200平成19  20 土曜日

新年度分は55億円規模/伊良部架橋建設費
橋脚工事12カ所実施へ/今期23億円から大幅増

 【那覇支局】伊良部架橋整備事業の二〇〇七年度予算規模が約五十五億円規模になることが十九日までに分かった。〇五年度は六億八千万円、今年度は二十三億円が計上されている同事業は、予算規模も年々拡大しており、昨年末に就任した仲井真弘多知事も前倒しの完成に向けて、国への予算要求に取り組む姿勢を示していることから、今後の工事も急ピッチで進められていく。

 〇七年度の伊良部架橋の予算規模については、県総務部が十九日に行った「二〇〇七年度組織・定数編成の概要説明」の会見で明らかになった。
 伊良部架橋整備事業の具体的な予算額については三月ごろに県から正式に示される予定となっている。
 伊良部架橋については、〇五本年度予算で、六億八千万円が計上され、ボーリング調査などを実施。今年度は二十三億円が計上され、二カ所の橋脚工事などを行ってきた。昨年末の新年度予算一次内示段階で、県宮古支庁は「新年度の予定として十二カ所の橋脚工事を行うとしている」とし、工事予定からも予算規模は大幅に増加することが予想されていた。
 現在は、伊良部島の長山港で消波ブロックと被覆ブロックの製作が急ピッチで進められており、全体の約五〇%、約四千個が完成。海中道路の外観の一部は新年度内にも現れる見込みとなっている。
 伊良部架橋については、仲井真知事が就任時の本紙インタビューで、事業を二年前倒しで二〇一〇年までに完成させたいとの見解を示しており、その実現についてはこれまでにも「実際に私の実力でどれくらい予算を取れるか分からないが、〇八年度の予算が勝負だと思っている」と、前倒し完成に意気込みを示している。
 伊良部大橋は、伊良部島と宮古本島を結ぶ離島架橋。橋梁(きょうりょう)と海中道路を併用した構造。総延長四・三`で、このうち本橋部が三千五百四十b、取付橋梁が百七十b、海中道路が六百b。橋梁部幅員は八・五b。大橋や取付道路を含めた総事業費は約三百二十億円を見込む。完成は二○一二(平成二十四)年度予定。通行料が無料となる一般県道の大橋としては全国一の長さを誇る。
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2億4000万円の大商い/肉用牛初競り
1頭平均は44万円台の高値/30億達成へ好調な滑り出し


07年の高値取引を祈願し万歳三唱する畜産関係者ら=19日、JAおきなわ宮古家畜市場

 肉用牛の二〇〇七年初競りが十九日、宮古本島と多良間島の各競り市場で行われた。宮古本島の競りでは五百六十六頭が競り落とされ、販売額は二億四千八十一万七千五百円の大商い。子牛一頭平均価格も四十四万円台の高値が付き、年間の総販売額三十億円の達成に向けて好調なスタートを切った。初競り式にはJAおきなわや県、市の代表らが出席。初競りを祝うとともに、肉用牛産業のさらなる発展に期待を込めた。

 宮古、多良間の〇六年肉用牛競り販売額は二十九億五千万円で、JAおきなわなど関係機関が目指す三十億円に迫る売り上げを記録している。
 三月末に集計する年度末累計は三十億円に達する公算が大きく、初競りから三カ月間に上場される頭数の増が期待されるところだが、初競りの上場頭数は前年より二十頭以上減少。このため二、三月期における競り上場頭数が前年を大きく上回らない限り、三十億円達成は厳しい状況だ。
 宮古本島の初競り式は午前八時三十分から行われた。JAおきなわ農業事業本部の砂川博紀本部長は「宮古地区は県内でも優良な生産地で、優良子牛、母牛の保留とも購買者からも高い評価を頂いている。今後ともより一層の生産努力に努めてほしい」と生産農家を激励。その上で「JAとしても、消費者、購買者の皆さんに信頼される市場の運営に頑張っていきたい」と述べた。
 続いて県農林水産部の国吉秀治部長(代読)が来賓祝辞で「宮古の肉用牛は質、量とも兼ね備えた優良な産地として高い評価がある。今後も質の高い肉用牛、信頼される子牛産地としての取り組みを強化してほしい」と期待を込めた。宮古地区農業振興会の伊志嶺亮会長は肉用牛産業がサトウキビ、葉タバコに並ぶ産業として発展していることを強調し、宮古牛ブランドの確立に伴う産業振興を促した。
 この後、関係者が鏡開きを行い、肉用牛産業の発展を祈願。乾杯の音頭では宮古島市議会の下地智副議長が三十億円達成に向けた畜産関係者の協力を求めた。
 最後は出席者全員で万歳三唱を行い、初競りの高値取引と年間販売額三十億円達成を祈願した。
 初競り式で、〇六年度競りにおける多額購買者として表彰された方は次の通り。カッコ内は購買頭数と購買金額。
 ▽大塚牧場(六百八十九頭、三億二千八百四十三万三千円)▽山口畜産(六百四十九頭、二億五千四十八万六千円)▽田村畜産(五百頭、二億三千百六十六万五千円)▽唐津農業協同組合(五百四頭、二億一千五百二十九万五千円)▽蔵王ミート(四百七十三頭、一億八千九百九十七万一千円)▽皇子原肥育牧場(三百六十一頭、一億七千九百四十七万九千円)▽鹿児島サンライズファーム(三百二十一頭、一億三千三十五万六千円)▽藤嶺牧場(二百二十頭、一億四百八十一万一千円)▽秋山畜産(二百二十四頭、九千二百十万九千円)▽みちのく村山農協(二百二十九頭、九千百二十九万五千円)
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本土から2800人の集客見込む/農協観光
JTA 今月27日からチャーター便

 日本トランスオーシャン航空(JTA、本社那覇市、市ノ澤武士社長)は十九日、東京に本社がある農協観光と協力し、今月二十七日から「本土・沖縄先島直行チャーター便」を運航すると発表した。宮古には二十九日の高知から石垣を経由した初便を皮切りに、二月二十四日まで東北などから計十九便が運航される。チャーター便がすべて満席となった場合は、期間中二千八百五十人が宮古を訪れることになる。
 今回は、北海道から四国までの全国二十空港から出発し、一月二十七日−二月二十五日までの期間に宮古や石垣、種子島、奄美などに計六十九便を運航。合わせて三千四百五十人が利用する予定という。
 チャーター便が出発する空港は▽女満別、帯広(ともに北海道)▽秋田▽花巻(岩手)▽山形▽庄内(山形)▽福島▽富山▽中部▽鳥取▽石見、出雲(ともに島根)▽米子(鳥取)▽広島▽岡山▽山口宇部▽高松(香川)▽徳島▽松山(愛媛)▽高知−の二十空港。
 このうち、宮古には高知や広島、高松、山形、鳥取、帯広などから利用客が訪れる予定だ。
 チャーター便の日程は、本土各地−石垣島(二泊)−宮古島(一泊)−本土各地などとなっている。
 このチャーター便は、農協観光の沖縄送客キャンペーンの一環で、二〇〇一年度下期から運航を開始した。JTAによると、〇五年度までの利用客は全体で約二万六千四百八十七人に上る。
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公務員は社会の模範/厳しく規律順守促す
久高さん(県警)が飲酒運転撲滅で講演


熱心に聞き入る参加者ら=19日、伊良部中央公民館

 公務員などの飲酒運転が全国的に問題になっている中、飲酒運転撲滅研修会(主催・宮古島市立伊良部地区四校校長会、同市教育委員会伊良部分室)が十九日午後、伊良部中央公民館で開かれた。講師に県警察本部生活安全部少年課安全学習支援隊長で警部の久高義久さんが講師に招かれ「青少年健全育成と飲酒運転撲滅について」のテーマで講演した。久高さんは「飲酒運転は本人を破滅させ、家族や周囲の人々を悲しませる」と強調し、飲酒運転で逮捕された被疑者とその家族が悲しんだ事例などを紹介した。


久高義久さん

 小・中学校の教員や役場職員ら多数が出席し、熱心に聞き入っていた。久高さんは佐良浜出身で、故郷で講演するのは今回が初めて。
 久高さんは、最近公務員が飲酒運転で逮捕されたことに触れ「社会の模範となる立場にある人は、絶対にあってはいけない」と指摘した上で「飲酒運転したのは何が原因なのか。それはその人の甘えでしかない」と強く批判した。また久高さんは「酒を飲んだ人は『このくらいの酒量なら大丈夫』『わが家は近いから』などの理由で運転する。そういう考えは間違いだ」と指摘した。
 飲酒運転で免許取り消しになった場合について、「免許が無いと、今の社会では不利な面が多い」と語り、免許の大切さを訴えた。
 最後は「飲酒運転は逮捕されるということを、皆さんが発信源となって地域住民へ伝えてください」と協力を求めた。
 研修会は、公務員、特に教育公務員の服務、とりわけ飲酒運転にかかわる問題は大きな社会問題となっている。教育に携わる一人ひとりが、教師全体としても自らの立場・使命を自覚し、襟を正して服務することが求められている。そのような観点から、飲酒運転撲滅を柱とした服務規律について開催された。
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先進地視察を終了/新ごみ処理施設建設
住民説明会を開催し報告へ


施設内を見学する住民ら=19日、糸豊環境美化センター

 【糸満市で洲鎌恵仁】宮古島市の新ごみ処理施設建設で同市は十九日、沖縄本島南部にある糸豊環境美化センターを視察し、二日間の先進地視察を終了した。同市は今後、報告会を兼ねた住民説明会を開き住民に理解を求める方針。
 視察に参加したメンバーは住民側、市側合わせて二十人。この日は伊志嶺亮市長に代わり下地学助役が同行した。
 同センターは糸満市と豊見城市から搬出されるごみを処理する施設で処理能力は一日二百d。
 同センターの関係者は、臭気や粉じんを外部に出さないための設備や、住民と交わした公害防止協定などについて説明した。
 視察後、参加した住民側のある男性は「どこに造るにせよ、まちづくりの視点を大事にしなければならない。環境面や安全面、リサイクル、住民への配慮などを含んだ協定書を作成する必要がある」と感想を述べた。また、別の男性は施設が集落と約百b離れているめ「住宅地と離れていては参考にならない」と話した。下地学助役は「今回の視察の成果を市民に報告して今後につなげたい」と述べた。
 視察は現施設の周辺住民をはじめ、荷川取自治会、西仲字会の関係者ら住民側十一人、市側から伊志嶺市長、下地助役、平良哲則環境施設整備局長ら九人が参加。十八日には浦添市リサイクルプラザ、那覇・南風原クリーンセンターを視察した。
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ビックリ5bのキビ/「ナーナシ」、地域の話題に
城辺比嘉の末広さんの畑で収穫


5bにも伸びたキビ「ナーナシ」を掲げる末広恒昭さん=19日、城辺字比嘉の畑

 これはビックリ。サトウキビの収穫真っただ中の宮古で、長さ約五bのキビが収穫され地域の話題になっている。栽培した農家は「長年キビ作をしているが、こんな長さに育ったのは初めて」とうれしい悲鳴を上げている。
 キビの持ち主は、城辺字比嘉に住む末広恒昭さん(71)。このキビは品種名がなく、農家からは「ナーナシ」と呼ばれている。
 塩害や干ばつに強いと言われ、十年ほど前から口コミで栽培が伝わったらしい。今では城辺地区などの一部農家で栽培されている。
 末広さんは「台風被害が少ない場合には、すーっと伸びて培土などの管理がやりやすい。反収も糖度も良く、株出も多い。農家にとってはありがたいキビだね」と笑顔を見せた。
 ただ、梢頭部のカットに背伸びをして作業することや、刈り取るのに力が入ること、また長いので二つに分けて収穫するなど手間はかかるが、末広さんは「出来が良いから作業はちっとも苦にならない」
 末広さんは、畜産も営んでいることから、堆肥を中心に肥培管理をしているほかは、これといった管理はしていないという。
 「この畑では、四年ほどカボチャを栽培してからこのキビを植え付けたので、それが良かったかもしれない」と末広さんは話している。
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