200平成19  311 日曜日

エコ施設を観光資源化/新スポットとして開拓
  市推進室がモニターツアー/ガイド養成に来月着手

マグロの回遊を見学する参加者ら=10日、平良の沖縄宮古島マグロ回遊館「ラボタ」
マグロの回遊を見学する参加者ら=10日、平良の沖縄宮古島マグロ回遊館「ラボタ」

 宮古のエコに関する施設や自然環境を一つの産業観光ととらえ、新たな観光スポットとして全国へPRし誘客活動を展開していくことを視野に入れた、エコアイランド宮古島ツアー研修のモニターツアー(主催・宮古島市エコタウン推進室)が十日、市内の宮古島マグロ回遊館ラボタや宮古島バイオ・エコシステム研究センターなどで行われた。参加者らは、新観光の創出に期待を寄せた。

 来月から各施設で説明できるガイドの養成講座を開く。今後の本格的なツアーでは、国、県が全面的に支援していく方針だ。
 参加者は、市役所職員や宮古島商工会議所、宮古青年会議所、宮古島観光協会などの関係者ら四十五人。
 各施設のうち、テクノオーシャン(鷲山一郎代表)が運営するラボタでは鷲山代表が「ここの水族館では、循環型浄化システムを採用。においのあるアイゴを入れても、次第ににおいが無くなる。三年後にはマグロをふ化させて育てる。琉球大学と北海道大学と一緒に共同研究していく。台湾からは『技術を提携してほしい』との話もある」などと述べた。
 ラボタは、最先端のバイオ技術を駆使し、地上でマグロなどを養殖する実験施設。使用後の排水もバイオ技術で浄化する。
 マグロを回遊させる水槽の大きさは直径二十b、水深四b。参加者らは、キハダマグロの回遊を見て歓声を上げていた。
 ほかにも、ヒラメやトラフグ、ミーバイなどを養殖する水槽も設置。参加者らは、今後の養殖に興味津々の表情を見せていた。
 ラボタを見学した宮古農政・農業改良普及センターの砂川綾乃さん(26)と知花好美さん(24)は「宮古の新たな観光スポットになる。マグロを近くで見れるので、子どもたちの人気スポットになるだろう」と感想を話した。
 市エコタウン推進室の洲鎌善充室長は「参加者から、ツアーの課題などの感想を聞いて、ガイド養成講座へつなげたい」と話した。
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暖冬影響? 早くも袋がけ/西原のマンゴー農園
平年より2カ月早く来月収穫

早くもマンゴーの袋がけ作業を行った大濱さん=10日、字西原のフズミネマンゴー太陽農園東部地区
早くもマンゴーの袋がけ作業を行った大濱さん=10日、字西原のフズミネマンゴー太陽農園東部地区

 これも暖冬の影響?例年なら六月中旬ごろから七月にかけて収穫最盛期を迎えるマンゴー。その準備段階となる袋がけは五月中旬ごろに始まるが、平良字西原の農園では九日、約二カ月早い袋がけ作業が行われた。農園の大濱幸一さん(44)は「この時期に袋がけをするのはあり得ない。四月中旬にも収穫できるのでは」と驚いている。
 季節外れの作業となったのは、「フズミネマンゴー太陽農園東部地区」のハウス。大濱さんによると、例年なら三月上旬に開花を始めるマンゴーが、今季は初めて開花したのが昨年の十月下旬。十二月下旬に開花したもの、これから開花するものと、三段階になっている。
 「断定はできないが暖冬などの気象条件で花芽分化のタイミングが早まったり、潅水管理など、いろいろな要因があるのでは。来年以降、今と同じように開花できるか、技術は確立されていない」と話した。
 開花時期がずれたことで、収穫作業も三段階になる見込みだという。不作と言われた昨年、二年前に比べ、「今年は玉付きが良く豊作型」と期待を込めた大濱さん。「四月に収穫できればトライアスロン大会に間に合うかも」と笑顔を見せた。
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DV防止 まず現状理解から/田中教授が講演
「酒飲んでいた」は言い訳/相談件数4年で2倍に

DVの実態を示し、理解と周知を求めた=10日、ゆいみなぁ
DVの実態を示し、理解と周知を求めた=10日、ゆいみなぁ

 「DV防止について考える講演会−沖縄県のDVの実態を踏まえて」(主催・県、おきなわ女性財団)が十日、ゆいみなぁ(市働く女性の家)で開催され、田中寛二琉球大学法文部助教授が講演した。DV(ドメスティック・バイオレンス=配偶者・恋人などに対する暴力)について同助教授は、県内で増加傾向にある発生の実態を示しながら、「DV防止への重要課題は加害者と社会がDVを知り、現状を理解すること」と話した。

 県内の女性相談所と警察署へのDVに関する相談件数は二〇〇一年度は四百八十四件だったが、〇五年度には千百九件で四年間で約二倍に増加している。
 宮古福祉保健所管内では〇四年度が五十二件、〇五年度は四十四件。同所によると今年度は二月現在で、〇五年度に比べ、二倍以上の相談件数が寄せられており、相談者はすべて女性だという。
 講演会の中で田中助教授は、DV加害者に多い理由の例として「酒を飲んでいた」を挙げ、「言い訳にしか過ぎず、『酒を飲まなければ良い人』というのも通らない。飲酒運転と同様に飲酒したら自分はどうなるのか理性的判断をしなければならない」と指摘した。
 また、加害者はどんな理由があろうと自分の意思によって暴力を選択しており、「加害者は理由を付けてDVの事実を都合良く解釈しようとする。逆に被害者は極限まで追い詰められると『自分が悪い』と考え込んでしまうケースが多い」と現状を分析した。
 暴力を振るう加害者の特徴として▽開放期(謝ったり、優しくなる)▽緊張形成期(張り詰めてストレスを感じやすくなる)▽爆発期(暴力が起こる)−のサイクルを繰り返すことが多く、「徐々に暴力の程度が過激さを増す」と説明。「DVは当事者も周囲も気付きにくく、実態が表面化しにくい。相談件数よりも実際はもっと多いだろう」と話した。
 宮古福祉保健所はDV当事者に気軽な相談を呼び掛けている。相談は同所DV専用番号(72・3132)まで。
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オカリナの音色 聴衆魅了/市民文化祭芸術劇場
  障害感じさせず10数曲披露

オカリナとシンセサイザーの音色で聴衆を魅了した=9日、マティダ市民劇場
オカリナとシンセサイザーの音色で聴衆を魅了した=9日、マティダ市民劇場

 第一回宮古島市市民総合文化祭芸術劇場「春をまねくオカリナコンサート」(主催・宮古島市文化協会、同市、同市教育委員会)が九日、マティダ市民劇場で開かれた。会場いっぱいに広がるオカリナとシンセサイザーの音色が、詰め掛けた聴衆を魅了。一曲終わるごとに割れんばかりの拍手がわいていた。
 コンサートには、県内で唯一のオカリナ奏者として活躍する仲里尚英さん、シンセサイザー奏者の国吉政淳さんが出演した。
 難聴を克服した仲里さんと、全盲で左耳難聴、自閉傾向という国吉さんは、障害を全く感じさせない演奏を披露。「ミルクムナリ」や「花」、オリジナル曲「祖母−おばあ−」など約十曲を紹介した。
 アンコールでは「千の風になって」を披露。この日のために準備した漆塗りのオカリナで演奏し、聴衆を感動させた。
 宮古島市文化協会の友利吉博会長は「オカリナの音色が春にふさわしいとコンサートを開催。今夜の感動を忘れることなく、後々までも思い出深く抱き続けるものと確信している」とメッセージを寄せた。
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「池間は心の太陽」/川上哲也さん 「カツオ万歳」出版記念で講演

出版を記念して講演した川上さん=10日、池間島離島振興総合センター
出版を記念して講演した川上さん=10日、池間島離島振興総合センター

 西城中学校校長の川上哲也さんが出身地の池間島のカツオ漁についてつづった「カツオ万歳!池間島カツオ風土記」の出版記念講演会・祝賀会(主催・池間自治会、池間漁協)が十日、池間島離島振興総合センターで行われた。大勢の島民が集まり、川上さんの話に耳を傾け、出版を祝った。
 講演では漁師の息子として育った川上さんが、池間島で百年を迎えるカツオ漁を、方言を交えてユーモアたっぷりに話し、会場の笑いを誘った。「ふるさと池間は、私にとって心の太陽。ふるさとは文化の宝庫。皆さんにも、池間の文化や歴史を子や孫に語り、残してほしい」と呼び掛けた。
 主催した池間自治会の本村正美会長は「池間の習慣や風土など、さまざまなことが書かれてある。歴史を残していくのは素晴らしいこと」と話した。
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4団体に助成金美ぎ島募金事業
  宮原、腰原女性、南増原、二重越椿

認定を受けた(左から)宮原自治会の小禄会長、腰原女性会の奥平さん、二重越椿通り会の川満会長、吉井理事長=9日、うむやすみゃあす・ん診療所
認定を受けた(左から)宮原自治会の小禄会長、腰原女性会の奥平さん、二重越椿通り会の川満会長、吉井理事長=9日、うむやすみゃあす・ん診療所

 NPO美(か)ぎ島(すま)宮古島(吉井良介理事長)は九日、うむやすみゃあす・ん診療所で「美ぎ島募金」の第二回助成事業の認定式を開いた。宮原自治会(小禄恵良会長)など四団体に認定証が交付された。助成金は総額で二十二万円。吉井理事長は「美ぎ島宮古のために利用してもらいたい。活躍を願う」と期待した。
 認定されたのは宮原自治会、腰原女性会(宮平エミ会長)、南増原の会(友利恵祥代表)、二重越椿通り会(川満勇吉会長)の四団体。認定式には南増原の会を除く三団体が参加した。
 この助成事業は、宮古島の自然をはじめとする環境保全や地域における緑化運動、美化活動への取り組み、地域に伝わる文化遺産の保護、継承を図ることが目的。
 宮原自治会は二回目の認定。同地区の公民館や公園の美化活動に利用する。小禄会長は「助成を受けたおかげで地域の人の参加が増えた。活動が地域のことを考える機会になっている」と喜んだ。
 腰原女性会は地域の公園や道路で草刈りや花の苗を植える予定。代理で参加した奥平スミ子さんは「みんなで活動してきれいな花を植えたい」と抱負を述べた。
 二重越椿通り会は宮古島市陸上競技場前の道路で植樹活動を実施し、助成金を肥料や機具、備品の購入に充てる。川満会長は「家の前の道路は自分の庭と思って活動している。宮古全体に広がる活動にしたい」と述べた。
 南増原の会は、飛鳥・西銘御嶽の参道の補修や清掃などを行うという。
 昨年十一月十日から一カ月間募集を行い、十一団体から申請があったという。厳正な審査の結果、四団体が選ばれた。

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