200平成19  321 水曜日

2030年 宮古の人口 大幅減少/広域市町村圏別人口予測
  14%減4万7000人に/3人に1人が65歳以上
県内で唯一減少 八重山は25%増

人口減少率
 
65才以上人口比率
 
〜2030年高齢者人口ランキング

 【那覇支局】宮古圏域の二〇三〇年の人口は七千八百人減少し、四万七千人台に−。九州経済調査協会がこのほど発表した九州、沖縄、山口の九県における二〇三〇年の人口予想調査によると、広域市町村圏別(七十一に区分け)で宮古圏域の人口減少率は一四・二%となり、沖縄県の本島北部、中部、南部、宮古、八重山の五圏域では唯一減少圏域となった。八重山は二五%の大幅増と予測されており、同じ先島でも明暗が分かれている。宮古は六十五歳以上が総人口に占める割合も三六・三%と予測。あとわずか十年強で三人に一人が六十五歳以上という超高齢社会となる。

 同協会によると人口予想は、死亡率や出生率(自然増加)、社会増加(転入、転出)などが加味され、現状で高齢化率の高い宮古などは将来的に人口は減少する見込みとなっている。また、広域七十一地域のうち増加予想は、宮古圏域を除く沖縄の四地区と福岡市を含む「福岡」の計五地区のみで、そのほかはすべて減少予想となっている。
 同協会は五年に一度、国勢調査の基準人口を基に人口推計予測を実施。宮古地区の人口は〇五年現在(国勢調査)で五万四千八百六十三人。それが二〇三〇年には四万七千七十九人を予想し、減少数は七千七百八十四人となっている。 
 人口増加が予測されている五圏域のうち沖縄は八重山(二五・四%増)、北部(八・四%増)、中部(六・一%増)で上位三位を占め、南部は四・四%増で五位となっている。宮古地区のマイナス一四・二%は全体のランキングでは十六位となった。
 また、六十五歳以上の人口比率(二〇三〇年)ランキングで、七十一圏域中、宮古は四十三位で、沖縄五圏域では最も高かった。比率は〇五年の二二・八%から三六・三%を予想している。
 六十五歳以上の高齢者人口増減率では、沖縄の五圏域が上位となり、宮古は十位となっている。
 同協会は、一九四六年に産官学の共同で地方調査機関として設立。その後、四八年に福岡県認可の財団法人として発足、五一年には所管替えされて、文部省(現・文部科学省)所管の民間学術研究機関となっている。
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那覇−下地島に1日1便/来月から18人乗り機が就航
  
市議会一般質問

7氏が登壇して市政全般をただした市議会一般質問=20日、宮古島市議会議場
7氏が登壇して市政全般をただした市議会一般質問=20日、宮古島市議会議場

 那覇−下地島間に乗合チャーター方式の旅客便が四月に就航することが二十日、分かった。本土の観光ビジネス航空会社が十八人乗りの航空機を毎日運航する予定。伊志嶺亮市長は「宮古圏域発展に向け、素晴らしいことだと思う。下地島空港および周辺残地の平和利用に向けて弾みが付く」と述べた。市の下地島空港等利活用推進室によると航空運賃は日本トランスオーシャン航空(JTA)、全日空(ANA)が運航する宮古−那覇間と同額程度になる見通し。同空港における旅客便就航は一九九四年以来十三年ぶり。宮古島市議会(友利恵一議長)三月定例会一般質問で、明らかになった。
 下地島空港等利活用推進室によると、新たに参入する航空会社は、すでに路線開設の手続きも終えているという。
 四月から毎日一往復させ、観光客らに下地島や伊良部島の観光を提供、地元住民の利用も促進する。
 一般質問では同推進室の島尻強室長が「四月から那覇−下地島間において旅客便の運航を開始するとの報告を県や観光ビジネス航空会社から受けている」と説明した。平良隆氏の質問に答えた。
 同航空会社は今月中にも会見を開き、具体的な運航計画を示す予定。
 那覇−下地島路線はJTA(当時は南西航空)が八〇年に就航させ、十四年間運航した。しかし利用率の低下に伴う採算性の問題を踏まえ、九四年から運休している。
 この日の一般質問には平良氏のほか、与那覇タズ子、嘉手納学、仲間明典、新城啓世、砂川明寛、上地博通の各氏が登壇し市政をただした。
 懸案の葬祭場建設について下地学助役は「用地を絞り込み、周辺住民の合意形成に向けて努力している。早急に用地を確定したい」と理解を求めた。
 専任媒介が絡むトゥリバー売却問題で伊志嶺市長は「行政手法にミスがあった。今後は議員の皆さんとも相談しながら進めたい」などと話し、専任媒介業者の選任に向け臨時議会招集の考えを示した。
 組織機構改革については仲間氏が質問。宮川耕次総務部長は「できるだけ早く分庁から総合庁舎に移行したい」と答弁した。
 

19日一般質問 6時間以上も市議会空転
 「従軍慰安婦」めぐり紛糾
市長の対応“一転”で収拾

 十九日の宮古島市議会(友利恵一議長)三月定例会一般質問が六時間以上も空転した。発端は前川尚誼氏の質問の中の「従軍慰安婦」をめぐる市当局と野党のやり取りだった。伊志嶺亮市長が答弁で「従軍慰安婦」と発言すると野党が「定義は何か」と追及。野党は即座に休憩を求め、前川氏の質問の取り消しや市長の見解をめぐり協議したが、再開のめどは見出せなかった。結局この日の日程は午前零時をもって延会。翌二十日午前には伊志嶺市長が陳謝し、前川氏が質問の取り消しを議長に一任するなどして議会は正常化したものの、与党議員は「野党に責任はないのか」などと憤った。
 前川氏は、平和行政に関する質問で「従軍慰安婦」を取り上げた。この答弁で伊志嶺市長も「従軍慰安婦」と発言。その上で「市史に記録を残すなど、教育委員会とも話し合いながらやっていきたい」などとした。この市長答弁を野党側が追及。休憩を申し入れて旧平良市史の提出を求めるなどした。ここから長時間にわたる空転劇が始まった。
 野党側は「地方議会にそぐわない発言だ。また従軍慰安婦ということを言うなという人はたくさんいる」とし、伊志嶺市長の発言を批判。これに対し、与党側は「従軍慰安婦は国会でも使っている言葉ではないか。地方議会にそぐわない発言とは何か。議場に出て議論するべきだ」などと反論、互いの主張は平行線をたどった。結局、この日の日程は午前零時になったため延会に。この間、議会日程は完全にストップし、答弁のため議場入りしていた市幹部らも議会の正常化を待たされた。議会事務局には市民から「早く正常化を」「議会は何をしているのか分からない」などの苦情の電話も五本以上寄せられたという。
 翌二十日は、まず前川氏と伊志嶺市長が前日の発言が不適切だったとして同発言の取り扱いを議長の裁量に任せた。その上で伊志嶺市長が「空転させたことをおわびしたい」と陳謝した。
 伊志嶺市長、前川氏ともに、議会を早急に正常化させる上での対応だとしているが、当初は落ち度はないとしていた伊志嶺市長や、与党の前川氏が発言を取り消した上で陳謝したことには「納得いかない」と与党議員らも憤る。中には「議員の発言を封じた」と野党側を批判。「こんなことで空転なんて…。情けない議会だ」とあきれる議員もいた。ある市民は「いくら正常化するためだとはいえ謝るなんて」と伊志嶺市長の対応にも疑問を投げ掛けた。
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「サンゴ礁生態系保全」など提言/環境を考える市民委
  市長、八重干瀬調査に意欲/「ごみ減量化」は目標値設定を

中西委員長(右)が伊志嶺市長に提言書を手渡した=20日、宮古島市役所平良庁舎
中西委員長(右)が伊志嶺市長に提言書を手渡した=20日、宮古島市役所平良庁舎

 宮古島市の「環境を考える市民委員会」(中西康博委員長)は二十日、伊志嶺亮市長に「サンゴ礁生態系の保全」と「ごみの減量化ならびに資源化」に関する提言書を提出した。同会は、二○○五年度に伊志嶺市長から委嘱を受け、環境に関する問題を市民の観点から検討した。その成果の一環として、提言書にまとめた。

 提言の「サンゴ礁生態系の保全」では▽市に存在するサンゴ礁生態系を保全するための総合的施策の早急な立案と実施▽八重干瀬(やびじ)の観光上陸に係るサンゴ礁生態系保全のための改善策の立案と○七年四月十七−十九日からの実施とその効果に関する調査の実施▽市の海水浴場などにおける、サンゴ礁生態系保全のための「マナー看板の設置」−などを提言。
 「ごみの減量化ならびに資源化」では▽ごみの総量や生ごみ量の把握と、その減量化に向けた市独自の目標値の設定▽生ごみの分別・収集の徹底と宮古島市資源リサイクルセンターを活用した資源化(堆肥化)の実施▽環境教育場としての利用(リサイクルプラザやごみ処理場の見学、体験、各種エコ講座の開催の実施)−など盛り込んだ。
 提言を受け伊志嶺市長は「八重干瀬は、宮古の観光やサンゴ礁生態系に重要な場所。提言を踏まえ、学術的な調査実施と八重干瀬観光の見直しに取り組んでいきたい」と語った。
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野外焼却が多発傾向に/廃棄物不法処理防止ネット
  
昨年11月から4カ月で13件発生

関係者らが出席し廃棄物不法処理防止ネットワーク会議が開かれた=20日、宮古福祉保健所
関係者らが出席し廃棄物不法処理防止ネットワーク会議が開かれた=20日、宮古福祉保健所

 宮古保健所管内の廃棄物不法処理防止ネットワーク会議が二十日、同所で開かれた。保健所側は不法投棄や野外焼却の事例などを説明。特に、今年に入って多発している野外焼却についての対応に苦慮していると報告した。今後は会員を増加させ、対応を強化する必要性を訴えた。
 会議には宮古島警察署や平良海上保安署、宮古島市の関係者らが出席。事例報告のほか、ネットワーク会議の方向性や年間事業計画、意見交換などが行われた。
 野外焼却については、二〇〇六年十一月から〇七年三月十九日までの約四カ月間に十三件発生し、その都度、関係機関が協力し注意指導を実施した。今年に入ってからは十件発生し、増加傾向にあるという。
 事例では、廃ビニールや木くず、タイヤなどのごみを野外で焼却している実態が報告された。同所は「建設業者らが木くずなどを焼却している。野外焼却の禁止を知っているはずなのに」と、対応に苦慮している状況を説明した。
 また、ネットワーク会議の方向性について、会議設置要綱の一部改正を提案。宮古島市消防本部、多良間村消防事務所を会員に加え、野外焼却に対する対応の強化と、迅速な対応を目的とした「部会」の設置を検討していくとした。
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夢を胸に巣立つ/平一小で卒業式

下地校長(左)が一人ひとりに卒業証書を授与した=20日、平良第一小学校体育館
下地校長(左)が一人ひとりに卒業証書を授与した=20日、平良第一小学校体育館

 平良第一小学校(下地邦雄校長)の卒業式が二十日、同校体育館で行われた。下地校長が卒業生九十五人(男子五十二人、女子四十三人)一人ひとりに卒業証書を授与。卒業生らは大きな夢と希望を胸に思い出深い学びやを巣立った。
 式で、下地校長は「私が皆さんに心から期待したいことは、自分の将来に大きな夢と希望を抱き、その実現に向けて自分を信じながら毎日の努力を続けてほしいというとである」と述べた上で「夢は思うだけではかなわないし、願うだけでもかなわないものである。『夢は逃げていきません』。努力することこそ夢がかなうための第一歩なのである」と式辞。
 次いで宮古島市教育委員会学校教育課の浜川成共主幹、同校父母と教師の会の砂川正幸会長、卒業生保護者代表の砂川秀勝さんらが祝辞を述べた。
 六年間皆出席賞で、古謝勇斗君、比嘉菜摘さん、池間春菜さんの三人が表彰された。
 全体で「旅立ちの日に」を合唱。この後、卒業生らは紙吹雪が舞う中、母校を後にした。
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宮古支庁の今田益敬さん/日本森林技術協会理事長賞を受賞
グリーンネット活動を報告

ヒノキでできた賞状を手に笑顔を見せる今田さん=20日、宮古森林組合
ヒノキでできた賞状を手に笑顔を見せる今田さん=20日、宮古森林組合

 県宮古支庁農林水産整備課林業普及指導員の今田益敬さん(33)がこのほど、「森林の流域管理システム推進発表大会」(主催・九州林政連絡協議会)で、美(か)ぎ島(すま)宮古グリーンネットの活動を発表し、日本森林技術協会理事長賞を受賞した。今田さんは二十日、宮古森林組合で発表内容を報告。会員らも受賞を祝福した。
 今田さんは昨年十一月に九州森林管理局で行われた同大会に県代表として参加した。
 「災害に強い緑豊かな宮古島を目指して」を副題に、グリーンネットの活動を紹介。花と緑に包まれた美ぎ島宮古づくりを百年の計で持続的に行うことを目的とした取り組みや活動経過を説明し、今後の課題点を模索した。
 ヒノキで作られた賞状を手に、今田さんは「住民主導による活動があったからこそ受賞できた」と感謝。
 「赤ん坊を育てていくのと同じように、木は保育が大事。これからも地元の皆さんと一緒に活動を続けていきたい」と抱負を語った。
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