200平成19  227 火曜日

サトウキビ コガネムシ被害が拡大/病害虫防除技術センター調査
立ち枯れ面積23%/早期のロータリー耕耘促す

 県病害虫防除技術センターは、アオドウガネとミヤコケブカアカチャコガネのコガネムシ被害状況(二〇〇六年度)を調査し二十六日までにまとめた。それによると、二三・三%の圃場で、コガネムシが原因とみられるサトウキビの立ち枯れが見られた。前年度の一三・三%に比べ被害面積が多くなっていることから同センターでは、アオドウガネは薬剤や誘殺灯での防除を、アカチャコガネについてはキビ収穫後の三月下旬までにロータリー耕耘を農家に呼び掛けている。

 調査はキビの立ち枯れ原因を調べるため、昨年十二月下旬に平良、下地、城辺、上野、伊良部の五地区の計四十一の圃場で実施した。
 株を中心に土を掘り返し、コガネムシの幼虫を識別しながら、圃場面積に対する被害面積の割合を調べた。
 それによると、主にアオドウガネが見つかったのは二十九圃場で七〇・七%、主にアカチャコガネが見つかったのは二十二圃場で五三・七%だった。
 アオドウガネのみ、またはコガネアカチャのみの被害圃場は少なく、二種類のコガネムシの圃場が大半を占めた。
 被害面積が三〇%以上の圃場は、平良地区が添道、細竹、高野、野原越で、城辺地区は西西、加治道、上野地区は野原、豊原、上野だった。
 同センターではアオドウガネの防除対策として、光に寄ってくる習性を利用しての誘殺灯防除と、六月ごろに農薬を土壌灌注することを促している。
 アカチャコガネについては、農薬での防除方法がないため、幼虫が地中深く(三〇−五〇a)潜る前の三月下旬までにロータリーでの耕耘を呼び掛け。早期の防除でキビの立ち枯れが防げると話している。
 同センターでは、ロータリー耕耘の効果を実証するため、二年前にロータリー耕耘をした二圃場を今年二月に調査した。その結果、一株当たりにアカチャコガネの幼虫が少なくなっていることや、キビの立ち枯れがほぼ終息していることを確認。「耕耘で七〇%の被害は防げる」と話している。
 一時期減少していたアオドウガネの成虫の数が、ここ数年間で再び増加傾向にあると指摘。地域にある誘殺灯の管理徹底を呼び掛けている。
 アカチャコガネについては、一圃場でのロータリー耕耘だけでは全体的な防除につながらないことから、地域全体を網羅しての耕耘が重要だと指摘している。
 同センターでは、被害が出るだろうと思われる圃場を調査していることから「被害がコガネムシだけでなく、干ばつなどの自然災害も含まれている可能性もあり、分析したデータがそのまま宮古全体にかかわってくるのではない」と指摘。来年度以降は、宮古全体が把握できるような調査方法を検討していくとしている。
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来月にも市長答申/新図書館計画案
新年度は用地選定へ

新図書館建設の基本計画をまとめた委員会=26日、宮古島市役所平良庁舎
新図書館建設の基本計画をまとめた委員会=26日、宮古島市役所平良庁舎

 宮古島市の新しい図書館の基本計画を審議する庁舎等建設委員会(知念信正委員長)は二十六日、市役所平良庁舎で会議を行い計画の最終案をまとめた。来月にも伊志嶺亮市長に答申する。同計画は▽各層が利用しやすい▽学習・交流・活動の場▽情報発信の拠点−を基本に策定。四月からは、用地選定、具体的な建設計画について協議を重ねることにしている。
 新図書館の蔵書冊数は、現在の平良図書館の四・五倍となる二十五万冊を目標としている。このほかに、将来的には分館を置いて遠地の読書活動を補完する予定だが、館数など具体的な内容は今後の議論となる。用地案については、今年七月までに詰める方針。
 市では、二〇〇九年度着工、一〇年の供用開始を目指している。
 同委員会は、一月の前回会議までに計画内容を大枠でまとめ、この日は最終調整を行った。
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調査は進展せず/市議会調査特別委
土地売買で文書不備多く

体力づくりなどで参加したアート企画の職員ら=25日、平成の森公園
体力づくりなどで参加したアート企画の職員ら=25日、平成の森公園

 宮古島市が地方自治法などで定められた議会議決を経ずに民間会社と市有地の売買契約を交わした違法性を調査する同市議会の特別委員会(前川尚誼委員長)は二十六日、契約までの一連の事務手続きを担当者らから聞いたが、文書の不備が多く、前回より調査は進展しなかった。きょう二十七日にも引き続き委員会を開き、伊志嶺亮市長や下地学助役らの出席を求め、適切な行政手法をなぜ取らなかったかただす方針。
 委員からは、本来なら財政課が起案すべきだった契約相手側の変更契約書の文書を他の部署の幹部が指示していたことを疑問視。この幹部は、財政課職員から起案文書作製の仕方などの相談を受けたことは認めたものの、指示したことは否定。しかし、委員から指摘された起案文書の日時など不透明な部分が多く、適切な事務手続きが行われていないことが次々と露呈した。
 委員からは、調査対象の職員が「(当時のことは)記憶がない」など、答弁にあいまいさが多いことから「特別調査委員会を設置した意味がない」と明確な返答を求める場面もあった。
 委員からは、来月五日開会予定の市議会三月定例会で同調査の報告を行うことから、早急な審議の要望が出された。きょう二十七日も引き続き市幹部らの出席を求め、市有地売買契約の事務手続きなど、一連の流れを徹底的に調査する姿勢だ。
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検定1級 5種目制覇/翔南高の前川歩美さん
全国商業高協会から表彰

全商検定の3種目以上で1級に合格した(左から)池間さん、根間さん、前泊さん、前川さん=26日、翔南高校
全商検定の3種目以上で1級に合格した(左から)池間さん、根間さん、前泊さん、前川さん=26日、翔南高校

 県立翔南高校商業科三年生の前川歩美さんが、全国商業高等学校協会の検定五種目で一級を取得し、同協会から表彰された。同校で、五種目の一級合格者は六年ぶり。前川さんは「合格の喜びが次へのやる気となり、勉強を楽しんだ」と感想を話した。
 同協会は、全部で八種目ある主催検定のうち三種目以上の一級合格者に協会長表彰を実施している。同校では、珠算・電卓(そろばん)、同(電卓)、簿記、ワープロ、商業経済で各一級を取得した前川さんのほか、前泊江利奈さん(三年、四種目)、根間美咲さん(同、三種目)、池間紗也加さん(同)らも受賞した。
 新崎直昌校長は「教諭と生徒の間で、授業と連動した受検体制が整っている。後輩にもつながることを願う」と期待した。
 また、三年生五十六人の約半数に当たる二十五人が、二種目での一級合格、三種目での二級合格を果たし、県商業教育研究会から表彰された。
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5人に交付決める/若者定住促進奨励金
旧下地町の農林漁業専業者

委員らに委嘱状が手渡された=26日、宮古島市役所下地庁舎
委員らに委嘱状が手渡された=26日、宮古島市役所下地庁舎

 宮古島市若者定住促進協議会が二十六日、発足した。委嘱状交付式と第一回会議が宮古島市役所下地庁舎で行われた。農林漁業専業者育成などの奨励金交付を申請した五人の審査を行い、全員に交付することを決定した。
 奨励金は、若者の生活を支援し定住と人口増加が目的に旧下地町が実施していたもの。合併協議会の中で二〇〇七年度まで事業を継続することとなっている。〇八年度以降は市の財政状況を考慮した上で検討するという。
 対象者は同地区の農業や伝統工芸を専業とする住民。交付金は百万円。申請が通れば三年間交付を受けられる。委員らで農業部門四人、伝統工芸部門一人の計五人の申請書をチェックし、交付を決めた。
 会議の冒頭、下地学会長(助役)は「若者が一人でも多く定住し、第一次産業の発展に寄与してほしい」と述べ、委員らに委嘱状を手渡した。
 委員は次の皆さん。(敬称略)
 【会長】▽下地学(宮古島市助役)【副会長】▽平良富男(同市下地支所長)【委員】▽下地明雄(JAおきなわ下地支店長)▽下地敏彦(下地地区選出農業委員代表)▽石嶺元秀(部落会長代表)▽長間健二(同市農政課長)▽池村廣光(同市下地支所市民生活班長)▽下地信男(同地域振興班長)
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親子でキビ刈り/手作業での収穫楽しむ

親子で初めてのキビ刈り体験を楽しんだ=25日、上野字野原
親子で初めてのキビ刈り体験を楽しんだ=25日、上野字野原
 親子キビ刈り体験学習(主催・宮古青年会議所人づくり委員会)が二十五日、宮古島市上野字野原のサトウキビ畑で行われた。キビ刈り経験のない親子らが参加し、地域産物であるキビの仕事を体感した。
 人づくり委員会は▽農業▽漁業▽文化−の分野における人づくり学習を一年に三回実施している。今回は一回目として、農業体験を行った。
 参加した親子らは、農家の人たちに手ほどきを受けながらキビ刈りに挑戦。手や足を泥だらけにしながら、手作業の収穫を楽しんでいた。
 与儀凪沙君(東小四年)は「初めてだから難しかったけど、友達と一緒にやって楽しかった」と笑顔。同君の母親は「家に畑がないので良い体験になった」と話した。
 キビ刈り後、宮古製糖城辺工場の職員からキビに関する説明を受け、砂糖を作るまでの過程なども学んだ。
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