200平成19  324 土曜日

NPO随契を疑問視/市議会一般質問
  野党議員が在り方追及

3月議会一般質問で答弁内容を調整する市当局=23日、宮古島市議会
3月議会一般質問で答弁内容を調整する市当局=23日、宮古島市議会

 開会中の宮古島市議会(友利恵一議長)三月定例会は二十三日、一般質問最終日を行った。狩俣地区で進められている健康ふれあいランド構想で宮古島市が東京都のNPO法人と設計書の随意契約を結んだ件で、池間雅昭氏が地元業者に発注しなかったことを疑問視。随意契約の在り方も不透明だとして「便宜供与を図ったのではないか」と追及した。伊志嶺亮市長は「地元の業者にはできないところがあった」と述べ、随意契約の正当性を主張。「(随意契約した業者に)便宜を図ったことは一切ない」と述べた。

 伊志嶺市長は、同NPO法人の理事を務めており、池間氏から指摘された地方自治法に抵触する恐れがあるのではないかとした質問に「そういう恐れがあれば、今議会終了後に理事の職を辞する」と答弁した。
 池間氏は、公共工事を地元優先で発注することが望ましいとの見解を示しながら「地元業者の経営状態が逼迫(ひっぱく)している中、なぜ、本土業者と随意契約を結んだのか」と述べ、伊志嶺市長の見解を求めた。
 伊志嶺市長は、同NPO法人はシンクタンク的な組織だと説明し「全国的に農村と都市を結んで活性化を図っている非営利的な組織で、こういった事業に大変精通している」と述べ、同NPO法人と結んだ随意契約に理解を求めた。
 また、伊志嶺市長は、随意契約などについて「新年度からは透明性を高めていきたい」と語った。
 池間氏は、地元業者に優先発注しなかったことや、二社以上から見積書を取らなかったことなどを指摘し、同件についての調査特別委員会の設置を検討していくと述べた。
 池間氏に、トゥリバー地区の売買問題や市有地土地売買の一連の事務手続き上の不備などを指摘された伊志嶺市長は「指揮監督の不行き届き。深く反省し、今後は条例や財務規則などの関係法令を順守していくことを職員に求めていく」と答弁した。
 この日の一般質問には、池間氏のほか、亀浜玲子、下地秀一、棚原芳樹、富浜浩、池間豊、豊見山恵栄の七氏が登壇した。
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宮古一人当たり184万円/04年度市町村民所得
  旧城辺町は18年連続最下位

市町村民所得 宮古地区の所得が低い要因はサトウキビ中心の農業で第一次産業の生産性が低いことや、生産性の高い第三次産業の割合が低いことなどが要因となっているようだ。
 一人当たり所得の市町村別では、旧平良市が二百五万六千円で県内十七位となり、唯一県平均を上回った。多良間村は百八十万六千円で三十六位、旧伊良部町が百六十万四千円で四十八位、旧下地町が百五十一万一千円で四十九位、旧城辺町が百二十万一千円で最下位の五十二位となっている。
 同年度の市町村民所得(県民所得)は、二兆六千九百九十八億円で前年度に比べ〇・二%減少。合併前の旧市町村別増加率では、三十二市町村が県平均を上回り、二十市町村が下回った。
 対前年度比の宮古地区は、旧平良市と多良間村が下回ったが、そのほかは増加となっている。
 また、宮古地区全体としてはマイナス〇・八%となり、六地域の中で最もマイナス幅が大きかった。
 そのほか、市町村内純生産(県内純生産)は製造業や建設業などの減少で対前年度比一・〇%減の二兆四千七百九十二億円。増加率の地域別では、すべての地区で減少となり、宮古地区は同比三・四%減と減少率が県内六地区の中で最も高かった。
 宮古地域の市町村民所得を項目別に見ると、雇用者報酬は六百四十七億二千七百万円で前年度より二・〇%減、財産所得は五十億七千四百万円で二一・三%増、企業所得は三百十七億八千五百万円で一・二%減となった。
 市町村別の増加率では旧上野村が六・八%増で県内二番目の増加率となったがそのほかの市町村はすべて減少となっている。
◆◆ことば◆◆
 市町村民所得 経済活動で新しく生み出された価値(付加価値)が労働、土地、資本といった生産要素の提供者に分配された額。企業の利潤などを含み、年金・恩給・社会保障給付などの移転所得は含まない。余暇時間や社会資本の整備状況、歴史・文化的資産などの価値も含まない。このため、生活水準をそのまま表すものではない。
 一人当たり市町村民所得 市町村民所得(分配)を市町村内人口で割ったもの。

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運賃片道1万5000円/エアードルフィン 那覇・下地島便
  
採算ベースは年6000人

会見で運航内容を説明するエアードルフィンの三松副社長=23日、宮古島市役所
会見で運航内容を説明するエアードルフィンの三松副社長=23日、宮古島市役所

 四月一日から就航する那覇−下地島便は、一日一往復で、運賃は一万五千円(片道)となる。十二歳以下の子どもは千円割引。同便の販売業務を担う「エアードルフィン」(本社那覇市、半田貞治郎社長)が二十三日、宮古島市役所で発表した。
 同便は、正午前後に離発着を行う不定期の乗り合い便。航空券などの販売業務を同社が担当し、運航を北海道の航空会社「エアトランセ」が行う。使用機材は米国製「Beech1900D」で、販売客席数は十六席。
 予約時に出発時刻を確認して利用するシステムで、予約先はエアードルフィン予約センター(電話098・858・3363)。今後、宮古本島と伊良部島に一店舗ずつ代理店を置く。県民以外の運賃は一万八千円に設定される。 
 会見で三松達哉副社長は「大手航空会社が撤退した空港などをカバーするのがわれわれの位置付けだと考えている。特に伊良部の皆さんの生活路線として役に立ちたい」と話した。
 伊志嶺亮市長は「航空便利用時における伊良部住民の離島苦解消につながるのは大変喜ばしい。将来的には、下地島空港が台湾とのチャーター便運航基地として活用される足掛かりになればさらに良い」と話した。 
 同社によると、初年度採算ベース六千人以上の乗客を目指している。
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「多重債務は解決できる」/司法書士の宮里さん講演
特定調停や任意整理など紹介

多数の参加者を前に講話した司法書士の宮里さん=23日、ゆいみなぁ
多数の参加者を前に講話した司法書士の宮里さん=23日、ゆいみなぁ

 「多重債務は解決できる」(主催・宮古地区消費者行政連絡会議)講演会が二十三日、ゆいみなぁ(宮古島市働く女性の家)で開かれた。講師に司法書士の宮里徳男さんを招き、多重債務の解決方法や過払いの現状などを講話。経済的理由により四百五人の県民が自殺した実態に触れ「自らの命を絶つ事態が進行しているが、借金問題は解決の方向性がある。一人でも多くの人に知ってほしい」と呼び掛けた。

 二〇〇一−〇五年の五年間で、県内の自己破産の申し立て数は九千八百三十一件。特定調停は九万九百四十二件で、五年間に約三万人の県民(四十三人に一人)が借金問題で裁判所に駆け込んでいる。このうち宮古地区では五年間に、二百十九人が破産手続きをし、三百三十七人が特定調停を申し立て。百人に一人が借金問題で裁判所を利用したという。
 宮里さんは、利息制限法や出資法の金利、特定調停や任意整理などの手続きを紹介。「グレーゾーン」と称される利率の範囲を「貸付金利には、払わなくてもいい金利分がある。払い過ぎた利息は元金に充当したり、返還請求もできる」と説明した。
 会では、〇六年に実施した多重債務者の調査結果も紹介した。生活費や借金返済のために、平均五百七十七万円の負債を抱えている現状に「多重債務から脱出するためには、専門家の支援だけでなく行政も行動することが必要」と話した。
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新年度事業計画など承認/土地改良区総代会
理事ら12人の表彰も

8議案を審議し可決した宮古土地改良区通常総代会=23日、JAおきなわ宮古地区本部
8議案を審議し可決した宮古土地改良区通常総代会=23日、JAおきなわ宮古地区本部

 宮古土地改良区(仲間克理事長)の第十八回通常総代会が二十三日、JAおきなわ宮古地区本部大ホールで開かれた。二〇〇七年度の事業計画や予算案、役員等の報酬の引き上げなど八議案を審議し、原案通り可決した。同改良区の運営に貢献したとして元理事ら十二人を表彰した。
 〇七年度一般会計予算は収入、支出ともに二億二千二百万円、前年度に比べて千七百万円の増額となった。
 事業計画では、宮古伊良部地区国営かんがい排水事業の〇九年度着工を目指し、全体実施設計の採択などへの取り組みを最重要課題とすることを掲げた。
 役員報酬(すべて年額)の改定は理事長が三万円から十万円に、副理事長が二万円から五万円に、理事と監事が一万円から三万円に、総代は無報酬から五千円にそれぞれ変更された。地区水管理人は現行の一万円のまま。
 報酬の変更では質問が集中した。「どのように算定したのか」「総額はいくらになるか」と問われ、事務局は「県内にある四改良区の報酬の平均額。総額では百五十万円になる」と答えた。
 副理事長を三人から一人に減らす内容の役員選任の規定・規約の一部改正も報告された。
 同改良区の運営や水利用の推進に多大な貢献をしたとして、理事および監事を務めた十二人に感謝状が贈られた。
 感謝状を受けたのは次の皆さん。(敬称略)
 ▽四期十六年=見里信博▽三期十二年=伊志嶺亮▽二期八年=下地勝俊、福原盛夫、川満徳吉、喜屋武盛吉、砂川義博▽一期四年=与那覇治、川満勝久、宇座徳次、比嘉栄吉、砂川栄市
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27年で利用者50万人/少年自然の家
  達成記念でセレモニー

利用者50万人達成セレモニーが行われた=23日、少年自然の家
利用者50万人達成セレモニーが行われた=23日、少年自然の家

 一九八〇年に開所してからの利用者数が二十三日、延べ累計で五十万人を達成したとして県立宮古少年自然の家(友利孝徳所長)は同日、達成セレモニーを開いた。友利所長は「今後も地域に愛され、親しまれる、生きた青少年教育施設としての運営に努めていきたい」と決意し、感謝した。
 自然の家は、八〇年六月に開所。同年七月、宮古高校定時制一年生八十八人の利用受け入れを皮切りに、青少年教育施設としてその役割を担ってきた。今月二十三日、みつば幼稚園(大野幹夫園長)園児二十五人の利用で、約二十七年の歳月を経て延べ累計五十万人を達成した。
 園児たちは、声をそろえて「五十万人達成おめでとう。いつも優しく迎えてくれてありがとう。これからもみんなが自然の中で楽しい発見ができるようお仕事を頑張ってください」と職員らを激励した。
 第二代所長として駆け付けた羽地恵康さんは「大人になっても、自分たちの家だと思って遊びに来てくださいね」と園児らに呼び掛けていた。
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4小学校で卒業式

宮島小   宮島小  
 宮島小学校(伊計喜和子校長)では卒業生2人(男子1人、女子1人)が全校生徒や地域住民らに見守られ、新しい一歩を踏み出した。舞台下には在校生たちが心を込めて育てた花が並べられ、仲原翼君、下地千尋さん2人の卒業式に彩りを添えた。式辞で伊計校長は「これからは自分の力でしっかりと大地を踏み締め中学生活に立ち向かわなければならない。宮島小学校で学んだことを基礎として何事にも挑戦する勇気を持ってほしい」と激励した。
 

宮原小 宮原小  
 宮原小学校(川満弘志校長)では、児童5人(男子2人、女子3人)が門出の日を迎えた。卒業証書授与では、「これからもアララガマ魂で頑張れ」「人の気持ちを思いやれる優しい子でいて」といった保護者からのメッセージが紹介され、卒業生と保護者が一緒に証書を受け取った。卒業生は「絵本作家になりたい」「重機の運転手が夢」「担任の先生を目標に頑張りたい」など、今後の目標を発表した。
 

西辺小  西辺小 
 西辺小学校(前泊宣夫校長)では、卒業生人(男子8人、女子3人)が父母や在校生、教職員の祝福を受ける中、胸を張って学びやを巣立った。前泊校長から卒業証書を受け取る前に卒業生は、「僕の夢は海上保安官になること」、「お金をいっぱいためて親孝行したい」、「走ることが好きなので、マラソン選手になりたい」など、それぞれの夢や目標を堂々と宣言し、大きな拍手を送られた。
 

福嶺小 福嶺小 
 福嶺小学校(新里二男校長)では、8人(男子4人、女子4人)が卒業の門出を迎えた。新里校長は「皆さんは下級生をリードし、委員会活動などで全員がしっかり責任を果たした。さまざまな思い出を胸に、中学校でも頑張って」と激励した。6年間欠席のなかった根間智之君には「皆出席賞」が贈られた。また、善行表彰の「すなかぎくがに賞」が佐次田萌恵さんに、成績・行動の模範生として評価される「小田泰治賞」が平良塁さんに授与された。
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