新生宮古の行く路

「Discovery 宮古島」
観光客の視点でバス研修

我那覇 宗広

 六月十日、「Discovery(発見)宮古島プロジェクト」として宮古島の観光地・観光施設のバス研修を行いました。観光協会青年部の他に観光関連施設の皆さんや行政関係者など合計五十名が参加し、観光客と同じようにバスガイドさんの案内を聞きながら宮古島の良いところ、あるいは課題を参加者各自が発見することが研修の目的です。
 我々宮古観光協会青年部は約五十名の会員で運営していますが、会員の中には島外出身者も多く、また宮古出身でも観光施設の場所は知っているが入場したことがない、本当はよく理解していないという状況があり、宮古島の魅力をPRする上でまず自分達が観光客の視点で体感して学ぶことが大切という思いからプロジェクトの企画が始まりました。
 観光施設は宮古伝統工芸品研究センター・雪塩製塩所・みやこパラダイス・うえのドイツ文化村・海宝館・地下ダム資料館・総合博物館・荷川取牧場に加え、宮古民謡の郷やマグロ回遊館ラボタなど現在建設中の観光施設工事現場も見学しました。
 特に宮古島市総合博物館では初めて来場した方がほとんどで、宮古島の歴史から見た日本史、世界史を学べる重要な施設であると全員が実感しました。観光客だけではなく島の人達も学ぶ意義のある展示の数々にもう一度プライベートでゆっくり来たいと言う参加者が多くいました。
 研修当日は観光日としては最悪の大雨。しかし研修としては最高の天気でした。快晴の日には美しい自然を堪能できる宮古島の観光ですが、悪天候の日の観光をどうするかということが宮古観光のひとつの課題であることから、今回は雨天でも楽しめる観光施設を中心に研修しました。観光施設に従事している方も何名かバスに搭乗されていましたが、毎日通っている職場(施設)でもお客様として観光バスに乗ってくると今まで気付かなかった新しい発見が生まれます。「雨の日はバスの乗降口まで傘を持ってきてくれると助かるなあ」「こんな案内をして欲しいなあ」等など。
 企業のCS(顧客満足)活動でお客様の視点でサービスを考えるとよく言われますが、実際お客様の立場にならないと気付かない、雨の日など特殊な時に体験しないとわからない、女性じゃないと見えてこない問題点があります。そういう意味では青年部メンバーだけではなく施設の方も、行政関係者も、女性も参加していただき幅広い年齢層や職業の方と一緒に研修できたことは大変有意義でした。
 研修では無記名で各観光施設を体験した正直な感想や意見をアンケート用紙にまとめ、その内容は対象施設にフィードバックされ、参考意見として活用していただきます。知っているはずの場所や知識もバスガイドさんから詳細な説明を聞くと、「しまった、今まで観光客に違う説明をしてきた」など、反省する声も聞かれました。特に観光業に従事する者は責任を持って正しい宮古島を紹介する知識が必要であると改めて感じました。今回の研修はこれからどういう視点で学んでいくべきかを知るスタート。文化、歴史、伝統芸能、スポーツ、食材…観光は総合産業と言われておりますから学ぶべき分野も多岐にわたります。皆さんも観光客の視点で一度宮古島をDiscoveryしてみませんか?
 我那覇 宗広(がなは・むねひろ)1964(昭和39)年10月4日生まれ。41歳。浦添市出身。京都産業大学経済学部卒。87年に南西航空(現・日本トランスオーシャン航空)に入社。企画部、勤労部、営業部などを経て、2004年宮古営業所長。05年2月宮古観光協会青年部長就任。

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