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カウンセリングのヤームトゥ(家元)のロージャズは人の心の癒しにつながる聴き方ができるためには@受容A共感B自己一致の三つの条件が必要だと言っています。 受容とは「受け容れる」といえば少しご理解いただけるかと思いますが、何でもハイハイと受け容れるのとはちょっと違うところが難しいところです。それでロージャズはこれを「無条件的肯定的配慮(関心)」と言い換えています。このことについて河合隼雄という人は「あなたが優しかったら私はあなたが好きというのではなく相手がすぐに離婚したいと言おうとそれに対してあくまでも良い意味での尊重する気持ちで接して行くという訳です」と言っています。これでもまだ分かりにくいと思いますので私の経験から話してみます。私は始めての単身赴任の時不眠症に陥りました。管理職の手前、「眠れないから休みます」とも言えずノイローゼの状態になりました。溺れる者藁をも掴むの思いで運動すれば眠れるかしらと夜中に近くの河で泳いでいて警察官に不審尋問を受けたこともありました。ここまできたら恥も外聞もありません。カウンセラー仲間の一人に電話したらすぐに時間をとってくれました。会ったとたんこの前のフィリピンでの土砂崩れみたいに喋りまくっていました。それに対してその方はどうしたの、ああしたのと一言もいわず黙って聴いてくれているだけでした。時々私が喋りすぎて声が枯れるとそっと立って行ってコーヒーを入れてきてくれたりしていました。そうしているうちに不思議に気持ちが落ち着いて来て「なんだ、そんなに気張らずに具合が悪ければ悪いで休めばいいじゃないか」と思うと気持ちが楽になり不思議に眠れるようになりました。 次に共感ですが、これは文字どおり(相手と)共に感じることです。カウンセリングでは話を聴く時、話されていることば(事柄)よりもその向こうにある感情を大事にします。ロージャズは人は悩みなどストレスによって心のバランス(ホメオシタシス)が崩れた時こころの病に陥ると言っていますが、悩みの中身は感情です。その感情に寄り添って耳傾けて聴いてあげると涼しい風が淀んだ感情の中を吹いて行きウムヤスーウムヤス、キムパダーパダ(心安らか)になり心がバランスを取り戻し心の病が癒されるという訳です。ならばそのためにはどう聴くかです。私たちはよく自分の物差し(外部的照合枠)で相手を推し量り評価して人の話を聞きます。この前テレビで黒人差別問題を扱った「アラバマ物語」の中で差別を乗り越えるためには「相手の靴を履いて歩き回れ」と言っていました。人の話を聴く時、相手の枠組み、相手の物差しで(内部的照合枠)で聴くことです。ことばの向こうに聞こえる内なる声に耳を傾けることです。私は定年後カウンセリングの資格やオカリナを活かしてボランティア活動するのが夢でした。ところが船出したとたん座礁してしまいました。ストレスから来る突発性難聴で耳がスピシテ(聞こえなくなった)しまったのです。おまけにひっきりなしにアブラ蝉の鳴き声がします。商売道具の耳をとられたベートーベンのように落ち込み死のうかとも思いながら庭に降りて土を掘っていました。そしたらミミズが出てきました。目もなく耳もなく、冷たい泥の中で黙って身をくねらせながら生きているミミズに何故か励まされる思いがしました。嬉しくなってある友人にその話をしましたら「垣花さん、それは土が肥えているという証拠ですよ」というのです。こんなことばを聞いたら残っているもう片方の耳もスピシテ(ツンボになって)しまいます。 あと一つ自己一致ですが、ロージャズは英語でgenuineということばを使っていますのでこれをそのまま日本語に置き換えて「純粋性」と言う場合もあります。平たく言えばウソがない、思いとことばが一致していることです。 以上貴重な紙面を使わせていただきカウンセリングのことを中心に心の癒しについて述べさせていただいてきましたが、困るのはそのためには誰かに話を聴いてもらわないといけないということです。そこでいつかまた紙面を分けていただけましたら今度は森田療法など自分でできる心の癒しのことについてお話してみたいと思っています。 【略歴】 昭和46年 早稲田大学法学部大学院修士課程修後保護観察官として法務省に入省。 昭和58年 山王教育研究所心理臨床科でユングの分析心理学を学ぶ 昭和64年 全日本カウンセリング協議会認定カウンセラー資格取得 現在 琉球大学法文学部非常勤講師 |
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