200平成19  217 土曜日

07年度市予算333億900万円/前年度比4.6%増
各課に最終内示/自主財源比率16.1%に下落
新規は都計マスタープランなど12項目

 宮古島市(伊志嶺亮市長)は十六日、二〇〇七年度当初予算案を各課に最終内示した。一般会計は前年度比十四億五千五百万円(四・六%)増額となる三百三十三億九百万円。一日の一次内示より〇・一%減額した。自主財源比率は一六・一%に下落、改めて国への依存度の高い財政事情を裏付けた。都市計画マスタープラン策定事業など新規事業は、計十二項目とした。今回の予算案を財政当局は「超緊縮型予算」と総括。宮川耕次部長は「かつてない厳しい予算編成作業になった。(法定外目的税など)新たな財源の確保に努めたい」と述べた。

 一般会計の歳入は一次内示に比べ四千百万円の減額措置。減税補てん分など県通知による地方特例交付金が五千二百四十七万四千円、空港管理委託金など県支出金が五千三百四十六万八千円とそれぞれ減額された。一方で市税は市民税や固定資産税に六千八十九万二千円を上乗せした。
 最終内示による歳入の内訳をみると、自主財源の柱となる市税が四十三億三千七百五万三千円で前年度に比べ一億六千三百九十二万六千円の増額となった。歳入全体に占める割合は一三・〇%。財産収入は前年度比二億八千九百四十九万三千円減の八千三百七十六万一千円となり、自主財源比率引き下げの大きな要因となった。全体の自主財源額は五十三億七千八百八十三万六千円で前年度比二億一千五百八十五万七千円減となり、同財源比率は前年度比一・五]減の一六・一%。
 一方の依存財源比率は八三・九%。前年度と比較して一・五]の伸びを示している。補助事業が増えたことで県支出金が前年度比二〇・七%増額となる五十六億六百六十四万四千円、柱となる地方交付税は三・二%増の百二十一億五十七万四千円を計上した。借金に当たる市債は二一・五%も増額、これは退職金の支払い業務を担う総合事務組合への負担金が増えたことが要因。団塊の世代の大量退職も市債増に拍車を掛けている。これら依存する財源の額は二百七十九億三千十六万四千円となっており、前年度に比べて十六億七千八十五万七千円の増額。
 歳出は、前年度より補助事業が増えたことで農林水産業費が一四・〇%増の六十四億七千五百七十四万一千円を計上。総務費や衛生費も一〇%台の伸びを示した。
 性質別にみると、人件費や扶助費、公債費に充てる義務的経費が前年度より二億三千百七十五万六千減の百五十六億一千五百五十八万五千円。職員給では管理職手当の全額カットや一般職員の特殊勤務手当を減額した。
 投資的経費の普通建設事業費は九億七千百七十七万九千円増の百一億六千九百八十万一千円。補助事業はバイオマス環づくり交付金事業やむらづくり交付金事業などの導入により、前年度比八億八千九百二十一万円増の九十四億三千二百五十九万円とした。単独事業は砂川保育所建設などで三億七千五百七十三万九千円を計上した。
 物件比や特別会計への繰出金など、その他経費は、七十五億二千三百六十万八千円。繰出金は国保に七億五千九百四十六万四千円、老人保健に四億四千百六十七万一千円などを充当した。
 特別会計予算案は▽国民健康保険事業五十八億一千二十三万七千円▽港湾事業二億一千六百四十七万八千円▽老人保健五十三億一千七百八十五万円▽公共下水道事業六億四千六百十一万八千円▽介護保険三十七億八千七十一万一千円−などを計上した。
 新規事業は、一次内示より一減の十二項目。砂川保育所建設事業や西辺中学校屋内運動場改築事業など導入する。
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宮古から6件認定/「おきなわの名木」
多良間の樹齢400年「フクギ」も

 【那覇支局】宮古から六件が名木認定−。このほど行われた県森林審議会(会長・仲間勇栄琉球大学農学部教授)で、県農林水産部が諮問していた二〇〇六年度「おきなわの名木」について審議し、宮古地区の六件を含む十六件を新たに名木として承認した。
 宮古地区で承認された六件は、宮古島市伊良部字伊良部の「ガジュマル」(樹高十八b、幹周七・五b、樹齢七十年)。多良間村は五件で▽字仲筋の「アカギ」(樹高十二b、幹周三・六b、樹齢三百年)▽字仲筋の「アカギ」(樹高十b、幹周三b、樹齢百五十年)▽字仲筋の「フクギ」(樹高八b、幹周二・二b、樹齢四百年)▽字塩川の「フクギ」(樹高八b、幹周二・二b、樹齢三百年)▽字塩川の「テリハボク」(樹高十b、幹周二・一b、樹齢二百年)−となっている。
 「おきなわの名木」は、地域に生息する巨樹や巨木を名木として認定することで、ふるさとの樹木に対する関心と理解を深めることを目的としている。
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「想像以上に傷んでいる」/知事が宮古病院視察
新年度での予算措置検討

老朽化が激しい病院を視察する仲井真知事(右)=16日、県立宮古病院
老朽化が激しい病院を視察する仲井真知事(右)=16日、県立宮古病院

 仲井真弘多県知事が十六日来島し、老朽化が進む県立宮古病院を視察した。仲井真知事は「想像以上に傷んでいる。(新築移転計画を)大至急まとめる必要がある。本庁に戻り、財政、病院事業局と協議したい」などと強調した。宮古島市の伊志嶺亮市長を表敬した際には「年度途中にも手を付けなければ」と述べ、二〇〇七年度における予算措置を検討していく考えを示した。

 仲井真知事は、午前九時すぎに宮古病院内を視察。安谷屋正明院長の説明を受けながら、配管の不備や雨漏りの現状などを把握した。
 その後、報道陣の質問に応じ「ざっと見た限りだが、聞きしに勝る状態にある。もう一度、視察した上で、じっくりと対応したい。先生方にも詳しい話を聞いていく必要がある」と述べた。
 視察後は伊志嶺市長を表敬訪問した。伊志嶺市長は「地域住民の福祉向上ためには、どうしてもやらなければならないと思う」と強調。「県が新築移転をしやすいように用地の提供などもしていきたい。こういうことには、いくらでも協力する用意はある。用地提供したいという地域もあるので一日も早く進めていただきたい」と述べ、早急な新築移転を求めた。
 用地提供の考えについて仲井真知事は「それは大変ありがたい。視察は二十分ぐらいだが、相当傷んでいる。年度途中でも手を付けなければ」などと述べ、〇七年度における予算措置を検討する考えを示した。
 同病院の本館は築三十三年が経過し、老朽化の度合いは著しい。天井のコンクリート破片がはがれ落ちたり、雨漏りも頻繁に発生するなど、早期新築移転が求められている。ただ、県の財政難なども足かせとなり、移転場所をはじめとする新築計画は進展していない。
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基隆市と姉妹都市締結へ/宮古島市
4月調印で日程調整進む

 宮古島市(伊志嶺亮市長)と台湾・基隆市との姉妹都市締結が四月にも行われる予定だ。基隆市議会では、すでに締結の議決をしており、宮古島市でも三月議会で承認が得られれば、伊志嶺市長の日程などを調整して早ければ四月九日にも基隆市で締結したい方針だ。
 締結に向けて、今月の十三、十四の両日に中琉文化経済協会を通して下地学助役らが基隆市政府や市議会などを訪問し、日程や調印式の内容などを確認してきた。
 基隆市としては、四月二十二日に開催されるトライアスロン宮古島大会前に締結し、同大会に参加する台湾選手たちとのさらなる交流に結び付けたい考えだという。
 宮古島市としては、チャーター便の就航が実現すれば市民らとツアーを組んで締結式に臨むことや、四月二十九日に宮古島市をスタートスする台琉友好親善国際ヨットレースの前夜祭に合わせて「調印記念パーティー」を計画している。
 伊志嶺市長は十六日、港と港を通じた一般市民の交流に期待する一方で「基隆市は子どもたちのバスケットボールや剣道が盛んで、宮古の子どもたちと交流させたい」と話し、経済、文化、スポーツなど幅広い交流に発展すればと期待した。
 基隆市との姉妹都市が締結されれば、岡山県津山市、ハワイマウイ市に次いで三番目となる。
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e−Tax≠ナらくらく/確定申告スタート
市長が電子申告

自宅のパソコンを使って、「e−Tax」で確定申告の手続きを行う伊志嶺市長=16日、平良字西里
自宅のパソコンを使って、「e−Tax」で確定申告の手続きを行う伊志嶺市長=16日、平良字西里

 二〇〇六年度分の所得税などの確定申告の受け付けが十六日、全国一斉に始まった。宮古島市の伊志嶺亮市長は、国税庁が推進する「国税電子申告・納税システム(e−Tax=イー・タックス)」を利用して同日朝、自宅のパソコンから手続きを済ませた。伊志嶺市長は「家にいながら簡単にできる。忙しい人、離島などで税務署が遠い人にとってはとても良いシステム」と実感を込めた。申告・納付期限は所得税と贈与税が三月十五日まで、個人事業者の消費税と地方消費税が四月二日まで。
 管轄する平良税務署では、「所得税の確定申告書は自分で書いてお早めに!」をキャッチフレーズに、「自書申告」を推進している。中でも今年は、e−Taxの利用促進に向け、納税者への周知を図っている。
 確定申告開始初日に早速、申告を終え、伊志嶺市長は「国のIT化に協力するために今回初めて取り組んだ。表示に従って入力すれば、きちんと計算してくれる。僕でもできたよ」とにっこり。「特に離島の多い沖縄県、宮古のような地域では、自宅のパソコンで納税手続きをできるのが良い。市民に理解され、利用が広がれば、わざわざ税務署に足を運ばなくて済む」とメリットを挙げた。
 e−Taxは、自宅やオフィスなどから申告・納税ができるサービス。確定申告だけでなく、酒税や印紙税などの申告もできる。利用にはパソコンやインターネット環境などが必要。詳細、問い合わせは、国税庁ホームページ(アドレスhttp://www.nta.go.jp)または、同庁ヘルプデスク(電話0570・015901)、平良税務署(電話72・4874)まで。
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「末永く宮古キャンプを」/知事、コリンズ監督と握手
オリックス キャンプ

笑顔で握手を交わす仲井真知事(左)とコリンズ監督=16日、宮古島市民球場
笑顔で握手を交わす仲井真知事(左)とコリンズ監督=16日、宮古島市民球場
 仲井真弘多知事は十六日、宮古島市民球場で行われているオリックス・バファローズの春季キャンプを訪問した。短時間の視察にも、仲井真知事は、「一軍の選手だけあって、強いエネルギーを感じる。今後も末永く宮古へキャンプに来ていただきたい。心から歓迎し、熱望している」と述べた。
 仲井真知事は選手のウオーミングアップ中に球場に到着。その様子を見守っている際にコリンズ監督が歩み寄り、がっちり握手を交わした。コリンズ監督から「沖縄はキャンプ地としては最高。雨が少なくて良い練習ができている」との言葉を受け感激した様子の知事は、「県全体でプロ野球のキャンプを大歓迎したい」と笑顔で話した。
 キャンプ関連の施設充実に関する県の支援について知事は、「県も財政再建の途中にある」と厳しい見方。一方で、「キャンプは沖縄の子どもたちにとって良い刺激になる。産業界を挙げてさまざまな形で支援いただけるようお願いしていきたい」と述べ、行政だけでなく民間の力も合わせて、県内のキャンプ振興・発展に努める考えを示した。知事に同行した宮古島オリックス協力会の中尾英筰会長は「オリックスキャンプを宮古地域全体で支援し、県の発展につなげたい。各キャンプ地の関係者と連携を取れるよう、『宮古発』で働き掛けたい」と意欲を示した。
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「冷たい」「雪合戦だ」/鏡原幼稚園
北海道の竹田さんが雪だるま贈る

初めて雪に触る子供たち=16日、鏡原幼稚園前の広場
初めて雪に触る子供たち=16日、鏡原幼稚園前の広場

 北海道札幌市厚別区に住む竹田己代子さんがプレゼントした雪だるまが十六日、宮島市立鏡原幼稚園(砂川和子園長)に届き、子供たちを喜ばせた。子供たちは、雪の感触を初めて体験し歓声を上げていた。
 砂川園長によると、竹田さんは一週間前に宮古島観光で来島。竹田さんは、宮古では一度も雪を見ていない子供たちが多いということを知り、雪だるまの寄贈を思い立った。雪だるまは同市教育委員会を通してプレゼントされた。
 園児は四歳児が十二人、五歳児が二十六人の計三十八人。同園前の広場に全員が集まった。 
 開会式で、砂川園長は「雪だるまは、北海道札幌市に住む竹田己代子さんからのプレゼント。みんなで竹田さんの優しい心に感謝しましょう」と述べた。
 子供たちは雪だるまを囲むと、雪だるまの頭をなでながら「冷たい」「雪合戦だ」と大はしゃぎ。一人ひとりが手に取った雪を食べ「おいしい」と連発していた。
 砂川園長は、子供たちの様子などを手紙に書いて竹田さんへ送ることにしている。
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