200平成19  210 土曜日

操業1カ月 高品質で推移/サトウキビ
沖糖15.19度、宮糖15.10度/農家手取も基準額上回る

操業開始1カ月で4万8842dの原料が搬入された宮糖城辺工場=9日、城辺字砂川
操業開始1カ月で4万8842dの原料が搬入された宮糖城辺工場=9日、城辺字砂川

 宮古本島内製糖二工場(沖縄製糖宮古工場、宮古製糖城辺工場)の二〇〇六−〇七年産サトウキビの製糖操業は九日で開始から一カ月となった。搬入された原料は両工場を合わせて十万三千七百四d。平均の甘蔗糖度は沖糖が一五・一九度、宮糖は一五・一〇度といずれも基準糖度帯(一三・一−一四・三度)を上回った。トン当たりの農家手取り額も基準額(二万四百七十円)を大幅に超える二万一千円台となるなど、高品質取引が続いている。

 今期サトウキビは九月の台風r号や十月の干ばつの影響を受けるなど、生育が阻害された。しかし、その後の気象条件に恵まれて品質面が好転している。生産量は前期並みだが、品質面では前期を上回ることが期待されている。
 沖糖宮古工場は今期十一万一千三百dの原料生産を見込んでいる。九日までに五万四千八百六十二dの原料が搬入された。糖度の内訳は基準以上が七九・一〇%、基準帯内が一七・九九%、基準以下は二・九一%。最高の糖度は一九・三度で最低糖度は一〇・六度。トン当たり農家手取額は二万一千四百三十二円となった。
 品種別の構成比・糖度は、構成比の高い順に宮古1号が六〇・四五%(糖度一五・一三度)、農林t号が一四・四三%(一五・五七度)、農林8号が八・七七%(一五・三一度)、ナーナシが七・〇六%(一五・二九度)。宮古1号は評価が高く、作付面積が増えている。
 同工場農務課は「品質はもっと向上するとみているが、立ち枯れ圃場がある。ドウガネ類の被害が心配。搬入量は予想以下になるのではないか」と話した。
 今期八万九千dの原料生産量を見込む宮糖城辺工場には九日までに四万八千八百四十二dの原料が運び込まれた。糖度の内訳は基準以上が七八・六九%、基準帯内が一八・六八%、基準以下は二・六三%。最高糖度は一八・〇度、最低糖度は一〇・四度となっている。トン当たりの農家手取り額は二万一千三百三円だった。
 品種別の構成比・糖度は構成比の高い順に、農林t号が四〇・四%(糖度一五・三〇度)、宮古1号が二三・九一%(一四・八九度)、ナーナシが一八・六八%(一五・〇三度)、農林8号が一一・五四%(同一五・一六度)。同工場管内では農林t号が増える傾向にある。
 宮糖城辺工場農務課は「天候も良く刈り取りは順調。品質面も良い」と述べ、「農家が刈り急ぐ傾向にあり、刈り置き原料が多くなっている。刈り取りを急がないでほしい」と呼び掛けた。操業終了は三月十日前後を予定している。
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合併補助金4億5000万円/宮古島市
国が内示、消防関係費に3億円

 合併市町村に交付される合併補助金の交付額が九日までに確定した。計四億五千万円を要求していた宮古島市(伊志嶺亮市長)への交付額は満額内示。これにより、三億円を投入する高機能消防司令センター総合整備事業ほか、市が申請していた各種事業が二〇〇七年度から動き出す。同補助金は三月議会に補正予算として計上、〇七年度予算に繰り越す。
 合併補助金を活用して実施する事業と費用は▽高機能消防指令センター整備事業(約三億円)▽市税等滞納整理システム整備事業(五千万円)▽消防はしご車オーバーホール費用(四千万円)▽議会関係費(約二千二百万円)−など。高規格救急車も導入する。
 消防司令センター整備事業では、一一九番発信地を瞬時に特定する装置が設置される。固定電話はNTTの電話加入者情報を基に、照会要求から割り出す。携帯電話からの発信は測位情報を取得して対応、いずれも瞬時に発信地を特定できることから消防の初動体勢が飛躍的に向上する。消防車両にも測位情報装置を設置するため、災害時における消防活動の全体把握が容易になるというメリットもある。はしご車のオーバーホール(分解修理)も実施する。耐用年数に絡む危険性が排除される。
 滞納整理システム整備事業では、合併により膨らんだ滞納事案に迅速に対応する。高度なシステムを導入し、滞納整理の強化を図る。議会関係費は、議場周辺の改修費や議会中継システムの整備などに充てる方針だ。
 合併補助金は、国支出分と県支出分があり、宮古島市に対する国分の補助金は四億五千万円が上限。県分は七億円で、これは五年間で一億四千万円ずつ交付されることが決まっている。国、県分を合わせて宮古島市に交付される合併補助金は十一億五千万円。
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30歳飲食店従業員を逮捕/平良女性殺害
殺人・住居侵入容疑 殺害認める供述/宮古島署

記者会見をする喜久山捜査本部長(中央)ら=9日、宮古島警察署
記者会見をする喜久山捜査本部長(中央)ら=9日、宮古島警察署

 一月二十六日に宮古島市平良字西里のアパートに住む無職の前泊美智子さん(48)が刺殺された事件で宮古島署の特別捜査本部は九日午後十時二十五分、殺人と住居侵入の容疑で飲食店従業員、志喜屋秀勝容疑者(30)=同市平良字下里=を逮捕した。調べに対し志喜屋容疑者は「金に困って盗みに入ったが、(被害者と)目が合ったため殺した」と供述しており、容疑を認めている。同本部では単独犯とみており、今後、殺害の動機など詳しく調べる方針。殺害に使われたとされる凶器はみつかっていない。

 捜査本部は同日午後十一時前、記者会見を開き、喜久山盛仁捜査本部長らが事件概要、および捜査状況などを説明した。
 供述によると、志喜屋容疑者は一月二十六日午前、盗みに入ろうと前泊さん宅のベランダの吐き出し口から侵入。風呂に入っていた前泊さんと目が合ったため、台所にあった包丁で背中を刺し、殺害したという。
 志喜屋容疑者は以前、このアパートの別の部屋に住んでいた時期もあり、捜査対象に上がっていた。今のところ、被害金品などはなく、室内が物色された形跡は見られない。また、殺害に使ったとされる包丁も発見されておらず、発見に全力を挙げるとともに、被害品など含め顔見知りだったかなど今後捜査を進めていく方針。
 事件発生から十五日目の九日午後、志喜屋容疑者を任意同行し、事情聴取を行ったところ、殺害を認めたため逮捕した。
 事件は一月二十六日午後二時三分ごろ、同市平良字西里のアパート三階に一人で住む前泊さんが自室の浴室で死亡しているのを知人の女性が発見。背中には内臓に達する傷が一カ所あり、死亡推定時刻は同日午前。死因は失血死だった。
 事件発生当日夜、宮古島署は特別捜査本部を設置。これまで、現場付近の聞き込みや前泊さんの関係者の事情聴取などの捜査を続けてきた。部屋からは血痕や指紋、足跡、毛髪など数十点を採取していた。
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北海道・室蘭で黒糖作り/宮古から送られたキビ
青少年科学館「宮古島コーナー」 エタノール実験も計画

サトウキビ搾りを体験する室蘭市の新宮市長(右)と青少年科学館の小川館長=9日、室蘭市青少年科学館(写真提供・同館)
サトウキビ搾りを体験する室蘭市の新宮市長(右)と青少年科学館の小川館長=9日、室蘭市青少年科学館(写真提供・同館)

 宮古島市と交流のある北海道室蘭市の青少年科学館で九日、宮古島から送られたサトウキビを使って黒糖作り体験が行われた。室蘭市の新宮正志市長ら三役と市職員が参加。搾り汁を味見したり、出来たての黒糖をかじって「甘くておいしい」と歓声を上げた。同科学館では「宮古島コーナー」を設置し、キビの活用法をパネル展示しながら、来館者に石油の代わりとなる燃料、バイオエタノール作りも体験させる予定という。
 今年一月下旬に、宮古島市の子どもたち七人が交流のため室蘭市を訪れた際、青少年科学館を見学。その時に宮古島のキビを使った実験コーナーを科学館が要望し、同行した根間正三郎観光商工課長がキビの提供を引き受けたという。
 根間課長は室蘭市から帰島後、自分の畑で収穫したキビを八十aほどに切り百本を一月下旬に、二月上旬には二b以上のキビ百五十本を科学館に送った。
 科学館では、さっそくこのキビをプレス機で搾り、子どもたちに味見させた。九日には、室蘭市の新宮市長や助役、教育長らを招いて、搾り汁を煮詰めて黒糖にして味わってもらったという。
 科学館の小川征一館長は、専用プレスがなく版画用のローラープレスで搾ったと言い「搾り汁は少なかったが、市長も甘いと言って大喜びしていました」と報告した。ビーカーに入れた搾り汁を煮詰めて黒糖も作ったという。地元のマスコミも関心が高く、数社が取材に訪れた。
 小川館長は、地元の鉄工所に歯車付きの専用プレス機を作ってもらっていることも話し「来週からは来館者にキビ搾りを体験させたい。北と南がキビを通して交流が盛んになると良いですね」と語った。
 キビを送った根間課長は「室蘭市の子どもたちが、交流都市宮古島市を身近に感じてもらえれば」と笑顔を見せた。
 科学館では、キビを搾った汁に発酵させた酵母菌を入れ燃料の代わりとなるバイオエタノールの実験も計画。小川館長は「キビは糖分が高いので良質のエタノールができそうだ」と期待している。
 宮古島市と室蘭市の交流は、英国探検船「プロヴィデンス号」の両地への来航二百年祭をきっかけに、旧平良市が一九九八年に交流都市を締結。子どもたちを中心に相互交流を行っている。
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オトーリ口上に「飲んだら乗るな」と一言を/警察署協議会
飲酒運転撲滅で意見交換

飲酒運転撲滅に関する意見などが活発に交換された=8日、宮古島警察署
飲酒運転撲滅に関する意見などが活発に交換された=8日、宮古島警察署

 二〇〇六年度第三回宮古島警察署協議会(池間方用会長)が八日、同署で開かれた。同協議会委員や同署の岸本亮署長、各課課長らが出席し、管内における飲酒実態や検挙状況など情報を共有し、飲酒運転撲滅について意見交換を行った。
 協議会の資料として示された全刑法犯年別認知件数および全窃盗犯年別認知件数では、〇四年から年々減少している。刑法犯罪の割合では、窃盗犯が約六割を占める。
 管内での少年補導状況における少年の飲酒実態では、全補導件数に占める飲酒の割合が約三〇%と、県平均の約三倍に上る。飲酒補導件数は四年連続増えているのが現状で、年々増加の傾向を見せる。
 交通事故発生状況と飲酒検挙状況では、〇六年中の人身事故発生件数は百二十四件と、前年に比べて二十二件の増加。飲酒絡み人身事故は前年比二件増の八件となった。死亡事故は前年に比べ五件減の二件となったが、減少しない飲酒検挙状況から見ても、依然、飲酒絡みの運転や事故が多発しているのが浮き彫りとなった。
 会では、飲酒運転撲滅について活発に意見が交換された。「オトーリの際に『飲むなら乗るな』と口上を述べた方がいい」「居酒屋などでボトルのラベルに運転代行の電話番号を掲載させてみてはどうか」などとさまざまな声が挙がった。
 池間会長は「コンビニ殺人事件が解決して安心していた矢先、再び殺人事件が起こり地域住民は不安な生活を送っている。互いに声を掛け合い安全・安心な街づくりに取り組んでいこう」とあいさつした。
 岸本署長は「協議会で提言のあった飲酒運転撲滅の取り組みや青灯など、地域に浸透していると感じている。皆さんの言葉を、いろいろな形で地域の安全に取り組んでいきたい」と述べた。
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マグロ、宮古牛 どっさり/市がオリクに特産品贈呈
オリオンビールもビール15ケース

伊志嶺市長(右)からコリンズ監督(右から2人目)にマグロが、下地助役(左から2人目)から北川選手会長に宮古牛が手渡された=9日、宮古島市民球場
伊志嶺市長(右)からコリンズ監督(右から2人目)にマグロが、下地助役(左から2人目)から北川選手会長に宮古牛が手渡された=9日、宮古島市民球場
 宮古島市(伊志嶺亮市長)は九日、宮古島市民球場で春季キャンプを行うオリックス・バファローズに、宮古牛やマグロ、クルマエビ、野菜など、宮古の特産品を贈呈した。また、オリオンビール(仲村文弘社長)もビール・発泡酒合わせて十五ケースを贈った。
 宮古島市からの贈呈は▽ビンチョウマグロ(1本、約三十`)▽宮古牛(三十`)▽トウガン(二十`)▽ニガウリ(十`)▽ピーマン(十`)▽クルマエビ(五`)▽宮古そば(二十`)−。
 同日午後、同球場で贈呈式が行われ、伊志嶺市長、下地学助役が、テリー・コリンズ監督と北川博敏選手会長にマグロや宮古牛などを手渡した。テリー・コリンズ監督は「素晴らしい品々をありがとう。おかげさまで天気が良く、素晴らしいキャンプが送れている。皆さんにサポートしていただくことは私たちにとって心強いし、感謝している。今後ともどうぞよろしくお願いします」と謝辞を述べた。
 伊志嶺市長は「良い天気に恵まれ、いいキャンプができていると聞いている。宮古島近海で取れたマグロを食べて、しっかり力を付けて、高く高く飛び上がって、シリーズ優勝まで頑張るよう祈っている」とエールを送った。
 オリオンビールからは、▽ドラフト五ケース▽麦職人三ケース▽サザンスター二ケース−と、業務提携しているアサヒのスーパードライ五ケースが贈られた。手渡した宮古出張所の上里望所長は「んみゃーち宮古島。このキャンプを心待ちにしていた。練習の成果をシーズンで遺憾なく発揮し、チャンピオンになってほしい」と激励した。コリンズ監督は「刺し身とビールは良いコンビネーションなのでうれしい」と満面の笑みだった。
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