200平成19   月曜日

観光シーズンが幕開け/ミス宮古が「海びらき」宣言
  前浜ビーチに過去最多3300人/晴天恵まれ、海水浴楽しむ

カウントダウンを合図に、一斉に海へと駆ける子どもたち=1日、下地の与那覇前浜ビーチ
カウントダウンを合図に、一斉に海へと駆ける子どもたち=1日、下地の与那覇前浜ビーチ

 第二十九回「サンゴの楽園未来まで 集まれ遊ぼう 宮古島の海びらき」(主催・宮古観光協会)が一日、下地の与那覇前浜ビーチで行われ、多くの住民や観光客らが、笑顔で海水浴を楽しんだ。朝から晴天に恵まれ、最高気温二八度と夏を思わせる陽気に、来場者は過去最多の三千三百人(主催者発表)を記録。ミス宮古が海びらきを高らかに宣言し、宮古島の夏の観光シーズンが本格的に幕開けした。

 この日を待ち望んだ子どもたちは、カウントダウンとともに一斉に海に飛び込み歓声。トレジャーハンティング(宝探しゲーム)や小学生十人十一脚レース、まるごと宮古島○×クイズなどのプログラムや、協力団体によるシーカヤックや宮古馬の乗馬、漂着物アートの体験など、多彩なコーナーも満喫した。
 砂川奈々さん(東小六年)は「きれいな海が大好き。潜って遊んで楽しかった」と笑顔。トレジャーハンティングでゲーム機を当てたアルバラード武蔵君(宮島小二年)は「とてもラッキーだった。海は楽しいので、また遊びに来たい」と話した。
 オープニングセレモニーでは、主催者を代表して宮古観光協会の藤村明憲会長が「今年一年間で宮古への観光客が四十万人を突破することを期待し、集まった皆さんの安全と、この海びらきでの楽しい交流を祈りたい」とあいさつ。関係者のテープカットとともに、同協会青年部の豊見山忠朗部長とミス宮古の三人が海びらきを宣言した。
 祝辞で宮古島市の伊志嶺亮市長は「島に住む人にとっても島を訪れる人にとっても、楽しく過ごせる宮古島であるよう、自然を守っていこう」と呼び掛け。
 沖縄観光コンベンションビューローの洲鎌孝常務理事は「宮古島の青い海は最大の観光資源。関係者が官民一体となり、観光発展へなおいっそう尽力されることを願う」と述べた。
 宮古島市出身の歌手、砂川恵理歌さんや琉球國祭り太鼓宮古支部も登場し、歌や演舞で海びらきを盛り上げた。
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下地島に民間旅客機就航

小型航空機が那覇−下地島路線に就航。民間機の利用は13年ぶり=1日、下地島空港
小型航空機が那覇−下地島路線に就航。民間機の利用は13年ぶり=1日、下地島空港

 沖縄那覇−下地島路線に1994年以来13年ぶりとなる民間旅客機が1日、就航した。不定期の乗り合い式だが、毎日一往復を運航する予定。この日は28人(往復)が搭乗した。小型航空機は18席あるが、販売席は16席となっている。

 

「快適、便利になった」/民間旅客機 那覇−下地島に初就航
第1便は28人が利用

初就航の便に搭乗。下地島空港エプロンに降り立つ乗客ら=1日、下地島空港
初就航の便に搭乗。下地島空港エプロンに降り立つ乗客ら=1日、下地島空港

 沖縄那覇−下地島路線に一日午後、観光ビジネス航空会社「エアトランセ」(本社北海道)の航空機が初就航した。同空港における民間旅客機の就航は一九九四年以来十三年ぶり。この日は伊良部地区の住民を含む計二十八人(往復)が搭乗、快適な空の旅を満喫した。伊良部地区の住民らは「那覇に行きやすくなったし便利になる」と喜んだ。

 初便は正午に那覇空港を出発。十二人を載せた米国製小型機「Beech1900D」(十八席で十六席を販売)が下地島空港に到着したのは午後零時五十分だった。訓練用の大型機が離着陸訓練を実施している合間に着陸した。
 下地島空港には多くの地元住民が集まり、同機の初就航を歓迎した。那覇から訪れた知人や親類との再会を喜び合う光景も見られた。
 伊良部島の知人を訪ねて来島した那覇在住の松堂美和子さん(32)は「快適な乗り心地で雲をとても身近に感じた。ゆっくり空の旅を楽しめた」と笑顔で話した。
 那覇−下地島路線の販売業務を担うエアードルフィン(本社那覇市)の三松達哉社長も初便に同乗した。下地島空港で報道陣から質問を受け「初就航は揺れることもなく順調に予定通り運航することができた」と満足げに話した。その上で「この便は不定期で、今は昼間の一往復という形で利用客には迷惑を掛けるかもしれないが、これからはサービス面を充実させるなどして便数を増やす方向で頑張りたい」などと話していた。
 十三年ぶりの民間航空機の利用について宮古島市下地島空港等利活用推進室の島尻強室長は「伊良部島民にとっては、宮古空港まで行く時間などを考えれば非常に便利になると思う。今後の残地利用計画と合わせて、同空港の利活用を推進していきたい」と話した。
 この便は不定期の乗り合い式だが、毎日一往復運航の予定。予約時に出発時刻を確認して利用するシステムで、予約先はエアードルフィン予約センター(電話098・858・3363)。運賃は片道一万五千円としているが、伊良部地区に在住する住民には往復切符を条件に片道一万三千円で販売する。
 那覇−下地島の就航は十三年ぶり。日本トランスオーシャン航空(当時南西航空)が一九八〇年に就航させ、十四年間運航した。しかし、利用率の低下に伴う採算性の問題を解消できず、九四年から運休している。
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宮古島海上保安署が発足/「平良」から名称変更

除幕式が行われ、「宮古島海上保安署」が発足した=1日、平良港湾合同庁
除幕式が行われ、「宮古島海上保安署」が発足した=1日、平良港湾合同庁

 「平良」から「宮古島」へ−。海上保安庁の組織改正により一日、平良海上保安署から名称を変更して、宮古島海上保安署が発足した。同日、平良港湾合同庁舎で発足式を行い除幕式が行われたほか、署員らに辞令を交付した。
 平良海上保安署は、本土復帰後の一九七二年十月一日に開設。現在の庁舎には、一九九二年十一月に新築移転した。発足から三十四年にわたって、宮古海域における取り締まりや治安維持、海難救助などに努めている。
 発足式では署員らに対して名称変更に伴う辞令を交付。上鵜瀬啓二署長は「海の安全と安心を提供し、宮古圏域発展のため署員ら一体となり、新たな気持ちで海上保安業務に取り組んでほしい」と訓示した。署員らは周辺海域の安全や安心を守ることを誓った。
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商品化率が向上/宮古産タマネギ
 
 新品種導入の成果

タマネギの選別風景=1日、JAおきなわ城辺支所集荷場
タマネギの選別風景=1日、JAおきなわ城辺支所集荷場

 宮古産タマネギは昨年から新品種のF1037に替わり、商品化率が向上した。球が二つ三つに割れたりする分球(不良品)率が、従来品種のF50(愛称・たまQちゃん)と比べ低下したためで、今後の生産振興の弾みとなりそうだ。
 F50の分球率は、多い年では七〇%に達したこともあったが、今年収穫している新品種は約五%と、大きく低下した。
 県農業研究センター宮古島支所の試験結果によると、天候に恵まれた年の十e当たり収量はF50の四dに対し、F1037は五・二dと、新品種が高収量だった。その理由の一つに分球率の低下を挙げている。城辺のある農家は「分球率が低下したことは、明るい材料。今後、天候に左右されない栽培技術が確立できれば、高収益(十e当たり四十万円以上)が見込める」と話す。
 宮古でサラダなどにする生食用のF50の生産は、一九九八年に城辺の農家で始まった。しかし、F50は分球率が高く、商品化率を低下させていたため、新たな品種の導入が望まれていた。これを受け、県農業研究センター宮古島支所は〇二年から同品種に替わるF1037の試験栽培を実施、〇四年まで三年間の試験の結果、良い成績が得られたことから普及に移した。
 宮古のタマネギ生産は昨年まで城辺が中心だったが、今年から宮古全域に広がっている。栽培面積は三百e、耕作者数三十人。甘さが特徴の同タマネギは、県内の大手スーパーに出荷している。
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手作りの店オープン/野菜や土産品な ど安価で販売
    くこりもや

手作りショップのオープンを祝い、大勢の人が訪れた=1日、平良字狩俣の「くこりもや」
手作りショップのオープンを祝い、大勢の人が訪れた=1日、平良字狩俣の「くこりもや」

 NPO法人マーズ障害者就労移行支援事業所「くこりもや」(下地克子所長)は一日、平良字狩俣の同所で手作りショップ「Ma−
Zu(マーズ)」をオープンした。利用者が丹精込めて作った無農薬野菜や手作り土産品などを安価で販売。地域の子どもたちや高齢者ら約六十人が参加してもちつき大会などを楽しみ、ショップの発展を願った。
 「くこりもや」は二〇〇五年十月にNPO法人を立ち上げ、当初は無認可の作業所としてスタートを切った。五人で始まった作業所も、翌年には就労移行支援事業所として開所。以来、二十三人の利用者と共に、障害者の就労支援を目的として地元の食材を使って商品開発などの取り組みを続けている。
 ショップでは、利用者が作ったダイコンやニラ、ドラゴンフルーツ、レタスなどを五十−百円で販売。みやこ学園や青潮園の利用者らが作った土産品や花鉢なども併せて展示即売されている。
 また、地域交流事業の一環として、地域の高齢者や子どもたちが一緒にもちつきやラムネのつかみ取りに挑戦。世代を超えた交流をそれぞれが楽しんでいた。
 下地所長は「子どもたちや高齢者、障害者たちそれぞれが交流を持つことは素晴らしい。さまざまな体験をしてほしい」と話した。
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新入学生を歌や踊りで歓迎/池間生徒会主催
高校生18人で22演目披露/伝統の「大演芸会」盛況

多彩な演目を披露し新入生を歓迎した=3月31日、池間島離島振興総合センター
多彩な演目を披露し新入生を歓迎した=3月31日、池間島離島振興総合センター

 この春高校に進学する島出身の生徒たちを祝福する恒例の「新入生歓迎大演芸会」(主催・池間生徒会)が三月三十一日夜、池間島離島振興総合センターで開かれた。この高校生の演芸会は脈々と受け継がれる伝統行事。新入生を含め生徒会は十八人。何度も衣装替えを行い、複数演目に出演するなど大忙し。新入生を歌や踊りで激励するとともに、地域住民らを楽しませた。
 池間生徒会は宮古島内の四高校に通う池間出身の生徒で結成。演芸会は同生徒会の伝統行事として五十−六十年の歴史があると言われている。
 演芸会は橋が架かっていないころに、島を離れ高校に通う生徒たちの下宿代などの資金集めと、新入生歓迎を兼ねた演芸会を開いたのが始まり。現在では観客から寄付を募り、生徒会の運営費として活用している。
 今年は五人が進学。宮古高校に小禄裕樹君、仲原和希君、浜元功太君、宮良希望さん、宮古農林高校に平良亜也加さんがそれぞれ入学する。
 仲原君は「文武両道で頑張りたい」、平良さんは「いろいろな資格にチャレンジしたい」とそれぞれ抱負を話した。
 演芸会では二十二演目が披露された。演目は豪快な動きが笑いを誘う「軍艦マーチ」、男子生徒が女装して華麗に舞う「チャイナタウン」、琉舞、創作ダンスなど多彩。各高校の校歌も斉唱された。
 主催者を代表して小禄浩一郎会長は「少ない人数で準備する時間もあまりなかった。下手かもしれないが最後まで楽しんでください」とあいさつした。
 訪れた地域住民らは生徒らの歌や踊りに大喜び。演目が終わるごとに大きな拍手が沸き上がった。
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ビーチをきれいに/海びらきの来場者ら 終了後にクリーンアップ

清掃作業を行う来場者ら=1日、与那覇前浜ビーチ
清掃作業を行う来場者ら=1日、与那覇前浜ビーチ

 一日に与那覇前浜ビーチで開催された「サンゴの楽園未来まで 集まれ遊ぼう 宮古島の海びらき」で、すべてのプログラムの最後にクリーンアップ活動が行われ、主催者だけでなく来場者も一緒になって清掃作業に汗を流した。海びらきを主管した宮古観光協会青年部によると、二d車三台分のごみが集められた。
 各コーナー終了後に主催者が砂浜の清掃を呼び掛け。協力する来場者それぞれにごみ袋が手渡され、ビーチの隅々まで作業を行った。協力した人には、会場に飾られたサルビアとマリーゴールドが配布された。
 同部の豊見山忠朗部長は「イベントの開催前よりもきれいにして、きれいな観光地をアピールしようという取り組み」と意義を説明し、多くの協力に感謝を込めた。
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