200平成19  2 木曜日

収入源減り弱体化/池間漁協
急がれる再建計画策定

浜川洋美組合長
浜川洋美組合長

 宮古島市の池間漁業協同組合(浜川洋美組合長)が、近年業績不振が続き、経営難に陥っている。収入源は先細りし、組合員の屋台骨は弱体化。これからの立て直しの課題は山積しているが、水産行政の経験が豊富な浜川組合長の手腕に期待が寄せられている。池間漁協の現状と課題を追った。

 ■製氷冷凍機停止 
 二○○四年度の漁協の事業管理費は九百三十万円。科目内訳は、人件費四百六万円、旅費交通費六十一万円、会議費や通信費などの業務費が六十六万円、保守修繕費や水道光熱費などが百五十一万円などとなっている。
 このうち、製氷冷凍機などの相次ぐ故障で保守修繕費に九十三万円支出され、経営を圧迫する要因の一つである。 
 ○五年度事業維持管理費は六百二十七万円。保守修繕費は十万円。保守修繕費が極端に少ないのは、度重なる製氷冷凍機の故障に対応できなくなり、製氷冷凍機を止めたからだ。今なお製氷冷凍機は稼働しない。

収入源が減り弱体化している池間漁協
収入源が減り弱体化している池間漁協

 ■宮古島漁協へ魚介類上場
 漁協の収入源の一つが、販売事業。組合員らは、水揚げ高から五%の手数料を漁協に支払う。受取手数料が多いほど、当然漁協の財源は豊かになる。○四年度鮮魚類の受取手数料は五十一万円。
 ○五年度受取手数料は決算書から消えている。つまり受取手数料はゼロだった。製氷冷凍機の停止に伴い、組合員らは宮古島漁協の魚卸市場へ上場するようになったからだ。上場するもう一つの目的は、漁船に積み込む氷の購入である。宮古島漁協への上場の影響を受け、池間漁協の魚卸市場は休業状態に。これに併せて高齢者の女性仲買人らは引退した。
 ■累積赤字五千万円超
 先月開かれた通常総会で示された○五年度の単年度赤字は三百九十六万円。累積赤字は五千四百八十万円に膨らんだ。
 池間漁協の砂辺達男監事長らは「平成十八年度の組合は一切の事業はしていない」と指摘し、今後の再建には、組合員が一丸となって漁協に協力するよう強く訴えた。
 ■組合員、負債支払わず
 池間漁協がなかなか立ち直らない大きな要因の一つが、約六千万円の経済事業未収金がある。組合員の中には過去に数千万円の新造船を建造しても積極的に支払う姿勢を見せない。過去の再建整備計画に基づいて負債者の組員らに支払い催告を実施したが、その支払いは一時的なもの。数カ月後からは支払いはない。
 ■再建整備計画の策定を
 浜川組合長は「製氷冷凍機が稼働すると赤字となる。宮古島漁協から氷を購入し、冷蔵冷凍庫に保管して組合員に販売したい」と語り、仲買人の確保にも積極的に取り組む姿勢を示す。
 未収金問題では、負債者の組合員に支払いを促す一方、魚卸市場再開を視野に、新たな仲買人の確保を目指す。今年六月に開催予定の通常総会では、組合員の水揚げ高からの手数料支払い、組合員の出資金負担などの協力を求める
 行政や上部団体から支援を受けるためには、新たな再建整備計画の策定が急務である。漁協を立て直すという意識が住民に浸透しなければ、健全な再建構築はおぼつかない。(伊良波彌)
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もうすぐ一年生/早くもランドセルセール
売れ筋は2万円前後

色とりどりのランドセル=6日、市内のディスカウントショップ
色とりどりのランドセル=6日、市内のディスカウントショップ

 入学式まであと二カ月−。四月の入学式を前に、宮古島市内のディスカウントショップなどで入学商戦が始まっている。各販売店では「新入生フェア」など特設ブースを設置しいろいろなランドセルを陳列。今年はキャラクターの刻印が入ったものや牛革を使った二、三万円程度の商品が売れ筋だという。
 市内のあるディスカウントショップでは、ぴかぴかのランドセル三十種類余りを取りそろえた。基準色であった赤、黒のほか、ピンクやワイン色、あい色や青などさまざま。同店長は「数年前までは赤、黒以外はほとんど売れなかったが、今はピンクなども人気」と話す。
 値段は七千−四万円。重さも商品によって六百五十−千cがある。本革は「合皮に比べて多少重みがあるが通気性と持ちが良く、売れているという。販売店は「人気商品は三月に入ると売り切れの可能性もあるので早めの購入を」と呼び掛けている。
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過払金請求で集団提訴/本土金融業者相手に
市民8人1000万円返還求め/那覇地裁平良支部

過払金返還請求訴訟の提訴で那覇地裁平良支部に入る中村弁護士=7日
過払金返還請求訴訟の提訴で那覇地裁平良支部に入る中村弁護士=7日

 利息制限法の上限金利を超える利息を支払ったとして、宮古島市内に住む八人が七日、本土の消費者金融大手三社を相手に返還請求総額約一千万円を求める訴訟を那覇地方裁判所平良支部に起こした。消費者金融に、過払金返還を求める集団訴訟は、宮古では初めてという。原告八人は二十歳代後半から五十歳代で、消費者金融には任意整理の手続きで返還を求めてきたが、一部会社とは合意に至らなかったため今回の提訴に踏み切ったという。

 訴えによると「利息制限法を超える利息は、本来支払う義務がなく、それにもかかわらず消費者金融は、出資法の上限金利との間のいわゆる『グレーゾーン』の間で、高金利の利息返済を債務者に強いている」と主張。消費者金融三社に利息制限法の上限金利を超えて支払ったことから、その過払金は返還すべきだとしている。
 原告団の中には、利息制限法に基づき金利を計算した場合、過払金は多い人で約三百万円に上るという。
 訴えられた三社の消費者金融広報部では「訴状を確認していないのでコメントは控えたい」と話している。
 

制度周知の必要性強調/過払金返還請求で中村弁護士

 本土の消費者金融大手三社へ過払金返還請求訴訟を市民八人から依頼された宮古島ひまわり基金法律事務所の中村昌樹弁護士は七日、同事務所で記者会見し「過払金返還請求についてよく知らないために、長年利息を払い続けている人たちがたくさんいると思う」と話し、利息制限法の上限金利を超える利息を支払ったなら、返してもらうという制度周知の必要性を強調した。
 中村弁護士によると、奄美大島では以前から地方自治体と法律専門職の連携によって、過払金返還請求訴訟が盛んで、地元の奄美ひまわり基金法律事務所では、すでに約四億四千万円の過払金を回収しているという。
 また、石垣市でも億単位の過払金が回収されている。中村弁護士は、「過払金返還訴訟は、地方から中央に流れ出た違法な利益を地方に還元し、地方経済を活性化させる役割の一端も果たせる」と話す。
 さらに中村弁護士は、過払金返還請求が認知されるようになり、各地で同様な請求が増えてきていると指摘。「利息制限法の上限金利を超えて支払ってしまった場合は、返済に回したことにして、元本に充てていく。しかし、元本を超えて支払いを続けてしまった場合には、法律上支払う義務がないのに支払ってしまったことになり、それは返してもらうことが可能なはずだ」と話し相談を呼び掛けている。
 宮古島ひまわり基金法律事務所の住所は平良字東仲宗根二五〇(電話75・0603)。
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無許可業者に「待った」/宮古保健所
伊良部で廃車野積みや解体

原野などから回収された廃車=7日、伊良部の民有地
原野などから回収された廃車=7日、伊良部の民有地

 宮古島市伊良部で、男性らが原野などに放置された廃車約六十台を回収、更地に搬入し、県知事から解体業の許可を受けずに無許可で廃車を解体したとして、宮古福祉保健所は七日までに、男性らに解体中止と現場への廃車搬入中止を指導していたことが分かった。現場には適正に処理する施設がないことから、土壌などの環境汚染も懸念されている。
 現場は、長山港近くの高地にあり、旧伊良部町時代の旧一般産業廃棄物最終処分場跡地で、同町が合併前に民間に売却した民有地。
 男性らは、昨年から伊良部地域の原野や海岸近くなどに放置された廃車を回収。解体した後、スクラップとして売る計画を立てていた模様。一部の廃車は既に解体されている。同保健所では「原野などに放置された廃車は勝手に回収できない」と指摘。その上で「無許可の行為なので、解体中止と廃車搬入中止を指導した」と話す。
 使用済自動車の再資源化等に関する法(自動車リサイクル法)の第六〇条(解体業の許可)では「解体業を行おうとする者は、当該業を行おうとする事業所の所在地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない」と明記。罰則では「許可を受けないで解体業又は破砕業を行った者」について「一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する」としている。
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犯人像絞り込めず/平良女性殺害/発生から2週間
特捜本部長「やることまだある」

 一月二十六日午後、宮古島市平良字西里に住む前泊美智子さん(48)が遺体で発見された事件は、きょう八日で発生から二週間を迎える。しかし、犯人像の絞り込みはできていない。特別捜査本部の喜久山盛仁本部長は七日、「犯人に結びつく有力な情報はないが、まだやるべきことはある。(捜査は)どんどん進めていく必要がある」と話した。
 同日、宮古島署で捜査の進ちょく状況を説明した喜久山本部長によると、被害者の関係者らを中心として付近住民ら計百五十人余から事情聴取などを実施。聞き込みなどしながら、現場から採取された約数十点の指紋や足跡を詳しく解析している。
 喜久山本部長は「現時点で容疑者につながるものはない。今の捜査態勢で続けていく方針」と規模を縮小せず、地道な捜査を継続していくことを強調した。
 同署では引き続き市民からの情報を求めている。(電話72・0110)まで。
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運動しないと筋力落ちる/自宅でできる筋トレ
民生委員らが介護予防で挑戦

富田さんの指導の下、筋力トレーニングに取り組む民生委員ら=7日、宮古島市平良老人福祉センター
富田さんの指導の下、筋力トレーニングに取り組む民生委員ら=7日、宮古島市平良老人福祉センター
 介護予防体操(主催・宮古島市地域包括支援センター)が七日、宮古島市平良老人福祉センターで行われた。運動指導者の富田美香さんは「運動しなければ筋力は落ちる。自宅でいつでもできる筋肉トレーニングで、介護を予防しよう」と呼び掛けた。
 これは、同日開催された宮古島市平良第一民生委員児童委員連絡協議会の二月定例会の中で行われたもの。地域に密着する民生委員児童委員らが体操の仕方を会得し、広報・指導することによって一人でも多くの介護予防につなげることを目的に実施。約二十人の委員らが参加した。
 富田さんは太ももの筋力が四十代を超えると一年に一%ずつ低下していくと説明。運動の重要性を強調しながら、全身のストレッチ方法を指導した。体にあまり無理をさせない運動の仕方を見せながら「介護予防のためには筋力トレーニングは欠かせない。テレビを見ながら、イスに座りながら日常生活の中で少しずつ運動を取り入れてほしい」と話した。同支援センターの平良礼子さんは「民生委員の皆さんの力で介護予防体操を広めてほしい。センターでも、継続的に運動指導ができるよう取り組んでいきたい」と述べた。
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