200平成19  26 金曜日

給食費未納211人350万円/宮古島市
教師が立て替えも/保護者の責任感指摘

 宮古島市における学校給食費の未納額は、二〇〇五年度で三百五十一万五千円で、人数では二百十一人であることが同市立学校給食共同調理場(友利秀男場長)のまとめで分かった。学校側によると、長期にわたって滞納している人や、学級担任が未納分を立て替えるという実態もあり、保護者の責任感や意識の向上を訴えている。

 給食費は、以前は旧市町村で差額があったが市町村合併に伴い、昨年四月一日から小学生は月額三千百円に、中学生は三千四百円に一律設定。日額では小学生は百七十円、中学生は百八十七円となっている。
 保護者の負担としては平良と伊良部で月額最大で六百円の減、城辺と下地、上野では同三百五十円の増額となった。
 給食費は各学校が児童、生徒を通して保護者から徴収している。未納者に対しては、学級担任が電話で催促するほか、学校長名で督促状を出す場合もあるという。
 宮古島市内のある小学校では「年々給食費の未納者が増えていると感じる」という。八カ月分の給食費を未納している保護者もいると言い「学級担任も子どもに催促するのはつらい。仕方なく、自分で立て替えている教師もいる」と話した。長期の滞納者については、分割で支払うよう指導もするという。
 ここの校長は、高学年になると、親が給食費を未納しているということで悩み、それが不登校の原因につながる可能性もあると指摘。「子どもも教師も心にわだかまりがなく、楽しい給食をしてほしい」と話した。
 市によると、生活保護世帯は毎月支給される保護費の中に含まれていることから「未納者は、ごく普通の世帯ではないか」と見ており、保護者のモラルの欠如を指摘した。
 文部科学省が二十四日に公表した「学校給食費徴収状況に関する全国調査」では、〇五年度の学校給食費未納額は計約二十二億円に上り、人数では児童生徒数の一%に当たる約十万人が給食費を支払っていない。特に沖縄県は六・三%と全国で最も高い実態が明らかになった。
top.gif (811 バイト)

新組合長に浜川氏選任/池間漁協
厳しい現状で存続模索


浜川洋美氏

 宮古島市の池間漁業協同組合の理事会が二十五日午後、同漁協で開かれた。新しい代表理事組合長の選出があり、準組合員の浜川洋美(ようみ)氏(64)が互選された。浜川氏の就任は初めて。任期は三年。
 浜川代表理事組合長は「池間漁協の生き残る道はあるのか。存続か、解散か、役員や組合員らと協議し方向づけたい」と厳しい表情で語った。
 同漁協の二○○五年度現在の累積赤字は五千四百八十万八千円。
 厳しい財務状況を踏まえ、浜川代表理事組合長は「県や県漁業協同組合連合会による池間漁協の内部監査をお願いしたい。財務状況を明らかにしないと、事務引き継ぎが難しい」と述べた。
 また浜川代表理事組合長は「池間漁協は、住民のよりどころとして発展した。しかし、現在の漁協は危機的な状況。どうすれば生き残れるのか、暗中模索中だ」と語った。
 浜川 洋美(はまかわ・ようみ)1942(昭和17)年8月25日生まれ。64歳。池間島出身。池間中卒、宮古高校卒。66年旧平良市に採用。2003年同市水産課長を歴任し、退職。
top.gif (811 バイト)

宮古が県全体の3割占める/DV保護命令
署員を「対策員」に指定/宮古島署 「速やかに相談を」呼びかけ


生活安全課の警察官4人が、岸本署長(右)から「DV・ストーカー対策員」指定書の伝達を受けた=25日、宮古島警察署

 県内のドメスティック・バイオレンス(DV、家庭内暴力)事案に関連して二〇〇六年に裁判所が「保護命令」を出し、現在も命令下にある二十二件のうち、宮古島警察署(岸本亮署長)管内の事案が六件で全体の約三割に上っている。同署では「宮古では酒絡みの事案が多い。DVは重大事件に発展しかねない。犯罪だと認識し、速やかに相談してほしい」と強く呼び掛けている。

 同署によると、宮古地区のDV事案は〇一年から〇六年まで、増加傾向が続いている。〇一年には七件だった相談件数は〇六年には三十六件と五倍に。〇六年はこのうち十件が、裁判所が被害者の申し立てで、暴力をふるう配偶者などに「接近禁止」「子への接近禁止」「退去」を命じる「保護命令」となった。うち六件は未だ保護命令が続いているという。
 生活安全課の仲桝純課長は「宮古では特に、飲酒絡みのDV事案が多い。『男尊女卑』のような考えがまだあるようだ。泣き寝入りしているケースも多いだろう」と指摘。「DVの場合、当事者同士が密接な関係にあり相談しにくいかもしれないが、対応が遅れると大きな事件に発展しかねない。重大な事件になる前に相談してほしい」と強調した。
 DVやストーカーによる被害の未然防止、対応の迅速化を図るため、同署は二十五日、同課の生活安全係員四人を、「DV・ストーカー対策員」に指定した。「対策官」に指定されている同課の仲桝課長と共に、対策を強化する。
 「DV・ストーカー事案対策官」の取り組みは、県警察本部が全国で初めて実施。今月十九日に同本部が警察官六十四人を専門員に指定していた。二十五日の伝達式で、指定書を伝達した岸本署長は、「管内のDV、ストーカー事案に即対応し、被害者の身辺の安全確保に努めてほしい。特にDV事案は多発傾向にあり、皆さんの奮闘に期待する。管内の安心・安全のために頑張ってほしい」と訓示した。
top.gif (811 バイト)

蒸留粕を燃料再利用/菊之露
プラント建設工事が着工


行政や民間などから関係者が出席し、プラント建設工事の安全を祈願した地鎮祭=24日、菊之露酒造第2工場

 菊之露酒造(下地博社長)は二十四日、泡盛蒸留かす高度利用プラント建設工事の地鎮祭を行った。この設備は、泡盛の蒸留かすをメタンガス化し、燃料に利用することで、二酸化炭素(CO2)の排出削減を図る。国内の酒造メーカーとしては初の試み。施設の完成は来年三月で、試験稼働を経て、本格稼働させる。
 同社第二工場(平良字西仲宗根)で行われた地鎮祭には、伊志嶺亮市長ら行政や民間などから関係者多数が出席し、工事の安全を祈願した。
 同施設は、農林水産省の「バイオマスの環づくり交付金」を利用し、宮古島市のバイオマスタウンの一環として建設。総事業費約四億円をかけ、本年度はボーリングおよび地質調査を実施する。
 同社によると、一日当たり約十五dの泡盛の蒸留かすをメタンガス化し、このガスを製造工程で使用するボイラーの燃料として使おうというもの。これにより、従来まで燃料として使用してきた重油の約八割が削減できるほか、排出するCO2を年間で約四百d減らせるという。
 同社では、「地球全体では微々たるものだが、限りあるエネルギーを大事にし、より環境に優しい泡盛メーカーとして地域に貢献できれば」と施設建設の意義を強調している。
top.gif (811 バイト)

8団体26個人を表彰/宮古島署
安心安全な街づくりに貢献


8団体個人が表彰を受けた=24日、宮古島警察署

 宮古島警察署(岸本亮署長)は二十四日、二〇〇六年の功労団体・個人に対する感謝状贈呈式を同署で行った。地域の安全に寄与した八団体、二十六個人に賞状と記念の盾が贈られた。賞状を手渡した岸本署長は「皆さんの協力により、犯罪は減少傾向を続け、着実にその成果は上がっている。心から感謝する」と述べ、さらなる治安維持への理解と協力を求めた。
 この表彰は、警察業務に協力し、安全・安心なまちづくりに貢献した団体・個人を対象として行われた。
 式典では、はじめに岸本署長が各団体、個人一人ひとりに賞状を授与した。来賓あいさつでは宮古島地区防犯協会の前川尚誼会長が「これからも防犯パトロールなど各種安全対策に取り組んでいきたい。今後とも支援、協力をお願いします」と呼び掛けた。
 受賞者を代表して西城中学校の川上哲也校長が「安全、安心な街はここにいる皆さんによってつくられたものと実感した。この気持ちを持ち帰り、これからも地域のため頑張っていきたい」とあいさつした。
 被表彰者は次の通り。(敬称略)
 【団体】▽荷川取自治会防犯パトロール隊▽腰原女性会子供を守るパトロール隊▽上野中学校▽防犯協会西原支部▽西城中学校▽西城小学校▽花園幼稚園▽ミセス・インギャー部
 【個人】▽宮里不二雄▽大浦辰夫▽儀間裕芳▽奥平徳仁▽内間豊慶▽垣花玄淳▽平良悟▽池城隆盛▽松堂亨▽金城学▽池田健吉▽井上豪▽下地達男▽立津和代▽仲宗根光子▽平良秀子▽知念清吉▽砂川美佐子▽上地健三▽新里孝行▽根間秀昌▽新城浩吉▽下地勇徳▽砂川米子▽棚原文子▽下里京子
top.gif (811 バイト)

観光PRでキャラバン/J・TAP協力会
沖縄本島から誘客拡大目指す


参加者らがパンフレットなどを配り宮古観光をアピール=25日、那覇市のパレットくもじ前広場

 日本トランスオーシャン航空(JTA)グループの旅行商品「J・TAP(ジェイ・タップ)」の契約会社などで構成する「J・TAP協力会宮古支部」(平良勝之支部長)が二十五日、宮古への観光誘客拡大を図るキャラバンに出発した。パレットくもじ前広場で宮古観光、J・TAPのパンフレットや観光ロゴのステッカーを配布するなど、沖縄本島から宮古への観光促進をアピールした。
 同日朝、宮古空港で行われた出発式で、全国のJ・TAP協力会の会長を務める豊見山健児宮古協栄バス社長が「参加者みんなで協力して、宮古のPRに頑張ろう」と呼び掛け。JTA宮古支社の真栄田久支社長が「宮古観光の中枢を担う皆さんが、宮古の素晴らしさを訴え、多くの方々が宮古へ訪れることを期待したい」と激励した。平良支部長の掛け声でガンバロー三唱した。
 那覇市に到着したメンバーらは早速、JTAやJAL(日本航空)などを訪問。午後には、三グループに分かれて沖縄本島の各旅行代理店を訪ねた。
 同協力会はJTA商事の主催旅行商品「J・TAP」の施設契約会社で構成。宮古をはじめ、JTAの航空便が就航している各地に支部がある。
 キャラバン参加者は次の通り。(敬称略)
 ▽豊見山健児(宮古協栄バス社長、J・TAP協力会会長)▽平良勝之(ホテルニュー丸勝社長、J・TAP協力会宮古支部長)▽池間隆守(ホテルアトールエメラルド宮古島総支配人)▽古賀哲馬(宮古島南西楽園統括総支配人)▽三國浩紀(ホテルブリーズベイマリーナ支配人)▽荒木茂穂(宮古島東急リゾートマネジャー)▽粟国将一郎(ホテルセイルイン宮古島社長)▽久貝勲(ミヤコセントラルホテル支配人)▽漢那哲夫(宮古第一ホテル支配人)▽砂川能樹(八千代バス・タクシー専務)▽川平三秀(はやて海運社長)▽砂川喬(レストランのむら部長)▽豊見山忠朗(宮古協栄バス専務)▽太田幸次(うえのドイツ文化村支配人)▽幸地和夫(海宝館館長)▽廣田啓(みやこパラダイスマネジャー)▽石原雄(ジャパレン宮古営業所所長)▽楚南和秀(シャレード代表)▽我那覇宗広(JTA宮古営業所長)▽根間春仁(宮古観光協会次長)▽前里由香利(ミス宮古)▽植田美保(ミス宮古)▽砂川靖夫(ホテル共和支配人)
top.gif (811 バイト)