「緑の街角賞」受賞宅紹介(上)
工夫凝らし愛情込め  

 緑に包まれた庭園ずらり


 美しい庭造りで街の美化に貢献した人を表彰する「緑の街角賞」(主催・市心豊かなふるさとづくり推進協議会グリーン部会)。市町村合併に伴い、平良市から宮古島市に引き継がれて第一回を迎えた。個性豊かに街を彩る各受賞者の庭園を講評とともに紹介する。(講評はグリーン部会)


 

佐和田 恵栄さん
佐和田 恵栄さん


緑の街角賞
佐和田 恵栄さん(伊良部字佐和田)

 植栽された樹木の濃緑色の枝葉は高く低く連なり、白雲たなびく連山をほうふつさせて訪れる人を圧倒します。
 半円形に美しく刈り込まれた木々の緑は重なり合って連山のように穏やかな稜線を描き、みなぎる緑の足下には石庭さながらに大小の立石や伏石等の石組みが過不足なく施されて緑一面の連山≠きわだたせています。
 樹木はどれも活力に満ち枝葉は光沢つややかに輝いています。そのことは佐和田さんの樹木に対する思い入れの深さと普段の手入れがいかに優れているかの証しで、入賞宅造園手法は規模の大きい和風庭園づくりや造形的緑づくりを必要とする市民にとっては、よき事例といえよう。
 訪問者のみならず道行く人々の心をも和ませる木々の豊富な緑は、まさに「緑の街角賞」です。


緑化推進賞
国仲 繁男さん(城辺字下里添)
 受賞宅は平良〜城辺線「中休み商店」より砂川小学校へ向け1〜2q地点「国仲理容館」並びの位置にあります。
 国仲さんは理容業を本業とするかたわら「趣味で現在のガーデンを造り上げた。」と話す。
 若い頃から盆栽のサークルに入り樹木の剪定技術を身に付け、在来種の雑木であるモクマオ、琉球マツ、ガジュマル、クロキ、イヌマキ等を盆栽風に枝ぶりを整え、みごとにカッティングされた樹木は見る人々の心を和ませます。
 庭園としては、全体的なデザイン、樹木の種類、構成、配置、立体感等は無難にまとめてあるが、圧倒的なボリューム感は本賞に値する。
 ありふれた雑木を本業のカッティング技術で見事な庭木に仕上げ、樹木に対する愛情やセンスの良さが感じられます。中央には野菜を植えたスペースがあり趣味と実益をかねた庭園になっています。


 

国仲 繁男さん
国仲 繁男さん


 

棚原 善助さん
棚原 善助さん


緑の塀賞
棚原 善助さん(平良字下里)
 棚原さんのお住まいは、三和自動車学校の東の路地を南に入って突き当たりの左側にあり、屋敷の北側が住宅で南と東側は菜園になっています。
 表彰の対象になったのは、この菜園を囲む50メートルを超えるカギ型の塀です。70センチ程の低いブロック積みの上から、50センチ程に整然と刈り込まれたクロトンが顔をのぞかせ、その背後には背丈2メートル強のイヌマキが植栽され、二重のグリーンのベルト状になっています。
 道幅3メートル弱の狭い路地に面しており、隣接するブロック積みの高い塀だと圧迫感がありますが、沖縄を代表する庭園木を高低差を付けて植栽すことによって、道行く人々の目を楽しませ安らぎを与えてくれる塀となっております。