沖縄とサンゴ

■沖縄

沖縄県は、日本の最南端、最西端に位置。東西1000km、南北400kmに及ぶ広大な海域に点在する大小160の島々で構成されている島嶼(しょ)県。うち、有人島は50。全諸島は、沖縄群島、宮古群島、八重山群島に大別される。最も大きな島は、沖縄本島で、次に西表島、石垣島、宮古島の順。 沖縄県は、北緯24度から28度にあり、日本のなかで唯一の亜熱帯海洋性気候に属する。

年間の平均気温が約23度と暖かか。天然記念物も多数存在。また豊かな自然に恵まれている。

沖縄独特の文化や恵まれた自然環境は、多くの観光客を魅了し、近年は国際観光リゾート地として注目をあび、日本本土や、台湾、韓国などから多くの観光客が訪れている。
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■サンゴ

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サンゴ礁分布図
『沖縄県環境利用ガイド 環境特性地図集』
沖縄県

サンゴについて 

サンゴに関する用語集はこちら。

 花虫綱八放サンゴ亜綱サンゴ科Coralliidaeに属する腔腸動物の総称。広義には六放サンゴ亜綱のイシサンゴ類やツノサンゴ類,ヒドロ虫綱のギサンゴ類などが含まれる。広義のサンゴは一般に暖海に産するが,アカサンゴやモモイロサンゴなどのいわゆる〈本サンゴ〉は水深200□内外の海底に着生し,イシサンゴ類は水深10□くらいまでの浅海に広がっている。

 八放(八射)サンゴ類にはクダサンゴ,ウミトサカ,アカサンゴ,イソバナ,ヤギ,ウミエラなどが含まれる。8本の触手をもったポリプが無性的に増えていき,多くのポリプからなる樹枝状の群体をつくる。おのおののポリプは上端に口が開き,そこから続く胃腔の中は8枚の隔壁に仕切られている。ポリプは微小なプランクトンなどを触手でとらえて口へ運ぶが,肛門がないので,消化されない物を再び口から出す。ポリプは共肉内に埋もれていて,ポリプの下方は管糸で互いに連絡している。ポリプの体の中には微小な石灰質の骨片が含まれているほかに,ポリプの底部から別な骨片が生じ,これが石灰性物質によって膠着(こうちやく)されて,体の中心部を通る軸骨を形成していく。軸骨は非常に硬く,この部分をいろいろな装飾品に加工している。 六放(六射)サンゴ類には,イソギンチャク,イシサンゴ,スナギンチャク,クロサンゴ,ハナギンチャクなどが含まれる。イシサンゴ類はサンゴ礁を形成する仲間であって,ミドリイシ,クサビライシ,キクメイシ,ノウサンゴ,イボヤギなど多くの種類があり,暖海の浅海底の景観を彩り,またこのサンゴ礁は魚をはじめ,各種類の動物が生活している場ともなっている。ポリプの触手は6あるいは6の倍数本が口盤の周囲に並んでおり,胃腔内は6の倍数の隔壁が生じている。おのおののポリプが外方に石灰質を分泌して莢(きよう)をつくりながら,シカ角状,平板状,塊状などの群体を形成していき,直径2〜3□の群体になるのも珍しくない。莢の形,ポリプの形や色彩は種類によって異なり,ハナガササンゴではポリプの長さが3〜4□にものびる。色とりどりのポリプが潮の流れで動いているようすはみごとである。イシサンゴ類はポリプを取り除いて骨格を置物にするくらいで,装飾品などに加工はできない。 装飾品にされる本サンゴにはアカサンゴCorallium japonica,モモイロサンゴCeltics,シロサンゴC.konojoi,ベニサンゴC.rubrumなどがあり,土佐沖,南西諸島から台湾,小笠原諸島,ミッドウェー諸島に分布している。ほとんどのものは水深100〜300□の海底に着生しているが,ミッドウェー諸島沖では1979年以来水深1000〜1500□の海底から採取されていて,〈ミッド赤ボケ〉とか〈ミッド白〉などの慣用名で呼ばれている。

アカサンゴには表裏の区別があって,側面から裏面に小枝や多くの小突起をだして一平面に広がり,大きなものでは高さ30□ほどになる。土佐沖や小笠原で採集され,地中海では現在ほとんどとれなくなったといわれる。
 イシサンゴ類が成育するのには海水の水温が20□以下にならず,塩分が高く,海水が澄んでいることが必要である。それゆえに緯度が比較的北方であっても暖流の影響下にある海域にはサンゴ礁が見られ,反対に赤道に近い緯度にあってもベンガル海流下のアフリカ西海岸やペルー海流下の南アメリカ西海岸にはサンゴ礁が発達しない。日本では与論島や沖縄の海域にサンゴ礁がよく発達していて,干潮時には広い面積にわたって露出する。


 サンゴ礁を形成しないジュウジキサンゴやニホンキサンゴなどは水温が低い海底にも産し,これらが群集をつくると天然魚礁になり,この場所で刺網,はえなわや一本釣りなどの漁業が行われる。 サンゴ礁は,石灰質の骨格をもつ動物(主としてイシサンゴ類)と,石灰藻類(緑藻,紅藻,ラン藻など)が,複雑な構造物を造りあげており,多くの動・植物に生活の場を提供している。造礁サンゴ類は,太平洋西部の熱帯メラネシア海域(フィリピン‐ニューギニアとオーストラリアのグレート・バリア・リーフ)に最も多くの種類がみられ(約400種),紅海がそれにつづく。太平洋東部や大西洋(カリブ海など)では,種類は少ない(約70種)。サンゴ礁を構成する生物には,ほかに海綿類,コケムシ類,八放サンゴ類(ソフトコーラル)などがある。一方,ブダイ類,フグ類などの魚やウニ類は,直接サンゴや石灰藻をかじりとる。また,穿孔性のカイメンや二枚貝,ホシムシ,多毛類などの無脊椎動物は,サンゴの骨格に無数の通路を掘り,ウニ類などは,サンゴを削ってすみかをつくる。これら動物の作用と波の作用で,サンゴ塊は常に破壊されつづけている。この破壊と成長によって,サンゴ礁は多数の穴,クレバスなどをつくり,豊富な生物が生活するすみ場所を提供している。このため,海のいろいろな環境の中で,最も豊富な種類と複雑な種間関係をもった生物群集をもっている。 サンゴ礁にすむ魚類は,原色の派手な色や模様をもつものが多い。この原因として,サンゴ礁そのものが多彩であるので,捕食者に対するカムフラージュのため,魚たちも多彩に目だつ模様になったと考えられてきた。しかし,これら目だった色をもつ魚はサンゴ群体のまわりで単独で生活し,なわばりをもつ種が多いことから,むしろ同じ種内の信号として派手な色や模様をもっていると思われる。また,有毒な魚類でも色彩の派手なものが多いのは,捕食者(天敵)に有毒性を誇示する〈警告色〉と考えられる。

サンゴ礁は約4億年前のシルル紀から知られている。サンゴ礁の生物群集は地球上でも最も長い歴史をもっているため,そこにすむ生物同士の結びつきには,特殊なもの,高度に発達したものが多数みられる。その中で特に著しいものは,異なった生物間の共生である。褐虫藻は,サンゴ以外にも,シャコガイやカイメン,クラゲなどとも共生している。また,サンゴイソギンチャクとクマノミの共生も有名である。その他,サンゴ類,ソフトコーラル,イソギンチャク,カイメン,ウニ,海藻などサンゴ礁のほとんどすべての付着性の生物には,1種以上の生物の共生がある。また,魚類を掃除するものとして有名なホンソメワケベラやオトヒメエビなども,掃除される魚との間に長い共存生活の歴史をもっている。

 1978‐79年の環境庁の調査によると,日本にはサンゴ礁が約8万7000□あり,その大部分が沖縄県にある。近年,海の汚染埋立てオニヒトデの食害などによるサンゴ礁の消滅がみられ,奄美諸島,沖縄諸島で著しい。1960‐70年ごろ,オニヒトデがオーストラリアのグレート・バリア・リーフをはじめ,太平洋の熱帯の多くのサンゴ礁で大発生した。原因は,いまだにはっきりしていないが,オニヒトデも本来サンゴ礁にすむ生物の一員であって,数十年に1度くらいはこのような大発生を繰り返しているとする説もある。しかし,人類による海洋の汚染,天敵であるホラガイの大量採取異常気象などが原因となって,オニヒトデの大発生を招いたとする説も根強い。

(世界大百科事典より抜粋)

■サンゴ礁の形態について


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(ポリプの説明図)

 

 サンゴ礁は、世界中の暖かい海の浅い場所で見られます。沖縄のサンゴ礁は、地球上のサンゴ礁の分布から見れば、北のはじに位置します。サンゴ礁には、3つの基本的な形があります。島のまわりにできるのが裾礁(きょしょう)で、島から遠くはなれて発達するのが堡礁(ほしょう)、島が海底に沈んでしまったために、環のような形になったサンゴ礁が環礁(かんしょう)です。沖縄のサンゴ礁はほとんど裾礁ですが、八重山地方には堡礁に近いものもあります。また、卓礁や離礁なども見られます。

■サンゴのポリプのつくり 


サンゴのポリプ

造礁サンゴの体ほ、ポリプがもとになってできています。ポリプは、サンゴの種類によってさまざまな大きさがあります。どのような種類のサンゴでも、1つあるいは2つ以上のポリプが集ってできています。
 ポリプの真ん中にほ口があります。口を取り巻くように、多数の触手が並んでいます。触手はほかのサンゴを攻撃したり、駒となる動物プランクトンを捕えるために使われます。胃腔というおなかの中にほ、隔膜というひだが触手の数だけあります。隔膜には卵巣などがついています。隔膜の下の方にほ、隔膜糸とよばれる細い糸が伸びていて、取り込んだ駒を消化します。
 ポリプは、縮んだ時にほ、爽というコップのような骨の穴にしまい込まれます。爽は共骨という骨によって支えられています。

■サンゴの生殖

1.有性生殖
 サンゴの生殖には、無性生殖と有性生殖があります。有性生殖には、ポリプの中で卵や精子が作られ、それらが口から外へ放出されて体外で受精するか、ポリプの中で受精して幼生にまで育った後に、ポリプの外に出るという方法があります。それぞれ、配偶子放出型、プラヌラ哺育型と呼ばれています。配偶子とは卵や精子のことで、プラヌラほサンゴやほかの刺胞動物の幼生の名前です。
 サンゴには1つのポリプで、卵と精子が作られる雌雄同体の種と、雌と雄の群体が別々に分れている、雌雄異体のサンゴがあります。
 多くのサンゴが、卵や精子を放出します。初夏の満月の頃の夜、一斉に産卵することが、よく知られるようになりました。
 プラヌラ幼生ほ、付着して変態し、ポリプになります。ポリプは大きくなりながら、触手の数を増やし、ある程度の大きさになると、分裂したり芽を出して数を増やし、群体が成長していきます。

coral001.png (89505 バイト)(無性生殖の説明図)

2.無性生殖
 芽を出したり分裂したりして、ポリプの数が増えることも、無性生殖といいます。群体から見れば、これは群体の成長と同じことです。群体の数を増やす主な方法として、有性生殖がありますが、サンゴは卵や精子を作らずに、群体の数を増やすこともできます。これも、無性生殖です。無性生殖によって増えた群体同士ほ、遺伝的に全く同じ性質を持っており、クローンと呼ばれます。これに対して、有性生殖によって増えた群体ほ、遺伝的には同じものではありません。
 無性生殖には、さまざまな方法があります。

 a.破片をつくる
  サンゴの群体がばらばらにこわれてできた破片が、再生して再び岩に固着し、成長していく方法です。アザミサンゴやミドリイシの仲間など、こわれやすいサンゴでしばしば見られます。

 b.横分裂
 クサビライシの仲間では、キノコ状の小さなサンゴから、傘の部分が離れ落ちて成長します。残ったキノコの柄には、また傘ができます。

 C.自切
  ワレクサビライシの仲間では、骨格にできた切れ込みの部分でこわれて、扇形やくさび形の破片になり、それが失われた部分を再生します。できた破片の数だけ、サンゴが増えることになります。

 

■サンゴの産卵

Copyright:阿嘉島臨海研究所

 大部分のサンゴは雌雄同体で、数個の卵と無数の精子を直径約1ミリのボール状に固めて放出します。これが水面ではじけて受精が始まります。でも、同じサンゴから生まれた卵と精子では受精ができません。ですから、たくさんのサンゴが一緒に産卵しないと子孫が残せないのです。

左図:サンゴの卵(拡大)

■サンゴ住み場所

 サンゴは暖かい熱帯の海から、寒い地方の海まで住んでいます。しかし、褐虫藻を持った造礁サンゴは、暖かい海に適した動物なのです。
 温帯地方でも、造礁サンゴは住んでいます。熱帯地方にくらべて種類は少ないのですが、あたり一面にサンゴが広がっている場所もあります。しかし、サンゴ礁が発達するような場所は、暖かい海に限られており、温帯ではサンゴ礁が発達することはありません。温帯地方の造礁サンゴは、厳しい冬に海水温が下がると、大量に死んでしまうことがあります。
 造礁サンゴは、塩分が下がると死んでしまいます。干潮時に大雨が降ると、潮だまりの塩分が下がって褐虫藻が抜けてしまい、サンゴは白くなってしまいます。それがひどい場合には、死んでしまうこともあります。
 大きな川の近くでは、サンゴ礁に切れ目ができています。そのような場所では塩分が下がって、サンゴの生育に適した場所ではありません。このような切れ込みは、船が島から外海へ出たり戻ったりする時の水路になります。

 褐虫藻が体内に共生しているため、造礁サンゴには光が必要です。そのために、造礁サンゴは明るい場所に多く住んでいるのです。透明度の悪い場所では、深い所には住めません。深い海底でほ、光が足りないからです。また、海の中の洞窟や垂直に切り立った場所など、光の少ない場所でもサンゴは少なくなります。水深100mより深い所でほ、造礁サンゴたちはほとんど住めなくなってしまいます。サンゴにとって光は大切なもので、十分な光を受けるために、光の強さに応じて群体の形を変えるサンゴもいます。
 波の強い場所に住むサンゴと、静かな場所に住むサンゴでは、群体の形や骨格の強さが違います。また、それぞれの場所に適した種類が違うことも多いので、海中景観はまったく違ってしまいます。
 造礁サンゴは、種によってそれぞれ適した環境に住んでいますので、さまざまな環境を守ることが大切です。サンゴの住み場所を守ることが、多くの種類のサンゴを保護することにつながります。
 造礁サンゴは濁った海水が苦手です。それには、2つの理由が考えられます。まず第1の理由ほ、褐虫藻と関係しています。くりかえし紹介しましたが、造礁サンゴほ光を必要としています。共生している褐虫藻が、光合成をするために光のエネルギーを必要とし、サンゴは褐虫藻と深い助け合いの関係にあるからです。光のよく当る場所ではサンゴほ元気がよく、成長も活発です。これは、サンゴの栄養や成長が、褐虫藻の働きに頼っているからです。透明度の悪い場所では光が十分に届かず、深い所では生育が悪くなります。
 第2の理由は、透明度が悪くなる原因に関係しています。赤土の流入で海がにごるように、透明度が悪いのは海中に細かい粒子が漂っているためです。その粒子が、プランクトンのような生物である場合には、それほど問題はありません。しかし、陸から流れ込んだ赤土のような、無機物の粒子である場合には、困ったことになります。サンゴは、粘液を出したりしてその粒子をとらえ、体の表面から取り除かなければなりません。そのために、余計なエネルギーを浪費し、くたびれてしまいます。また、飼を取る効率も悪くなり、ついには元気がなくなってしまうことも考えられます。

coral002.png (77425 バイト)
日本のサンゴの分布図。数値はおおよそのサンゴの種数。
(資料:サンゴのはなし・沖縄県環境保健部)

サンゴの種類に関してはこちら。

 

 

Warning!!!
 日本のさんご礁の約九〇%が分布する沖縄海域、その中でも本島周辺は、ほぼ壊滅的状態との調査結果が出ている。一九九五年に実施した環境庁の調査では、南西諸島海域にある約96000ヘクタールのさんご礁の約1500ヘクタールが失われたと報告。また、世界自然保護基金(WWF)が各国の被害状況を地図にまとめた。その結果、南西諸島は二番目に危険度の高い「絶滅危機」にランクされた。

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