2005年 元旦特集・酉年にちなみ

 酉年の1年 大きな飛翔へ

 今年の“主役”はニワトリ。東南アジアに生息するキジ科のセキショクヤケイがルーツだ。日本にいつ渡来したかは、はっきりしないが、古墳時代の埴輪(はにわ)にその姿が残っている。昔は、朝の鳴き声や縄張りを守る習性を利用して、時計や番犬代わりにもなった。ニワトリの種類は、採卵用や食肉用、愛玩用など約120種。極地を除く世界各地で飼われている。

▽薬用のニワトリも
 人間が最も恩恵を受けているのは、何といっても卵。ニワトリは一定数の卵を産むと巣に入って温め始めるが、卵を取り除くと、また一定数になるまで卵を産み続ける。この「補卵性」を利用して、現在の卵用品種が作られた。
 卵用品種の1年間の産卵数は、平均300個とされるが、365個も産んだニワトリもいる。
 肉用品種の改良も進んでいる。成長の速いブロイラー種の出荷は、15年前には生後10週目だったが、飼育技術の向上などで、現在では8週目まで短縮された。一方で食の好みの多様化が進み、適度な歯応えやうま味のある地鶏の需要も増えている。
 一風変わっているのは、ウコッケイ(烏骨鶏)。ニワトリの中で唯一の薬用として珍重されている。羽の色で白と黒の2タイプに分けられ、足の指は、普通のニワトリよりも多い5本。細くて柔らかい糸状の羽に覆われている。皮膚や肉、骨まで黒いことが名前の由来だ。

▽ボクシングのルールに
 ニワトリは、食用以外にも人間に愛されてきた。長い尾羽を持った尾長鶏や、鳴き声を楽しむ東天紅など観賞用品種も数多い。
 もともとは勝敗で吉凶を占ったとされる闘鶏は、紀元前1700年ごろのインドで既に行われていた。娯楽性もあるため、次第に世界各地に広がり、欧州でも盛んになった。
 英国で発達した近代ボクシングのルールは、闘鶏のルールを参考にしたもので、「フェザー(羽)級」や「バンタム(チャボ)級」などの用語も実は闘鶏からきている。

 写真説明・日本で飼われている卵用種の約7割を占めるイタリア原産の白色レグホン

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    ◎ 私たちが主役 年男・年女

    ◎ 私も主役 宮古の野鳥

 

 

 
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