新生宮古の行く路

 
スポーツアイランドとして発展を

施設、受け入れ態勢の充実重要

玉城 篤

 おきぎん経済研究所は、四半期ごとに「おきぎん企業動向調査(おきぎんDI)」を発表しています。おきぎんDIとは、企業経営者の業況(売上、仕入単価、収益など)に関する経営事項を「好転・上昇・増加」、「不変(変わらない)」、「悪化・低下・減少」のいずれかでお答えいただき、「好転・上昇・増加」の割合から「悪化・低下・減少」の割合を差し引いたものです。この割合がDIがプラスなら景気等が良い(または上昇見込み)、マイナスなら景気が悪い(または下降見込み)となります。皆様もこの「おきぎんDI(景気動向指数)」を仕事や生活の中で参考にしていただければと思います。
 さて、宮古の現状を見てみますと、オリックス宮古島キャンプ、その他大学、高校野球のキャンプ、ジュニアゴルフの合宿等、観光客の増加に期待が持てます。ちなみに「おきぎん経済研究所」では、オリックス宮古島キャンプの経済効果を約十一億円と試算しています。今期サトウキビは、平年並みの収穫ではありましたが、品質面が好調となり収益面において宮古島だけでも九億円程度の増収が見込まれています。肉用牛の販売においても昨年度を三億円上回る過去最高の約二十九億円の販売、農産物でもカボチャの島外出荷の急増等、相乗効果を伴って島内経済にとってプラスとなるのではないかと予想します。しかし、建設業界において県発注工事をめぐる談合問題が発生し宮古関係では、九社が対象となっており暗い影を落としています。
 今年の予想については、建設関連において、伊良部架橋の新年度予算二十三億円の計上、平良港改修事業二十七億円等、明るい材料も出てきます。また、全日本トライアスロン宮古島大会もあり大きく反転するきっかけにしたいものです。
 今後の課題としては、公共工事が年々減少する中で建設関連企業の生き残り策等、農産物の安定供給と販売、スポーツアイランドとしての施設や受け入れ態勢の充実等が挙げられると思います。
 建設関連におきましては、現在でもマンゴーの生産、肉用牛の飼育に主力を移している建設業の方、アパート経営の充実・ホテル経営を図る企業も出ており思い切った転業、副業の充実も考える時期にきているのではないかと考えます。
 農産物においても、サトウキビから取れるバイオエタノールが、中東の石油事情により世界的に注目されています。宮古においても実証試験が行われていますが、早めの商業化に期待がもたれています。
 スポーツアイランドとしては設備の充実はもちろんのことですが、それ以外にスポーツ医療の充実も大切な視点です。宮古島でスポーツキャンプをしながらけがの治療、ケアができれば相乗効果が出て新しいビジネス、誘客にもプラスの影響を与えます。
 まだまだ課題はありますが、宮古の「アララガマ精神」を持って一つ一つの課題をクリアできると確信しております。宮古の人の明るいバイタリティーに期待します。
 最後になりましたが、私事ではありますが四月一日を持ちまして審査部に転勤することとなりました。皆様のおかげで充実した楽しい二年でした。今後も沖縄銀行宮古支店をご愛顧頂きますようお願いします。
 二カ年間お世話になりました。ありがとうございました。
 次回より、沖縄銀行宮古支店伊計衛支店長が執筆することになります。

玉城 篤(たまき・あつし)1955(昭和30)年11月18日生まれ。50歳。名護市出身で那覇市育ち。80年に琉球大学経済学部卒。同年沖縄銀行に入行。牧志支店を皮切りに本店、各支店を経て2000年に鳥堀支店長、04年4月宮古支店長。06年4月審査部審査役。
 

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