ぺん遊ぺん楽

 
しのびよる地球温暖化


久貝 勝盛
(くがい かつもり)


<2005年05/31掲載>
 宇宙船地球号は約45億年前に誕生しました。気の遠くなるような長い年月の中で単細胞生物から多細胞生物へと生命を進化させ、今日の恵まれた豊かな生態系を作りあげてきました。

 私たちは、今、24時間営業のコンビニ、カーナビの付いた車、インターネット、高度機能付き携帯電話の中で生活しています。最近では、言葉に反応し人間の手助けまでするロボットが登場し、家庭の中にもロボットのペットが入り込んできています。一昔前までは考えもよらなかった便利で快適な暮らしを私たちは当然のように享受しています。しかし、これは未来世代の大きな犠牲の上に成り立っているという事を忘れてはいけないと思います。

 近年、私たちの住むこの美しい地球に大きな異変が起こっています。地球や生き物たちの怒りが限界に達し私たちにさまざまな警鐘を鳴らしているのです。例えば、気温の上昇、暖かくなる海水、氷河の崩壊、だんだんと狭くなる湖、浸食が進む海岸線、干ばつと洪水、時季はずれの鳥の渡りや開花、動物たちの生息地の変動、鳥類ヒナの孵化と餌になる昆虫類孵化のミスマッチ等です。大量生産、大量消費、大量廃棄の20世紀型の経済システムがもたらした地球温暖化がこういう変異をもたらしているのです。

 地球温暖化というのは人間活動の広がりで生じた温室効果ガスと呼ばれる二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、フロン等が高い濃度で地球を取り巻き、地球に届いた太陽からの熱が大気圏外へ逃げるのを邪魔し、地球の温度が上昇するということです。人間でも体温が1度上がるだけで気分が悪くなります。地球上の生命体にも大きな影響がでることが予想されます。
 地球温暖化によって何がどうなるのだろうか。農業面に限って考えてみます。まず、地球の乾燥化が進み熱帯系の昆虫があちこち分散し、地域によっては異常発生し、農作物への被害拡大が予測されます。二酸化炭素の濃度が高まると光合成が盛んになり植物の成長が高まります。その結果、植物の水分吸収が大きくなり地球の乾燥化が進むことになります。また、気温の上昇がこのまま続けば農作物は老化が早まり、生き物たちは逃げ場を失ってしまいます。
 2004年12月、大気中の温室効果ガスの濃度を減少させようという国際会議が京都で開催されました。その会議結果を受けて世界中の国々が二酸化炭素の濃度を減らす努力をしています。
 地球温暖化防止のために国がやらなければならないことはエネルギー部門での技術の開発、普及、県や市町村レベルでは森林等、吸収源の保護、増大対策推進、学校では環境教育の充実、各家庭、行政では自然エネルギーの利用、省エネルギー対策、リサイクル運動だと思います。これまでの生活を少し見直し省エネに気配りをする事によって地球温暖化は緩和されます。地球温暖化を意識しながら生活をしたいものです。
 
  (宮古ペンクラブ会員・平良市教育委員会教育長)
top.gif (811 バイト)