200平成19  325 日曜日

管内 厳しい就職環境続く/「求人」が県内で唯一減少
  公共工事頼み反映=^地場産業なく人口流出
求人・求職のミスマッチも

地域別月間求人数・有効求職者数・有効求人倍率   【那覇支局】日銀那覇支店がこのほど発表した「県の高失業率の背景について−完全失業率改善に向けた課題−」で、宮古地区の「求人」が二〇〇〇年度から〇五年度の五年間で県内で唯一減少していることが分かった。県内五カ所(那覇、沖縄、名護、宮古、八重山)のハローワークのうち、この五年間で「求職者数」はすべての地区で増加。しかし、「求人数」は宮古を除く四地区では増加したが宮古のみ減少となり、県内における宮古の就職環境は最も厳しい状況であることが示された。

 〇五年度における宮古の求人数は、三千九百八十二人で二〇〇〇年度に比べ二百八十三人減。一方、求職者数は一万三千七百八人で同比四千三百九十五人増加。有効求人倍率は〇・二九倍で二〇〇〇年度に比べ〇・一七悪化した。この五年間で有効求人倍率が悪化したのは県内で宮古のみとなっている。
 宮古と人口がほぼ同規模の八重山地区は、二〇〇〇年度に比べ〇五年度の求職者数は二千百三十二人増加したが、求人数はそれを上回る三千九十人増加し、有効求人倍率は〇・六八倍で県内でもっとも高い数値となった。宮古は八重山よりも求職者数の伸びは大きかったが、求人数は宮古がマイナス二百八十三人に対し、八重山は三千人以上の雇用が五年間で生まれるなど、対照的な状況となっている。
 こうした状況について宮古公共職業安定所(ハローワーク宮古)は「第一の要因は、宮古に大きな産業がないこと。石垣は人口も増え、好調な観光産業で雇用も増えていることも影響していると思う。宮古は建設業界で公共工事の減少など厳しい就職環境となっている部分もあるが、なかなか地場産業が育っていないことも原因の一つ」と説明した。
 また、全体的に一般事務職を求める求職者が多い一方で、事業者が求めるOA関係の知識が求職者側に乏しいことなどもあり、求人と求職のミスマッチがあることも指摘している。
 求職者が増加する一方で求人数は減少し、厳しさを増す宮古の就職環境について同所は「島に仕事が無く、季節労働で半年間働いて島に戻り、お金が無くなると、また季節労働に行くという状況もある。宮古では、手に職(技術)がない人が働ける事業所も少ないし、零細企業が多く一人雇うことにも事業所が慎重になっている部分があるのではないか」と分析している。
 求職者が増加する一方で、雇用の場はなかなか生まれない宮古地区。働く場所が無ければ、島での生活を求めても厳しいことから人口は流出する。島の未来のためにも地域を挙げて「雇用創出」を目指した取り組みが必要となっている。     (垣花尚)
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連盟が初開催 37人が技競う/スナッグG全宮古選手権
  
育てジュニアゴルファー

ジュニアゴルファー育成のため初めて開催された全宮古スナッグゴルフ大会=24日、前福多目的運動場
ジュニアゴルファー育成のため初めて開催された全宮古スナッグゴルフ大会=24日、前福多目的運動場

 第一回全宮古スナッグゴルフ選手権大会(主催・宮古ゴルフ連盟)が二十四日、宮古島市前福多目的運動場で行われた。ジュニアゴルファーの底辺拡大と競技レベルの向上を目的としており、今回が初めての開催。幼稚園児から小学六年生まで、合わせて三十七人が練習の成果を競い合った。
 大会は小学校高学年の部、同低学年の部、幼稚園の部の三部門で実施。経験者は大人顔負けのスイングでベストスコアを目指し、初心者もこれまでの練習の成果を発揮して真剣な表情でプレーした。来場者が誰でも練習できる体験コーナーも設けられた。
 スナッグゴルフは子どもや未経験者でも基本的なスイングを身に付けられるようにと、米国で考案された。宮古では二年前に宮古ゴルフ協会(現・同連盟)が狩俣小にスナッグゴルフセットを寄贈したことをきっかけに知られるようになった。同校は昨年九月の全国大会で優勝を果たしている。
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前浜ビーチ 100人でクリーンアップ/観光協会
 
 白い砂浜 もっときれいに/来月1日の海びらきを前に

海びらきを前にごみ拾いに汗を流しビーチの環境美化に努めた参加者たち=24日、与那覇前浜ビーチ
海びらきを前にごみ拾いに汗を流しビーチの環境美化に努めた参加者たち=24日、与那覇前浜ビーチ

 宮古観光協会(藤村明憲会長)主催の与那覇前浜ビーチクリーンアップ活動が二十四日行われた。四月一日に同ビーチで開催される「第二十九回サンゴの楽園未来まで集まれ遊ぼう 宮古島の海びらき」に向けて観光関係者や地元住民ら約百人が参加。落ちているごみを拾い集め、観光客に誇れる美しい砂浜の形成に汗を流した。

 作業を開始して一時間後には三dトラックいっぱいのごみが積み上げられ、参加者からは「見えない所にごみが捨てられたりしている。悲しいね」などと、実態を嘆く声も聞かれた。
 開会セレモニーで同協会青年部の豊見山忠郎部長は「前浜だけでなく、宮古全体のクリーンアップの一環として実施する」とこの日の目的を強調。「島民たちが気持ちを一つにして活動できるのは素晴らしい」とあいさつした。この後、前浜ビーチ一帯の清掃活動がスタートした。
 参加者らは、三つのグループに分かれ、東急リゾート側と前浜漁港側、入り口までの道路などを清掃。砂浜に漂着した流木や空き缶、ロープ類やポイ捨てされたたばこの吸い殻などをこまめに拾い集め、ビーチの環境美化に努めていた。
 海びらきは来月一日、午前十時から前浜ビーチで開かれる。海びらき宣言後、琉球國祭り太鼓宮古支部の演舞や、シンガーソングライターの砂川恵理歌さんのミニライブ、トレジャーハンティング(宝探し)など、さまざまなアトラクションやイベントのほか、宮古馬触れ合い体験乗馬や漂着物アート、シーカヤック体験試乗会、ペット相談室、ジャグリングなど盛りだくさんの内容となっている。
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尾中さん(スポーツイラストレーター)原画展開催/ブリーズベイ
名選手の躍動感あふれる

尾中さんの月刊ゴルフダイジェスト表紙原画展が行われている=24日、ホテルブリーズベイマリーナ
尾中さんの月刊ゴルフダイジェスト表紙原画展が行われている=24日、ホテルブリーズベイマリーナ

 「月刊ゴルフダイジェスト」の表紙を担当するスポーツイラストレーター、尾中哲夫さんの原画展が二十四日から、上野のホテルブリーズベイマリーナ一階ロビーで行われている。五月六日まで。入場無料。県内での個展は初めて。県出身の宮里藍選手をはじめ、タイガー・ウッズ選手、丸山茂樹選手らを描いた原画、百二十一作品が展示されている。
 尾中さんは「頑張っている人、輝いている人を見ると元気になれる。その一瞬を絵にしている。明るく元気な気持ちになり、エネルギーをもらってくれたらうれしい」と話した。
 尾中さんは兵庫県神戸市を拠点に活動。同誌の表紙をはじめ、各種スポーツ誌の表紙や書籍の挿画、全国規模のスポーツイベントのポスターなど、幅広く活躍している。
 会場には笑顔の宮里選手や、ウッズ選手の力強いスイングなど、名選手たちの躍動感あふれる作品がずらりと並ぶ。尾中さんは「ぜひ地元の子どもたちにも見てほしい。『自分も絵に描いてもらえるようになりたい』と思ってくれたら幸い」と話した。
 ホテルの担当者によると、ロビーでの展示会は初の試み。「尾中さんの厚意で、これだけの点数を展示することができた。ホテルを利用されるお客様だけでなく、島内の多くの方々に見ていただきたい」と呼び掛けた。問い合わせは、同ホテルの塚本享佑さん(電話76・3000)まで。
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求人説明会に60人/本社主催
  派遣会社13社参加し面接

60人が参加し担当者と面接しながら仕事内容などを聞いた求人合同説明会=24日、JAおきなわ宮古地区本部2階ホール
60人が参加し担当者と面接しながら仕事内容などを聞いた求人合同説明会=24日、JAおきなわ宮古地区本部2階ホール

 宮古毎日新聞社主催の第三回求人合同説明会が二十四日、JAおきなわ宮古地区本部二階ホールで行われた。本土などへ就職を希望する約六十人が訪れ、担当者から仕事の内容や給与体系などを熱心に聞いた。求職者たちは「説明が分かりやすく、雇用条件や寮生活、給与額などが把握できた」と好評な様子だった。
 今回の説明会には、自動車製造・組み立て、OA機器、家電メーカー、各種検査業務、人材派遣会社−など十三社が参加。職を求めて訪れた人たちとじかに面接をしながら、就職に向けて話を進めた。
 平良に住む二十代の男性は、最近まで製糖工場でアルバイトとして働いていたという。「資格を取りながら、本土で働きたい。合同説明会は、一度にいろんな会社と面接できるから良い」と語った。この男性は五社と面接し「仕事の内容や給与を比較しながら仕事先を決めたい」と話した。
 名古屋市から参加した派遣会社の担当者は「本土への就職は不安があると思うが、まずは面接ではその不安を取り除くことから始める」と言い「しっかりとした目標を持って仕事に臨めば、本人にも会社にもメリットがある。そういった人材を会社も求めている」と話した。
 会場には、求職者がすぐに面接を受けられるようにと履歴書作成や証明写真撮影コーナーを本社が設置。参加者へアンケートも行い、次回開催への参考にした。
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下地君、難関突破/東京外国語大学に合格

倍率10倍の難関を突破し国立東京外国語大学に合格した下地君=24日、東進衛星予備校宮古校
倍率10倍の難関を突破し国立東京外国語大学に合格した下地君=24日、東進衛星予備校宮古校

 昨年、宮古高校普通科を卒業した下地功騎君(19)=下地字上地=がこのほど、倍率一〇倍の難関を突破し国立東京外国語大学外国語学部英語専攻に合格した。下地君は「自信がないわけではなかったが、合格が信じられなかった。とにかくうれしいです」と喜んている。
 高校卒業後、山梨県にある公立都留文化大に進学するも「文学部のカリキュラムが自分に合わない」と、両親を説得し同大を休学した。もともと英語に興味があった下地君は、外国語大学の中でもトップクラスの東京外国語大を受験しようと決意。昨年六月、宮古に帰ってからは、毎日十二時間以上も受験勉強に取り組んできた。
 受験のチャンスは、一般入試の後期日程のみ。「一発勝負だったので緊張した」と苦笑い。今月二十一日の合格発表で受験番号を見つけたときは「うれしくてテンションが上がった」が「四年間、一生懸命勉強したいと決意した」という。
 後輩たちへは「宮古にいても頑張ればできるということを知ってほしい。劣等感を持たずに何事にも頑張って」とメッセージを送った。
 東進衛星予備校宮古校の仲地邦博校長は「ペースを崩さずに集中力を維持できた勝負強さが合格の要因」とたたえた。
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下地が4強入り/中学野球九州大会
大矢野(熊本)に3−0快勝

 【宮崎県で洲鎌恵仁】野球の第四回九州中学生選抜大会(主催・全日本軟式野球連盟九州連合会)が二十四日、宮崎県で開幕した。県代表の下地中は二回戦で大矢野中(熊本)と対戦し、3−0で快勝。持ち味の堅守にそつのない攻撃をからめ、4強入りを果たした。きょう二十五日は準決勝で牛津(佐賀県)と対戦する。同日、決勝まで行われる。
 下地は初回、先頭の芳山拓磨が四球を選ぶと、捕逸で進塁。花城尭が犠打で一死三塁の好機に、4番上地泰史が中前に適時打で先制した。
 下地は、六回にも四死球と相手の失策をからめ、無安打で2点を追加した。
 先発したエース上地泰史は四回を4安打無失点で切り抜け、洲鎌大地にマウンドを譲った。洲鎌は三回を抑え、完封リレーした。
 与那覇正典監督は「両投手が粘り強く投げてくれた。チャンスでも集中していた。守備も落ち着いてピンチを切り抜けた」と振り返った。準決勝については「牛津はうちに似たチーム。勝ちたい気持ちを一つにしたい」と述べた。
 県勢は同大会二連覇中。同日行われた開会式では、友利主将が優勝旗を返還した。
 結果は次の通り。
下地
 1000020|3
 0000000|0

大矢野
(下)上地、洲鎌−洲鎌、上地
(大)渡辺−前川
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