200平成19   金曜日

参議院補欠選挙が告示/最大の争点は「暮らし」
  狩俣氏、島尻氏が第一声

今回選挙の争点を「格差是正」と訴えた狩俣吉正氏=5日、那覇市銘苅の同氏選対事務所前
今回選挙の争点を「格差是正」と訴えた狩俣吉正氏=5日、那覇市銘苅の同氏選対事務所前
 

子育て政策など暮らしを全面に打ち出した島尻安伊子氏=5日、那覇市牧志の同氏選対事務所前
子育て政策など暮らしを全面に打ち出した島尻安伊子氏=5日、那覇市牧志の同氏選対事務所前
 

金城宏幸氏
金城宏幸氏

 【那覇支局】参議院沖縄選挙区補欠選挙が五日告示され、いずれも新人で、無所属の会社代表、金城宏幸氏(68)、諸派の前連合沖縄会長の狩俣吉正氏(57)=社民、社大、共産、民主、国民新党推薦=、諸派の前那覇市議の島尻安伊子氏(42)=自民、公明推薦=の三氏が立候補を届け出た。選挙戦は、狩俣氏と島尻氏で事実上の与野党一騎打ちとなっている。十七日間の選挙戦スタートとなる第一声では、狩俣氏が「格差是正」、島尻氏は「子育て支援」を前面に押し出すなど両陣営とも「暮らし」を最大の争点に掲げる。今回選挙はこれまでの国政選挙とは異なり、両氏とも政策の柱は「基地」ではなく「暮らし」を選択した。県民が求める「暮らし」はどちらの政策になるのかは投開票となる二十二日に示される。

 今回の補選は、昨年十一月に行われた県知事選に糸数慶子氏が出馬した欠員によるもので、七月の参議院本選をにらみながら与野党とも総力を挙げた取り組みとなる。
 那覇市銘苅の選対事務所前で行われた狩俣陣営の出発式には、出身地宮古からも多くの支持者が駆け付けた。狩俣氏は「沖縄のことは沖縄が決めるという姿勢で頑張りたい。格差をなくし安心の社会をつくるのは私であることを全力で訴えたい」と述べた。
 照屋寛徳社民党副党首、糸数慶子社大党副委員長、赤嶺政賢共産党県委員長が応援演説を行ったほか、管直人民主党代表代行、亀井静香国民新党代表代行らも駆け付け、狩俣氏支持を訴えた。
 島尻陣営は、那覇市牧志の選対事務所前で出発式を行い、集まった多くの支持者に対し島尻氏は「仲井真県政と共に子育て世代の声を国政に持っていきたい。この選挙はより良い暮らしにするための選挙。台所の声を政治に反映させたい」と訴えた。
 応援演説では、選対本部長を務める仲村正治衆院議員、仲井真弘多知事のほか、自民党の中川秀直幹事長、公明党の北側一雄幹事長、小池百合子首相補佐官らもあいさつを行い島尻氏に対する支援を呼び掛けた。
 そのほか、金城氏も那覇市の県民広場で街頭演説を行い、経済振興について尖閣諸島付近の海底資源開発などの政策を訴えた。
 県全体の有権者数(四日現在)は、百五万六百十四人で、内訳は男性が五十一万一千二百六十七人、女性が五十三万九千三百四十七人となっている。

「負けられない」と両陣営/宮古出身を熱烈アピール

 「狩俣出身の狩俣吉正さんを国政へ送ろう」「宮古嫁の島尻安伊子さんを当選させよう」−。五日に告示された参院沖縄選挙区補欠選挙。宮古での両陣営の出発、出陣式では、政策を強調しながらも「宮古出身者」も強力にアピールするなど、さながら「宮古対決」を思わせる雰囲気に。両陣営とも「絶対負けられない選挙」と気勢を上げた。

狩俣 吉正さん陣営/平和と福祉を前面に

狩俣さんの当選へ向けガンバロー三唱で気勢を上げる支持者ら=5日、平良字西里のかりまた吉正後援会事務所
狩俣さんの当選へ向けガンバロー三唱で気勢を上げる支持者ら=5日、平良字西里のかりまた吉正後援会事務所

 狩俣吉正さんの後援会宮古支部の出発式には、支持者らが多数詰め掛け、「宮古、沖縄の代表として狩俣さんを国政へ送り出そう」と団結と決意を示した。
 出発式は、豊見山恵栄宮古島市議が開会を宣言した後、総支部長の伊志嶺亮市長があいさつし、「自公政権は、大企業中心の政策や福祉の切り捨てなどを行い、庶民の負担を増やしている」と批判。その上で狩俣さんは@格差を無くすA平和を守るB米軍基地の撤去・移転C福祉を守り暮らしを守る−という政策を打ち出していることを紹介し「宮古のために仕事をするのは、狩俣出身の狩俣さんしかいない」と宮古出身をアピールしながら支持を訴えた。
 奥平一夫県議は「正しいことをきちんと届けていけば、勝てるということを肝に銘じて、この選挙選を戦い抜きたい」と決意。「狩俣さんが当選し沖縄の心、県民の心を国会で訴えてほしい」と呼び掛けた。
 仲間明典宮古島市議も「宮古で生まれた人しか、宮古を守ることはできない。一丸となって、狩俣さんを国会へ送り出し、宮古の現状を訴えてもらおう」と述べた。
 最後は、出席者全員でガンバロー三唱を行い、当選へ向けて気勢を上げた。

島尻 安伊子さん陣営/国・県とのパイプ強調

島尻さんの勝利へ向けガンバロー三唱で気勢を上げる支持者ら=5日、平良字下里の島尻あい子後援会事務所前
島尻さんの勝利へ向けガンバロー三唱で気勢を上げる支持者ら=5日、平良字下里の島尻あい子後援会事務所前

 島尻安伊子さんの宮古連合支部の出陣式には、大勢の支持者らが集まり、「仲井真県政を支える島尻さんを必ず当選させよう」と、ガンバロー三唱などで気勢を上げた。
 出陣式ではまず、宮古島市議会保守系議員団を代表して池間雅昭議員が開会を宣言した。この後、あいさつに立った仲間克支部長は、仲井真県政と国政とのつながりが伊良部大橋などのプロジェクトに結び付き、宮古の発展につながっていくことをアピール。「宮古嫁の安伊子さんを国会に送ろう」と、宮古とのかかわりを強調しながら支持を呼び掛けた。
 公明党宮古支部連合会の富浜浩会長は、島尻さんを「女性の視点から政策を掲げ、格差是正に向けて強い信念を持っている人」と紹介。その上で「沖縄や宮古の現場の声を国政に届ける安伊子さんを、われわれの力で当選させよう」と訴えた。
 日本商工連盟の中尾英筰宮古地区代表世話人は、女性の立場から経済にリンクさせた政策を展開している島尻さんを高く評価。「選挙期間中は奮闘し、島尻さんを国会へ送ろう」と団結を呼び掛けた。
 最後は、参加者全員でガンバロー三唱を行い、勝利へ向けて気勢を上げた。
top.gif (811 バイト)

10日からデジタル放送/宮古テレビ
 
宮古地区全域対象 きょうから加入受付

今月10日から始まるデジタル放送サービスを前に多種機能の紹介などを行った宮古テレビ=5日、宮古テレビ
今月10日から始まるデジタル放送サービスを前に多種機能の紹介などを行った宮古テレビ=5日、宮古テレビ

 宮古テレビ(藤村明憲社長)は十日から、デジタル放送サービスを開始し、きょう六日から加入受け付けを始める。ケーブルを通してデジタル放送を配信するため、二〇一一年のアナログ放送終了時もデジタルテレビへの買い替えは不要で、引き続き一般のアナログテレビで視聴が可能。アナログ放送に比べデータ放送や電子番組表などの機能が増えるほか、デジタルテレビではハイビジョン番組も視聴できる。
 同サービスの開始に伴う記者会見が五日、宮古テレビ本社で行われ、藤村社長は「一一年からのデジタル放送一本化に向けて、多くの皆様にデジタル放送とは何かを理解してほしい」と話した。
 同サービスでは、アナログ放送サービスで配信されていた三十七チャンネル(有料放送の四チャンネルを含む)のうち、NHKと民放放送を除く三十三チャンネルをデジタル化。料金コースによって、さらに十四のチャンネルが視聴できるほか、映画など観たい番組を画面上で選択・購入するペイパービュー(PPV)サービスも加わる。
 文字などでニュースや天気など番組から独立した情報提供を行うデータ放送や画面上で番組を選択したり、録画予約ができる電子番組表(EPG)機能も搭載されている。
 同サービスは視聴するチャンネル数により月額三千六百二十−四千六百円(デジタルチューナーレンタル料込み)。申し込み後、チューナーの設置工事(テレビ一台五千円、二台目以降は三千五百円)が必要となる。
 現在のアナログ放送は二〇一一年七月までに終了し、デジタル放送に一本化される。昨年十二月には全国で地上デジタル放送が始まり、県内ではNHKと琉球放送、沖縄テレビ、琉球朝日放送の民放三社で放送を開始。しかし、宮古を含む先島地区ではまだ放送が始まっておらず、民放三社は「検討中」、NHKは〇八年から放送開始予定となっている。
top.gif (811 バイト)

明日を考える検討委発足/南静園
   委員長に松川さん 将来構想について議論

将来構想について意見を交わした宮古南静園の明日を考える検討委員会=5日、宮古島市役所平良庁舎
将来構想について意見を交わした宮古南静園の明日を考える検討委員会=5日、宮古島市役所平良庁舎

 宮古南静園の明日を考える検討委員会が五日、発足し、宮古島市役所平良庁舎で第一回委員会を開いた。委員長には松川英世さん(宮古島市社会福祉協議会事務局長)を選出。委員十六人(未定者一人)を決め、規約や将来構想について議論した。次回は五月十七日に開かれる。
 この委員会は在園者の終生在園保障と施設の社会化を可能にする将来構想を策定し、新たなまちづくり、地域社会づくりを検討することが目的。
 委員会では、将来構想の素案について意見を交わした。委員からはハンセン病問題統一交渉団の方針と異なる点があることなどの指摘があり、次回委員会までに資料の収集など行い、再度話し合うことを決めた。
 宮古南静園入所者自治会の宮里光雄会長は「今後、より具体的に将来像をつくりたい。一歩でも前進することを期待している」とあいさつ。伊志嶺亮市長は「みんなで力を合わせて南静園の明日を考え、できるだけ早く策定しよう」と呼び掛けた。
 同園の将来構想は、一九九七年から九九年にかけて、行政、医療機関など関係機関で構成する将来構想懇談会が開かれたが、計画的かつ具体的なビジョンを策定する段階までは至らなかった。
 委員は次の皆さん。(敬称略)
 【委員長】▽松川英世(宮古島市社会福祉協議会事務局長)【副委員長】▽吉原愛子(みやこ・あんなの会代表)【委員】▽宮里光雄(宮古南静園入所者自治会長)▽池村源盛(同副会長)▽知念正勝(宮古南静園退所者の会代表)▽上里榮(同副代表)▽島尻敏雄(全医労南静園支部長)▽西里馨(同副支部長)▽上原哲夫(宮古病院副院長)▽上原真理子(宮古福祉保健所長)▽砂川洋子(みやこ・あんなの会)▽亀浜玲子(宮古南静園証言集編集委員)▽橋本よし子(宮古島市地域活動支援センター若葉施設長)▽宮川耕次(宮古島市総務部長)▽上地廣敏(同福祉保健部長)▽久貝智子(同企画政策部長)
top.gif (811 バイト)

子どもを虐待から守れ/早期発見に連携確認
  要保護対策地域協が発足/宮古島市

児童虐待防止に向けて、各関係機関が協力していくことを確認した=5日、宮古島市役所平良庁舎
児童虐待防止に向けて、各関係機関が協力していくことを確認した=5日、宮古島市役所平良庁舎

 宮古島市要保護児童対策地域協議会が五日、発足し、市役所平良庁舎で初会合を開いた。児童相談所や警察署、民生委員、教育関係者などで構成された代表者会議が設置され、伊志嶺亮市長から委嘱状が交付された。会長には宮古島市民生・児童委員協議会長の宮里敬一さんが、副会長には市社会福祉協議会長の奥平玄孝さんが選出された。児童虐待などの未然防止や早期発見・解決にネットワークを構築し、連携しながら取り組むことを確認した。

 同協議会は、要保護児童の適切な保護を図るため、関係機関や関係団体が、情報の交換および適切な連携の下で、支援を図るのが目的。必要な情報交換を行うとともに、要保護児童に対する支援の内容に関する協議などを行う。
 県中央児童相談所主査の伊波盛治さんが年々、右肩上がりに推移する県内の児童虐待相談件数に触れ、「問題解決のために複数の機関・人のかかわりの重要性」を強調。「ネグレクト(養育放棄)などの場合、現場での判断は厳しいと思うが、個人で判断するのでなくまず会で相談することが大事。専門機関が判断するものだと思って任せてほしい」と呼び掛けた。
 また、協議会の中に設置された▽代表者会議▽実務者会議▽個別支援会議−などの三会議について、それぞれが必要に応じて会議を開くことを確認した。
top.gif (811 バイト)

安里さん(平一小3年)審査員特別賞/ブリヂストンこどもエコ絵画コンクール
「宮古の美しい海」描く

審査員特別賞に輝いた安里静香さん=5日、平良字西里の自宅
審査員特別賞に輝いた安里静香さん=5日、平良字西里の自宅

 第四回ブリヂストンこどもエコ絵画コンクールがこのほど開催され、平良第一小学校新三年生の安里静香さん(八つ)=平良字西里=が「審査員特別賞」に輝き、三日、東京で表彰式が行われた。応募総数一万七千五百十二点の中から百一点が入賞。安里さんは、その中でも最も優秀とされる審査員特別賞六点に入った。安里さんは「宮古島の美しい海をいつまでも残したいと思って描いた。表彰されてとってもうれしいです」と受賞の喜びを笑顔で話した。
 同コンクールのテーマは「みらいに のこしたい しぜん」。安里さんは「海のきらめき」と題して、宮古島の透き通るような海を鮮やかなブルーで表現。また海中に住むタコやマンボウ、カメ、サンゴなど海の生き物を、色彩豊かに伸び伸びと描いた。
 「絵を描くのは大好き」と照れくさそうに笑う安里さんは、同作品を二日間で仕上げた。審査員の講評では「海の中の生き物を未来に残したいという意図が非常によく表現できていた。色合いや構図も良かった」とたたえられた。
 安里さんの作品および他の入賞作品百一点は、ブリヂストンが未来のエコカーとして走行する燃料電池自動車「F・Cell」の車体にもプリントされるほか、今後、全国で行われる各イベント会場などでお披露目されるという。
 安里さんは「これからも宮古の海がきらきらと輝けるように、環境にも優しい人でいたい」とにっこり。
 父親の隆一さんは「好きなことにどんどん挑戦して、いろいろなことを模索し続けてほしい」と穏やかに話した。
top.gif (811 バイト)

全国推奨観光土産品に/嘉手苅さん制作の三味線のバチ
アクリルで独自の音色

推奨状と推奨品のバチを手にする嘉手苅さん=4日、宮古島市商工会議所
推奨状と推奨品のバチを手にする嘉手苅さん=4日、宮古島市商工会議所

 かんどぅぬ工房の嘉手苅重光さんが制作した「三味線の爪(バチ)」が、「全国的に優秀な観光土産品」として全国観光土産品連盟と日本商工会議所の推奨を受けた。爪がすり減らず音質も良くするという優秀な作品。嘉手苅さんは「うれしいの一言です」と、笑顔を見せた。
 推奨されたバチは、指状の木片の爪の部分にすり減らないアクリルを埋め込んだ作品。知人の勧めで二〇〇五年九月に初めて制作した。昨年は独特な工夫が認められ、実用新案権を取得。その後、宮古島市商工会議所が全国推奨土産品に推薦していたところ、認められた。
 民工芸の部では、県内から二十作品が推奨を受け、宮古は嘉手苅さんの作品だけだった。

推奨を受けたバチ
推奨を受けたバチ

 嘉手苅さんは「私の作ったバチを、多くの三線愛好者に使っていただければうれしい」と、推奨をきっかけにした販売拡大に期待。「これからも、今に満足せず改良を重ねよりいいものを作っていきたい」と抱負を語った。
 推薦した商工会議所の赤嶺一成専務は「嘉手苅さんの作品が推奨を受けたことは、宮古のものづくりにいおいて大きな成果。会議所としても今回の推奨を起点に、工芸品開発促進に努めたい」と、祝福した。
 商品に関する問い合わせは「かんどぅぬ工房」(電話72・3003)か嘉手苅さんの自宅(同73・1555)まで。
top.gif (811 バイト)