200平成19  3 月曜日

「緑の街角賞」に佐和田さん(伊良部)/市CGG
新市誕生で初の全島審査

木のボリューム感が圧倒/今月28日に表彰式

大賞の「緑の街角賞」を受賞した佐和田恵栄さんの庭。ボリューム豊かな緑が人目を引く=伊良部字佐和田
大賞の「緑の街角賞」を受賞した佐和田恵栄さんの庭。ボリューム豊かな緑が人目を引く=伊良部字佐和田

 宮古島市心豊かなふるさとづくり推進協議会グリーン部会(宮古島市CGG、友利吉博部会長)は四日、第一回緑の街角賞の受賞者を発表した。大賞となる「緑の街角賞」には、佐和田恵栄さん=伊良部字佐和田=の庭が選ばれた。バランスよく剪定(せんてい)されたクロキとホルトノキが、ボリューム豊かに配置されていることなどが高く評価された。表彰式は今月二十八日に平良のレストランクール新館で行われる。

佐和田恵栄さん
佐和田恵栄さん

 緑の街角賞は、旧平良市民運動実践協議会グリーン部会が主催となって旧平良市を対象に審査が行われていたが、宮古島市発足に伴い「宮古島市」に名称を変更。対象を旧町村まで広げた。旧平良市時代を含めて通算二十四回行われ、市民の間では定着している。
 今回の受賞七部門のうち、伊良部地区にある庭が三部門を受賞。城辺、下地、上野の各地区からも受賞者が出るなど、旧町村にレベルの高い庭が多くあることをうかがわせた。
第1回「緑の街角賞」受賞者 審査発表でグリーン部会の友利部会長は「旧平良市だけで審査をしてきたが、旧町村にもこんなに素晴らしい庭があることを改めて実感させられた。とにかく庭の面積が広く、植物も伸び伸びと育っており、緑のボリューム感が圧倒的だった」と感想を述べた。
 大賞を受賞した佐和田さんの庭については「それぞれの木の個性を生かした配置や緑を生かすために岩をバランスよく設置している。過去の緑の街角賞を受賞した庭の中でも群を抜く庭」だと絶賛した。
 緑の街角賞を含む「三大大賞」の一つ「緑化推進賞」を受賞した国仲繁男さん=城辺字下里添=の庭については「木の一本一本がセンスよく剪定されているほか、タイワンレンギョウで作ったアプローチが素晴らしい」と、日ごろの手入れをたたえた。
 「植栽美化賞」に輝いた我如古俊雄さん=上野字新里=の庭は、巨石を中心に緑の水平面がポイント。「花や低木も目を引き、すがすがしい庭」と評価した。
 審査会は、自薦や他薦を含む計十三の庭をグリーン部会の会員らが実際に現地を見て@樹木がよく生長し、見栄えのある庭づくりをしているA樹木の特性を生かした組み合わせに独創性があるB道行く人々や周辺環境に緑豊かな潤いを与えている−など十項目に視点を置き、五段階評価で行った。
 グリーン部会の母体となる宮古島市心豊かなふるさとづくり推進協議会の前川尚誼会長は「審査対象が全島に広がり大変だったと思うが、緑を愛する心をこれまでより広くアピールできたことはうれしいこと」と話した。
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領収書提出は義務/宮古島市議の政務調査費

 領収書の提出義務をめぐり、地方議員に交付される政務調査費が全国各地で問題化している。政務調査費は宮古島市議にも交付されており、条例では議員一人当たり年額六万円を支給。ただ、報告する際に領収書の写しを添付することが義務付けられているため、使途は明確化される。年度末における報告書の提出も条文で明示。誰でも議長に対して閲覧を申し出ることもできる。
 宮古島市議に政務調査費の交付を認める条例は昨年三月の同市議会定例会で可決された。一人当たり六万円(年額)交付されるが、申請しなければ交付はされない。使途基準は▽研究研修費▽調査旅費▽資料作成費▽資料購入費▽広報費▽広聴費▽人件費(議員が行う活動を補助する職員の雇用経費など)▽事務所費▽その他の経費−。
 政務調査費の交付を受けた市議は、収入と支出の報告書に領収書の写しを添付し、議長に提出しなければならない。このため、市議の政務調査費の使途は条例に従って領収書で明確化されるという仕組みだ。
 政務調査費は県内の各市議会でも交付されており、那覇市は月額で五万円、宮古島市と類似自治体となる名護市でも、月額二万五千円が交付されている。
 政務調査費は、地方議会の活性化を目的に導入された。全国各自治体で交付されているが、収支報告書の支出項目や領収書の提出をめぐり課題が噴出。領収書の提出を義務付けていない自治体などでは、使途が不透明だとして問題化している。
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「さんしんの日」/愛好者集い演奏会
子どもからお年寄りまで宮古民謡高らかに
調高く、情緒たっぷり

100人以上の愛好者が参加し三線の音を響かせた=4日、下地公民館
100人以上の愛好者が参加し三線の音を響かせた=4日、下地公民館

 「さんしんの日」の四日夜、毎年恒例の宮古民謡協会主催による「さんしんの集い」が下地公民館で開かれた。百人以上の愛好者が集い、長く受け継がれてきた格調高い宮古民謡を演奏。共に弾き語りを楽しみながら宮古民謡一色の世界に酔いしれた。

 集いは、午後六時に開会。会場は幼稚園児から八十歳代まで、幅広い年齢層の愛好者で埋め尽くされた。はじめに同協会の村吉順栄会長が「この演奏会は三線を愛する市民が一堂に会す場。舞台発表ではないので、気楽にゆっくりと演奏し、楽しいひとときを過ごしてほしい」と呼び掛けた。
 この後、豊年の歌を皮切りに、大勢の三線愛好者で演奏をスタート。「なりやまあやぐ」「とうがにあやぐ」「大世栄」「狩俣のいさみが」「家庭和合」など宮古民謡を次々と歌いながら演奏した。
 まだ習い始めた子どもたちは、宮古民謡の工工四を開きながら懸命な表情で演奏し、民謡は大きな声で歌った。一方で中高年や高齢者は、弾き慣れた民謡を情緒たっぷりに披露。それぞれが独自の演奏スタイルで三線の音を響かせていた。
 村吉会長は「今後、さらに三線における底辺の拡大を図りたい。そういう意味でも、このような演奏会は意義がある。宮古の伝統文化を少しでも多くの人に伝えたい」などと話した。
 宮古民謡協会の「さんしんの集い」は、三線を愛する仲間が一堂に会して親睦を深め、宮古民謡を後世へ継承・発展させていくことを狙いに、毎年開催されている。
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全島E3化に意欲/若林環境相
サンゴ礁保全・再生の重要性も強調

バイオエタノール事業の効果を期待する若林環境相=4日、宮古空港
バイオエタノール事業の効果を期待する若林環境相=4日、宮古空港

 宮古島のバイオエタノール事業視察のため来島している若林正俊環境相は四日、池間島でサンゴ礁の再生試験やサンゴ礁の視察を行った。会見した若林環境相は、「サンゴ礁を保全、再生するためには、努力が必要だ」などと述べた。バイオエタノールについては、「この島に明るい夢と希望を感じた。地域の資源を地域で利用するという循環型の社会に貢献できる」と総括。島を走るすべての車両でバイオエタノールを活用する全島E3化に向けて意欲を示した。
 池間島での視察を終えた若林環境相は、昼すぎに宮古空港で会見を開き記者の質問に答えた。
 バイオエタノール事業では「バイオガソリンという実証試験が島全体に行き渡っていて、二〇〇七年度は大事な年になることを実感した」と話した。〇七年度は千台の車両で実証試験を実施すると強調。「成功させて沖縄、全国への原動力としたい」と述べ、宮古島における実証試験の普及効果に期待した。
 地球温暖化問題にも触れ「温暖化は待ったなしで進んでおり、私たちはこれを抑制しなければならない。日本もバイオ系燃料を開発して有効に活用していく」と述べ、建築廃材の活用など、今後は大都市圏でもバイオエタノール事業を展開していく方針を示した。
 その上で、若林環境相は「地域にある資源を地域で利用する。これは循環型の経済・社会に貢献できることだと思う」と話し、バイオエタノール事業の導入効果に大きな期待を込めた。
 環境相は同日午後の便で島を離れた。
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小田元機長が来島/軍用機不時着の縁
福嶺小同窓会、記念碑前で旧交温める

ゴルフ旅行で来島した小田元機長(前列左から4人目)=4日、城辺野球場東側
ゴルフ旅行で来島した小田元機長(前列左から4人目)=4日、城辺野球場東側

 戦時中、宮古島市城辺に不時着し、住民の協力で離陸した軍用機の小田泰治元機長(88)が二日、来島した。当時の出来事を伝える記念碑に関係者が集まり、友利清次さんら縁ある面々と旧交を温めた。
 小田機長の軍用機は、一九四二年、岐阜県から沖縄本島経由で台湾・フィリピン方面へ向かう途中、エンジントラブルで城辺北海岸付近に着陸した。土地の起伏が激しいため離陸が困難と判断した小田機長は当時の城辺村長に滑走路作りを要請。住民らがこれに応え、約一カ月かけて幅三十b、長さ三百bの滑走路を整備し、飛行機を離陸させた。
 福嶺小学校同窓会は一九九七年、不時着当時に城辺の若者や子どもが作業に当たった様子や、それに対する小田さんの感謝の気持ちを伝える記念碑を建立している。
 小田さんは現在、静岡県に居住。所属する天城高原ゴルフクラブのツアーで数年ぶりに来島した。二日夜には、記念碑建立に携わった福嶺小学校の関係者やPTA、地域住民らが交流会を催して歓迎した。
 小田さんは「宮古島は遠いが飛行機≠ェあるから気軽に来れる。懐かしい顔に再会できてうれしかった。また来ますよ」と笑顔を見せた。
 福嶺小同窓会の友利清次元会長は「記念碑を建てたときのさまざまな思いが胸によみがえった。元気な様子を拝見して安心した」と喜んだ。
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卒業証書を親子で手作り/北小6年
ケナフの木素材「一生の宝物に」

卒業証書を手作りする親子=4日、北小学校
卒業証書を手作りする親子=4日、北小学校

 宮古島市立北小学校六年生の親子は四日、同校で、ケナフの木を素材に卒業証書を作った。証書には今後、来間恒祐校長が文言を書き入れ、二十二日の卒業式で授与する。
 この紙作りは、六年生が一年間かけて実施した卒業証書作りの集大成。昨年六月にケナフの種をまいて十一月に収穫した後、幹の皮をはいで乾燥させ、パルプ化して準備を進めてきた。最後の紙すきの工程に挑戦したこの日は、自分の卒業証書が完成するとあってどの児童も真剣な表情で取り組んでいた。
 伊志嶺天堂君は、「液体の中で紙をすくときに、失敗しないよう注意した。難しかったけど楽しかった。一生の宝物になります」と感想を話した。
 平良文二君の母、平良美智江さんは、「世界でたった一つの卒業証書。子どもの成長はうれしいが、親離れの時が近づいていると思うとちょっぴり寂しい」と話し、感慨にふけりながら手作りの証書を眺めていた。
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