200平成1 6  1 22 曜日

宮古本島の製糖スタート/糖度13・8度好調な滑り出し

 宮古本島内製糖2工場(沖縄製糖宮古工場、宮古製糖城辺工場)の今期操業が21日から始まった。初日は沖糖に1425トン、宮糖に983トンのサトウキビが搬入され平均糖度は両工場ともに13・8度と基準糖度帯(13・1−14・3度)に入る好スタートを切った。一方、両工場合わせた生産量は干ばつ、台風の被害を受け平年比2万5000トン減の25万5000トンを見込んでいる。両工場の操業は3月下旬ごろまでを予定している。
 03−04年期産サトウキビは、2−5月と7−8月の干ばつによって成育を阻害された。9月にはこれに追い打ちをかけるように台風14号が襲来し、葉の裂傷や茎折損など甚大な被害を与えた。しかしその後は、適度な雨が降り、順調に回復した。
1-2.tif (217136 バイト) 沖糖では午前8時から、赤名宮で製糖操業開始式を開き、操業の安全を祈願した。
 席上、川満恵次社長は「今期のサトウキビは、台風14号の甚大な被害を受けたが、その後順調に回復した。サトウキビ特有の生命力を感じる。今後とも、宮古の糖業発展に協力をお願いする」とあいさつ。次いで安和朝忠宮古支庁長ら来賓があいさつし操業の好実績と安全を祈願した。
 この日、沖糖宮古工場に搬入されたサトウキビ(1425トン)の糖度の内訳は基準糖度帯内が39・2%、基準以上が38・0%、基準以下が22・8%となった。最高糖度は15・9度。トン当たり農家手取り額は2万331円と基準額を31円上回った。
 同工場管内の今期生産量は平年の13万トンより1万7000トン少ない11万3000トンを見込んでいる。
1-1.tif (183664 バイト) 宮古製糖城辺工場の製糖開始式は、午後1時から行われた。
 はじめに新里光男社長らがサトウキビの束をターンテーブルに投げ入れ、操業の安全を祈願した。
 新里社長は「台風14号で工場が大変な被害を受けたが、12月中には修復を終え準備は万端整っている。操業は63日ぐらいを予定しており、この間無事故、無災害に努めたい」とあいさつ。安和支庁長のあいさつに次いで、砂川佳一県議が「品質と収量のアップ」を願い、乾杯の音頭を取った。
 同工場に搬入されたサトウキビ(983トン)の糖度の内訳は基準糖度帯内が50・4%、基準以上が39・6%、基準以下が19・9%となった。最高糖度は15・8度。トン当たり農家手取り額は2万335円と基準価格を35円上回った。
 同工場管内の今期生産量は平年の10万1000トンより約8600トン少ない9万2400トンを見込んでいる。
 すでに操業を開始している宮古製糖伊良部工場と同多良間工場を合わせた宮古全体の生産は28万トン(平年比2万トン減)を見込んでいる。

 写真説明(上)・クレーンもフル稼働するなど工場は活気付いている=21日、沖縄製糖宮古工場
 写真説明(下)・新里社長(左から3人目)らがサトウキビの束を投げ入れ操業のスタートを祝った=21日、宮古製糖城辺工場

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期日前投票、初日31人/伊良部町・合併の意思問う住民投票

2-1.jpg (19717 バイト) 伊良部町の合併の意思を問う住民投票の期日前投票が21日、同町選挙管理委員会事務所で始まった。初日のこの日は31人(男性19人、女性12人)がそれぞれ1票を投じた。有権者の投票の出足は鈍く、同委員会では、さらに広報活動を強化していく方針。
 24日まで期日前投票を行い、25日に投開票される。
 投票は、「合併する」「合併しない」から二者択一し、合併に賛成の人は合併欄に○を付け、反対の人は合併しない欄に○を記入する。×印を付けた場合は、無効となる。また両方の欄に○を記入した場合も無効になる。
 有権者の投票が50%を超えた場合は「投票成立」で開票し、50%に達しない場合は「投票不成立」で開票しない。
 19日現在の有権者は、5087人。過半数は2544票以上となるが、最終有権者数は、25日に確定する。

 町民の関心低く不成立も
 伊良部町の合併の意思を問う住民投票は21日、期日前投票が同町選挙管理委員会事務所内に設けられた期日前投票所で始まった。しかし、有権者らは「合併するしないのメリットとデメリットが分からない」と戸惑い、投票への関心は薄い。 住民の間では、「投票率は30−40%となり、投票は不成立になるのでは」という声が上がり、町議会の中には「不成立になると町民の声が議会決議で尊重できない」と、不安と焦りを見せている。
 町は町民や議員からの強い要望で昨年、合併するしないについての住民説明会を開いていた。第1回の住民説明会は、6月25日から7月2日にかけて東地区、西地区、国仲区、佐良浜で開いたが、住民の参加は合計で約150人。ほとんどが役場職員だった。第2回の住民説明会は役場職員、土建業者、町民をそれぞれ対象に開いたが、参加者は合計で約250人。
 昨年12月、浜川健町長は、「町民は住民説明会に関心が薄い」と指摘し、役場職員1人ひとりによる町民への説明を促していた。佐良浜地区の50代の女性は「合併した場合メリットやデメリットがまったく分からない。分からないから、『合併する』『合併しない』のどちらに○を付けたらいいのか分からない」と話し、投票を棄権する考えを示した。
 伊良部地区の60代の男性は「これまでの選挙では、不在者投票をしたい有権者を、車を使って自宅と投票所間を送迎していた。今回の住民投票では送迎はしない」と語り「お年寄りは、タクシーを使ってまで不在者投票はしない」と言い切る。
 仲地地区の60代の男性は「昨年の衆議院選挙では、有権者に頭を下げて投票所まで連れていった。その時の投票率は57・59%。住民投票率は30−40%になるのでは」と、複雑な表情で話す。
 町議員の1人は「投票が成立してもしなくても、議会で合併するしないを決議しなければならない」と強調。その上で「投票が不成立の場合には開票されないので、『合併する』票が多いのか少ないのかも分からない。町民の意思が議会で反映できない」と困惑した様子で話した。

 写真説明・1票を投じる有権者=21日、伊良部町役場の期日前投票所

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「児童らに天皇歓迎強制しないで」/

沖教組(宮古支部)が下地町教委へ要請

 下地町教育委員会(幸地昇良教育長)が町内の小学校や中学校3校に対し、25日に天皇皇后両陛下が下地町役場をご訪問される際のお出迎えとお見送りに、児童・生徒の参加協力を行っていた件で、県教職員組合宮古支部(砂川栄作執行委員長)は「強制動員」に当たるとして21日、同町教育委員会に対し歓迎依頼の撤回を求める要請を行った。同委員会は「強制動員ではない」と主張。きょう午前中にも各校の校長と協議し、今後の対応を検討する方針。沖教組の砂川執行委員長は「ご来島に反対ではない。教育課程の中に活動する根拠がない」としている。

 要請文では「日曜日に天皇、皇后両陛下の歓迎のために児童・生徒や教職員がこのような形で強制的に動員することに対して強い疑問を抱いている」「児童・生徒や教職員の個人的な判断力も無視するような動員という形で強制することに対しては断固反対」と述べている。砂川執行委員長は「歓迎は心の問題。強制動員で行うものではなく個人で行うもの」と話した。
 要請を受けた幸地教育長は「委員会と校長会だけで決定したものではない」と説明し、平良哲則教育課長は「委員会として強引に行うつもりはない」と述べた。下地町教育委員会が各校へ依頼した「天皇・皇后両陛下ご来島に伴う児童・生徒の歓迎について」の文書は、14日付で出されている。
 同町企画課の川満好信課長の説明によると、県警から町側へ児童・生徒を参加させた歓迎の提案があり、町側は教育委員会と校長との定例会の中で検討を依頼したという。
 その後、教育委員会が各校へ文書を送った。 川満課長は「警察、町ともお互いに強制は全くない。温かく歓迎するという気持ちだけだった」と強調した。

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きょう旧正月/スーパーではカマボコなど売れる

4-1.tif (170634 バイト) きょう22日は旧暦1月1日の「旧正月」。漁村の伊良部町佐良浜地区や平良市池間島などで先祖神に海の幸のごちそうや神酒を供え、旧年中の大漁に感謝し、新年の豊漁、航海安全を祈る。
 旧正月を翌日に控えた21日、平良市内の大型スーパーでは、大勢の女性らが訪れ、豚の三枚肉や魚介類、宮古かまぼこ、果物などを買い求めていた。
60代の女性は「供え物を買いに来た。孫たちにも旧正月の素晴らしさを伝えていきたい」と話した。
 この日の夕暮れ、同佐良浜地区の漁師の中には、漁船に大漁旗を掲げる人もいた。
 ほとんどの漁師は、旧正月の早朝に大漁旗を揚げて船の神に豊漁を祈願する。また船上で仲間同士酒を酌み交わし、楽しいひとときを過ごす。

 写真説明・ 旧正月を翌日に控え、供え物のごちそうなどを買い求めていた客ら=21日、平良市内のマックスバリュ宮古西里店

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平良中体育館改築中止へ/平良市・別の体育館へ予算組み替え

 平良市(伊志嶺亮市長)は21日までに、今年度予算で予定していた平良中学校体育館改築工事の中止を固めた。昨年9月の市議会定例会で補正予算として承認を受け計上した同校体育館の改築工事費約3億7000万円は、宮島小学校と宮原小学校の両体育館改築に変更する。28日に予定されている同市議会臨時会に補正予算として上程する方針。
 予算の変更は、同校(渡真利信雄校長)と同校PTA(下地啓俊会長)からの強い要望を受け入れた形だが、年度途中で補正した予算の組み替えは、県などから計画性の面で指摘が予想される。
 同校体育館は、台風14号による被害と老朽化に伴って改築計画が進められていた。しかし、学級減のため床面積が今までより約200平方メートル縮小される。
 このため同校やPTAは▽現体育館の床面積規模での建設▽要請する条件が満たされない場合、改築時期を延期してほしい―などとして同市や同市議会、同市教育委員会などに要請していた。同校やPTA側は、今後の生徒数増を見込んで2006年度ごろまでの改築延期を求めているが、同市教育委員会では、「市町村合併などもあり補助金、財政などの面からも今後の建設自体は厳しくなる」と懸念している。

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幻の花 『リュウキュウベンケイ』咲く/伊良部町・佐良浜小

6-1.tif (209336 バイト) 伊良部町立佐良浜小学校(小禄恒栄校長、児童219人)で、幻の花と呼ばれるリュウキュウベンケイ(ベンケイソウ科)の色鮮やかな黄色い花が咲き誇っている。
 沖縄県版レッドデータブックでは絶滅危ぐ種。在来種で貴重な植物。
校内の鉢で愛情を込めて育てられたリュウキュウベンケイは、約40センチほどの背丈に成長し力強く根を張る。
子供たちは、思わず「きれいな花だな」の感嘆の声を上げ、じっと観賞していた。
 開花時期は、1月−3月いっぱい。宮古では近年、野生のリュウキュウベンケイは乱獲などが原因で確認されていない。
 県内では、宮古本島、多良間島、沖縄本島、伊江島に分布している。

 写真説明・色鮮やかな黄色い花を咲かせたリュウキュウベンケイ=16日、伊良部町立佐良浜小学校 (撮影・伊良波彌記者)

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