2006年 元旦特集

【 下地村長 新春インタビュー 】

◆ 行財政改革全力で推進/教育、福祉の行き届いた村へ
                                 多良間村長 下地昌明
 ―二〇〇五年を振り返って
 多良間村の農家にとって豊作の年となりホッとしている。畜産では、子牛競り値が過去最高を記録したと聞き、うれしく思っている。また、基幹産業のサトウキビも同様。二度の台風被害に遭ったが、雨が順調に続き青々と素晴らしく成長した。農家に言わせると、三十年ぶりの豊作という。正月前(十二月二六日)の操業開始が豊作と高品質を裏付けている。農産業、村民の対話を持って村政を推進でき、全体的にいい年だった。
 ー宮古圏域はこれまでの六市町村から、宮古島市誕生により一市一村になった。今後の連携は
 自治体数としては少なくなったが、むしろ、腹を割った話し合いができ、連携は強固になると思う。圏域の発展のためには競争ではなく、互いに手を取り合いながら相乗効果を生み出さなければならない。宮古島市とは連携の下で共存していけるものと確信している。
 ―農畜産業振興についてのビジョンは
 多良間村振興に農業振興は欠かせない。農業なくして島の経済は成り立たない。私たちの多良間島は九〇数パーセントは農畜産業に頼っている。まず、農地整備、それに伴う農用水の整備。現状は二百万d必要とする農用水のうちの五十万dしか確保できないため池しかないので、少なくてもあと十万d以上の確保に取り組みたい。目標であった農業関係生産十億円を今年度は達成可能ということで、農家と共に喜んでる。今後も安定的に毎年のサトウキビの生産を二万d以上、葉タバコ一億円以上、子牛、畜産五億円を目指している。そのほかの園芸作物でカボチャ、トウガン、最近はノニ(ヤエヤマアオキ)に取り組む農家も増えているので、新しい作物として行政も注目している
 ―観光振興について
 観光産業は多良間村の新しい産業として育成していかなければならない。雇用の拡大にもつながる。早急な取り組みが必要と考えている。滞在型観光を確立するためには、自然と調和した観光産業の育成が必要。水納島の豊かな自然を生かした観光メニューも視野に入れているが、自然を壊さないためにも保護条例の制定も考えている。水納島はウミガメやマンタの回遊など、観光客に喜ばれる自然は十分になる。水納島を結ぶ定期船の新造就航は厳しいではあるが、島の生活の船として、海の道路として国県に説明しながら事業を進めていこうという取り組みを進め始めたばかり。
 ―教育振興について
 環境は十分整備されていると教育現場、教育委員会から報告を受けている。より子供たちがその環境の中で持つ能力を十分発揮できるためにどうすればいいかを教育関係者と話を進めていこうと思っている。教育こそ子供たちの大きな財産だと思っている。子供たちが十分に頑張れるような、人材育成、将来的には島の子供たちが島の大きな宝になる。行政としても全力で支援していきたい。
 ―行財政改革委員会が発足したが、何を期待するか
 委員からの指摘は十分に取り組んでいきたい。外部のいろいろな角度から指摘をいただいている。議会、教育、農業、島の将来像を描く青年、子供たちを育てている婦人層からの意見は非常に貴重で多良間村の将来に反映させていくように努力していきたい。また、行財政改革は職員の皆さんの協力なくしてはできない。委員会からは年明けにも答申がある。答申に対しては、段階的に新年度予算に反映させていく。自立していけるということを村民に喜んでもらえるような行政を進めていきたい。
 ―旧多良間空港について村長の見解は
 今後の活用は大きな課題。ヤギ牧場も含めあらゆる面で利用法を検討している。と畜場が併設できないのが残念。特産品の開発、観光産業の立ち上げ、リンクした農産業の取り組み、その中に旧空港も含まれていくと思う。滑走路の除去を早期に要請し、事業を進めていきたい。最終的には農業と密接な利用になっていくと思う。
 ―多良間村の将来像をどのように描いているか
 島の子供たちが夢を持てる多良間村にしていきたい。そのためには学校教育、社会教育、この島を築いてきたお年寄り達から喜ばれ、これまでの苦労が報われたと言ってもらえるような行政を進めていかなければならない。島から離れている若者たちがそれぞれの地において自慢できる多良間島。教育と福祉が隅々まで行き届いている島。この目標に向け行政を進めていきたい。
 ―二〇〇六年をどのような年にしたいか
 二〇〇五年も素晴らしい年だったが今年はもっといい年になるように、多くの村民と対話を重ね、共働の行政を進めていきたいと思っている。今年も村民の皆さんから行政運営に指導、協力を仰ぎつつ、多良間村全体の飛躍の年にしていきたい。

 

 

 
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