ぺん遊ぺん楽

 
環境保全条例案市民討論会について

當真 まり子

<2003年
 12/2掲載>
   十一月二十一日、午後六時から、郡農協ホールだった。市民討論会があるのを知ったのは、その週のはじめだったし、新聞に案内が載ったのは数日前だったと思う。平良市主催の『市民討論会』というには、案内に関していえば、まことに不親切だったと思う。しかし、内容はスッキリしていて分かりやすかった。市の大浦産廃火災調査委員会の元委員長、関口氏は、環境保全条例の必要性を「火災の原因が調べられない。トラック七〇〇台分の土をかぶせて火を消したが、中側は燃えている状態で、ガスが三カ月以上も流れ出し、大浦の人たちの多くが体に不調を訴えているのに、産廃処分場が、県の認可した施設であるために、平良市が処分場の中の調査ができない」だから、環境保全条例が必要ではないですか、と提案をしたと。この条例の起草に協力した梶山弁護士から、条例は「理念」であること、施行規則がなければ、現実的に動けないという話があり、はじめて、条例と施行規則の区別ができたかな。私は、環境保全条例に関しては、大浦の産廃火災からというより、九年前の「ラ・ピサラ」のゴルフ場の建設に反対したはじめの伊志嶺亮市長選挙を思います。
 この条例ができたら安心していいのかなと思っていたら、梶山氏からも、関口氏からも「行政も住民も真剣にならないと、作っただけじゃネ、実効性ないヨ」という発言が何回もありました。それでは、市民があんまり分からないうちに、できてしまったら、もっと実効性なくなるよネ。
 ほんとうは、もっと積極的に勉強したらいいのかもしれないのですが、なかなかそこまではできないので、もう一回でも二回でも市民討論会をして下さい。その時には、梶山氏、関口氏もよんでいただいて、直接もっと多くの市民に話をしてもらう。そしてすこしでも、一人一人が自分の問題として環境の保全について考える機会を増やすのがよいと思う。
 関口氏が「反対の意見がないと、内容がよくならない」と言っていたのが心に残っている。何年か前、水郷水都全国会議が宮古で開催された時、
 「宮古は、宇宙船地球号のミニ版である」
 というように考えたらどうか、という提案があったりした。大浦の産廃の火災から二年が過ぎようとしている。二年前の十二月、そして、一月、二月、三月と、すこし高い所からは二本の白いけむりが毎日見えていたし、ひどいにおいだった。
 よい環境をのこすために、今できることは、考えること、話し合うことと思う。
 (宮古ペンクラブ会員・地方公務員) top.gif (811 バイト)