200平成19  3 水曜日

分庁・支所機能見直しに言及/市議会3月定例会
市長が施政方針説明/財政健全化へ計画策定

07年度施政方針を表明した伊志嶺亮市長=5日、宮古島市議会
07年度施政方針を表明した伊志嶺亮市長=5日、宮古島市議会

 宮古島市議会(友利恵一議長)三月定例会が五日、開会した。伊志嶺亮市長は二〇〇七年度施政方針で「市民と行政で育てる宮古力」を合言葉に「合併で大きくなった組織・機構の見直し、定員管理適正化や財政健全化に向けた財政計画を策定し、今後十年間の財政見通しを示す」と決意を表明。地域の声を反映させ、分庁方式や支所機能のあり方を検討する姿勢を強調した。市当局は歳入歳出総額を三百三十三億九百万円とする新年度一般会計予算案など計三十四議案を上程した。

 会期は二十六日までの二十二日間。一般質問は十九、二十、二十二、二十三の四日間行われる。
 伊志嶺市長は、基本的な考えに@第一次市総合計画の策定A集中改革プランに基づく行財政改革の推進B懸案課題のごみ処理施設、葬祭場の早期建設−を挙げ「市民との協働による市政運営を基本とし、誠心誠意取り組む」と表明した。
 主要施策は@環境を大切にした美しい島づくりA産業振興と雇用創出・確保B人材育成と文化振興C保健・医療・福祉のネットワークづくりD安全・安心・快適な生活環境の整備E市民との協働による健全なまちづくり−の六本柱。その上で〇六年度に引き続き、「選択と集中」の観点で、効率的な事業展開と地域活性化を図る。
 具体的には、市民との協働による健全なまちづくりの中で、市民が行政に参画できる場を創出するとした。市民の意見を行政に反映させるための「市民と語る集い」を開催する。集中改革プランの着実な実行による行財政改革を推進し、公約事業の進ちょく状況は市のホームページで随時公表する。
 このほか環境行政で、「市環境保全条例」の制定やバイオマス利活用施設整備事業を推進。環境保全を目的とした法定外目的税導入に向けた有識者や関係機関による検討委員会を設置する。産業振興、雇用創出では、農林水産業と観光の連携で、自然や文化を重視する体験・滞在型観光に取り組む。
 施政方針に引き続き、伊志嶺市長から議案の説明があった。上程されたのは、〇七年度一般会計予算案と各種特別会計予算案、〇六年度一般会計補正予算案など予算関係が十六議案。ごみ有料化に関する条例案など条例関係八議案など、合わせて三十四議案。  07年度 宮古島市施政方針
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トゥリバー売却に暗雲/市議会質疑
委託費繰り越しを野党追及

 開会中の宮古島市議会(友利恵一議長)三月定例会は六日、議案に対する質疑を行った。二〇〇六年度一般会計補正予算案で、トゥリバー地区売却に伴う業務委託料四千万円を次年度へ繰り越す案を野党が疑問視。〇六年度内の活用を見送った手法を追及し、同予算の否決も辞さない構えを示した。同予算はトゥリバー地区の売却を仲介した業者(専任媒介業者)に支払われる報酬。仮に否決されると、専門業者の仲介なしで売買交渉を続けなければならない。
 トゥリバー地区売却に伴う業務委託料は、昨年八月の同市議会臨時議会で可決されている。これを受け、市も当初は専任媒介業者を選任し、専門業者の仲介の下で売買交渉を行う方針だった。だが、その後は市独自の交渉で売却できると判断し、専任媒介業者を選任せずに交渉を続けてきた。
 今年一月までは有力企業とスムーズな交渉を続けて売却のめども立っていたが、最終段階にきて企業側が辞退。結局、土地の売却は、白紙の状態となっている。
 質疑で池間雅昭氏は「十二月議会で、市長はあたかも売れるように大丈夫と言っていたはずだ」と述べ、売却が白紙の状態になっている現状に不満を漏らした。その上で、予算を議決させておきながら専門業者を選任せず、市当局のみで交渉してきた行政手法に強い不快感を示した。
 これに対し伊志嶺亮市長は「事務方で連絡を取り合い、その交渉の報告を受けていた。きょうにもあすにも(売れる)という感触があった」などと述べ、交渉の経過から売却のめどがあったと繰り返し強調し理解を求めたが、専任媒介業者の選任を見送った経緯などについての具体的な言及はなかった。
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クイチャーフェスティバル/奨励賞を受賞
第11回ふるさとイベント大賞

ふるさとイベント大賞の奨励賞に輝き表彰されたクイチャーフェスティバル実行委員長の下地暁さん(右)と事務局長の粟国和伸さん=5日、東京都虎ノ門パストラル
ふるさとイベント大賞の奨励賞に輝き表彰されたクイチャーフェスティバル実行委員長の下地暁さん(右)と事務局長の粟国和伸さん=5日、東京都虎ノ門パストラル

 【東京】地域の個性を生かしたユニークなイベントのうち、特に優れたものを表彰する「第十一回ふるさとイベント大賞」(主催・財団法人地域活性化センター)の奨励賞に「クイチャーフェスティバル(主催・同実行委員会、宮古毎日新聞社)が選ばれた。五日、東京で表彰式が行われ、実行委員長の下地暁さんに賞状が贈られた。下地さんは「宮古の文化が認められたことがうれしい。協力してくれた地元の人たちと喜びを分かち合いたい」と話した。
 奨励賞に輝いたクイチャーフェスティバルは、宮古の民俗芸能「クイチャー」を後世に継承しようと二〇〇二年から開催。本社は第二回の〇三年から実行委員会とともに主催者となった。
 昨年十一月の開催で五回の節目を迎えた同フェスティバルには、カママ嶺公園多目的広場に、伝統・創作クイチャーの各部門に合わせて過去最高の二十七団体約千四百人が出演。会場には地元客や観光客ら約五千人が訪れた。
 東京で行われた表彰式には、クイチャーフェスティバル実行委員長の下地さんと事務局長の粟国和伸さんが出席した。
 下地さんは「参加者をはじめ地域の理解と協力のおかげ」と大喜び。粟国さんは「力まず、あせらず、気負わずにこつこつと続けていけるイベントを心掛けていきたい」と抱負を語った。(菊地優子)
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職員増が緊急課題/全療協沖縄ブロック会議
高齢化進み生活介助に支障

沖縄地区の諸課題を話し合った全療協ブロック会議=6日、宮古南静園
沖縄地区の諸課題を話し合った全療協ブロック会議=6日、宮古南静園

 全国ハンセン病療養所入所者協議会(会長・宮里光雄宮古南静園自治会長)の第四十回沖縄ブロック会議が六日、南静園で行われた。同園と名護市にある沖縄愛楽園の両自治会が、職員数増員など七議案を審議、承認した。協議事項は、国に対する全療協全体要求に反映される。

 職員増要求は、沖縄の職員数が本土の類似規模療園と比較して少なく、入所者の園生活に支障を来しているとして課題に挙げられた。
 愛楽園自治会の迎里竹志会長は、職員数が足りずに一般者棟の入所者への生活介助が不十分であることを指摘し「高齢化が進展する中で最も緊急な問題」と訴えた。全療協本部は現在、職員数を含む各施設の実態調査を実施している。
 南静園で二〇〇八年度から始まる一般者棟の住居改築については「将来を見据えた整備をしなければならない」との認識で「将来は、一般市民も利用できる施設である必要があるが、当然現在の在園者のニーズに合わせる必要もある」として、今後総合的に検討を急ぐ方針が示された。
 また▽医療職員の充増員、医療、不自由者介護、高齢者対策の充実▽諸待遇の改善と将来(生涯)にわたる維持・継続▽沖縄二園の速やかな本土並み向上−など六つのスローガンを採択した。
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先祖迎え墓前で正月/旧十六日祭
おみやげは「紙銭」どっさり

親せきや家族一緒になって墓参りし、後生の正月を祝った=5日、袖山墓地公園
親せきや家族一緒になって墓参りし、後生の正月を祝った=5日、袖山墓地公園

 後生の正月「旧十六日祭(ジュウルクニツ)」が旧暦の一月十六日に当たる五日、各地で行われた。家族や親せきたちが墓前に線香や重箱料理を並べ、先祖とともに正月を祝った。
 宮古島地方は同日朝から雨に見舞われ、午後からは曇りというあいにくの一日。宮古島市平良の袖山墓地公園では、雨が弱まった午後一時ごろから、酒や重箱を持った人たちが次々と訪れた。墓前で手を合わせ、あの世の金とされる「紙銭(カビジン)」をたき上げる姿があちこちで見られた。
 下地孝司さん(47)は、例年は親せき十人余りで祝っているが、今年は天気が悪いため、家族五人で墓参り。空揚げやてんぷら、もちなど手作りのごちそうを墓前に供え、「家族が元気に健康でいられますように見守っていてください」と先祖に手を合わせた。
 下地さんは「伝統ある行事なので子供にも見せたいと思って一緒に連れてきました」と話した。長男の心一郎君(北小三年)は「おじいに『野球選手になりたい。応援しててね』とお願いしました」と笑顔を見せた。
 家族、親せきたちと訪れていた戸倉正貴君(東小二年)は「おばあ、これで大好きなネクター(ジュース)買っておじいと飲んでね」と願いを込めて紙銭を焼いていた。
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実質2.2%プラス成長/県経済07年度見通し
観光が景気回復リード

  【那覇支局】県企画部は五日、二〇〇七年度の県経済の見通しを発表した。それによると、県経済成長率(県内総生産の対前年度比)は実質二・二%程度プラス成長、名目では二・三%程度のプラスを見込み、その理由としては好調な観光が景気回復をリードし、民間需要も堅調に推移していることなどを挙げた。また、同年度の県内総生産は三兆八千三百七十五億円程度で、雇用情勢については完全失業率を〇・三]改善の七・三%程度としている。
 好調な観光では、入域観光客は航空アクセスの向上や沖縄への関心の高まりなどが継続していることなどから今後も増加が見込まれる。一人当たりの消費額についても個人への所得配分が全国的に進むことを背景に、シニア層やリゾートウエディングへの取り組みを強化することによる増加を予想している。
 一人当たりの県民所得については、二百十三万円程度で前年度比で二・三%程度増加することが見込まれている。
 雇用情勢については、求人数で増加を見込むも雇用のミスマッチや、移住者など県外からの労働提供も見込まれることから、雇用情勢の改善は緩慢なものにとどまると予想。県内就業者数は六十万六千人程度で、前年度より一万人(一・六%)程度の増加となり完全失業率は〇・三]改善の七・三%程度としている。
 消費関連では、民間消費については、税負担増が見込まれるが、人口・世帯数の伸びや県内外における景気の好調さ、増加の続く観光収入などを背景に引き続き堅調に推移し、前年度比で二・四%程度の増加を予想。また、大型店舗の出店効果や家電の買い換え需要、好調が続く住宅建設による波及効果なども後押しするとしている。
 そのほか、二〇〇六年度の県経済実績見込みでは、県内総生産を三兆七千五百十九億円程度、経済成長率は実質約四・三%(名目三・七%)の増加を見込んでいる。
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童謡を方言替え歌に/下地小
お年寄りも大喜び

元気いっぱいに童謡の替え歌を披露した子どもたち=6日、下地の来間島離島振興総合センター
元気いっぱいに童謡の替え歌を披露した子どもたち=6日、下地の来間島離島振興総合センター

 宮古島市社会福祉協議会下地支所(下地達也支所長)は六日、来間離島振興総合センターでミニデイサービス世代間交流会を開いた。下地小学校の児童たちが、懐かしい童謡を方言の替え歌で披露し、参加したお年寄りたちを喜ばせた。
 下地小は総合学習の一環で実施。三年生四十六人が体験学習した。
 児童たちは、童謡「海」「お母さん」「お馬のおやこ」三曲を披露。このうち「お馬のおやこ」の一節では「ポックリポックリ歩く」を「がっぱらがっぱらあいき」などと方言で歌ってみせた。
 児童たちの歌を聞いた砂川アキさん(70)は「来間島の方言とちょっと違うところもあるけど、全部覚えます」と語った。
 児童たちは「元気なおばあたちが喜んでくれたのでうれしかった」と話した。
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