200平成19  3 日曜日

バイオエタノール実験を視察/若林環境相
活用の拡大に期待/E3車≠フ乗り心地も体験

担当者からバイオエタノールを製造する過程の説明を受ける若林大臣(右)=3日、沖縄製糖宮古工場内のバイオエタノール製造施設
担当者からバイオエタノールを製造する過程の説明を受ける若林大臣(右)=3日、沖縄製糖宮古工場内のバイオエタノール製造施設

 サトウキビの糖蜜を原料としたバイオエタノールの実証実験を視察するため環境省の若林正俊大臣が三日、来島した。沖縄製糖宮古工場内にあるバイオエタノール製造施設など関係施設を視察した。若林大臣は「(バイオエタノールは)将来の自動車燃料の在り方を検証する大実験。いよいよ動き出し、力強く感じている」と感想を語った。きょう四日は、宮古島近海でサンゴ礁の現地視察を行い午後に帰京する。

 バイオエタノール三%混合ガソリン(E3)の実証実験事業は、同省の委託を受けてりゅうせきが実施している。生産から利用、流通までの「宮古島モデル」を確立させ、県全体への普及のための基礎をつくることが目的。
 バイオエタノール製造施設では、糖蜜を発酵、蒸留、脱水する処理の説明を受けた。製造されたばかりのバイオエタノールを手に取るなど興味を示していた。
 りゅうせき宮古油槽所では、ガソリンにバイオエタノールを混合する作業を見学。自らE3を給油した自動車に乗り込み乗り心地を体験した。
 バイオエタノールの将来性について、若林大臣は「E5、E10にしなければ京都議定書の削減目標が満たされない。バイオエタノールの活用を拡大しなければならない」と述べた。
 同事業は、二〇〇七年度に実証車台数を千台にまで増やす予定。同年度でエコ燃料実用化地域システム実証事業費として二十八億円が計上されている。最終的には宮古島内を走る全車両約二万台で実証実験される。
 宮古空港で行われた歓迎式典には宮古島市や県、観光協会や商工会議所など関係者が大勢集まり、出迎えた。同市の伊志嶺亮市長は「バイオエタノールは宮古島市のエコタウン構想に合致する。農民、行政も喜んでいる。実りある視察にしてもらいたい」とあいさつした。
 視察は沖縄製糖宮古工場、バイオエタノール生産施設、りゅうせき宮古油槽所、JA上野給油所などを回った。視察には安里カツ子県副知事らが同行した。
 若林大臣は参議院長野選挙区選出。一九八三年に衆院議員に初当選。九八年に参院議員に当選、現在二期目。〇六年九月から環境大臣。
◆◆ことば◆◆
 バイオエタノール サトウキビなど植物に含まれる糖を発酵・蒸留させて作るアルコールの一種。温室効果ガスの排出量はゼロとみなされ、石油代替燃料として注目されている。
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伊良部漁協欠席で流会/大橋建設漁業補償配分委

伊良部漁協の配分委員の欠席で流会となった漁業補償配分委員会=3日、宮古島漁協
伊良部漁協の配分委員の欠席で流会となった漁業補償配分委員会=3日、宮古島漁協

 伊良部大橋の建設に向けて妥結した漁業補償金五千十万円の配分方法について話し合う漁業補償配分委員会が三日午後、宮古島漁業協同組合(儀保正司組合長)で開かれる予定だったが、伊良部漁業協同組合(奥原隆治組合長)の配分委員六人が欠席のため、流会となった。伊良部漁協側が欠席した詳しい理由は分かっていない。出席した同委員からは、反発の声が上がっていた。
 同補償金は、共同漁業権を管理している宮古島、池間、伊良部の三漁協で配分するもの。三漁協の同委員はそれぞれ六人ずつ。
 この日は宮古島漁協から五人、池間漁業協同組合(浜川洋美組合長)から六人の計十一人が出席した。
 同委員会が流会したため、出席者らは今後の補償金配分方法について話し合った。
 宮古島漁協の儀保組合長は「伊良部漁協は、六月に開かれる通常総会で配分方法を諮ってから、配分委員会で話し合いたいとの考えがある。これでは困る。県信連などによると、七月までに配分されない場合、補償金五千十万円に税金一四%が課税されるという」と語った。
 出席者からは「税金が掛かったら、誰が責任を取るのか」「総会前に配分を決めるべきだ」などといった意見が出された。
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下地君(東小3年)が種目別2冠/全宮古小学校珠算競技
「ライバルたちと勝負」/286人が学習成果競う

個人種目でそれぞれ優勝した読上暗算の部の下地智也君、読上算の部の川満厚美さん=3日、宮古島市中央公民館
個人種目でそれぞれ優勝した読上暗算の部の下地智也君、読上算の部の川満厚美さん=3日、宮古島市中央公民館
 
個人総合で優勝した皆さん。(左から)下里大輝君(1年)、池間加称絵さん(2年)、下地智也君(3年)、平良衣知衿さん(4年)、喜久川誠也君(5年)、下地一毅君(6年)
個人総合で優勝した皆さん。(左から)下里大輝君(1年)、池間加称絵さん(2年)、下地智也君(3年)、平良衣知衿さん(4年)、喜久川誠也君(5年)、下地一毅君(6年)

 第十二回全宮古小学校珠算競技大会(主催・全国珠算教育連盟沖縄県支部宮古地区)が三日、宮古島市中央公民館で行われた。二百八十六人の児童らが、個人総合と種目別で日ごろの練習成果を競い合った結果、下地智也君(東小三年)が個人総合競技と種目別読上暗算で二冠を達成するなど八人の優勝が決まった。

 この日行われたのは、個人総合競技と個人種目別競技。個人総合では乗算、除算、見取算、見取暗算の四種目合計を各学年ごとで競った。個人種目別では読上暗算と読上算の二種目が行われ、宮古一を競った。
 個人総合で三年の部と読上暗算の部で優勝に輝いた下地君は、一年生の時から三年連続で個人総合を制した。「たくさんのライバルたちと勝負できて良かった。お兄ちゃん(一毅君、東小六年生)が珠算で七段を持っているので、お兄ちゃんを超えられるよう頑張りたい」と笑顔を見せた。
 読上算の部で優勝した川満厚美さん(砂川小六年)は「読上算は得意な方だけど、周りにも得意な友達がたくさんいて緊張した。五年生の時には予選落ちしてしまったので、今回はリベンジを兼ねての挑戦。中学校では十段目指して練習に励みます」と瞳を輝かせた。
 冒頭、大会長の金城敏範同支部長は「宮古地区の大会は会員が少ない地域ではあるが、県支部会員の中でも常に頑張っている地域。力を振り絞って良い成績が出せることを期待している」と激励した。
 会場には、大勢の父母らが駆け付け、競技に集中するわが子を温かく見守っていた。また、珠算・暗算の十段表彰式と珠算優良生徒表彰の伝達式も行われた。
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来月に調査踏まえ中間報告/塩素イオン濃度問題
市地下水保全対策学術委

中間報告に向け、これまでの調査結果などについて協議した第3回会合=3日、自治会館
中間報告に向け、これまでの調査結果などについて協議した第3回会合=3日、自治会館

 【那覇支局】宮古島市の地下水保全に係る諸課題について、学術的見地から問題の究明などを行う「宮古島市地下水保全対策学術委員会」(委員長・渡久山章琉球大学理学部教授)の第三回会合が三日、那覇市の自治会館で行われた。会議では、白川田流域水源における高濃度塩素イオン問題の原因究明に向けて、これまで実施してきた調査結果の報告や来年度以降の取り組みについて協議した結果、四月に伊志嶺亮市長に対して中間報告を行い、同問題に対する評価については二〇〇八年一月をめどに行うことを確認した。
 今回の会議は、今年度に実施した追加調査の結果を踏まえたこれまでの成果と課題が示された。調査結果としては、温泉を利用している施設の敷地は白川田流域に含まれることや、高濃度の塩素イオンが確認された同施設近くの井戸については白川田水源や他流域水源と明らかにイオン組成が異なり、通常雨水起源の水ではほとんどないホウ酸イオンや臭化物イオンが存在していることなどが示された。
 また、今後の課題としては▽年間を通した地下水質変動の把握▽台風時の風送塩の負荷について別途評価が必要−などが挙げられた。そのほか、来年度の調査・検討計画としては▽温泉原水と排水の水質把握▽年間を通した塩素イオン組成の分析▽地下水位の観測−などが示され、目標としては原因究明と対策の検討を主なテーマとして、地下水保全対策方針の検討およびガイドラインの策定については〇八年度以降の課題とすることも確認した。 
 同委員会は、地質学や水質分析・管理の専門家で構成され、白川田流域水源に対する高濃度塩素イオンの原因究明や今後の宮古島地下水保全対策方針の検討、保全対策ガイドラインの策定を行うことを目的に発足した。
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バスケット U-18代表候補に選抜/砂川貴哉(上野中出身)県内から唯一
はしご車などで救助活動

砂川貴哉君
砂川貴哉君

 県立北中城高校一年の砂川貴哉君=上野中卒=が一日、日本バスケットボール協会が主催する選手発掘・育成プログラム、U−18(十八歳以下)男子トップエンデバーの候補選手に選抜された。全国から同年代のトップ選手三十七人を選出、県内からは砂川君一人だった。「全国から選ばれたレベルの高い選手が集まる合宿。自分の力をアピールできるよう頑張りたい」と意気込みを語った。
 砂川君は192aの長身を生かしたポストプレーとスピードあふれるドライブインが持ち味。中学時代は九州ナンバーワンセンターとの呼び声も高かった。北中城高校に進学後はフォワードにポジションを変更している。
 今回の選抜は二月に全国九ブロックで開催されたU−18ブロックエンデバーとU−15エンデバーから選考された選手を集めて開催。砂川君は上野中三年時の昨年、U−15(十五歳以下)男子トップエンデバーに選出されている。
 砂川君は、「シュート時の集中力の高めたい。この機会を大事にして、今後に生かせるよう、良い経験にしたい」と述べた。
 同協会は二〇〇二年度から「JABBA変革z」として、日本代表チームの強化プランニングに着手。▽日本代表チームの強化▽底辺の拡充と選手の育成・強化−などの基本方針を打ち出している。合宿は十日から十二日まで東京都で行われる。
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観光客らが黒糖作り/市の体験滞在交流促進事業
宮古を実感、キビ刈りも体験

市民や観光客らが黒糖作りに挑戦した=3日、城辺字保良
市民や観光客らが黒糖作りに挑戦した=3日、城辺字保良
 体験滞在交流促進事業の一環として宮古島市は三日、同市城辺字保良のキビ畑でサトウキビ刈りと黒糖作り体験を行った。市民と観光客ら二十人余りが参加し、黒糖ができる過程をじかに学んだ。
 参加者らは保良地区の住民から手ほどきを受けながら、約三eの圃場からキビを収穫。キビの汁を大釜に入れ、まきで炊き上げた。出来たての黒糖を味わった参加者は「あめみたい。甘くておいしい」と顔をほころばせていた。
 昼食には、宮古牛やパパイアなどの宮古食材をふんだんに使った宮古そばが振る舞われた。宮古島に一カ月滞在しているという渡辺亜矢子さん(25)=北海道札幌市=は「キビ刈りは一度やってみたいと思っていたので、良い経験になった。また一つ宮古の良さを実感した」と話した。
 きょう四日は、うえのドイツ文化村で植樹体験を実施する。
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