200平成19  313 火曜日

行財政改革など重点/下地村長が07年度施政方針
  多良間村議会が開会/「田園博物館」建設で調査へ

下地村長が07年度施政方針を述べた多良間村議会3月定例会=12日、多良間村議会
下地村長が07年度施政方針を述べた多良間村議会3月定例会=12日、多良間村議会

 【多良間】多良間村議会(西平幹議長)の三月定例会が十二日開会し、下地昌明村長が二〇〇七年度施政方針を示した。村政運営の重点項目として行財政改革の断行や農作物、畜産、水産業の振興を掲げ、関係機関と連携を図りながら取り組んでいく考えを表明。ノニや「たらまピンダ(ヤギ)」のブランド化の確立に努めていく方針を示した。二〇〇八年度着工を目指す「田園空間博物館事業」に向け、本格的な調査に入ることや新エネルギーの開発でバイオガス試験導入も検討していくことも強調した。

 下地村長は、総額十五億二千三百八十七万六千円の〇七年度一般会計予算案など計二十七議案を上程した。
 施政方針で下地村長は、同村の厳しい財政状況を示しながら、今後とも徹底した行財政改革を推進していくことを決意。自主財源の積極的な確保策を講じながら、効率的で持続可能な財政への転換を図ることが急務だと述べた。
 その上で、継続した行財政改革により「最小の経費で最大の効果を上げる」と表明。歳出の徹底見直しと検証をしながら、制度や施策の抜本的改革を進め、歳出の抑制を図る必要があると述べた。
 各種料金の滞納、未収金は財政運営の大きなネックになっているとして、対策を強化していく姿勢を示した。
 下地村長は、〇七年度施策の重点として@産業の振興A健康で快適な村づくりB教育文化の振興と向上C社会福祉の充実D行財政改革の断行−の五項目を掲げた。
 このうち、サトウキビの振興については、地力増進で農業生産の向上を図り、環境に配慮した資源循環型農業を目指すとして、堆肥製造施設を建設し、良質で安価な堆肥供給を行っていく考えを示した。
 また、多良間産ノニやたらまピンダのブランド化へ向け、組織強化を図りながら関係機関との情報交換に努めるとした。
 観光産業については村の文化や産業、行事を通し、村民との触れ合いの中から都会にはない癒やしの提供が求められるとして、村民の意識と協働を呼び掛けた。
 下地村長は、牛ふんを発酵させたバイオガスの試験導入も前向きに検討していくと表明。有形、無形の地域資源を対象とした「地域全体が博物館」という視点に基づいた田園空間博物館事業の〇八年度着工へ向け、今年度から本格的な調査に入ることを明らかにした。
 三月定例会の会期は十六日までの五日間。一般質問は議会最終日の十六日に行われる。    07年度 多良間村施政方針
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減額修正の公算大/補正予算案
  農村事業の繰越も疑問視/市議会総務財政委

06年度補正予算案を審議した市議会総務財政委=12日、宮古島市役所平良庁舎
06年度補正予算案を審議した市議会総務財政委=12日、宮古島市役所平良庁舎

 宮古島市議会の総務財政委員会(前川尚誼委員長)は十二日、繰越予算が焦点となっている二〇〇六年度一般会計補正予算案を審議した。トゥリバーを売却した仲介業者に支払う成功報酬四千万円の繰り越しほか、旧平良市時代に導入された補助事業、「農村総合整備事業」に関する繰越予算も疑問視し、この日の可否を見送った。委員らの審議内容から、補正予算案は減額修正される公算が大きい。予定されていた本会議での補正予算案審議も同様の理由で持ち越された。
 委員会で、新たに繰越予算が不明瞭とされた農村整備事業は、狩俣地区に整備される健康ふれあいランド構想を含む農村活性化事業。農水産業と観光産業をつなぎ、地域の活性化を図ることを目的とする。当局は、工事の遅れを理由に八千三十万円の繰越予算案を提出している。
 委員会が疑問視したのは随意契約のあり方。本来の随意契約は複数の業者から見積もりを取った上で契約を結ぶ。これを市は特殊な業務としてあるNPO法人と独自に契約を結んでいる。この業務は、健康ふれあいランドのプログラム策定と公園基本設計委託業務。委員らは、この業務を「特殊ではない」として随意契約のあり方そのものを疑問視している。
 ただ、八千三十万円の繰越予算は、すでに発注済みの工事。これを減額すると受注業者に支払う事業費を失うため、慎重審議が続けられている。
 トゥリバー関連の繰越予算審議は、平行性をたどった。委員らは、昨年八月の臨時議会で予算を通しておきながら仲介業者を選任せず、市自ら大手企業と交渉してきた経緯を厳しく批判。これまでの審議と同様、市の行政手法を疑問視し、この繰越予算を認めない考えを示した。
 このような審議内容から、〇六年度補正予算案は減額修正の公算が大きい。ただ、委員の中には与野党を問わず「予算だけは通すべきだ」とする委員もおり、当局提出の予算案で可決される可能性も残している。
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バイオエタノール実証事業/渡辺経産副大臣が視察
  
「全面的に支援する」

バイオエタノール製造施設を視察する渡辺経産副大臣(左)=12日、沖縄製糖宮古工場内
バイオエタノール製造施設を視察する渡辺経産副大臣(左)=12日、沖縄製糖宮古工場内

 経済産業省の渡辺博道副大臣が十二日、来島した。サトウキビの製糖過程に生じる糖蜜を使ったバイオエタノールの製造施設やガソリンとの混合施設などを視察。宮古での実証事業について、「大変心強く思う。経産省としても全面的にバックアップしていきたい」と述べた。
 バイオエタノール関連の実証事業は環境省を中心に、経産省と農林水産省、国土交通省と内閣府の一府四省が推進する。渡辺副大臣は同日午前、沖縄製糖宮古工場のバイオエタノール製造施設と、平良港内のりゅうせき宮古油槽所にあるバイオエタノール3%混合ガソリン(E3)の製造施設を見て回った。
 施設を目の前に、渡辺副大臣は「実証事業の成果は確実に上がりつつあると思う」と感想。「エタノールについてE3、E10(エタノール10%混合ガソリン)など、いろいろな実験をしていただき、適切な方法を取っていきたい」と話し、今後の実証事業の進展に期待を込めた。
 渡辺副大臣は同日午後には、宮古織物事業協同組合で宮古上布製造現場や、菊之露酒造が現在建設中の泡盛蒸留かす高度利用プラント、沖縄電力宮古第二火力発電所などを視察。行政関係者や民間事業者との意見交換も行った。同日夜の便で帰京した。
 渡辺副大臣は千葉県第6区選出の衆院議員で四期目。内閣府大臣政務官や自民党総括副幹事長などを歴任し、昨年九月より経済産業副大臣。
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推進協が構想案確認/バイオマスタウン
  市、農水省に提出へ/循環型社会構築を目指す

バイオマスタウン構想案について意見交換を行った推進協議会=12日、宮古島市役所上野庁舎
バイオマスタウン構想案について意見交換を行った推進協議会=12日、宮古島市役所上野庁舎

 宮古島市バイオマスタウン構想推進協議会(委員長・新城俊也NPO法人亜熱帯バイオマス利用研究センター理事長)の第三回会議が十二日、市役所上野庁舎で開かれ、九種類のバイオマスを資源化し、循環型社会構築を目指す同構想案を確認した。この日、委員から意見のあった文言などを加筆、修正した上で今月中に農林水産省に提出する。

 構想書は「バイオマス・ニッポン総合戦略推進会議事務局」が関係省庁の合意の上で合否を検討。基準に合致していると認められれば、農林水産省から公表される。
 まとまった構想では@サトウキビ(製糖過程で生じるバガスや糖蜜、トラッシュなど)A家畜排せつ物B生ごみCし尿・浄化槽汚泥D酒かすE廃食用油F剪定枝G被害木H建築廃材−の九種類をバイオマスに挙げている。これらを、現在実証事業が行われている糖蜜からのバイオエタノール生産事業をはじめ、資源リサイクルセンターによる堆肥化や液肥化、泡盛蒸留かすのメタン発酵など六事業で資源化を推進する。
 バイオマスタウン構想は、地域のバイオマスの総合的かつ効率的な利活用を図るため、市町村が作成するもの。
 関係府省ではこれらの取り組み内容について情報を共有。主体的な取り組みが進展しやすい環境づくりが図られるほか、全国各地の取り組みはインターネットで紹介される。
◆◆ことば◆◆
 バイオマス 農林水産省は「再生可能な生物由来の有機性資源で、化石資源を除いたもの」と定義。生物が光合成によって生成した有機物であり、生命と太陽エネルギーがある限り持続的に再生可能な資源。生物を利用して有用物質やエネルギーを得る。生物資源。
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英文俳句で上位入賞/全国コンテストで伊良部高の3人

(手前左から)塩川さん、与那嶺君、天願君。(後方左から)下地校長、金城教諭=12日、伊良部高校
(手前左から)塩川さん、与那嶺君、天願君。(後方左から)下地校長、金城教諭=12日、伊良部高校

 今年二月に行われた「第五回JCFL全国高校生e−俳句コンテスト」(主催・日本外国語専門学校)のフリー部門入賞者発表があり、伊良部高校三年の与那嶺仁樹君=今春卒業=が上位三位に当たるJCFL西日本地区ブロック奨励賞&JCFL賞に輝いた。同三年の天願克俊君=同=と同二年の塩川成未さんの二人も上位四位に当たるJCFL賞に選ばれた。県内からの入賞は三人だけ。また英語教諭の金城優樹さんが、英文俳句指導でグレートティーチャーズ賞に選ばれた。同校では今回が初めての英文俳句応募で初入賞。学校関係者らは快挙に喜んでいる。十二日、同校で記者会見が行われた。
 作品は、与那嶺君が「Inthequietnight(静かな夜)UndertheMilkyWay(天の川の下で)Imadeatinywishforyou(あなたのために小さな願い事をした)」
 一方、天願君が「Quietwinternight(静かな冬の夜) Walkingneartheriver(川のそばを歩いていた) Gentlewavesreflectingthestars(優しい波が星たちを映していた)」
 塩川さんが「Onacloudyday(曇った日に) Shininginthemiddleofthegraysky(灰色の下で輝いている) Oneredhibiscus(一つの赤いハイビスカス)」
 今回は、全国から五千七百二十三点の応募があった。評価基準は▽リズム▽全体のトーン▽発想力▽俳句としての完成度▽適切な単語・英語力−。
 会見で、与那嶺君は「自分が選ばれてびっくり。英文俳句を通して英語が好きになった」と語った。天願君は「選ばれてびっくり。いい結果になってうれしい」、塩川さんは「入賞するとは思わなかった。来年もチャレンジしたい」とそれぞれ話した。
 三人は、金城教諭と外国語指導助手のエインズリー・ジョリアさんに感謝した。下地義雄校長は「英文俳句作りは、ユニークな取り組み。三人の作品は、感性がよく磨かれている」と評価した。
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豊作に感謝、喜び共有/鏡原小5、6年生
  
育てたジャガイモ収穫

児童らは手足を土で真っ黒にしながらイモ掘りを楽しんだ=12日、鏡原小学校農園
児童らは手足を土で真っ黒にしながらイモ掘りを楽しんだ=12日、鏡原小学校農園

 鏡原小学校(砂川和子校長)の五、六年生が十二日、体験学習として同校農園で栽培してきた紅ジャガイモの収穫を行った。児童らは土で手足を真っ黒にしながらイモ掘りに挑戦。計百`余りの大収穫に大喜びしていた。
 同学習は、農業の収穫までの過程を通して、苦労や収穫の喜び、感謝の心を育てることが狙い。
 この日収穫したイモは昨年十一月、JAおきなわ青壮年部平良支部の職員らの手ほどきで児童らが植え付け、栽培したもの。五、六年生四十八人は、収穫を楽しんだ後、イモを大事そうに持ち帰っていた。
 川満ニキアンさん(六年)は「小さいだろうと掘ってみたら、大きいイモが出てきてうれしかった。カレーライスにして食べたい」と笑顔を見せていた。
 またこの日、同校では全校生徒らがサトウキビを搾り、黒糖作りにも挑戦した。
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