200平成19  216 金曜日

ずさんな事務処理、露呈/市議会調査特別委
委員らの不信感募る/土地売買契約さらに追及

市有地売買契約で契約に至る一連の流れの事務調査が行われた市議会特別委員会=15日、委員会室
市有地売買契約で契約に至る一連の流れの事務調査が行われた市議会特別委員会=15日、委員会室

 宮古島市(伊志嶺亮市長)が地方自治法などで定められた議会議決を経ずに民間会社と市有地の売買契約を交わした違法性を調査する同市議会の特別委員会(前川尚誼委員長)は十五日、契約書を作成した市財政課の職員から事務手続き上の調査を行った。委員らは「他の部署の幹部主導で売買契約が交わされたことや、契約相手側に便宜を図った可能性がある」などと追及。財政課は否定したが、契約に至る事務手続きの不備が次々と露呈したことで、委員らの不信感をさらに募らせた。

 この日の委員会では、土地売買契約書の作成に携わった財政課職員を一人ずつ呼び、起案書の作成や譲渡申請書の受け付け、誰の指示で契約書を作成したかなど、午前と午後に分け約四時間にわたり調査した。
 委員らは、契約当初は一つだった起案書が、契約相手側の資金調達の遅れの変更契約書では起案書が二つになったことを疑問視。一連の流れから「議会の議決に付さないよう故意に起案書を作成したとしか思えない」と指摘した。
 これについて担当者は、議会議決に付さなかったことは「(地方自治法などの)勉強不足だった」と述べ、故意に行ったことではないと否定。しかし、他の部署の幹部職員からの指示を受けて起案書や契約書を作成したと答弁し「何ら疑問を持たずに事務手続きを進めたが、反省している」と釈明した。
 また、委員らは起案書の作成など、土地売買については他の部署の幹部職員が主導して行われた可能性が高いと指摘。これについて財政課は「他の部署の職員が業務の指示をするのはいけないと思うが、この場合は指示ではなく指導ではなかったか」と見解の相違を述べた。
 さらに委員らは、契約相手側から資金調達の遅れで土地代金が期日通りに納入されなかったが、それについて保証金の没収や延滞金の徴収を怠ったことなど、契約書通りに進めなかったことも指摘。「行政と民間会社との馴れ合いが、事務手続きのずさんさを招く結果になったのではないか」と追及した。
 これについて財政課は、契約相手側に便宜を図ったことは否定。委員らの「議会の議決を経ずに契約したのは、事務ミスではなく故意ではないか」との指摘についても「事務上のミスで、勉強不足だった」と繰り返した。
 同問題は、宮古島市が地方自治法などで定められた議会議決を経ずに沖縄本島の民間会社と市有地の売買契約を交わしたことが発端。議会は、この契約を違法だとして売買契約を破棄し、新たに契約を結ぶよう市に求めた。市は追認を求めたが議会はこれを拒否。二〇〇六年度一般会計予算も違法性が含まれている予算だとして否決した。市は補正予算案を減額・見直して再提案し、ようやく可決された。土地売買契約は昨年十二月に相手側が再契約に応じなかったため、市は契約を解除した。
top.gif (811 バイト)

推進員12人に委嘱状/農村環境整備計画策定協
宮古島市/年度内に「農村環境計画」

伊志嶺市長(左)から推進員一人ひとりに委嘱状が手渡された=15日、宮古島市役所上野庁舎
伊志嶺市長(左)から推進員一人ひとりに委嘱状が手渡された=15日、宮古島市役所上野庁舎

 宮古島市農業農村環境整備実施調査計画策定推進協議会の委嘱状交付式が十五日、同市役所上野庁舎で行われ、伊志嶺亮市長が推進員十二人に委嘱状を交付した。推進員らは今年の三月末までに、環境との調和を配慮した農業農村整備事業の基本構想「農村環境計画」を策定する。委員長には東京農業大学国際食料情報学部の中西康博助教授が選出された。
 委員会では、NPO法人農都共生全国協議会の市川和男氏が、現況や計画策定について説明した。市川氏は旧五市町村にあった農村環境計画を分析し、環境に対する基本姿勢として「守る、再生する、創る」の三つの重要性を述べた。
 また、「守るための人づくりと条例などの法的拘束力が足りない」と強調した。これまでになかった観点として新たに「景観」を取り入れることを提案した。
 宮古の緑の現状については「御嶽の存在で宮古の緑はかろうじて踏みとどまっているが、崩壊寸前だ」と指摘した。
 冒頭、伊志嶺市長は「宮古における農業と環境の頭脳がそろった。環境にマッチした協議が必要。環境に配慮した農業整備ができるようにしたい。協力をお願いしたい」とあいさつした。
 今回の意見を取り入れた上で、基本案を準備し、次回の委員会で決定する予定。推進員は次の通り。(敬称略)
 【委員長】中西康博(東京農業大学国際食料情報学部助教授)【推進員】▽前里和洋(宮古農林高校環境工学科教諭)▽岡徹(宮古少年自然の家主任専門職員)▽川満久雄(市農業委員会長)▽辺土名豊一(農家代表)▽上里弘(城辺地区行政連絡員代表)▽久貝正明(下地地区行政連絡員代表)▽下地方幸(伊良部地区行政連絡員代表)▽川満幸夫(上野地区行政連絡員代表)▽下地正子(市婦人連合会長)▽安谷屋昭(市文化財保護審議会長)▽上地洋美(市農漁村生活研究会長)
top.gif (811 バイト)

砂川寛裕さんが優秀賞/全国環境保全型農業コン
地下水保全農業実践に評価

砂川寛裕さん
砂川寛裕さん

 「第十二回全国環境保全型農業推進コンクール」(主催・全国環境保全型農業推進会議)の各賞受賞者の発表がこのほどあり、「美(ちゅ)ら島の地下水保全型農業」に取り組んでいる砂川寛裕(かんゆう)さん(52)=宮古島市平良福山=が大賞に次ぐ優秀賞(全国推進会議会長賞)に選ばれた。県内からの優秀賞は砂川さん一人だけ。砂川さんは「選ばれて大変うれしい。この賞に恥じないように、今後も野菜経営で環境保全型農業に取り組んでいきたい」と喜びを語った。表彰式は三月十六日、九州で行われる。
 同コンコールは、環境保全型農業の確立を目指して意欲的に取り組んでいる農業者などを表彰し、その成果を広く紹介して環境保全と農業に対する国民の理解を深めるとともに、地域社会の活性化につながる環境保全型農業の面的拡大に資することが趣旨。
 砂川さんは一九八二年に就農し、今年で二十五年目。砂川農園の代表を務め、ゴーヤー、カボチャなど多種類の野菜類を栽培。宮古島市や東京農業大学宮古亜熱帯農場、宮古農林高校などと連携を深めながら有機肥料を推進し、地下水の環境保全に取り組んでいることなどが高く評価された。
top.gif (811 バイト)

バチカン大使が来島/市長と島の印象で懇談

伊志嶺亮市長(左から2人目)を表敬したアルベルト・ボッターリ・デ・カステッロ大司教(同3人目)=15日、宮古島市役所平良庁舎
伊志嶺亮市長(左から2人目)を表敬したアルベルト・ボッターリ・デ・カステッロ大司教(同3人目)=15日、宮古島市役所平良庁舎

 ローマ教皇庁駐日バチカン大使のアルベルト・ボッターリ・デ・カステッロ大司教が十五日、宮古島に来島した。みつば保育園・幼稚園を訪問した後、宮古島市役所平良庁舎に伊志嶺亮市長を表敬した。アルベルト大司教は「宮古島は太陽がさんさんと照り付ける島」などと印象を語った。
 アルベルト大司教は那覇市で開催される公式行事に出席する機会を生かして来島。はじめに、みつば保育園・幼稚園で園児たちと和やかに交流を深めた。
 この後、伊志嶺市長を表敬したアルベルト大司教は「来間大橋から見える景色は素晴らしかった」と宮古島の自然を絶賛。そのほか、「台風の多い島だと聞いている」などと問い掛けた。
 伊志嶺市長は「ようこそ宮古島へ。もっと天気が良ければ、さらに素晴らしい自然を紹介できたのですが…」と話した。アルベルト大司教からの台風の質問には「年に四個から五個の台風が来る島です」と紹介し、二〇〇三年の台風s号の襲来時には電柱の倒壊や長期の停電により、市民生活に大きな影響を及ぼしたことを併せて説明していた。
 アルベルト大司教は同日午後の便で宮古島を離れた。
top.gif (811 バイト)

美しい海岸を取り戻す/池間漁協婦人部
総出で廃油ボールを除去

人海戦術で廃油ボールなどを除去した=15日、平良池間島のカギンミ海岸
人海戦術で廃油ボールなどを除去した=15日、平良池間島のカギンミ海岸

 宮古島市平良の池間島北側のカギンミ海岸に黒色廃油ボールが漂着し環境汚染が懸念されている中、池間漁業協同組合婦人部(野原悦子部長)らは十五日午前、廃油ボール回収作業を実施した。県宮古支庁土木建築課(前泊勇栄課長)が全面的に協力し、廃油ボールと併せて発泡スチロールなどの大量の漂着ごみも撤去。環境美化の取り組みで、カギンミ海岸は元の美しい景観を取り戻し、住民や観光客らを喜ばせた。
 この日は、同婦人部の会員約三十人と同課の職員三十人の計六十人が、人海戦術で廃油ボールなどを除去した。
 女性たちは軍手をはめ、かまとへらを使って岩盤にこびりついた廃油ボールを回収した。一方、職員らは散乱する発泡スチロールやペットボトル、空き缶、空き瓶などのごみを分別しながら撤去した。
 合同作業で、汚れていたカギンミ海岸は元の美しい海岸によみがえった。
 野原部長は「一粒の廃油ボールも残さないように回収した。カギンミ海岸がきれいになったことで、気持ちが良くなった」と語った。
 前泊課長は「地域と一緒に作業することが基本。水産資源を守ることや観光振興のために協力した」と話した。
 廃油ボールがどこから流れ着いたのか、その回遊ルートはまだ分かっていない。
top.gif (811 バイト)

「住民サービスの向上を」/郵政事業地方公共団体連絡協
市長、行政との連携呼び掛け

郵政事業について意見交換した連絡協議会=15日、ホテル共和
郵政事業について意見交換した連絡協議会=15日、ホテル共和
 二〇〇六年度郵政事業地方公共団体連絡協議会が十五日、市内ホテルで開かれた。日本郵政公社沖縄支社、宮古郵便局、宮古島市の部長級職員が出席し、今後の郵政事業について意見交換した。伊志嶺亮市長は「住民サービスの向上が大切」などと話し、行政と郵便局の連携を呼び掛けた。
 この協議会は、市町村と郵便局の緊密化を図り、地域住民の利便性向上と郵政事業の能率的な運営に役立てる目的で開催されている。
 会議では、今年十月から日本郵政公社が持株会社と四つの事業会社となる民営・分社化についての説明が行われた。
 再編計画についての説明もあり、伊良部郵便局の集配業務が昨年九月に廃止されたこと、多良間島の郵便局の集配業務が今年三月に廃止されることも報告された。多良間島の集配業務は多良間村在住の集配受託者が行うことになる。
 伊志嶺市長は「行政と郵便局は、共に住民サービスの最先端を担う似通った組織。今後も連携を図ることで(郵政事業における)住民サービスを向上させることが大切」などと話した。
 日本郵政公社は、今年十月から持株会社・日本郵政株式会社と四つの事業会社(郵便事業株式会社、郵便局株式会社、株式会社ゆうちょ銀行、株式会社かんぽ生命保険)に民営・分社化される。
 日本郵政株式会社は、グループ各社に対する経営管理、経営支援およびグループとしての内部統制確保を図る。郵便事業株式会社は郵便業務を担当、郵便局株式会社は郵便事業から委託を受けて郵便窓口業務を行う。
top.gif (811 バイト)

ヨットレースに協賛金/菊之露
4月に宮古島・基隆間で実施

下地社長(左から3番目)から比嘉会長(右から2番目)へ協賛金が手渡された=15日、菊之露酒造
下地社長(左から3番目)から比嘉会長(右から2番目)へ協賛金が手渡された=15日、菊之露酒造

 菊之露酒造(下地博社長)は十五日、同社で四月に宮古島市をスタートする台琉友好親善国際ヨットレース菊之露VIPゴールドカップ(主催・台琉友好親善国際ヨットレース実行委員会)に協賛金を贈呈した。下地社長は「できる限りの協力はする。開かれた宮古島市をつくって交流の輪を広げてほしい」と有効活用を願った。
 同ヨットレースの宮古島開催は、二年ぶり二回目。宮古島市をスタートとしたレースは基隆市をフィニッシュとし、四月二十九、三十の二日間の日程で行われる。公式距離は百八十マイル。同レースは通算七回目となり、これまで石垣市や与那国でも開催された。
 贈呈式には、菊之露酒造の下地社長をはじめ下地千代子会長、下地均企画部長、同実行委員会の比嘉一雄会長、宮古島市の伊志嶺亮市長が同席。
 比嘉会長は「高額支援をありがとう。快く引き受けてくれて、大変感謝している。頂いた範囲で頑張って運営したい」と感謝。伊志嶺市長は「基隆市と四月に姉妹都市を締結する予定。宮古の菊之露が世界の菊之露になる。ゴールドの旗をひらめかせたい」と述べた。
top.gif (811 バイト)