200平成19  224 土曜日

野党会派 大幅再編/市議会
旧町村市議が「自民」会派/今月27日には県連市支部結成も

 宮古島市議会の野党系会派が大幅に再編されることが二十三日までに分かった。野党系の市議六−七人が議会内では最大規模となる自民党会派を発足させるためだ。この会派には旧町村出身の野党市議が所属する見通し。会派発足の背景には、市町村合併に伴い解消された自民党県連の支部を新たに発足させる動きがあった。

 関係者によると、自民党会派の会長には平良隆氏(旧上野村出身)が就く。副会長には上地博通氏(同)、幹事長は嘉手納学氏(旧伊良部町出身)が務める。残り三−四人の市議で構成するものとみられるが、いずれも旧町村出身の市議だという。
 同会派発足の背景には、自民党県連宮古島市支部の立ち上げがある。合併前は旧市町村単位で県連支部があり、旧町村では首長が支部長を務めるなどして組織をまとめてきた。その組織が合併で解消された形になったことから再結成を模索していた。
 二十七日に予定されている自民党県連市支部の結成大会には、多良間島を含む宮古圏域の自民党員を動員し、新たな支部結成を宣言する。現段階では砂川佳一県議を支部長に据え、現職市議が役員に就く見通しだ。
 市議会内で自民党会派が発足することに伴う混乱はないものとみられるが、議会内会派の大きな再編だけに注目を集めそうだ。
 旧平良市出身の市議らは別の会派を立ち上げる方針。
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伊良部漁協が阻止行動/平良港防波堤工事
「予定工期著しく遅延」/事情説明なしと工事船排除

伊良部漁協の警戒船は、防波堤の沖合側で阻止行動を続けている=23日、平良港湾
伊良部漁協の警戒船は、防波堤の沖合側で阻止行動を続けている=23日、平良港湾

 伊良部漁業協同組合(奥原隆治組合長)は、平良港下崎防波堤の工事が当初予定の工期を過ぎても完了していないとして、二十一日から同防波堤外側で工事資材などを運ぶバージ(台船)の係留阻止行動を続けている。阻止行動は長期化しそうで、工事に大きな影響を与えそうだ。

 平良港湾沖合の下崎西防波堤工事に伴う共同漁業権の一部消滅に関し、伊良部町漁協、平良市漁協、池間漁協の三漁協は一九八七年に、港湾管理者の平良市と漁業補償金七億円、工期は十年程度として妥結した。
 同工事は九三年に着工。今年は妥結から二十年目、工事着工から十四年目。
 伊良部漁協の奥原組合長は「十年以上工事しながら、伊良部漁協には、一度も説明がない。納得できない」としている。
 平良港湾は、国が指定した重要港湾の一つ。同堤は、下崎埠頭(ふとう)地区における静穏度確保・荒天時の避泊水域を確保するために計画された。計画による同防波堤の全長は二千四百bで、このうち二千二百二十七bは完成。今回工事分は沖合に向かって左端百二十三b、右端の残り五十bは二○○八年三月以降に築造され完工する。
 警戒船で阻止行動を展開している場所は、左端外側の海域。
 奥原組合長は「防波堤から沖合側二十b以上には、漁業権が設定されている。漁業権がある海域で、漁業監視旗五本を立て警戒船で監視している」と説明する。
 バージは工事現場に係留するが、二十一日から漁協の警戒船に阻まれて、別の場所に係留され、工事現場へ移動するめどは立っていない。
 奥原組合長は「防波堤沖合は、漁師らがタコ漁する漁場。十年以上の工事は漁場に悪い影響を与え、漁師らに相当な損害を与えている。損害賠償請求も考えている」と声を荒げる。
 工事を発注する沖縄総合事務局平良港湾事務所と工事業者は「今後の対応を検討している」と困惑した表情で語り「宮古圏域の発展のための工事だが…」と話した。
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今年は7月1日開催/サニツ浜カーニバル
競馬・宮古角力など12種目実施

 第十七回サニツ浜カーニバル実行委員会が二十三日、下地庁舎で行われ、今年のカーニバルを七月一日に下地与那覇湾(通称サニツ浜)で開催することなどを承認した。種目は競馬や宮古角力など計十二種目で、観光客誘致や市民の健康増進につなげていく。四月に行われる総会で正式に決定される。
 実行委員会では、前回のカーニバル実績報告や決算承認、今回行われる実施要項(案)、収支予算(案)が議案として提案され、各委員らが活発な意見を交わした。
 種目の中で、人間がそりを引き速さを競う「人間輓馬」が復活したほか、モトクロスやレディース綱引きなど、従来までの人気種目も継続して行われる。
 運営は、下地支所や市建設部職員を中心に取り組むが、委員からは「全庁体制で観光振興に結び付けた方がよい」との意見があり、来年に向けての課題とした。前回のカーニバル収支決算では歳入が五百二十万円で、歳出が三百六十万円となり、今大会へ百五十万円を繰り越すとした。
 今回のカーニバル収支予算案では歳入、歳出ともに三百九十万円で運営する計画。
 このカーニバルは、広大な砂地の干潟を利用して競馬やモトクロスなど、新旧織り交ぜたスポーツやレクリエーションなどを取り入れたイベントを開催し、宮古島市の活性化を図ることが目的で開催される。
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「夢をあきらめないで」/義足のランナー島袋勉さん 養護学校で講演
「言い訳しない」「隠さない」/マラソン完走体験など紹介

目標を持ちあきらめず挑戦することの大切さを訴えた=23日、県立宮古養護学校
目標を持ちあきらめず挑戦することの大切さを訴えた=23日、県立宮古養護学校

 「義足のランナー ホノルルマラソン42.195`への挑戦」の著者、島袋勉さん(43)=那覇市出身=の講演会「夢をあきらめない」が二十三日、県立宮古養護学校(玉元江美子校長)で行われた。同校の創立三十周年記念事業の一環。両足が義足という障害を持つ島袋さんは「目標を持ち、あきらめず続けていれば必ず実現できる」と呼び掛けた。

 講演には同校の生徒や市内の中学生、父母らが多数参加し、島袋さんの体験談などに耳を傾けた。
 島袋さんは二〇〇一年に踏切で事故に遭ったことで、両膝下切断と高次脳機能障害(記憶障害)を負った。両足義足となってから「健常者と同じようにマラソンを走る」と目標を掲げ、〇四年ホノルルマラソンを完走。現在は、車検センターの代表取締役を務める一方、年間三百回以上の講演のため全国各地を回っている。

島袋さんの話に耳を傾ける生徒たち
島袋さんの話に耳を傾ける生徒たち

 島袋さんは入院初期、両足を切断した現状を受け入れるため、▽「足があれば」という言葉を使わない▽言い訳をしない▽障害を隠さない−を自分に言い聞かせてリハビリを進めた。
 義足ランナーの写真を見たことがきっかけで、「マラソンを走りたい」と目標を掲げた。「どんなに苦しくてもやり遂げたい」と決意し、膝を痛めながらも訓練を積み重ね、フルマラソン完走を果たした。
 島袋さんは講演の最後に「目標をあきらめず続ければ達成できる可能性はある。苦しくても決して言い訳せず、やり遂げること」と挑戦することの大切さを呼び掛けた。
 同講演会はきょう二十四日午後二時から、マティダ市民劇場で行われる。入場は無料。
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県児童生徒表彰受ける/宮工エコデン
全国大会優勝を評価

県児童生徒等表彰を受けた(左から)新里君、根間君、佐久田君=23日、県立宮古工業高校
県児童生徒等表彰を受けた(左から)新里君、根間君、佐久田君=23日、県立宮古工業高校

 昨年十一月開催の「’06エコデンレース」全国大会で優勝した県立宮古工業高校の電気自動車「バッシライン2006」がこのほど、県教育委員会から児童生徒等表彰を受けた。
 同賞は県教育の振興、充実を図ることを目的に、全国大会で顕著な成績を収めた児童生徒に贈られる。同校は全国大会に三連覇しており、同表彰も連続三回目。
 同大会でドライバー役を務めた自動車機械システム科三年の根間達也君は、全国自動車研究会から表彰を受けている。根間君は「将来は整備士になりたい。期待を裏切らないよう夢に向かって頑張りたい」と抱負を語った。
 同じく大会に出場した同科三年の新里大地君は「二年間マシン製作を続けてよかった」、佐久田和也君は「学校で遅くまで残ってたくさん練習した。努力を認められてうれしい」と喜んだ。
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地域の理解・支援に感謝/宮古農林高 創立60周年で記念式典
35個人・団体を表彰

60周年を記念して挙行された式典=23日、宮古農林高校
60周年を記念して挙行された式典=23日、宮古農林高校
 県立宮古農林高等学校(下地盛雄校長)の創立六十周年記念式典(主催・同実行委員会)が二十三日、同校体育館で行われた。卒業生は〇五年度までに八千九百七十八人を数え、各界で活躍する人材を輩出している。
 式典に出席した卒業生らは、二〇〇四年に環境班が受賞した「ストックホルム青少年水大賞」(通称・水のノーベル賞)など、六十年の歴史を振り返りながら、節目を祝った。下地校長は地域の支援に感謝し、「農業の担い手を育成する農業高校の使命や農学徒としての活躍の場はますます拡大し、多くの期待を担っているといっても過言ではない」と、同校の役割を強調した。在校生を代表して新里愛斗夢(あとむ)学友会長(二年)は「六十周年という大きな節目を迎え、関係者の方々とともに祝えることをうれしく、誇りに思う」と喜んだ。
 県教育委員会の仲宗根用英教育長(代読)、洲鎌善充実行委員会会長、宮古島市の伊志嶺亮市長、県宮古支庁の兼城克夫支庁長らもそれぞれあいさつや祝辞を述べた。
 表彰、感謝状を受けたのは次の皆さん。(敬称略)
 ▼教育功労賞(五十周年以降)
 【歴代校長】▽下野富雄▽池村盛良▽屋宜宣行▽下地勝也▽下地恵吉【元職員】▽新城勝信▽赤嶺貞行▽久貝徹▽照屋雅浩▽石垣永信▽西原信吉▽小禄恵良▽宮国博▽山里芳彦▽与那覇吉一▽下地恵一▽垣花健
 ▼感謝状(五十周年以降)
 【歴代PTA会長】▽洲鎌善充▽前川尚誼▽狩俣照雄▽松岡光男▽垣花玄啓【歴代同窓会長】▽仲田繁市▽友利恵一▽平良光男▽伊良部行一▽松川寿雄
 ▼高額寄付者
 ▽照屋建設▽KBC学園▽県農業協同組合宮古地区本部▽大倉産業▽沖縄キャタピラ三菱建機販売▽宮古浄水管理センター▽砂川金物店▽照屋雅浩
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