200平成1 6  1 23 曜日

4年連続で前年比減/2004年度県予算・

3・1%減の6011億円を1次内示

 【那覇支局】県総務部は22日、2004年度当初予算案を各部局に1次内示した。国の「改革断行予算」という歳出抑制の中で、県税収入の大幅な伸びが期待できない厳しい県財政にあり、一般会計総額は前年度当初予算比3・1減の6011億3339万1000円となった。1次内示段階では4年連続のマイナス。、主な事業で宮古地区における中波ラジオ放送受信障害解消事業、伊良部架橋関連を含む公共地方道地域連携橋りょう事業費なども盛り込まれた。最終内示は2月2日の予定。

 国の三位一体改革により国庫補助金は削減され、地方交付税は抑制された。地方交付税は前年度比で約109億円(5・8%)減の約1763億円、国庫支出金は同比で約62億円(3・3%)減の約1828億円となった。その中で歳入確保として県税の約28億円増額などや歳出抑制に努め、財政調整費や減債基金、県有施設整備費、退職手当など不足分については基金を166億円取り崩して充てた。
 県は、04年度は自立型経済構築の取り組みを一層強化し、沖縄振興計画を着実に推進していく上で重要な年とし、廃棄物対策などの新たな政策や、文化の振興、観光・リゾート産業の振興、情報通信産業の集積、産業の振興と雇用の創出、農林水産業の振興などの積極的推進を重視する。
 主な事業は新規ではDV(ドメスティック・バイオレンス=家庭内暴力)対策事業(約1300万円)、産業廃棄物のリサイクル技術の実証のための島しょ型ゼロエミッション推進実証事業(約2億7500万円)、園芸作物ブランド産地育成事業(約5400万円)、ベンチャー企業研究開発支援事業(約3億500万円)、IT新事業創出体制強化事業(約3億円)、海外観光客の誘客のため中国・上海事務所を設置する沖縄観光コンベンションビューロー補助事業費(約3400万円)など。継続事業では市町村合併支援事業(約4億7600万円)、産業廃棄物の適正な処理体制を確保するための産業廃棄物適正処理推進費(約2100万円)、児童手当を9歳まで引き上げる児童手当費(約15億8700万円)、緊急地域雇用創出特別事業(約21億9600万円)などが盛り込まれた。宮古地区の中波ラジオ放送受信障害解消事業には約1億5500万円、伊良部架橋関連を含む県道整備の公共地方道地域連携橋りょう事業費には約52億3700万円を計上した。県営宮古公園については都市計画策定の中で措置されているという。

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10億円の財源不足/平良市予算編成・歳入歳出のバランス取れず

 平良市(伊志嶺亮市長)は来年度予算の編成作業に入っているが、国の地方財政計画で示された地方交付税の減額方針などで、厳しい予算編成を強いられている。市では、来年度予算を前年度比約5億円減の160億円と試算しているが、歳出の義務的経費の伸びや、歳入の自主財源と依存財源の落ち込みなどで歳入歳出のバランスが取れず、約10億円分(6%)の財源が不足している状況。来年度は、これまで以上の歳出抑制や単独事業のカットなどの思い切った財政改革が求められている。市総務部財政課では、来年度予算編成に向けて各部署に「前年度実績に対し5%以上のカットを指示した」という。市の来年度予算の1次内示は2月初旬に発表される。
 同課によると、来年度予算の歳入は、自主財源の柱である市税が長引く景気の低迷で1%の落ち込みを見込んだほか、分担金や負担金も前年度費7%とそれぞれ減額とした。
 さらに、依存財源の地方交付税は前年度比6・5%減、歳出を抑制するため国庫支出金や県支出金も合わせて26%と大幅減となった。
 交付税の落ち込みを補てんする財源措置である臨時財政対策債も前年度比29%落ち込んでいる。
 一方、歳出を見ると、人件費が前年度比4%、生活保護費や児童扶養手当などの扶助費が同比10%、起債の償還に充てる公債費が同比17%とそれぞれ伸びたことなどから、経常的経費は全体で同比7・8%増え、社会的弱者に対する救援措置や借金返済が重くのし掛かる構図となっている。
 道路事業や学校施設事業など社会資本の整備に充てる投資的経費も全体で前年度比20%(約10億円)の減額。単独事業がほとんど組めない状況で、補助事業は継続事業を減額し、新規事業はゼロとした。
 市では、赤字決算が続いている現状を回避しようと1997年に「財政健全化計画」を立ち上げ、財政の健全化を図ってきたが、「国の行財政改革が市の改革より進みすぎて追いつかない状況」(市財政課)。
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旧正月、大漁旗なびく/漁村では盛大に祝う

3-1.tif (327474 バイト) 旧正月に当たる22日、漁村の伊良部町佐良浜地区や平良市池間島、久松地区などでは、漁船に色鮮やかな大漁旗を掲げ、旧年中、無事に過ごせたことに感謝し、向こう1年間の航海安全、豊漁を祈り、新年の到来を盛大に祝った。
 各地区の本家には分家の親族らが次々と訪れ、先祖の神に海の幸のごちそうや果物、神酒などを
供え、手を合わせて無病息災、子孫繁栄を祈った。
 旧暦の行事が暮らしの中に根付く同佐良浜地区では、早朝から漁船に乗り込み、船首や船尾に大漁旗を高々と掲げた。漁港に係留中の漁船数10隻
には大漁旗が北風でなびき、華やかな光景。島外から里帰りした家族や親類らは、大漁旗に向け盛んにカメラのシャッターを切っていた。各家庭では再会した友人や親せきらが談笑。一族の活躍や繁栄の喜びを分かち合った。

 写真説明・色鮮やかな大漁旗を掲げて旧正月を祝った=22日、伊良部町佐良浜漁港

・ツカサンマ、晴れの門出を祝福/伊良部町佐良浜
3-2.tif (174644 バイト) 旧正月の元旦に当たる22日、伊良部町佐良浜地区では、新しく選ばれた神女役のツカサンマ(司母)6人の仕事がスタートし、先輩のツカサンマたちが晴れの門出を盛大に祝福。
 この日の早朝から新旧のツカサンマ計12人は、それぞれの自宅を回って宴を開いた。新旧ツカサンマとも6人ずつで、先輩のツカサンマを姉ツカサ、新ツカサを妹ツカサを呼ぶ。新旧の引き継ぎ儀式は大みそかの21日夜、大主神社(別名ナナムイ)の神殿で行われた。任期は3年。
 新ツカサのフゥンマ(最高位の母)に選ばれた名城正子さん宅では、神歌や4つ竹に合わせて1人ひとりが踊った。
姉ツカサたちは、妹ツカサが踊り出すと、「ブドゥイヤ、ジャウズド(踊りは上手だよ)」とほめたたえた。
今後、新ツカサたちは先輩ツカサたちから手ほどきを受けながら神事をこなしていく。

 写真説明・ 新旧のツカサンマ1人ひとりが踊って交流を深めた=22日、伊良部町佐良浜の名城正子さん宅

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児童らの『動員』撤回/下地町・自主的歓迎に切り替え

 下地町教育委員会(幸地昇良教育長)が町内の3小・中学校に天皇、皇后両陛下を歓迎するため児童・生徒の参加を依頼していたことについて3校は22日、「日曜日を出校扱いにし、翌日を振り替え休日」とするこれまでの方針を変更。歓迎は「自由参加」にして振替休日も行わないことを決定した。小学生は父母同伴での自主参加を呼び掛ける。
 両陛下は25日に下地町役場にご来庁されることから、同町教育委員会は3校に「地域行事」として庁舎周辺で日の丸の手旗を振りながらの「お出迎え」と「お見送り」を依頼。学校側は父母らに文書で児童・生徒の参加を知らせていた。
 これに対し県教職員組合宮古支部(砂川栄作執行委員長)は21日、「強制動員」に当たるとして撤回を要請していた。
 この要請に、同町教育委員会と3校の校長は22日午前に対応を協議。午前中には結論が出なかったため、学校側が持ち帰り職員会議の結果を踏まえて同日午後、再度協議した結果、「疑問を持っている人がいるような状況では、子どもたちが現場で混乱することも予測される」として児童・生徒の参加は自由にするとした。
 幸地教育長は「学校側に依頼した文書は協力の依頼であり、動員を強制するものではなかった」と説明した。

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両陛下に再会、関係者の計らいに感謝/

宮古馬を献上した島尻さんの長男

5-1.jpg (24816 バイト) 【那覇支局】天皇陛下の幼少期の乗用馬、「右流間(うるま)号」を献上した故島尻寛栄さん=城辺町加治道出身=の長男、寛俊さん(68)=浦添市在住=が天皇、皇后両陛下との再会を果たす。1975年、沖縄国際海洋博覧会を機に来沖した折、当時の皇太子ご夫妻に直にお言葉を掛けられた島尻さん親子。寛俊さんは24日、浦添市役所で父の遺影とともに両陛下をお迎えする。寛俊さんは「またお目にかかれるということで、本当に驚いている。努力してくださった県や浦添市の皆さんに感謝したい」と話した。
 皇太子時代の陛下は、海洋博をご覧になるため来県。「一目だけでいいからお会いしたい」という父の願いは、県や宮内庁、関係者らの計らいでかなえられた。

5-2.tif (65060 バイト) 安謝新港で、父と共に両陛下を出迎えた寛俊さんは、直接声を掛けられた。寛俊さんに「(寛栄さんの)お子さんですか。(白馬のことを)覚えていますか」と皇太子殿下。寛俊さんは「ちょうど私が生まれたときです」。妃殿下は「体に気をつけてください」とお言葉。「よかった。心残りはない」と声を詰まらせて感激する父の姿を、寛俊さんは今も鮮明に覚えている。
5-3.tif (51104 バイト) 昨年八月、父の名を残したいと、「右流間号」の歌をつくり、歌手の国吉源治さんがCDにした。その話が宮内庁にまで伝わり、寛俊さんは無理だとは思いながら再会を願い出た。12月、県と、出迎えの場となる浦添市が「なんとかしたい」と宮内庁に働き掛け、市役所の中で両陛下をお迎えできることになった。
 もし、両陛下と言葉を交わすことができれば「父の名を残すためCDを作った。『親孝行ができた』と伝えたい」と寛俊さん。再会を待ちきれないでいる。

 写真説明(上)・白馬に乗る幼少期の陛下の写真、父と共に両陛下にお会いした時の写真を前に、再会を待ち望む島尻寛俊さん=22日、浦添市城間の島尻さんの自宅
 写真説明(中)・沖縄海洋博覧会の際に来沖された両陛下と喜びの対面をする「右流間号」を育てた島尻寛栄さん(右から2人目)
 写真説明(下)・白馬の宮古馬「右流間号」に乗馬される幼いころの天皇陛下

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平安君、松川さんが最優秀/城辺町中学英語ストコン

6-1.jpg (22412 バイト) 第14回城辺町中学校英語ストーリーテリングコンテスト(主催・同町教育委員会)が22日午後、同町農村環境改善センターで行われ、男女8人が出場し、日ごろの学習で培った英語力を競った。審査の結果、男子の部は福嶺中2年の平安遼太君、女子の部は同中2年の松川碧さんがそれぞれ最優秀賞に輝いた。コンテスト会場には町内の全中学生が集合。伊志嶺勲教育長は「皆さんが立派な国際人として成長することを期待している」と激励した。
 同コンテストは急激な社会変化に対応し、チャレンジ精神を持って主体的に生きる力を養うとともに、国際語である英語に対する興味・関心を高め、その運用能力を育成することが目的。この日のコンテストには男女とも各校から1人ずつが出場した。
 生徒たちは「ピーターパン」や「ジャックと豆の木」、「白雪姫」などの物語を英語で披露。中には身ぶり手ぶりを交えて語る生徒もおり、会場に詰め掛けた大勢の生徒や教諭らの関心を引きつけていた。
 審査の結果、最優秀賞に輝いた平安君と松川さんは「自信はなかったけどうれしい」とそれぞれに喜びを表現していた。
 閉会式で審査委員長を務めた宮古教育事務所の砂川勝昭指導主事は「素晴らしい発表だった」と評価しながらも課題点を挙げ、「良い発表をしながらストーリーを覚えていない。そのために訴える力、伝える力が不足している。物語を覚えることは第1の条件。努力してほしい」と出場生徒に呼び掛けていた。
 結果は次の通り。(敬称略)
 【男子の部】▽最優秀賞=平安遼太(福嶺中2年)▽優秀賞=松原薫(砂川中2年)、砂川隼樹(西城中2年)、下地寿弥(城辺中2年)
 【女子の部】▽最優秀賞=松川碧(福嶺中2年)▽優秀賞=与那覇智都(西城中1年)、仲間利依(城辺中2年)、西島優(砂川中2年)

 写真説明・最優秀賞に輝いた平安遼太君(右)と松川碧さん(左)=22日、城辺町農村環境改善センター

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