新生宮古の行く路

宮古地区7―9月期業況見通し
小売業の好転が予想/原油価格高騰の影響もじわり

伊計 衛

 台風一過のあと、やっと宮古島の自然の恵みに出会いました。少年時代からつり小僧であった私にとって宮古島は魚釣のパラダイスです。しかし4月に赴任してから4カ月間は全くの坊主≠ナ宮古の海から厳しい試練を与えられたかのようでした。手を変え品を変え…色々工夫し、やっと本命を釣り上げることが出来たときは何とも言い難いほどの喜びでした。休日の夜、同僚と共に椅子とビールを持ち込み、ただひたすら鈴の音を待つ、見上げると北斗七星が目の前で輝いている。童心に戻り星空の観察を始めると不思議なことに必ず流れ星を目にします。宮古島の豊かな自然に触れることは、多忙な私にとっては至福の時です。宮古島の自然の素晴らしさに感謝しながら、宮古島の皆様のために、金融・経済を通して尽力していきたいと考えています。
 さて、おきぎん経済研究所は、四半期ごとに「おきぎん企業動向調査(おきぎんDI)」を発表しています。おきぎんDIとは、企業経営者の業況(売上、仕入単価、収益など)に関する経営事項を「好転・上昇・増加」、「不変(変わらない)」、「悪化・低下・減少」のいずれかでお答えいただき、「好転・上昇・増加」の割合から「悪化・低下・減少」の割合を差し引いたものです。この割合がDIがプラスなら景気等が良い(または上昇見込み)、マイナスなら景気が悪い(または下降見込み)となります。皆様もこの「おきぎんDI(景気動向指数)」をお仕事や生活のなかで参考にして頂ければと思います。
 沖縄県全体の(4〜6月期)DIは△3・3となっています。売上高、引き合い等が高く販売関係指標等は高いものの、原油価格高騰の影響などにより仕入単価も高騰しており、採算・収益面で悪化傾向が見られます。要因としては、観光客の増加でホテル・飲食店の売上が伸び、仕入単価の上昇分の価格転嫁が進んだ反面、土木・建築業などで談合問題による営業停止、医療制度改革による診療報酬の低下、長雨による影響で売上が低下したこと等が挙げられます。
 宮古地区の(4〜6月期)DIは△19・4となっています。観光の端境期、土木・建築業などで談合問題による営業停止、公共工事発注が少なかったこと、原油高騰の影響による輸送コストが上昇したことが主な原因となり全体的に厳しい状況となりました。
 県全体の来期の(06年7〜9月期)業況の見通しDIは、15・5となっています。沖縄観光のピーク期を迎え売上の増加、新車販売や家電など個人消費が好調なこと、公共・民間工事等の工事発注、談合問題による営業停止の解除等により、業況改善の動きが強まる見通しとなっています。
 宮古地区の来期の(06年7〜9月期)業況の見通しDIは、6・5となっています。好調な住宅建築等民間建築工事に支えられ建材資材や生コン出荷の増加、消費や観光関連の好調推移に伴う小売業の好転が予想される半面、原油価格高騰の影響が徐々に現れはじめており、地域経済への悪影響が心配されます。
 また、建設業関連は、公共工事の工事発注・談合問題による営業停止の解除等により好転の兆しはあるものの、競争激化、コストカットの影響が重く圧し掛かり、当面厳しい状況が続くと予想されます。
 最後に、当店は8月2日に宮古警察署より「太陽の家」の委嘱状を受けました。最近、本土各地において児童・少年に対する事件が目に付く中、沖縄銀行では全店舗が「太陽の家」として次代を担う子供たちの保護に力を入れています。
 伊計 衛(いけい・まもる)1958(昭和33)年12月17日生まれ。北谷町出身。普天間高校卒業。77年沖縄銀行入行。経営監査部資産監査室長、大謝名支店長、安謝支店長などを経て宮古支店長。好きな言葉は「努力」。趣味はゴルフ、園芸。宮古へは単身赴任。

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