200平成19  2 火曜日

共済加入農家が急増/サトウキビ
前年比2.5倍の伸び/生産組合立ち上げが奏効

 宮古郡農業共済組合が運営する「さとうきび共済」の加入申し込み者が急増している。同組合の調べで加入者(概算)は二千二十八戸で、前年に比べ千百九十七戸増えた。有資格農家四千六百四十三戸に占める加入農家の割合は四三・七%に及び、前年の一九・四%を大幅に上回った。ここ数年、二〇%前後だった加入率を一気に引き上げた要因には、二〇〇七年産から適用されるサトウキビの新価格制度が挙げられる。同制度の導入に伴い各地域で立ち上げられた生産組合が、加入率引き上げの効果を生み出した格好だ。

 さとうきび共済は、同組合が運営する共済事業の一つだが、園芸施設共済や建物共済、家畜共済など各事業の中でも最も低い加入率だった。数十年前の補償制度見直しで加入農家が落ち込んで以来、毎年二〇%台前後の加入率で推移してきた。
 その共済事業が、サトウキビ新価格制度の導入を控えて急増した。同制度は一定の要件を満たさなければ、国の補助金交付を受けることができない。このため、JAおきなわなど農業関係機関が中心となって旧市町村単位の生産組合を立ち上げた。生産組合に入らなければ国の補助金交付を受けられないとあって、ほとんどの農家が同組合に加入。その組合の規約にさとうきび共済への加入が盛り込まれたため、加入者が急増したというのが実情だ。
 共済組合では「新価格制度導入に伴う関係団体の後押しがなければ、このような加入率はあり得なかった。地域の有識者の協力も大きい」などと説明。その上で「株出しや春植えに伴い、加入農家がさらに増える可能性は十分ある。株出しや春植えの計画がある農家は共済組合まで報告してほしい」とした。
 共済組合がまとめた五日現在の加入農家戸数の内訳は▽平良七百四十九戸▽城辺五百十二戸▽下地百五十一戸▽上野百八十戸▽伊良部三百二戸▽多良間村百三十四戸−となっている。
 さとうきび共済は、台風や干ばつなどで損害を受けたとき、共済金が農家に支払われる事業。現行の制度は、農家ごとの過去五カ年の生産実績から最高補償限度額の算定基礎をはじく。生産実績は反収のみでなく平均糖度も加味されている。農家が負担する掛金は国が五五%を負担。宮古島市も補助を出している。
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願書受付始まる/高校入試/きょう午後4時まで

願書を受け付け、確認作業をする職員ら=5日、宮古高校
願書を受け付け、確認作業をする職員ら=5日、宮古高校

 県立高校の一般入試・特別募集願書の受け付けが五日から始まった。締め切りはきょう六日午後四時まで。
 「大安」となったこの日、県立宮古高校(仲間博之校長)では受け付け開始とともに、願書を提出する各中学校の教諭らの姿が目立った。午前十一時前には、十校が願書を提出。教務主任の本村博之教諭は「推薦を考えると、定員はオーバーするのではないかとみている。満ち潮を意識してか、例年になく出だしが非常に良い」と話した。
 願書を提出した市内中学校の女性教諭は「朝からみんなでごちそうをささげるなど神様に御願して、出席番号順に親子で線香をたくなどしてきた。願うのは全員合格です」と笑顔を見せた。
 日程は次の通り。
 一般入学・特別募集願書受付=二月五、六日▽初回志願状況発表=七日▽志願変更申し出=十三、十四日▽志願変更願書取り下げ、再提出=十九、二十日▽最終志願状況発表=二十一日▽学力検査(入試)=三月七、八日▽合格発表=十四日▽第二次募集願書受付=十五、十六日▽第二次募集志願変更(午後四時まで)=十九日▽第二次募集合格発表=二十六日
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チョウゲンボウ 野ネズミをわしづかみ
瞬間を本紙記者が撮影/目にも止まらぬ早業で獲物ゲット

野ネズミを捕らえたチョウゲンボウ=2日午前、平良のトゥリバー(撮影・伊良波彌)
野ネズミを捕らえたチョウゲンボウ=2日午前、平良のトゥリバー(撮影・伊良波彌)

 空中で舞うチョウゲンボウ(ハヤブサ科)が宮古島市平良のトゥリバー地区埋め立て地で、野ネズミがうろついているのを見つけて急降下、両足の鋭いつめでわしづかみする瞬間を本紙記者が写真に収めた。
 チョウゲンボウは頭部が青灰色の雄。目先から下へひげ状の黒斑があるのが特徴。背と翼上面は茶褐色で黒褐色の斑がある。雄成鳥は全長三三a。
 この日のチョウゲンボウは、空中にひらひら舞いながら、ネズミの動きを観察。ネズミが草むらから開けた場所に移動した瞬間、チョウゲンボウは急降下し、野ネズミを捕らえた。
 野ネズミはクマネズミと思われ体長は約二五a。
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新入学児童が8割増/多良間村
出生率「全国一の島」反映/13人増え29人に
宮古島市も37人増647人

 今年四月に新しく小学校に入学する児童数は宮古島市が六百四十七人(男子三百四十四人、女子三百三人)、多良間村が二十九人(男子十三人、女子十六人)の計六百七十六人で、少子化傾向が進む中、昨年より増加していることが両市村の教育委員会のまとめで分かった。宮古島市は、昨年より三十七人(六・一%)増加でほぼ一学級分、「出生率が全国一の島」で話題となった多良間村は昨年より十三人(八一・三%)も増えた。

 市教育委員会によると、入学児童数は今後少なくなっていくことは間違いないとしながらも「将来推計人口」などから減少幅は緩やかに推移していくものと分析している。
 旧町村では、過疎の影響で一学級が多く、市内中心部では若い世代が新興住宅地へと流出するいわゆる「ドーナツ化現象」で、以前の大規模校でも学級数の減少が特徴として挙げられる。
 宮古の入学児童数のピーク時は数字がまとめられていないが、一九六〇年代後半から七〇年代初めにかけては二千人を超える児童数がいたとされる。
 入学児童数の記録が残っている八三年から九〇年までは若干の増減を繰り返すものの、常に千人台をキープ。九一年に初めて千人を割り込んだ後は、毎年減少の一途をたどってきた。
 九五年からは七百人台でほぼ横ばい状況が続き、二〇〇〇年以降は六百人台後半と七百人台前半となり、増減幅が緩やかになっている。
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06年取り扱い2億1000万円/宮古島漁協
前年比9%減 台風・魚価低迷など要因

 宮古島漁業協同組合(儀保正司組合長)が二○○六年に取り扱った魚介類水揚げ高は総量約六百七十三d、金額にして二億一千百六十三万円の実績があった。前年比では総量が四十五d減、金額が二千六十一万円減で振るわなかった。五日、同漁協の調べで分かった。
 ○六年の実績が前年より落ち込んだのは、台風の影響による出漁日数減や資源減少、魚価低迷などが要因。
 ○六年の統計別に見ると、魚介類市場入札では、上場量が百二十八d(前年比八%減)、入札金額が九千七百七十九万円(同一○%減)。
 モズク取扱高は五百四十三d(同五%減)、金額で一億一千百四十四万円(同六%減)。モズクの取扱高が伸びなかったのは、モズク生産者による浜売り、本土から訪れたモズク販売業者の浜買いが主な要因。
 魚介類の島外出荷は、流通コスト高の影響で、三d(同一四%減)、金額で二百四十万円(同二%減)となった。
 近年池間漁協の組合員らが、宮古島漁協の競り市場に魚介類を上場していることから、競り市場の上場量・入札金額が伸びる可能性が高い。
 池間漁協は、○五年から製氷機の故障による稼働停止、競り市場に参加していた仲買人の高齢による引退、競り市場の休業などが続いている。このため、組合員らは宮古島漁協の競り市場を利用している。組合員が○六年に上場した魚介類は二十六d、金額にして二千八百九十五万円あった。
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「左ひざ治してもらわな」/清原内野手
故仰木元監督の泡盛塗り込む

故仰木監督が残した泡盛をひざに塗り込み、今年の活躍を祈願する清原選手=5日、多良川洞窟貯蔵庫(代表撮影)
故仰木監督が残した泡盛をひざに塗り込み、今年の活躍を祈願する清原選手=5日、多良川洞窟貯蔵庫(代表撮影)
故仰木監督をしのびながら、じっくりと酒を味わった清原選手(代表撮影)
故仰木監督をしのびながら、じっくりと酒を味わった清原選手(代表撮影)
 宮古島市民球場で春季キャンプ中のプロ野球、オリックス・バファローズの清原和博内野手は休日となった五日、同市城辺にある多良川の洞窟貯蔵庫を訪れ、故仰木彬元監督=享年(70)=が残した泡盛を味わった。清原は古傷の左ひざに泡盛を塗り、「仰木さんは常に僕の心の中におる。ひざが良くなるように、仰木さんに治してもらわな」と願った。
 泡盛は一九九五年のリーグ優勝、九六年の日本一を記念し、仰木監督が十五升入りのかめを貯蔵したもの。今年で貯蔵十年を迎える。清原は「仰木さんが残してくれた一番大きなボトルキープ」と笑い、眠りから覚めた酒をじっくりと味わった。
 四日までの第一クールは屋内練習場での別メニュー調整が続いた清原だが、きょう六日から、屋外でのバッティング練習も始めるという。「ひざさえなんとかなれば、(今季)できると思っている」と意欲を示した。
 昨年、清原も同貯蔵庫に泡盛一かめを貯蔵。この日、一年ぶりに開封し、「今年もお世話になります」と訪れた報道陣一人ひとりにあいさつしながら、酒を振る舞った。
 同行した多良川の砂川拓也社長は「毎年、来ていただきありがたい。日本一の縁起を担ぎ、今年優勝してほしい」と笑顔だった。
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