200平成19  228 水曜日

与野党勢力が拮抗/市議会
佐久本氏が野党にくら替え

 野党会派を中心に再編の動きが加速している宮古島市議会で、与党会派に属す佐久本洋介氏が二十七日までに、新たに発足する自民党会派に移る意向を固めた。これにより、議会内勢力は与党十三人、野党十三人(議長除く)と拮抗、伊志嶺亮市長が提出する議案審議の過程において、少なからず影響が出そうだ。

 佐久本氏は与党会派に所属し、革新系首長の伊志嶺市長を支える立場にあったが、前回知事選から保守陣営と行動を共にして保守系候補支持の姿勢を明確に示した。その後は議会内で微妙な立場を続けてきたが、ここにきて動きが本格化した自民党会派発足の流れを受け、「もともとは保守の人間だ」と自らの姿勢を固めたものとみられる。
 議会内の勢力図はこれまで、議長を除いて与党八人と与党寄りのスタンスを取る「そうぞう」の六人を合わせて与党が十四人、野党は十二人(公明を含む)で数の上では与党が野党を上回り、伊志嶺市長の政策は可決されやすい状況だった。
 このような議会内の勢力図が佐久本氏の動きで塗り替えられる。与野党の数は十三人と拮抗し可否同数の場合は議長採決となる。議長が与党に属す以上は依然として与党に分がある。ただ、佐久本氏のくら替えは、伊志嶺市長にとっても与党にとっても痛手と言える。
 佐久本氏の意向確認を受けて、新たに発足する自民党会派に所属する市議が決まった。会長は平良隆氏、副会長は上地博通氏、幹事長は嘉手納学氏が務める。そのほか佐久本氏、下地明氏、棚原芳樹氏、砂川明寛氏が名を連ね旧町村部出身の市議で会派発足となる。
 同じ野党系で池間雅昭氏と新城啓世氏、真栄城徳彦氏と下地秀一氏は別の会派を発足させる。
 与党会派も、佐久本氏の野党入りとともに再編を迫られる格好だ。
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宮古実業高 来春開校/県議会一般質問
奥平氏が当局見解ただす/宮古病院改築「早めに進めたい」

宮古地区の諸課題について当局に見解を求めた奥平一夫氏=27日、県庁
宮古地区の諸課題について当局に見解を求めた奥平一夫氏=27日、県庁

 【那覇支局】開会中の県議会(仲里利信議長)二月定例会は二十七日、一般質問二日目が行われ、宮古地区選出の奥平一夫氏が県立高校の編成整備計画や大浦における産廃処分場火災事故問題、県立宮古病院の新築移転など宮古の諸課題について当局見解をただした。
 宮古農林高校と翔南高校を統廃合して、県立宮古総合実業高校(仮称)を設置することについて仲宗根用英教育長は「両校のPTA、同窓会などとの説明を重ねたことで、地元の理解は得られてきていると考えている。現在両校においては二〇〇八年の開校に向けて具体的に取り組んでおり、これからも地元の理解を得ながら計画を推進していきたい」と述べた。
 県立宮古病院の新築移転について、仲井真弘多知事は「視察を行った中で同病院は雨漏りや排水設備の劣化等の問題が生じており、施設の老朽化が想像以上に進んでいるという印象を受けた。整備計画については早めに進めていく必要があるとの認識で、病院、関係部局には整備手法を含めた検討を促している」との見解を示した。
 また、宮古病院の新築移転時期について、知念清病院事業局長は「今年度内には基本構想素案がまとまる予定。仲井真知事も早期対応の必要性を確認しており、関係機関と調整し新築移転については年度内に時期を明示したい」と述べた。
 また、〇五年八月から脳外科医の常勤医師が不在となってから今年一月までの宮古病院における本島などへの患者搬送実績は四十二件となっていることも報告された。
 下地島空港の離島振興計画における位置付けについて、上原良幸企画部長は「空港機能と連携した周辺土地の有効利用、伊良部架橋などのインフラ整備、農林水産業、観光リゾート産業の振興により航空需要の拡大を図ることが重要。今後、これらの施策を積極的に促進することにより、下地島空港の幅広い利活用が期待できる」との見解を示した。
 さらに、下地島をカジノの誘致先として検討していないかの質問については宜名真盛男観光商工部長が「これまで下地島に限らずカジノ誘致先など具体的な検討をしたことはない。下地島をカジノ誘致先とした民間における調査検討についても県は把握していない」と説明した。
 そのほか、大浦地区における産業廃棄物処分場火災で原因施設の視察について、仲井真知事は「二月十六日に宮古病院視察時に外の方から様子を見てきたが、もう少し(視察が)必要であれば考えてみたい」と述べた。
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きょう8日ぶりに工事再開/平良港防波堤工事
漁業権外の堤内側から着手/工事事務所と市が漁協と協議

奥原組合長と話し合う関係者ら(左)=27日、伊良部漁協
奥原組合長と話し合う関係者ら(左)=27日、伊良部漁協

 伊良部漁業協同組合(奥原隆治組合長)が、平良港下崎防波堤工事の阻止行動を展開している問題で、工事発注者の沖縄総合事務局平良港湾事務所と港管理者の宮古島市港湾課の関係者らは二十七日、同組合を訪ね、奥原組合長と話し合いを行った。その結果、きょう二十八日から、工事が再開されることが決まった。今月二十一日の工事中断から、八日ぶりの再開となる。

 旧平良市と伊良部漁協など三漁協は、一九八七年に同防波堤工事に伴う漁業権一部消滅で、漁業補償金七億円で妥結。当時の伊良部漁協の通常総会では、同市は工期は十年程度と説明した。
 奥原組合長は、妥結から二十年以上たっても工事を進めているとして、同漁協の警戒船を使って工事阻止の行動を展開した。警戒船は、漁業権が設定されている同防波堤沖合二十b以上で停船。このため、資材などを運ぶバージ(台船)は、漁業権のある沖合海域からの進入が阻まれ工事は中断された。
 同事務所側は「工事は、漁業権対象外の防波堤内側から行う」と説明。
 奥原組合長は「防波堤内側なら問題はない」と述べた。
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本体工事に着手へ/伊良部大橋
来月、橋台と橋脚発注

橋台と橋脚は仮桟橋左側に設置される=27日、宮古本島平良の久松地区側
橋台と橋脚は仮桟橋左側に設置される=27日、宮古本島平良の久松地区側

 伊良部大橋の橋台一本橋脚一本の計二本が来月中に発注されることが二十七日、分かった。発注に伴い、大橋本体工事がいよいよ着工される。県宮古支庁土木建築課伊良部大橋建設現場事務所(嘉手納良文主幹)が同日、明らかにした。
 橋台と橋脚は、現在平良久松地区の海岸から建設が進められている仮桟橋左側に設置される。工事は仮桟橋が先行し、その仮桟橋を追い抜くように橋脚が整備されていく。橋脚間の間隔は七十bで、全橋脚数は四十八本を計画。
 宮古本島側からの仮桟橋は全長二千三百bで、このうち四百bは完成。一方、伊良部島側からの仮桟橋は全長百三十bで来月完成予定。
 伊良部大橋は、伊良部島と宮古本島を結ぶ離島架橋。総延長四・三`で、このうち、本橋部が三千五百四十b、取り付け橋梁が百七十b、海中道路が六百b。
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上野の農家と意見交換/国井農水副大臣が来島
バイオエタノール施設など視察

ハーベスターでのサトウキビの収穫作業に見入る国井農水副大臣=27日、上野字新里の圃場
ハーベスターでのサトウキビの収穫作業に見入る国井農水副大臣=27日、上野字新里の圃場

 自民党の参院議員、国井正幸農林水産副大臣が二十七日、来島した。沖縄製糖宮古工場やりゅうせき宮古油槽所のバイオエタノール関連施設、地下ダム資料館などを視察。上野の農家と意見交換も行った。
 オーストラリアと日本の自由貿易協定(FTA)交渉により、砂糖の輸入自由化を懸念する農家に対し、国井副大臣は「農水省の役割は国内の農業を守り、振興を図ること。不退転の決意でしっかり頑張りたい」と述べた。
 上野字新里のサトウキビ畑を訪れた国井副大臣は、六人の農家と意見を交換。FTA交渉について、「非常に憂慮している。断じて認められない」と力を込めた。その上で、「地域でも地域を守るために、国内の農林水産業が必要だという運動を展開してほしい。一緒に頑張っていきましょう」と呼び掛けた。
 畑では、ハーベスターによるサトウキビの収穫作業を見学。初めて見る作業の様子に、興味深そうに見入った。
 沖縄製糖宮古工場では製糖過程に生じる糖蜜からバイオエタノールを製造する施設を視察。「関係者が熱意を持って取り組んでいる。私たちもしっかり支援したい。島民の皆さんに、もっと進んだ社会をつくるという思いで協力を頂ければありがたい」と話した。
 同日夜は、市内のホテルで懇談会も開かれた。きょう二十八日は来間島の農業を視察し帰途に就く。
 国井副大臣は参議院栃木県選挙区選出。一九九五年に初当選、二〇〇一年に再選。農水大臣政務官や党の総合農政調査会などを経て、〇六年九月より農水副大臣。
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宮古島支部が発足/自民党県連
支部長に砂川佳一氏を選出

自民県連宮古島支部が発足。平良隆副支部長らが会見で報告した=27日、宮古島市平良
自民県連宮古島支部が発足。平良隆副支部長らが会見で報告した=27日、宮古島市平良
 自民党県連の宮古島支部が二十七日午後、発足した。同日、役員選出も行い、支部長には県議の砂川佳一氏、副支部長には宮古島市議の平良隆氏を選出、幹事長など残る役員には宮古島市議会の現職市議が就く。同支部の発足は、合併後に解消された支部を新たに発足させ、県連における宮古島の拠点をつくることが狙い。同日午後に平良副支部長らが会見を開き「党の発展のために頑張りたい」と決意を述べた。
 支部発足の会見には平良氏ほか、幹事長となる嘉手納学氏、総務会長の下地明氏、政務調査会長の上地博通氏、幹事長代行の真栄城徳彦氏、広報委員長の棚原芳樹氏らが出席。これまで市議会内で微妙な立場を示してきた佐久本洋介氏は組織委員長を務める。財務委員長は砂川明寛氏。
 会見では、嘉手納幹事長が支部結成の経緯を報告。「県連支部としての拠点をつくり、政治的な活動に生かしていくべきではないかとの思いから結成に至った」などと説明した。多良間を含む宮古圏域には、合わせて百五十八人の自民党員がいることも強調した。
 平良副支部長は「合併前は各市町村で支部があり活動していたが、合併後は、その機能を失っていた。これまで砂川県議を中心に準備を進めてきたが、今後は力を合わせて党発展のために頑張りたい」と述べた。
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