200平成19  2 水曜日

伊良部大橋/前倒し工事費4億5000万円
国が補正計上
台風前に仮桟橋350b/電線地中化にも1億5000万円

仮桟橋工事が着々と進む現場=平良久松
仮桟橋工事が着々と進む現場=平良久松

 【那覇支局】国土交通省の二〇〇六年度補正予算額が六日に決定し、宮古関連では伊良部架橋(平良下地島空港線)事業費に四億五千万円が計上された。今回の補正に伴う工事は、当初〇七年度に予定していた仮桟橋の延長工事で、台風の多い夏までに三百五十bの延長工事を完了させ、橋梁部分の工事を早めに実施することが目的。また、平良城辺線の電線共同溝事業補助事業についても一億五千万円が予算計上され当初、〇七年度予定の工事を前倒しで行うとしている。

 伊良部架橋の補正予算措置について、沖縄総合事務局では「当初、〇七年度に予定した工事だが、橋梁部分の工事を早めに進めるためにも宮古島側の仮桟橋延長工事を台風シーズンまでには完成させる必要があることから今回四億五千万円が予算措置された」と説明した。
 同事業については、今年度で二十三億円が計上されており、予算規模も年々拡大している。昨年末に就任した仲井真弘多知事も前倒しの完成に向けて、国への予算要求に取り組む姿勢を示していることから、今後の工事も急ピッチで進められていく見込みだ。一方、平良城辺線の電線共同溝整備事業についても今回の補正で一億五千万円が計上された。これも当初新年度で予定していたJAおきなわ宮古地区本部交差点から市内向けの左側部分の八百bの電線地中化工事を前倒しで実施するとしている。
 同事業は、現況の歩道下に電線類を地中化するもので、事業期間は○五−○八年度の四年間。今年度予算では二億五千万円が計上されており、地中化延長は五・二四`。総事業費は十六億五千万円となっている。
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07年度県予算5961億円/ 基金取り崩し 借換債発行
収支不足481億円

 【那覇支局】県は六日に行われた庁議で二〇〇七年度の一般会計当初予算案を決定した。総額は五千九百六十億七千八百万円で前年度比で二億七千九百万円の増額となった。さらに先月二十九日に各部局に示された一時内示段階よりも十二億八千万円増加している。また、〇七年度の収支不足額は四百八十一億円となり、主要四基金からの過去最高額の繰り出しや借換債の発行に加え、行政改革推進債などの発行で対応。同予算案は十四日に予定されている県議会二月定例会に提案される。
 県の財政状況は、自主財源の柱である県税収入が前年度比二・六]伸びたほか、国からの百四億円の税源移譲も影響し自主財源は三二・三%と三割を超えたが、これは基金の大幅な取り崩しも影響している。また、地方交付税や国庫支出金など依存財源の割合も依然として高い状況が続いている。
 さらに、今回は四百八十一億円の収支不足となり、基金四基金からの取り崩しが過去最高となる二百四十一億円、借換債(百億円)の発行、新たに退職手当債(百十億円)や行政改革推進債(三十億円)の発行により対応せざるを得ない状況となった。
 県の基金取り崩し額は、昨年度が二百億円で今回の二百四十一億円は過去最高額で、切り崩した後の残高は百六十八億円となっている。
 厳しい財政状況下で、県は新年度を沖縄振興計画の後期がスタートする重要な年と位置付けて、新たな政策課題や自立経済構築に向けて地域・離島振興や産業振興・雇用の創出などを図るとしている。
 宮古関連事業では、先島地区の民放デジタル放送実現などを目指して「地上デジタル放送推進事業費」が新規で盛り込まれ、二千二百二十三万四千円が計上された。事業費で今後、国、放送事業者、地元自治体などと放送実現に向けた調査、検討を実施していく。
 そのほか、宮古関連の新規では県内外の民間医療機関から離島・へき地への医師派遣などの調整を図ることを目的に「離島・へき地ドクターバンク等支援事業」に二千三百十二万九千円、医師確保対策事業にも三千五百四十二万一千円が計上された。
 継続事業では、伊良部架橋など県道等の整備に係る「公共地方道新設改良費」のほか平良・城辺線など電線共同溝整備事業費も計上されている。
 県全体の当初予算五千九百六十億七千八百万円については、歳出面の義務的経費である人件費が前年度比八十八億円増、扶助費も同比二億円増、公債費も同比四十一億円増となっている。
 県では、人件費の増額について退職手当所要額の増加、公債費は元金償還金の増加が要因としている。 
 仲井真弘多知事は、新年度の予算案について、▽医師確保事業や乳幼児医療費助成事業▽地上デジタル放送などの離島振興に係る事業の促進など四項目を最重要課題に挙げ「ハード面では国の公共事業縮小の影響を受けたが伊良部架橋などの主要継続プロジェクトについては適切な予算が確保された。今後は、予算案の成立、執行に全力を傾けるとともにこれまで以上に行財政改革を推進し、簡素で効率的な財政運営を行っていきたい」としている。
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宮古4高校 志願倍率0.91倍/高校一般入試
最高は宮高理数科の1.69倍/9学科で定員割れ
伊良部は定員35人に4人志願

 【那覇支局】県教育庁(仲宗根用英教育長)は六日、二〇〇七年度県立高校一般入試の初回志願状況を発表した。宮古地区五高校のうち連携型入学の伊良部高校を除く四高校で最も倍率が高かったのは宮古高校理数科で一・六九倍(定員五十五人に対し九十三人志願)。四高校全体の志願倍率は〇・九一倍となっている。また、連携型入学ですでに総定員八十人のうちの四十五人が内定している伊良部高校は一般入学定員三十五人に対し四人が志願している。

 宮古地区五高校十二学科のうち、志願者数が定員に達したのは宮高理数科のほか、翔南高校商業科の一・五二倍(定員二十五人に対し三十八人志願)、同海洋科学科一・〇五倍(定員三十八人に対して四十人志願)の三学科で、そのほかの九学科は定員割れとなった。
 五高校全体の一般入学定員は五百八十四人、一般入試の志願者数は五百六人となっている。
 県全体では、一般入学定員が一万三千八百二十八人(全日制一万三千二百六十八人、定時制五百六十人)で前年度より六人増。
 一般入学志願者数は、一万四千百九十九人(全日制一万三千八百七人、定時制三百九十二人)となり、前年度比で五百三十七人の増加となった。そのうち現役は一万三千八百四十九人で同比五百五十一人の増加、過卒は三百二十四人で同比十一人減となった。
 志願倍率は、全日制が一・〇四倍、定時制が〇・七〇倍となり、全日と定時を合わせると一・〇三倍となり、前年度比で〇・〇四ポイント増となった。
 定員割れの学科は三十六校八十学科で前年度よりも二学科増えている。
 志願変更申し出期間は十三、十四日の二日間(午前九時−午後五時)、願書取り下げ・再出願期間は十九、二十日の二日間で十九日は午前九時から午後五時まで、二十日は午前九時から午後四時までで、二十日中に最終志願状況が決定する。
 一般入試の学力審査は三月七、八日の二日間で合格発表は三月十四日。教育庁ではホームページ(http://www-edu.pref.okinawa.jp/)でも高校別志願状況を掲載している。
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裁判の経過など報告/地下水塩素イオン裁判
病院側弁護団が報告集会

多くの市民らが集まり裁判の経過報告に耳を傾けた=5日、宮古島市中央公民館
多くの市民らが集まり裁判の経過報告に耳を傾けた=5日、宮古島市中央公民館

 宮古島市平良の四水源地の塩素イオン濃度が上昇している問題で、宮古島市を相手に損害賠償を求める訴えを起こしている医療法人祐真会(奥原典一理事長)の弁護団は五日、同市中央公民館で裁判報告集会を開いた。経過報告をはじめ、パネルディスカッション、市側の水質調査の検証などを行った。病院関係者をはじめ、多くの市民が参加し真剣な表情で耳を傾けていた。
 報告集会には弁護団の宮ア政久、中村昌樹、野崎聖子、伊東幸太朗、市川尚の五弁護士、奥原理事長が出席。裁判が那覇地裁で行われているため、このような報告集会を開いたという。
 中村弁護士は提訴に踏み切った理由からこれまでの裁判の経過を報告。「病院は不当で違法な公権力で名誉を棄損され損害を受けた。市が行ったマスコミ発表は根拠があったのか、発表のタイミングは正しかったのか。一つ一つ検証していく」と述べた。
 また、宮ア弁護士は「お金が欲しくて裁判しているわけではない。いわれなき汚名を返上させ、二度とこのようなことが起きないよう、この裁判で行政の適正な運営を確立させたい。今後も見守ってほしい」と訴えた。
 奥原理事長は、市が実施した地下水調査結果を検証し、シミュレーションや報告書の内容への疑問点を挙げ、「このシミュレーションは最初に計算して数字を当てはめただけ」と厳しく批判した。
 市川弁護士と鹿児島県環境技術協会の田中健次郎企画開発部長による「地下水の安全性について」をテーマにしたパネルディスカッションも行われた。
 同会は病院近くにある井戸の塩素イオン濃度上昇の原因が施設からの温泉排水とした科学的調査と、その結果に基づく釈明を市に対して求めていたが、市側の対応がないとして昨年四月に提訴した。
 原告側は同病院が有害施設であるとの誤った情報が島内に流布したことによる損害金として二千万円を求めている。
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長崎さん(西辺中3年)文科大臣賞/西日本読書感想画コン
池原さんは優秀賞


最優秀賞を受賞した長崎さん(前列右)と優秀賞に選ばれた池原さん(同左)=6日、宮古島市役所教育長室

 第五十回西日本読書感想画コンクール(主催・九州、山口各県学校図書館協議会、西日本新聞社)の表彰式が四日、福岡県の同新聞社で行われ、宮古島市立西辺中学校三年生の長崎友美さんが最優秀賞、文部科学大臣賞を受賞した。同校の池原由紀乃さん(三年)も優秀賞を受賞。二人は六日、宮古島市役所に久貝勝盛教育長を訪ね、受賞の喜びを報告した。
 同コンクールには、全国の小・中・高校生から二十万点の応募があり、このうち最優秀賞に五点、優秀賞に二十四点が選ばれた。
 長崎さんは、自由図書の部に応募。「スクランブルマインド−時空の扉−」の本を読み、想像を現実に変えることができる力を持った主人公の心を表現した。審査では「もう一人の自分が自分を見ているという思いを画面いっぱいに繰り広げている。流れるような線の動きになって、画面全体に動きを与えている」と講評された。報告の席で長崎さんは「驚きと喜びでいっぱい」と感想を述べた。
 池原さんは「幸福ロケット」を読み、指定図書の部に応募。顔の表情を出すための点描に苦労したという。審査員からは「時間や違う場面などを同時に見せることがうまくいっている。原色の強さが効果を上げている」との評価を受けた。
 久貝教育長は「先生方や両親、地域の人々とたくさんの出会いがあって皆さんの才能が大きく開花したと思う。これからも頑張って」と激励した。
 同校からは二人のほか、優良賞に加藤みちるさん(二年、指定)、入選に与那覇詩子さん(一年、指定)、佳作に濱川命さん(一年、指定)と仲間理加さん(二年、自由)の四人が選ばれている。
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初の社会人キャンプ/日本通運野球部
城辺球場で19日まで

社会人野球チームとして初めてキャンプを行う日本通運野球部=6日、宮古空港
社会人野球チームとして初めてキャンプを行う日本通運野球部=6日、宮古空港
 社会人野球の日本通運野球部(神長英一監督)が六日、来島した。城辺球場で十九日までキャンプを実施し、シーズン開幕に備える。空港ロビーでは宮古観光協会による歓迎セレモニーが行われ、選手らを盛大に出迎えた。社会人野球のキャンプは初めて。
 来島したのは選手三十人に監督、コーチらを含む三十六人。神長監督は「温暖な気候が魅力。しっかり動かして体をつくりたい。基礎練習から始まり、実践形式、紅白戦を行う。まずはオープン戦に備えたい」と語った。
 県出身者で主将の新垣道太さんは「熱い歓迎に感謝している。二週間、しっかりと練習して、今年の夏には日本一になるよう頑張りたい」と抱負を述べた。
 歓迎セレモニーで同協会の平良勝之理事は「来島を心から歓迎する。体調に気を付けて頑張ってほしい。物心両面から応援している」と激励した。
 チーム関係者らは昨年十二月に来島し市内の三球場を視察し、開催を決めた。昨年は徳之島、一昨年までは久米島で六年間キャンプを実施していた。
 ここ数年は毎年のようにプロ野球選手を輩出し、米大リーグの大塚晶文投手、オリックス・バファローズの本柳和也投手、牧田勝吾内野手も同部出身。
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