察。農場を出発する際には、案内した多良間代表に「体に気を付けて、これからも頑張ってください」と言葉を掛けた。 視察後、多良間代表は「天皇陛下は九州地方の30─40センチサイズのゴーヤーを見慣れているようで『ゴーヤーのサイズはもう少し長めではないですか?』とご質問されていたので『沖縄ではこのサイズが一般的です』と答えました。農場を視察していただいて大変光栄です」と笑顔を見せていた。 仲間町長は「遠い宮古島まで来てくださったことに大変感謝している」、伊志嶺幹夫同町議会議長は「皇后陛下から『立派な施設ができて良かったですね』とお声を掛けられた。台風のことを気遣ってのお言葉だと思う」と語った。 写真説明・多良間伸也代表の説明に耳を傾けられる天皇皇后両陛下=25日、ティダファームたらま |
☆ 「きょうは最高の一日」/
入所者ら両陛下の心遣いに喜び
宮古南静園入所者自治会(宮里光雄会長)は両陛下のお発ち後、自治会事務所で記者会見を開き、6人が陛下との触れ合いの様子や感想を語った。 写真説明・不自由棟の入所者一人一人に腰をかがめてお言葉をかけられる皇后陛下=25日、国立療養所南静園 |
☆ 両陛下の通過に歓声/沿道を埋め尽くす住民
島内各地の沿道では天皇、皇后両陛下を歓迎しようと多くの住民が足を運んだ。このうち市内のサンエーショッピングタウン宮古前には午後1時ごろから付近の住民約1000人が集まり、日の丸の手旗を手に、両陛下の車列を今か今かと待ち続けた。 車窓から両陛下のお顔が見えると、「ウワァー」と歓声が上がった。中には「天皇陛下」「皇后陛下」などと声を掛けながら、日の丸の手旗を両手で振る姿も見られた。 家族で沿道に訪れた与那覇久乃さん(35)は「皇后陛下が間近で見えた。すごくきれいだった。テレビで見るよりも優しいイメージがさらに強くなった」と声を弾ませていた。 また、前泊弘己さん(38)は「両陛下を一目見ることができ満足している。皇后陛下がとてもきれいだった」と話していた。 |
☆本畑植え付け始まる/葉タバコ
宮古地区2004年産葉タバコ苗の本畑植え付けが各地で始まっている。6市町村全体では6万4760アールの植え付け面積となっており、前年に比べ約1000アール増えている。 上野村の砂川克敏さんと父親の芳一さんは、25日から本畑への植え付けを開始。下地町上地にあるマルチビニールを張った畑へ苗を丁寧に植え付けた。今年は四ヘクタールの畑に植える計画だという。 克敏さんは「種をまき苗を育てていた時期の天気が良かったので、苗の育ちが早かった。例年より大きく育った感じ」と話し、「去年は大豊作だったので今年もまた期待したい。これからは適度な雨が降れば順調に育つ」と話した。 宮古地区の04年産葉タバコ生産農家戸数と植え付け面積の内訳は、▽平良市29戸、9460アール▽城辺町51戸、2万3070アール▽下地町40戸、1万4420アール▽上野村34戸、1万1980アール▽伊良部町15戸、3570アール▽多良間村11戸、2260アール―となっている。 写真説明・各地で葉タバコ苗の本畑植え付けが始まった |