200平成19  223 金曜日

仲井真知事/支庁見直し再検討を示唆/県議会代表質問
「立ち止まって研究したい」/民放地デジ放送 実現に積極姿勢

仲井真弘多知事
仲井真弘多知事

 【那覇支局】開会中の県議会(仲里利信議長)二月定例会は二十二日、代表質問の二日目が行われ、県が行財政改革プランの中で組織の見直しを検討している宮古、八重山両支庁について仲井真弘多知事は「いま一度、立ち止まってこの件は研究してみたい」と述べ、両支庁の組織見直しについて再検討を示唆した。また、先島地区における民放の地上デジタル放送実現について同知事は「その方向で頑張りたい」と述べた。

 県が部長級の支庁長を廃止するなど支庁組織の見直しを検討していることについて、質問に立った高嶺善伸氏(護憲ネット)は「鹿児島県は『離島は宝』として、支庁を地域完結型の総合事務所と位置付けて知事直属の組織として機能を強化している」と両支庁の機能拡充を求めた。
 これに対して、仲井真知事は「県の行革プランに沿ってしっかりと改革は進めていくが、鹿児島県のやり方も参考しながら県知事とも会って、いま一度立ち止まって研究してみたい」と述べた。
 一方、この問題については上原昭総務部長が知事答弁の前に「支庁については市町村との役割分担や県事業の円滑な推進を図る観点から本庁各部が担う施策分野に直結した出先機関へと編成し、意思決定の迅速化を図り、より効率的な組織体制を確立する」との見解を示している。
 宮古・八重山地区における民放三社の地上デジタル放送実現に向けた支援策について、仲井真知事は「放送実現の方向で頑張ってみたいと考えている」と積極的な姿勢を示した。
 この問題について、上原良幸企画部長は「県としても先島地区において早期に地上デジタル放送が開始できるよう国の支援策を基本に国、放送事業者、先島地区市町村と調整し検討していきたい」との見解を示した。
 先島における地上デジタル放送実現に向け県は二〇〇七年度予算で調査、検討を行うことを目的に「地上デジタル放送推進事業費」として二千二百二十三万四千円を新規で計上している。
 地上デジタル放送については、NHKが二〇〇八年から〇九年にかけて先島地区での開局予定となっているが、民放三社については中継局の設置等に多大な費用を要するなど採算面に課題があることから、開局時期は現在も検討中となっている。
 こうした状況について、上原企画部長は「地上デジタル放送の整備について国は、放送事業者の自助努力による中継局建設を原則としながらも昨年十二月には新たに二〇〇七年度予算において、条件不利地域の中継局建設に係る支援策を打ち出している。その支援策は市町村が事業主体となっている。県としても先島地区において早期に地上デジタル放送が開始できるよう各関係機関と調整し検討していきたい」と述べた。
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当面は市が直営管理/市資源リサイクルセンター
4月にも堆肥の販売開始

市資源リサイクルセンターの外観=上野地区
市資源リサイクルセンターの外観=上野地区

 指定管理者指定の方向で検討が進められていた堆肥を製造する宮古島市資源リサイクルセンターの管理・運営で、同市は二十二日までに、当面は市が直営で管理する方針を固めた。指定管理者は内定しているが、同センターの管理運営や販売体系が安定してから引き継ぐことになる。同センターで製造する堆肥は、早ければ四月にも農家向けに販売が開始される。
 同センターの管理・運営をめぐっては指定管理者の指定が難航。堆肥の原料や生産コスト、販売体系を確立する上でクリアすべき課題が多く、市側にも指定管理への移行に不安があった。
 このような背景を踏まえて、当面は市が直営管理する方針を決定。担当のむらづくり課は「農家が喜ぶ堆肥をいかにして生産するかが大切。堆肥を使った営農を推進していきたい」とし、堆肥の有効活用による化学肥料の減少、地下水保全活動の推進に期待を寄せた。
 同センターは、旧上野村から引き継がれた事業で、総事業費八億二千万円を投じて建設した。家畜ふん尿や生ごみ、バガスなどを堆肥化して農地に還元。地力の回復を図るとともに農産物の品質向上、農家所得を向上させることが狙いだ。堆肥を使用することで地下水の保全や海浜などの汚染防止を促進し、環境改善を図ることも目的。
 全体施設の敷地面積は二万一千五百平方b。堆肥生産能力は一日二十四dに及ぶ。二〇〇七年度は沖縄製糖宮古工場から出るバガスやケーキを原料として使用、まずは牛舎に運び敷き材としてふん尿と混合。その後センターに運び、発酵・かくはんさせて良質な堆肥を製造する。現段階では年間五千三百dの堆肥製造を予定しており、価格は農家が求めやすいような安価に設定する方針だ。
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供用開始心待ち/宮古養護学校
モダンな新施設が完成/校舎、体育館など総事業費21億円

完成した体育館(左)などの施設=22日、宮古養護学校
完成した体育館(左)などの施設=22日、宮古養護学校

 県が急ピッチで進めていた県立宮古養護学校(玉元江美子校長)の新校舎などの増改築建物が二十二日までに、完成した。子どもたちは、早期の供用開始を心待ちにしている。

 増改築工事は、老朽化による教育施設改善のために実施されたもの。増改築された施設は、校舎(面積四千八百十七平方b)、体育館(同千七十五平方b)、寄宿舎(同七百十六平方b)、調理棟(同百四十七平方b)、屋外プール(水面積四百平方b)、幼稚部棟(面積百二十平方b)で、ゆったりとしたスペース。総事業費は二十一億円。
 鉄筋コンクリート造り施設で、すべてがバリアフリー。
 新施設の完成に伴い現在、環境美化整備が進められている。
 同校は、今年創立三十周年を迎え今後、落成式や記念式典・祝賀会の日程が検討されていく。
 工事現場の関係者は「環境整備が完了するまで、無事故・無災害を徹底したい」と強調した。
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高校卒業式/終了後は巡回指導徹底へ
生徒指導対策協/問題行動防止対策を協議

卒業式当日の問題行動未然防止について協議が行われた=22日、翔南高校
卒業式当日の問題行動未然防止について協議が行われた=22日、翔南高校

 高等学校の卒業式にかかわる生徒指導対策協議会(主催・宮古地区高等学校生徒指導連絡協議会、宮古地区高等学校校長会)が二十二日、県立翔南高校会議室で開かれた。高校卒業式後に懸念される問題行動の未然防止やその対策などについて協議。卒業式当日は各関係者が協力し合い、徒歩や車両で巡回に当たることになった。
 教育関係者をはじめ宮古島警察署、PTA連合会、パトロール隊など多数が出席した。校長会の下地義雄会長(伊良部高校長)は「全員が卒業して自分の夢を実現し、最終的には宮古で活躍する人材が生まれるよう、みんなで指導してほしい」とあいさつした。宮古島署生活安全課の仲桝純課長は管内の補導概況を説明し「当日は私服、制服の警察官を配置し警戒する。断固として問題行動を阻止していく」と話した。
 また、これまでも「居酒屋を分散会会場にしない」ことを確認したが今回、一部のクラスが居酒屋を会場に設定していることについて出席した教諭らから不満が噴出した。下地会長は「変更できなければ、巡回指導を強化するなど対応を求めたい。次年度以降、居酒屋を選ばないよう指導してほしい」と呼び掛けた。
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航空機事故を想定/宮古空港で消火・救助訓練

機敏な動きで訓練を行う消防隊員ら=22日、宮古空港エプロン
機敏な動きで訓練を行う消防隊員ら=22日、宮古空港エプロン

 宮古空港で二十二日午後、航空機事故を想定した消火救難総合訓練が実施された。消防や警察をはじめ、宮古病院や同空港関係者が連携して消火や救助活動を行った。
 今回の訓練は空港エプロンで実施。航空機事故を想定し、各関係機関が緊密な連携を保ち、情報伝達や消火救難活動、救急医療活動を迅速かつ適切に行い、関係機関相互の一貫した協力体制を確立することが狙いだ。
 訓練は午前十時十分から行われた。航空機の事故で火災が発生、消防車両が緊急出動し、消火活動を実施した。さらに消防隊員は機内にいる乗客を搬送、けが人は待機していた病院関係者が手当した。
 それぞれが機敏な動きで対応した訓練は、時間通りに終了。対策本部長の伊志嶺亮宮古島市長が総括を行い「この訓練は十五回目になるが、それぞれがしっかり対応していることが分かった。的確に連携し、訓練に従事している姿勢は大変素晴らしい。航空機事故は決してあってはならないがこのような訓練は万一の備えのために必要だ」などと話し、訓練の意義を強調した。
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「地域の特性生かそう」/多良間村学対実践報告会

学力向上対策の実践成果が報告された=20日、多良間村中央公民館
学力向上対策の実践成果が報告された=20日、多良間村中央公民館
 【多良間】学力向上対策実践報告会(主催・村教育委員会)が二十日、同村中央公民館で開かれた。幼稚園、小学校、中学校、社会教育、子ども会の各部会担当者らが、取り組みの成果を発表。次期学対に向け、関係機関が連携を取り合い推進することを確認した。
 主催者を代表して福嶺常夫教育長は「地域の特性を生かしながら、幼児、児童、生徒の無限の可能性を伸ばし、基礎学力を付けさせたい。学校、家庭、地域社会とさらなる連携を深め、取り組みを強化したい」とあいさつ。学力向上に向け、連携を密に一丸となって取り組むことを願った。
 幼稚園の実践では、島袋梅子教諭が発表。「生きる力をはぐくむことを目指し、園児一人ひとりに基礎学力を身に付けさせる」ことを目標に▽がんばり表(生活習慣チェック表)の点検▽保護者との日常的な触れ合い−などの推進方針を説明した。成果として「自分で頑張ろうとする意欲や聞く態度が良くなった。大きな声であいさつを交わす子も増え、交流活動などを通して思いやりの心が芽生えた」と報告した。
 小学校は下地操教諭が発表した。読書活動の充実について、読書意欲を高め、語彙力、読解力の向上を狙うため▽読書目標冊数の設定▽時間の設定▽週間や月間の取り組み−などを報告。「意欲が高まり、平均読書冊数は目標(月十冊)を達成したが、個人差が大きい。読書量の少ない児童への支援と読書の質の面への働き掛けが課題」と述べた。
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どろんこで田踏み/宮島小
レク取り入れ楽しむ

水田でドッジボールを楽しむ児童たち=22日、宮島小学校水田
水田でドッジボールを楽しむ児童たち=22日、宮島小学校水田

 宮古島市立宮島小学校(伊計喜和子校長)は二十二日、同校水田で、田踏みを応用した「どろんこ運動会」を開催、子どもたちが全身泥だらけになりながらリレーやドッジボールを楽しんだ。
 田踏みは、同校が毎年実施している稲作体験学習の一環。三月九日に予定している田植えの準備作業で、保水力を高めるため土を柔らかくし、苗の生育を促すために行う。
 子どもたちは、はだしで田んぼに入り、駆けっこなどのレクリエーションを楽しんだ。この後、教諭らがすきを使って田をならして田植えの準備を整えた。
 伊計校長は「泥遊びを通して助け合いの精神を高めてほしい」と話していた。
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