200平成19  330 金曜日

狩俣陣営が総決起/参院補選
  自立型経済の構築に全力/「宮古から国政へ」と気勢

狩俣氏の参院補選当選に向けガンバロー三唱で気勢を上げる支持者ら=29日、マティダ市民劇場
狩俣氏の参院補選当選に向けガンバロー三唱で気勢を上げる支持者ら=29日、マティダ市民劇場

 四月五日告示、同二十二日投開票の参院沖縄選挙区補欠選挙で、野党の統一候補として立候補を予定している連合沖縄前会長狩俣吉正氏(56)=社民、社大、共産、民主、国民新党推薦=の宮古地区総決起大会が二十九日夜、マティダ市民劇場で開かれた。大勢の支持者が詰め掛け「狩俣氏を宮古から国政へ」と気勢を上げた。狩俣氏は「自立型経済の仕組みをつくらなければならない。地方や離島を元気にする」と述べ、支持を訴えた。
自立型経済の構築を訴える狩俣吉正氏
自立型経済の構築を訴える狩俣吉正氏

 総決起大会には、宮古島市議会の与党議員をはじめ、与党寄りの「そうぞう」の同市議らも顔をそろえた。
 はじめに後援会宮古総支部代表の伊志嶺亮市長が「狩俣さんは沖縄の平和や基地問題、格差、教育の充実、福祉問題を訴え今日に至っている。子どももお年寄りも安心して暮らせる社会にするために国会で働かせよう」と述べ、支持を訴えた。
 前参議院議員の糸数慶子氏は激励あいさつで「衆院には下地幹郎代議士がいる。狩俣氏の当選で、宮古から衆参両院の国会議員を実現させよう」と訴えた。
 この後に登壇した狩俣氏は「ものづくり、製造業が大切。地域の農産物や畜産物を見直し、製品に変えて外に売る。こういう部分を育てていかなければならない」と持論を展開。その上で「企業を誘致しても失業率は下がらない。自立型の経済の仕組みをつくり、地方や離島を元気にする。そのチャンスを私に与えてほしい」と述べた。
 さらに「当選して最初にやるべきことは農業の問題」などとし、日豪EPA(経済連携協定)の課題解決に取り組む姿勢を示した。労働問題においては「労働者にとって厳しい現実がある。格差をなくしたい」と労働者の視点を強調した。
 最後は会場に詰め掛けた支持者全員でガンバロー三唱を行い、狩俣氏の参院補選の当選に向けて気勢を上げた。
 狩俣 吉正(かりまた・よしまさ)1950(昭和25)年4月5日生まれ。56歳。平良狩俣出身。宮古高校、琉球大学短期大学部法政学科卒。72年平良市役所入り。2001年に連合沖縄会長に就任し、07年2月辞職。
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添道自治会が条件付賛成/ごみ処理施設建設
公害防止協定など要望へ

賛成多数で建設を認めた添道自治会の臨時総会=28日、添道公民館
賛成多数で建設を認めた添道自治会の臨時総会=28日、添道公民館

 新ごみ処理施設建設で、平良地区の添道自治会(池田健吉自治会長)は二十八日夕、臨時総会を開き、候補地となっている現施設西隣への建設に条件付きで賛成することを決定した。出席した住民三十七人中、三十四人が賛成。公害防止協定と添道地域の環境整備が条件で、同自治会は今後、要望書を市に提出する。要望に応えなければ「建設賛成」は撤回するとしている。
 報告を受けた伊志嶺亮市長は二十九日、「大変喜んでいる。新しい施設建設への大きな一歩。今後は反対住民の声を反映した施設や環境を整備して同意を得たい。積極的に理解を得るよう努力したい」と述べた。
 候補地の周辺自治会から賛成の意思表示は初めて。候補地に最も隣接する保里二区には自治会はない。
 臨時総会では、これまでの経過や先進地視察の報告が行われた後、住民がそれぞれ意見を述べた。先進地の視察に参加しなかった住民からは安全面や健康面についての不安の声も上がったが、建設賛成が多数を占めた。
 臨時総会後、池田自治会長は「手放しで賛成ではない。宮古島市全体を考えてのこと」と理由を述べた。要望書については「会員(住民)の意見を聞いてから作成するが、大それた要望はしない。宮古島市と条件が合えば協力する」と話した。
 反対住民の会の男性は「とんでもない話だ。近隣住民はほとんどが反対している。添道自治会が何かを要望すること自体がおかしい。身勝手過ぎるやり方だ」と怒りをあらわにした。同市は今月二十六、二十七の両日、添道自治会の住民を対象に沖縄本島の先進地視察を実施。住民ら十九人が参加し那覇・南風原クリーンセンター、糸豊環境美化センターをそれぞれ視察した。
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自然の中で伸び伸びと一句/宮古毎日子ども俳句吟行会
 
「俳句って楽しい」

子どもたちが自然の中で伸び伸びと俳句を詠んだ春休み子ども吟行会=29日、カママ嶺公園
子どもたちが自然の中で伸び伸びと俳句を詠んだ春休み子ども吟行会=29日、カママ嶺公園

 「宮古毎日子ども俳句」吟行会(主催・宮古ジュニア俳句育成会、宮古毎日新聞社)が二十九日、カママ嶺公園で開かれた。春休み中の小学生や中学生約三十人が参加し、自然の中で伸び伸びと俳句を詠んだ。特選には久貝巧真君(佐良浜中三年)の「風ふけば白紙を飾る春の詩」など三句が選ばれた。選者は「宮古毎日子ども俳句」の選者で、俳誌「円虹」主宰者、山田弘子さんが務めた。
 子どもたちは、友達同士や親子連れで春を季語にした俳句作りに挑戦。公園内を散策しながら、五七五の世界に触れた。
 参加した花城沙也加さん(南小四年)は「季節を入れながら詠む俳句が大好き。俳句を作ろうとすると、今まで見えなかったものが見える時もある」と話した。
 沙也加さんは「春の国花がみんなでわらってる」という俳句を詠み、入選した。
 選者の山田弘子さんは「俳句を作りっ放しにしないで、練り直して次の機会に生かしてほしい。きっと良い句になりますよ」とアドバイスした。
 入賞者は次の皆さん。(敬称略)
 【特選】▽久貝巧真(佐良浜中三年)「風ふけば白紙を飾る春の詩」▽恩川じゅんのすけ(下地小一年)「木にのぼる赤アリ軍団かっこいい」▽佐和田里緒菜(城辺小六年)「みつばちが花のめいろに挑戦中」
 【入選】▽恩川じゅんのすけ(下地小一年)「たんぽぽがさこうとしているもう春だ」▽池間たかき(城辺小三年)「春休みみんなではいくつくったよ」▽下地梨里(同小三年)「はるのうたおはながうたうきれいだね」▽下地朱人(西城小三年)「春の日にチョウがいっぱいとんでいる」▽砂川ちか(下地小三年)「春のかぜそよそよふくよきもちいな」▽仲宗根智陽(久松小三年)「あつい日にテニスでがんばるおじいおばあ」▽恩川ゆめの(下地小三年)「アゲハチョウ大空たかくとんでいる」▽荷川取星弥(城辺小三年)「春休みみんなではいくつくったよ」▽花城沙也加(南小四年)「春の国花がみんなでわらってる」▽下地双葉(下地小五年)「春風がふく夢の中に行きそう」▽上地貴大(城辺小五年)「春風にふかれてはっぱとんでいく」▽喜屋武咲世(砂川小五年)「春がきて句碑のまわりに花がさく」▽伊志嶺斗夢(南小五年)「桜の木はれぶたいまでもうすこし」▽伊志嶺周斗(同小五年)「春風でハイビスカスがおどりだす」▽仲里葉奈(城辺小六年)「たんぽぽや太陽に負けないお顔です」
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経営改善進まず/宮古島漁協
 
 借入5000万円の返済滞る

宮古島漁協の経営改善について協議した委員会=29日、県宮古支庁
宮古島漁協の経営改善について協議した委員会=29日、県宮古支庁

 二〇〇六年度宮古島漁業協同組合経営改善管理委員会が二十九日、県宮古支庁で開かれた。この中で同漁協の借入金残高が示され、クルマエビ養殖で活用する漁業近代化資金など信用漁業協同組合連合会(信漁連)からの借入金の返済が滞っていることが分かった。信用事業譲渡不足資金の返済も遅れていることが判明し計五千万円以上の返済を迫られている。宮古島漁協は信漁連に返済期間延長などで理解を求めたが、信漁連は「延期は無理な話だ」と強調。返済が滞ると、クルマエビ養殖の停滞だけでなく漁協の存続そのものにも影響を与えそうだ。

 借入金残高明細表によると、漁業近代化資金は〇五年九月に五千万円を借り入れ。これまでに千六百四十八万九十九円を返済したが、残り三千三百五十一万九千九百一円と利息の支払いが滞っている。預貯金関係で必要とした信用事業譲渡不足資金は〇一年に二億六千万円を借り入れ。この資金は一一年完済で毎年約二千万円を返済しなければならないが、〇六年度返済分が滞っている。
 委員会で宮古島漁協側は「組合員出資金の増資などで〇七年度早々に返済したい」とした。好調なクルマエビ養殖や伊良部架橋建設に伴う補償費なども充てる予定だ。
 ただ、漁業近代化資金については今年七月二十日が返済のリミットで返せなければ次の借り入れができない。このためクルマエビの養殖事業そのものに影響が出る。
 委員会では「再建計画の見直しも必要なのではないか」「毎年、この時期に同じ議論をすることにならないか」などと宮古島漁協の経営安定を疑問視。これに宮古島漁協側は「クルマエビ養殖は赤字経営にならない」などとし、今後の再建計画に理解を求めた。
 同委員会は、財政難にあえぐ宮古島漁協の経営改善を図ることを目的とした組織。宮古島市をはじめ、県、県漁業協同組合連合会、県信用漁業協同組合連合会、県漁業信用基金協会などの代表が委員を務めている。
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年間大賞に久貝君/宮古毎日子ども俳句
優秀賞にはふくざと君ら5人

年間賞で表彰された(右から)大賞の久貝君、優秀賞の垣花愛海さん、本村慧さん、ふくざとまひろ君=29日、カママ嶺公園
年間賞で表彰された(右から)大賞の久貝君、優秀賞の垣花愛海さん、本村慧さん、ふくざとまひろ君=29日、カママ嶺公園

 「宮古毎日子ども俳句」年間表彰式が二十九日、カママ嶺公園で行われた。大賞に選ばれた久貝巧真君(佐良浜中三年)ら六人に宮古毎日新聞社編集局の松原清吉顧問から表彰状と副賞が贈られた。
 表彰式で松原顧問は「皆さんが一生懸命に俳句作りに励んだおかげで、紙面もにぎやかになった。今後も、年間賞に恥じないよう素晴らしい俳句を作ってください」とあいさつした。
 「宮古毎日子ども俳句」の選者で、俳誌「円虹」主宰者の山田弘子さんは「俳句を通して、人のことを考えたり、自然から学んだりしてほしい」と呼び掛けた。
 宮古ジュニア俳句育成会会長の伊志嶺亮市長は「皆さんの個性豊かな感性で、俳句作りを楽しんでほしい」と今後の精進を期待した。
 年間俳句賞は、宮古毎日新聞の企画「宮古毎日子ども俳句」に昨年四月から今年一月までに掲載された特選の中から大賞と優秀賞を選んだ。
 年間賞受賞者と受賞句は次の通り。
 【大賞】▽久貝巧真君(佐良浜中三年)「夕暮れの空を支える鷹柱」
 【優秀賞】▽ふくざとまひろ君(城辺小一年)「おばあちゃんうんどうかいはっするはっする」▽本村慧さん(鏡原小三年)「セミさんにおつかれさんと声かける」▽垣花愛海さん(平良中三年)「台風でみんな飛んでく行方不明」▽上里一成君(翔南高校一年)「炎天下影を求める旅人よ」▽垣花圭亮君(宮古農林高校一年)「真夜中の牛の鳴き声島の夏」
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尾中さんを激励/山田弘子さん 原画展訪ねる

俳句作りの魅力を語り合った尾中さん(左)と山田さん=29日、ホテルブリーズベイマリーナ
俳句作りの魅力を語り合った尾中さん(左)と山田さん=29日、ホテルブリーズベイマリーナ

 「宮古毎日子ども俳句」吟行会で来島中の俳人・山田弘子さんが二十九日、上野地区のホテルブリーズベイマリーナに尾中哲夫さん(スポーツイラストレーター)の原画展を訪ね、同氏の活躍をたたえた。尾中さんは、山田さんが主宰する句会「こぶし会」の会員。
 尾中さんは、俳句と絵に共通点が多いとし「描き込み過ぎるとださくなるし、省略し過ぎると伝わらない」と説明。「風景などを表現する際、俳句を詠むと写真よりも印象的に記憶に刻まれる。俳句は、気軽にできるクリエーティブな活動」と俳句作りの魅力を話した。
 山田さんは「俳句作りを通して客観的に物事を見る目が養われる。自分自身を冷静に見詰める力をつけることができる」と話し、さまざまな職種の人々に俳句に親しんでほしいと呼び掛けた。
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そば作り手ほどき/体験滞在事業
地元食材の良さ伝える

宮古そば作りを楽しむ参加者ら=29日、ゆいみなぁ
宮古そば作りを楽しむ参加者ら=29日、ゆいみなぁ

 宮古島市体験滞在交流促進事業の一環、郷土料理教室が二十九日、ゆいみなぁで開かれた。同事業で育成された観光サービスのインストラクターが参加者に宮古そば作りなどを手ほどきした。
 インストラクターは、島内のグリーンツーリズムに携わる市民五人。同事業の一環で二〇〇五年から、観光サービス提供者の育成研修を受けてきた。
 この日は、観光客を含む十七人が料理教室に参加。宮古そば作りが初めてという参加者らに「麺にヨモギや長命草を練り込んでもおいしいよ」などと、地元食材を使った手作りのおいしさを伝えていた。
 インストラクターの比嘉初江さん(57)は「この事業がきっかけで、サービス提供者として一歩前進できた。インストラクターの皆さんと連携を持って体験滞在型観光の受け入れ体制を築いていきたい」と話した。
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