200平成1 6  1 24 曜日

国立劇場で組踊鑑賞/天皇皇后両陛下ご来県・

きょう夕には初の宮古訪問

1-1.tif (251702 バイト) 【那覇支局】天皇、皇后両陛下は23日午後、「国立劇場おきなわ」開場記念公演鑑賞と地方事情視察のため、羽田発の特別機で沖縄入りされた。両陛下の来県は95年8月の戦後50年「慰霊の旅」以来、9年ぶり3度目。皇太子時代からは通算8度目になる。今回は26日まで3泊4日の日程で、初めて宮古島、石垣島も訪問される。

 両陛下は同日午後零時55分、那覇空港に到着。稲嶺恵一知事や伊良皆高吉県議会議長、成田一郎沖縄総合事務局長らの出迎えを受けられた。その後、糸満市の平和祈念公園内の平和祈念堂を訪れ、国立沖縄戦没者墓苑に献花。夜は、浦添市勢理客に完成した国立劇場おきなわの開場記念公演で、組踊「執心鐘入」を鑑賞された。
 沿道などでは市町村団体や住民、観光客らが横断幕や日の丸の小旗で歓迎した。家族と一緒に並んでいた女性は「天皇、皇后両陛下を見ることができた。美智子さま(皇后)がきれいだった」と興奮気味に話していた。
1-2.tif (239396 バイト) 沖縄戦没者墓苑では天皇、皇后が戦没者の遺族に「ご苦労されましたね。これからもお元気で」などと言葉を掛けられた。遺族の1人、平安座トシさん(82、宜野湾市)は「両陛下から言葉を掛けられて感激している」と笑みを浮かべた。
 両陛下はきょう24日、県庁と浦添市の社会就労センターわかたけを訪問の後、午後4時すぎに宮古入り。25日には城辺町友利のティダファームたらまと国立療養所宮古南静園を訪問され、途中、上野村役場と下地町役場にも寄られる。
 翌25日は石垣島に渡り26日、県水産試験場八重山支場と川平湾を視察される。
 両陛下の来県に伴い警察は4500人の体制で厳重警備に当たっている。

・「宮古訪問楽しみ」/初日終え両陛下がお言葉
 【那覇支局】行幸啓初日を終えた天皇・皇后両陛下は行幸啓の初日を終え、「長年待ち望んだ国立劇場おきなわが開場したことを、大変うれしく思います。27年前に、組踊を見たことを懐かしく思いました。この劇場が、沖縄の伝統芸能の継承の場として、人々の励みとなり楽しみともなっていくことを願います。今回、初めて宮古、八重山を訪れることを楽しみにしております」と述べられた。23日夜、稲嶺恵一知事らが那覇市内のホテルで記者会見し、両陛下のお言葉を発表した。
 行幸啓初日のお供を終えた稲嶺知事は「戦没者墓苑で、戦没者の遺族の皆さんに心から接するお姿を拝見し、感銘を深くした。沖縄の文化にも造詣が深く、組踊鑑賞の際に、皇后さまに説明されるお姿が印象的だった」と感想。宮古、八重山の訪問については「地域の農水産業を知り、地域の皆さんと触れ合っていただくことで、一層沖縄へのご理解を深められることと思う」と話していた。

 写真説明(上)・会場に入り笑顔で言葉を交わす天皇、皇后両陛下(23日午後7時44分、浦添市の国立劇場おきなわで)=代表撮影
 写真説明(下)・国立沖縄戦没者墓苑で遺族1人ひとりに声を掛ける天皇、皇后両陛下=23日午後、糸満市摩文仁

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宮古空港など厳重警戒/天皇皇后両陛下、きょうご来島

2-1.jpg (22501 バイト) 23日に来県された天皇、皇后両陛下は、きょう午後4時すぎに宮古入りされる。ご来島を目前に控え、宮古空港や両陛下が訪問される各施設、その近辺では多くの警察官らが警戒を強めている。随所で巡回が行われ、島全体の緊張ムードが高まってきた。お迎えするティダファームたらまや国立療養所宮古南静園などでは、職員らが花を沿道に並べたり清掃を行ったりと最後の総仕上げに精を出している。

 宮古空港では、24時間態勢で警察官が巡回を強化。駐車場、発着・到着ロビー、みやげ店周辺など空港ターミナルや空港周辺にわたり警戒。また警察犬による点検も行われ、公衆電話ボックスやポストなど入念にチェックしていた。天皇、皇后両陛下の車列の順路となっている市内のまてぃだ通りでは、数人の警察官が植え込みの中や道沿いにある建物などを細かく確認していた。
 空港の女性職員は「物々しい雰囲気で、空港全体が緊張感に包まれている。サミットの時に比べ厳重な体制になっている気がする」と話していた。JTA宮古支社の小浜勝弘支社長は「時間通りに進めることと安全にお迎えすることが我々の使命。訓練は数回行った。あとは本番を待つのみ。適度な緊張感と平常心で、最高の敬意を持ってお迎えしたい」と気を引き締めた。
 両陛下が25日に訪問される下地町役場の川満省三町長は「しっかり迎えなければならない。きれいな下地町でお迎えしたい」と話し、ティダファームたらまで地下ダムのしくみを説明する城辺町の仲間克町長は「町を挙げて両陛下を歓迎したい。国営の地下ダムの水を利用した農業を紹介したい」とそれぞれ緊張の面持ちだった。

 写真説明・警察犬による入念なチェックも行われた=23日、宮古空港

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「再生委」立ち上げへ/商工会議所・貯蓄共済制度の再建が柱

 沖縄宮古商工会議所(中尾英筰会頭)は、今後の運営の健全化と円滑な事業計画を本格的に進めるため、歴代正・副会頭などで構成する「商工会議所再生委員会(仮称)」を立ち上げる。元専務理事による預かり金の私的流用で資金不足が表面化、存続の危機に直面した商工貯蓄共済制度の再建が柱だが、体制の強化や職員の資質向上にもつなげていく考え。29日に委員らへ委嘱状が交付される。

 同会議所は、前会頭の野津武彦氏ら三役の総辞職に伴い、元会頭の中尾氏を会頭とする新執行部体制がスタートしている。
 今回の再生委員会は、2003年度決算期(3月末)を迎えることや、来年度の予算編成に当たり、商工貯蓄共済制度の補てんや元専務理事の告訴に伴う弁護士費用、顧問税理士費用など財政上多くの課題を抱えていることから、早期に問題解決を図ろうと設置する。
 特に会員事業者が経営安定のために利用している商工共済事業は、その積立金の一部を元専務理事が私的に使い込み、そのほかにも同会議所本体の一般会計に流用していたことが判明。その後の調査では積立金に約1億円の欠損があることが分かっており、財政上大きな問題となっている。
 元専務理事が同会議所あてに提出した「釈明書」の中では、「(専務理事就任後)6月末決算は終わっていたが3225万円が帳簿にも決算処理にも記載されておらず、それを当時の会頭に相談して共済積立金から一時的に立て替えた」などと主張。このため同会議所では、元専務理事の就任当時(1988年)にさかのぼって問題を探る必要があるとして、当時の会頭や副会頭を委員として構成することが解決の糸口につながるとしている。
 同会議所の赤嶺一成専務理事は「論議を尽くして会員が安心できるような会議所づくりがスタートできれば」と話している。

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島尻政明さんが初代王者/極真空手の世界選手権

4-1.jpg (42356 バイト) 【那覇支局】第1回極真連合杯世界空手道選手権大会(主催・国際空手道連盟極真会館、全日本極真連合会)は18日、静岡県静岡市で行われ、島尻政明選手(23)=平良市出身=が国内外の強豪を次々と撃破し、優勝を飾った。4年に一度行われる大会で、初代王者に輝く快挙を成し遂げた島尻選手は「とにかく負けたくなかったので、優勝できたのはうれしい」と笑顔を見せた。
 同大会には空手の母国である日本をはじめ、ロシアやオーストラリアなど世界14カ国から73人の強豪選手が集い、体重に制限のない無差別級のトーナメント制で行われた。
 シードの島尻選手は2回戦から登場、順当に勝ち進んだ。ベスト8には、日本選手5人(うち沖縄勢3人)、ロシア選手3人が進出。島尻選手は「ロシア勢は技ありや1本勝ちなど、派手な勝ち方で上がってきていたので、攻撃の受け方を考えながら試合に臨んだ」。
 準々決勝からはすべてロシア勢との対戦で、手足の長い相手に手を焼いた。決勝のアンゾル・シハバホフ選手との対戦は再々延長にまで及んだが、最後まで集中を切らさず攻め続け、勝利を勝ち取った。島尻選手は「ほど良く興奮していて、試合のことは余り覚えていない。(優勝の瞬間は)判定でセコンドが騒いだので、勝ったと分かった」と振り返った。
 七戸康博師範は「(決勝の)ラスト10秒で死力を振り絞れた。けいこの成果は十分出た。成長のうかがえる大会だった」とたたえた。その上で「次は4年後。まだ若いので、今後も精進して、もう一山つくってほしい」と期待を込めた。
 島尻選手は「ほっとしている。(21日に)トロフィーが届いて、やっと本当に優勝したんだという実感がわいてきた」と安どした。次の目標は、昨年3位に終わった6月の全日本ウエイト制選手権。「一息ついて、また頑張りたい」と決意を新たにしていた。

 写真説明・トロフィーを手に優勝の喜びをかみしめる島尻選手=22日、那覇市泉崎の極真空手沖縄支部道場

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住民投票、2月1日に決定/多良間村

 【多良間】多良間村(兼濱朝徳村長)は、市町村合併の是非を問う住民投票を27日告示、2月1日投開票する。21日に行われた協議で最終決定した。
 投票会場は多良間小学校体育館で、時間は午前8時から午後5時まで。開票は同日午後6時から行う。投票率が50%に満たない場合は、開票しない。期日前投票は告示された27日から31日までで、会場は同村選挙管理委員会。時間は午前9時から午後3時まで。
 投票資格者は20歳以上の有権者で、同村の有権者数は22日現在で1003人(男性526人、女性477人)となっている。
 同村では昨年6月に2度実施した住民アンケートで、1回目は反対56・4%、賛成38・5%、2回目も反対58・1%、賛成41・7%との結果が出ている。村議会議員の中では賛成が5人、反対が4人と意見がきっ抗。6市町村首長の中でも唯一態度を保留したままの兼濱村長は、今回の住民投票での結果を全面的に尊重する姿勢を見せている。

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ハチジョウツグミが飛来

6-1.tif (221028 バイト) 宮古では迷鳥のハチジョウツグミ(ヒタキ科)がこのほど、平良市久松地区で確認された。胸が赤褐色に見えるのがトレードマーク。
 背中は灰黒褐色で、尾はほとんどが赤褐色。胸から脇にかけて淡い赤褐色の斑点が並んでいるのが特徴。全長23センチ。
 昨年12月には伊良部町や城辺町などでも観察されており、例年に比べて今冬は飛来個体が多い。
 北から飛来したハチジョウツグミは、東南アジアなどに渡り越冬する。

 写真説明・東南アジアなどへ向かう途中、宮古で翼を休めていたハチジョウツグミ=平良市久松地区(伊良波彌記者撮影)

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