ぷからすプレス

まちからむらから
 
し も じ
 

(2007/02/08掲載)

 

この人ひとこと美ら島いつまでも
  岩村 和重さん(46歳) カフェ&スパゲティ マーメイド店主
                          

 宮古島の素材にこだわったメニューを取りそろえている「マーメイド」の店主。宮古島にあこがれ、九年前に来島。以来ずっと下地に住んでいる。「下地地区の雰囲気がとても良かった」とすっかり生活にも溶け込んだ。
 「まだまだ歴史や方言について知らないことが多い」と話し、「いつまでもきれいな宮古島であり続けてほしい」と願いを込めた。
                                 

 

審議会、協議会など活発に活動開始

 下地地区では地域活性化に向けた活動が活発化してきている。地域づくり協議会が昨年十二月二十日に発足。同協議会は地域間格差の拡大、人口流出に伴って活力が低下している中で下地地区の集落・自治会および各団体を網羅する組織として、地域活性化を図ることを目的に発足した。先月十六日には、九カ月ぶりとなる下地地区地域審議会が開催され、農業振興や分庁方式について議論が行われた。また、入江集落では市からクバカ城跡公園の清掃、管理を受託し、グラウンドゴルフを通して住民の結束と融和を図っている。下地地区における地域活動を紹介する。
 

住民主体で地域を盛り上げ
下地地区地域づくり協議会

 


下地地区地域づくり協議会の専門部会では新年度事業などを真剣に議論した=下地中央公民館

 地域づくり協議会は発足以前、地域振興班を主体として準備委員会を設立し意見交換会の開催や住民アンケートの実施など積極的な活動を行ってきた。宮古島市地域振興班の下地信男班長は協議会が発足した理由について「『合併後地域活動が停滞化してきている』、『寂しい地域になっている』といった住民の声が支所に届いた。そこで地域を明るくするために何かできないかと考え企画した」と説明した。
 先月二十四日には、専門部会を開き、新年度に向けた本格的な事業計画について意見を交換した。
 ▽住民意見箱の設置▽高齢者の悪徳商法の防止▽少年のたまり場指導▽運動会の開催▽朝のあいさつ運動−などが挙がっていた。
 これらの活動はすべて地域の課題や要望を踏まえ、現状の確認と改善策が議論の後に挙がったもの。イベントを開催するだけでなく、地域の問題や課題を解決することを前提としている。今後、協議会ではより議論を掘り下げて、実現していく方針だ。
 協議会の一番の課題は運営予算の捻出。発足当初は@各世帯から会費を徴収A市の直営事業の受託Bその他協賛金を運営費−とする予定だったが、現在では公園清掃や土地改良施設の維持管理事業の受託などを運営費に充てる予定。
 

住民の声を市政に

下地地域審議会
 

  地域の声を行政に反映させる諮問機関として発足した地域審議会。下地地区では先月十六日に第二回となる審議会を開いた。合併後、第一回が行われてから約九カ月ぶりとなる開催。諮問機関としてではなく、積極的に地域住民の声を市政に伝える提言機関としての活動だ。川満省三会長は「市長に諮問され審議するだけでなく、地域の意見には何があるのかを把握するために開催した」と経緯を話している。
 議題は組織・機構(分庁方式、支所機能)と農林水産関係事業(補助事業、総合補助金制度)、地域振興全般に関するものの三つ。補助率や行政サービスの低下、分庁方式が廃止される方向にあることに委員からは「地域が望んでいることと逆方向に進んでいる」などの声が上がっていた。
 意見としては▽合併協定と異なり、補助率が旧下地町と比較し下がった▽分庁方式の廃止や支所機能の低下によって地域はさびれてしまう−などが挙がった。
 市に対する要望としては高齢者の移送サービスの実現や救急医療の体制強化などを訴えていく。

地域活性化に大きな期待
下地地区住民の声


クバカ城跡公園を清掃する入江集落住民=クバカ城跡公園

 地域活性化に向けた活動に対し住民は大きな期待感を寄せている。与那覇集落に住む七十代の男性は「このような活動は非常に必要なことだと思う。地域を暗くしないためにも地域をもっと活性化してほしい」と語った。
 「こういう動きは大事」と話す上地在住の五十代主婦は「旧下地町のときは地域の行事がたくさんあった。合併後は平良地区を中心にして活性化しているように思う」と指摘している。
 来間在住の四十代主婦は「合併前は活気があった地域行事も、今ではひっそりとした感じがする。審議会と協議会には地域が活性化するよう継続して活動してもらいたい」と期待を寄せている。
 


地域づくりに住民一丸
入江集落

 

 集落単位においても活性化に向けた活動が始まっている。入江集落では昨年三月に竣工した市指定文化財「史跡・クバカ城跡」の清掃・管理を受託すると同時に、委託料をグラウンドゴルフの運営資金に充てたり、芝刈り機のガソリン代に利用したりしている。
 同城跡の清掃は入江部落グラウンドゴルフ協会に所属する約五十人のメンバーを中心に月一度行われている。清掃の後はグラウンドゴルフで汗を流し、交流と親睦を図る。 入江集落の洲鎌勝彦区長は「集落が活性化するためには住民全員が団結して協力し合う必要がある。この活動が子や孫につながっていけば」と思いを寄せている。今後は同城跡だけでなく、地域美化活動や老人クラブ結成なども検討している。入江部落グラウンドゴルフ協会の川満廣俊さんは「清掃活動やグラウンドゴルフを通して地域への親しみもわいてくる。一緒に協力しながら美しい地域づくりをしていきたい」と意気込んでいる。
 


住み良い下地地区に
川満 省三さん
下地地区地域審議会
下地地区地域づくり協議会会長

 川満省三さんは審議会と地域づくり協議会の会長を務めている。地域活性化へ向けた活動が盛り上がっている中で、川満さんに今後の方針や現在の課題などを聞いた。

「協議会と審議会の活動を通して住み良い地域になれば」と話す川満省三さん

【地域審議会について】
 審議会の役割は二つ。市長からの諮問を受け、答申する諮問機関としての審議会。もう一つは地域の声を集約し、市政に伝える提言機関。
 審議会が発足してから今までを振り返り、住民からの不満の声が多かったと思う。市の総務部長や経済部長を招き第二回の審議会を開いたのも、地域の声を市に伝えたいと思ったからだ。
 第一回の審議会以降、市政からの諮問が一度もなかった。地域推進班を廃止する際も審議会には全く説明も相談もなかった。行政はもっと審議会に地域の意見を聞くべきだ。
 また、合併協議会で決められた事項が、その通りになっていないことが問題だと思う。
【地域づくり協議会】
 住民主体で地域を活性化させることが地域づくり協議会の目的。今後は専門部会を軸に、青少年育成や花植えなど活発に活動していく。
 協議会の課題はやはり運営資金の捻出だろう。土地改良施設の維持管理事業を申請、受託し費用に充てる計画や、公園清掃を市から請け負うなどを視野に入れている。各専門部会で議論し、住み良い下地地区づくりを目指したい。
 



3人は来間島の星

来間小中学校陸上部
 


(左から)新田君、吉村君、竹中君、砂川監督=来間小中学校運動場
 

 宮古島市立来間小中学校陸上部の部員は竹中一矢君、新田宗永(ときひさ)君、吉村康司君の三人。全員中学一年生。二カ月前に発足したばかりの陸上部だが、「来間島の星」たちは冷たい風が吹き付ける中、一生懸命練習に励んでいる。
 同部のモットーは「明るく楽しく」。三人がそろうと笑いが絶えない。しかし、練習になると表情は一変。「やるときはやる」と真剣。
 三人は今月十七日に行われる全宮古中学校運動部対抗ロードレース大会に向け調整している。竹中君は「予選通過目指して挑みたい」と意気込んでいる。
 「応援よろしくお願いします」と呼び掛けるのは吉村君。「ほかの学校に負けないよう、頑張ります」と話した。
 新田君は「最後まで走り抜くという気持ちで挑戦したい」と決意を述べた。
 陸上部顧問の砂川健太さん(25)は三人を温かく見守っている。「創部してまだ二カ月。全員がしっかり完走できればと願っています」と笑顔で話した。
 

 
      
  
※このページは川越陽一が担当しました。


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