新生宮古の行く路

宮古島の現状と課題
原油高騰の影響じわり


伊計 衛

 日差しの柔らいだ今日この頃、最良のゴルフシーズンの到来です。宮古島のゴルフ環境は素晴らしく単身赴任の私にとって休日をより満喫させてくれています。ゴルフ場各社の皆様に感謝します。
 ゴルフは自然(コース)と自分との戦い、成績(スコア)はあくまでも自己申告、紳士のスポーツと言われる由縁です。しかし私とゴルフとの出会いは先輩諸氏による半強制的なものであり最初は「紳士のウンヌン」どころの様子ではありませんでした。周りを顧みずただ只管(ひたすら)自分のスコアに拘り努力する。そのうち腕前も上がり、気が付くといつの間にか同じ事を後輩に行っている自分自身が見えてくる。その時改めて周り(マナー)の大切さを実感し、ゴルフを含め色々な面で指導頂いた先輩諸氏に感謝を覚えます。
 さて、おきぎん経済研究所は、四半期ごとに「おきぎん企業動向調査(おきぎんDI)」を発表しています。おきぎんDIとは、企業経営者の業況(売上、仕入単価、収益など)に関する経営事項を「好転・上昇・増加」、「不変(変わらない)」、「悪化・低下・減少」のいずれかでお答えいただき、「好転・上昇・増加」の割合から「悪化・低下・減少」の割合を差し引いたものです。この割合がDIがプラスなら景気等が良い(または上昇見込み)、マイナスなら景気が悪い(または下降見込み)となります。皆様もこの「おきぎんDI(景気動向指数)」をお仕事や生活のなかで参考にして頂ければと思います。
 沖縄県全体の(7〜9月期)DIは、△5・9となっています。売上高(11・2)、引き合い(10・6)、業況(5・9)等でプラスとなっており、採算(△7・1)で悪化しているが前期よりも好転している項目が多く緩やかながらも景気の回復傾向がみられます。要因としては、新車の販売や観光客の増加等で個人消費が堅調であったこと、石油価格の上昇による仕入価格や原材料の上昇分の価格転嫁が進んだこと、建設業においては、民間建築が増加したものの価格競争の激化などにより、採算性が悪化したことなどが挙げられます。
 宮古地区の(7〜9月期)DIは、△22・7となっています。公共工事の減少や相次いだ台風の影響等による売上減少、原油高騰の影響による輸送コストが上昇したことが主な要因となり全体的に厳しい状況となりました。
 県全体の来期の(06年10〜12月期)業況の見通しDIは、30・3となっています。製造業では食品製造業などで年末年始の需要増加や設備投資による生産能力の向上や公共工事増加による生コンなどの出荷の増加、情報サービス業が年末、年度末にかけての需要の拡大、小売業は、単価の高い冬物衣料や年末年始の売上増加などの季節要因に加え修学旅行生など観光客の増加による売上増、土木業は、公共工事の発注増加等が挙げられます。
 宮古地区の来期の(06年10〜12月期)業況の見通しDIは、31・8となっています。公共工事の年末・年度末発注に加え、談合問題の影響による指名停止や営業停止の解除等による業況好転、好調な住宅建築等民間建築工事に支えられ建材資材や生コン出荷の増加、消費や観光関連の好調推移に伴う小売業の好転が予想される半面、原油価格高騰の影響が徐々に現れ始めており、地域経済への更なる影響が心配されます。
 最後に、先日新入社員の面接試験に初めて立ち会いました。新卒予定者の受験でしたが、全員がテキパキした受け答えで、いずれも甲乙つけがたく採点には大変苦慮しました。本部人事担当者も同様に「宮古島での面接には毎年苦慮する。受験者全てを採用したい」とのことでした。
 宮古地域の経済は、まだまだ厳しい環境とは思いますが、未来を担う優秀な若者たちが着実に育っており明るい未来を予感させます。

 伊計 衛(いけい・まもる)1958(昭和33)年12月17日生まれ。北谷町出身。普天間高校卒業。77年沖縄銀行入行。経営監査部資産監査室長、大謝名支店長、安謝支店長などを経て宮古支店長。好きな言葉は「努力」。趣味はゴルフ、園芸。宮古へは単身赴任。

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