200平成19  31 水曜日

「早急に売りたかった」/土地売買契約で市
市議会調査特別委/背景に厳しい財政事情

市有地売買契約に至る事務調査が行われた市議会調査特別委員会=30日、委員会室
市有地売買契約に至る事務調査が行われた市議会調査特別委員会=30日、委員会室

 宮古島市(伊志嶺亮市長)が地方自治法などで定められた議会議決を経ずに沖縄本島の民間会社と市有地の売買契約を交わした違法性をめぐり宮古島市議会の調査特別委員会(前川尚誼委員長)は三十日、前回に引き続き、関係各課の事務調査を行った。委員らが「自治法違反をしておきながら、議会に追認を求めた理由は何か」と追及したことに対し、関係課長は「土地を早急に売って、市の財源を潤したかった」と弁明。市有地売買をめぐる背景には、市の厳しい財政事情が重くのしかかっていたことが明らかになった。

 この日の委員会では、市側から土地売買契約書を作成した財政課と市有地売買の仲介役となった土地対策局が対象となり、契約に至る一連の事務調査が行われた。
 委員からは、土地売買金約四千万円の支払い期限間際になってから、相手側の資金調達ができないことを理由に変更契約を作成したことを疑問視。「契約書に従って粛々と業務を遂行すべきで、保証金も没収すべきだった」と述べ、契約相手側に便宜を図ったのではないかと追及した。
 これに対し財政課では、この市有地が二年近くも買い手が付かず、厳しい状況だったことを説明。「土地を売るために一生懸命で、保証金を没収するよりも四千万円の土地代金が入ってくる方が市の財政は潤うと思った」と答弁。契約書に基づいての保証金の没収や延滞金の請求は、契約破棄につながる可能性があったことを説明した。土地対策局も「市の財政事情を考えれば、早めに売った方が良いと判断した」と理解を求めた。
 「契約相手側の調査や審査を行ったか」との質問に、財政課は登記簿謄本を取り寄せたと答弁。納税証明書などの必要書類については「こちらの不手際で取り寄せていない。職務怠慢だった」と釈明した。
 同問題は、宮古島市が地方自治法などで定められた議会議決を経ずに沖縄本島の民間会社と市有地の売買契約を交わした。議会は、この契約を違法だとして売買契約を破棄し、新たに契約を結ぶよう市に求めた。市は追認を求めたが議会はこれを拒否。二〇〇六年度一般会計予算も違法性が含まれている予算だとして否決した。市は補正予算案を減額・見直して再提案し、ようやく可決された。土地売買契約は昨年十二月に相手側が再契約に応じなかったため、市は契約を解除した。
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新たに「ボア種」22頭/多良間山羊生産組合
ブランド化へ意気込み

新たに導入されたヤギ=30日、平良港
新たに導入されたヤギ=30日、平良港

 多良間村山羊生産組合(諸見里朝仁会長)は三十日、ヤギ二十二頭を新たに導入した。同組合では五種類目となる肉用の「ボア種」で、すべて雌。同日、平良港からフェリーたらまで多良間島へと運ばれた。諸見里会長は、「多良間ピンダピンダのブランド化に向け、さまざまな掛け合わせをして、成長の早い大きなヤギをつくって出荷できるよう、頑張っていきたい」と話し、品種改良などを含めブランド化への取り組みに意気込みを示した。

 多良間村は島が誇る「ピンダ」(ヤギ)の肉の供給拡大や乳製品開発を目指し、国が島の活性化を目的に進める事業「一島一物語」の一環で、「多良間ピンダ島興(おこ)し事業」を展開。同組合には昨年十一月に、乳用ヤギである▽ザーネン▽ヌビアン▽トッケンブルク▽アルパイン−の四種(雌二十頭、雄三頭)が導入されており、今回の導入と合わせて四十五頭となった。
 諸見里会長によると、発足当時二十二人だった会員は、三十日までに三十人に増加。毎月一度の勉強会実施など、取り組みを進めている。諸見里会長は、「たらまブランドをつくるには、飼い方などいろいろな課題がある。独特な多良間ブランドとして、どこにもまねできないことをやっていきたい」と意欲を見せていた。
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達成度を点検、課題を提言/次世代育成支援対策地域協議会

委員ら一人ひとりに委嘱状が交付された=30日、宮古島市役所平良庁舎
委員ら一人ひとりに委嘱状が交付された=30日、宮古島市役所平良庁舎

 宮古島市次世代育成支援対策事業評価地域協議会が三十日、宮古島市役所平良庁舎三階会議室で開かれた。市民や有識者で構成された委員らに、下地学助役が委嘱状を交付。委員らは今年三月までの任期中、同事業の達成度を点検・評価し、課題を提言していく。会長には宮古保育士会の垣花美恵子会長が選出された。
 同会は、市において児童が健やかに育つための効果的な児童環境づくりを総合的に検討し、地域における次世代育成支援対策の推進に関し必要となるべき措置について協議することが目的。宮古島市次世代育成支援行動計画の策定に関することを審議する。
 会では、〇五年度における行動計画の実施状況を説明。〇六年度の実績や今後の予定、また、市福祉保健部児童家庭課が実施した同計画の推進および評価に関するアンケートの調査内容が公開された。九百七十二人から回答があったうち、六割超が同計画を「知らない」とした調査結果を見た委員からは「市民がこの事業を知らないこと自体が問題。広報し、積極的に参加するよう力を入れてみては」、「一般市民の聴講や参加も必要では」との声が上がった。
 冒頭、下地助役は「基本理念に沿うように行動計画を委員らで評価し、宮古の子どもたちの成長を支援できる環境づくりをしていきたい」と委員らの協力を呼び掛けた。
 委員は次の通り。(敬称略)
 【会長】▽垣花美恵子(宮古保育士会長)【副会長】▽上地玲子(みやこ保育向上連絡協議会長)【委員】▽上原真理子(県宮古福祉保健所長)▽田場秀樹(宮古教育事務所指導課長)▽宮里敬一(宮古島市民生委員・児童委員協議会長)▽奥平玄孝(宮古島市社会福祉協議会長)▽下地正子(同婦人連合会長)▽下地ヨシ子(同法人立保育園連盟会長)▽前泊博美(同学童保育連絡協議会長)▽仲村洋子(同母子寡婦福祉会長)▽奥濱実(同子ども会育成連絡協議会長)▽奈良俊一郎(宮古地区PTA連合会長)▽川満美代子(平良地区市民代表)▽砂川清治(城辺地区市民代表)▽根間秀貴(下地地区市民代表)▽砂川茂彦(上野地区市民代表)▽長嶺吉和(伊良部地区市民代表)
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委員に委嘱状交付/下里・西里地区再生整計検討委
宮古島市

下地学助役(右)が委嘱状を交付した=30日、宮古島市下地庁舎
下地学助役(右)が委嘱状を交付した=30日、宮古島市下地庁舎

 第一回宮古島市下里・西里地区都市再生整備計画検討委員会(委員長・平良富男同市建設部長)が三十日午前、同市下地庁舎で開かれた。下地学助役が委員一人ひとりに委嘱状を交付した。委員らは今後、国からのまちづくり交付金に対応するための「宮古島市下里・西里地区都市再生整備計画案」を策定する。
 旧平良市は、二○○○年に「平良市中心市街地活性化基本計画」を策定。同計画に基づき事業計画を推進していた。このほど国の制度変更に伴い、旧平良市時代の計画は「宮古島市下里・西里地区都市再生整備計画」に変更した。この計画に基づく事業年度は、○八年四月−一二年度まで。
 交付式で、下地助役は「下里・西里地区の開発整備は、宮古島市にとって重要な課題」と述べた上で「近年宮古には大型店舗が入り、人の流れが中心市街地から(大型店舗のある)外へ流れ、中心市街地の都市機能が非常に低下し大きな問題点がある」と指摘し、下里・西里地区の活性化へ期待を込めた。
 この後、都市再生機構側がまちづくり交付金について説明した。
 委員は次の通り。(敬称略)
 【委員長】▽平良富男(宮古島市建設部長)【副委員長】▽間健三(根間地区土地区画整理審議会長)【委員】▽砂川久伸(宮古島商工会議所中小企業相談部振興課長)▽小林直樹(西里大通り商店街振興組合理事長代行)▽堀川政憲(市場通り商店街振興組合理事長)▽下地博(下里通り商店街振興組合理事長代理)▽砂川恵昭(集客交流拠点地権者会代表)▽垣花直子(がいせん通り沿い住民)▽上原浩文(沖縄総合事務局開発建設部地方計画室地方整備官)▽前泊勇栄(県宮古支庁土木建築課長)▽伊良部平師(宮古島市企画制作部企画調整課長)▽石原智男(同市総務部財政課長)▽根間正三郎(同市経済部観光商工課長)▽長崎富夫(同市建設部都市計画課長)
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「多くの市民の参加を」/あす説明会開催で呼び掛け
宮農・翔南統合問題

多くの市民参加を呼び掛ける(左から)洲鎌会長、神里会長=30日、宮古島市役所平良庁舎
多くの市民参加を呼び掛ける(左から)洲鎌会長、神里会長=30日、宮古島市役所平良庁舎

 県立宮古農林高校と同翔南高校を再編統合し、二〇〇八年度に開校が予定される「県立宮古総合実業高校(仮称)」に関する地域説明会(主催・県教育委員会)があす二月一日午後六時から、翔南高校体育館で開かれる。説明会に先立ち、宮古農林高校同窓会の洲鎌善充会長、翔南高校「翔邦同窓会」の神里裕夫会長が三十日、宮古島市役所平良庁舎で記者会見を開き、「高校再編は宮古全体で考えるべき問題。多くの市民の皆さんに参加してほしい」と呼び掛けた。
 宮農と翔南の統合に関しては昨年六月に、県教育委員会による一回目の地域説明会が開かれ、今年四月の統合が県教委から説明されたが、反発の声が相次いだため、一年先延ばしとなった経緯がある。洲鎌会長らはこの後の昨年十月、宮古地区五高校のPTA会長と同窓会長、元校長らによる「宮古地区の高校編成整備のあり方を研究する会」を発足。今月二十四日までに五回の会合を開き、独自に宮古地区の高校再編について議論してきた。
 会見で洲鎌会長は、「県の方針は十分ではない。宮古高校の普通課程までを含めて、検討しなければならないテーマ。普通科と実業科でクラス数のバランスを取り、将来を担う青年たちがバランス良く教育を受けられるよう提言したい」と、積極的な議論が必要との考えを強調。多くの市民の参加を呼び掛けた。同研究会では、来月をめどに提言をまとめ、県教育庁、県教育委員会、宮古島市教育委員会などに提言書として送付する計画。
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76歳男性が水死/佐良浜漁港
桟橋から転落か

 三十日午前十時二十八分ごろ、宮古島市伊良部字池間添の佐良浜漁港内浮桟橋付近で、無職の豊里盛義さん(76)=同市伊良部=がうつぶせの状態で浮いているのを、海運会社船員が見つけ、一一九番通報した。宮古島市消防本部伊良部出張所の隊員と宮古島署員が現場に駆け付け、豊里さんを陸に引き上げたが、すでに死亡していたという。豊里さんは当時、衣服を身につけていた。死因は水死とみられている。
 宮古島署によると、豊里さんが転落したところを目撃した人はいないという。現場付近にいた複数の人は「豊里さんは桟橋から落下したと思う。桟橋のはしごまで自力で泳いでいた」と状況を説明。また、「海中にいる豊里さんを目撃した人は数十人がいたが、誰かが通報するまで二十分以上はかかっていた」と話した。
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