200平成19  18 木曜日

4億5000万円申請/合併補助金
目玉は消防関係費3億円/宮古島市が事業項目を決定

 合併市町村に交付される合併補助金に関する国の方針を受け、急きょ同補助金(国支出分)で導入する事業の策定作業を進めていた宮古島市は十七日までに、約四億五千万円分の事業を確定、県に申請した。目玉は高機能消防指令センター総合整備事業。一一九番発信者の位置を瞬時に特定するシステムで、災害時における消防の初動態勢強化につながる。同システム導入で約三億円を要求した。そのほか、議場周辺の改修、市税等滞納整理システム整備事業なども申請している。補助金が全額交付されるかは不透明だが、市幹部らは「(全額交付)という認識」との見解を示している。

 合併補助金は、国支出分と県支出分があり、宮古島市に対する補助金は国分が四億五千万円の上限。県分は七億円で、これは五年間で一億四千万円ずつ交付されることがほぼ決まっている。
 当初、国支出分に関しては四億五千万円を三年間に分けて支出する方針が示されていたが、先月下旬、今年度内にまとめて申請するよう県を通じて報告があった。
 これを受け、宮古島市は急きょ事業策定作業に着手。二〇〇七年度事業を前倒しするなどして四億五千万円の事業項目を確定した。
 申請した主な事業と事業費は▽高機能消防指令センター総合整備事業(約三億円)▽市税等滞納整理システム整備事業(五千万円)▽消防はしご車オーバーホール費用(四千万円)▽議会関係費(二千二百万円)−など。そのほか、高規格救急車などの導入申請もある。
 消防指令センター整備事業では、一一九番発信地を瞬時に特定する装置が設置される。固定電話はNTTの電話加入者情報を基に照会要求から割り出す。携帯電話からの発信は測位情報を取得して対応、いずれも瞬時に発信地を特定できるため、消防の初動態勢が飛躍的に向上する。さらに消防車両にも測位情報装置を設置するため、災害時における消防活動の全体把握が容易になるというメリットもある。
 また、これまでは伊良部地区の消防を通じて報告を受けていた同地区からの一一九番通報も同指令センターへの直通が可能となる。
 はしご車のオーバーホール(分解修理)費用は約四千万円を申請。耐用年数の絡みで危険性が指摘されていただけに「重要経費」として今回の申請に盛り込んだ。
 滞納整理システム整備事業は、合併により膨らんだ滞納事案に迅速に対応するための事業。高度なシステムを導入し、滞納整理の強化を図る。
 議会費は、議場周辺の改修費と議会中継システムの整備に充てる。スムーズな議会運営を図るため、議場周辺を部分的に改修に着手する方針で一千万円を申請。中継システムは各庁舎で議会中継を放映するためのもので千二百万円を申請した。合併補助金の交付額は来月初旬の内示。
top.gif (811 バイト)

分蜜糖1400dを初出荷/沖糖宮古工場
名古屋で砂糖に精製


貨物船に積まれる分蜜糖=17日、平良港

 二〇〇六−〇七年産サトウキビの製糖操業を開始している沖縄製糖宮古工場は十六、十七の両日、分蜜糖の初出荷を行った。両日合わせて千四百dの分蜜糖が貨物船で愛知県名古屋市まで輸送され、同市の工場で砂糖に精製される。
 平良港では、同社や船会社の関係者らが見守る中、十dトラックで続々と運ばれた分蜜糖がベルトコンベヤーで切れ間なく貨物船に積み込まれた。貨物船は、二十一日にも予定地の名古屋市に着港する予定。
 同社によると、十六日までの原料搬入量は一万二千三百二十三d。平均甘蔗糖度は一五・一六度。最高は一九・一〇度で、最低は一〇・六〇度。基準糖度帯(一三・一−一四・三度)内が一八・四一%で、基準超は七八・〇五%、基準以下は三・五四%で推移している。
 農家手取り額は、d当たり二万一千四百十一円となり、生産量は約十一万dを見込んでいる。
top.gif (811 バイト)

下地シズエさんが最優秀賞/県老人ク意見発表大会
「老人よ大志を抱け」と訴え/ぼけ防止策など披露


賞状を手に受賞を喜ぶ下地さん(左)と下地さんの長女渡邊美智子さん=17日、豊見城市立中央公民館

 【那覇支局】県老人クラブ連合会(花城清善会長)主催の第二十七回県老人の意見発表大会が十七日、豊見城市立中央公民館で開催され、県内六地区の代表が意見発表を行い、宮古地区代表で参加した宮古島市老人クラブ連合会の下地シズエさん(76)が見事、最優秀賞に輝いた。下地さんは年齢を感じさせない力強い発表で「老人よ大志を抱け」と訴え、会場から大きな拍手を受けた。また、審査員から最優秀賞の名前が発表されると下地さんは壇上で踊り出し、体全体で喜びを表現した。

 受賞の感想について、下地さんは「最初は緊張したけど、発表しているうちに楽しくなってきた。出来としては八十点くらい。でも、宮古を出るときに絶対に最優秀賞になると宣言してきたので実現できてうれしい。これで堂々と宮古に帰れる」と笑顔で述べた。
 今回の意見発表は、宮古地区を含む県内六地区の代表が、高齢者福祉の向上や心豊かに生きるための取り組みについて発表した。
 下地さんの発表テーマは「老人クラブに入会して思うこと」で、内容は現在の老人クラブにおける活動がスポーツ中心で文化面がやや低調であることから、生涯学習の観点からも文化活動の充実を強調し、活動による会員(仲間)増強を図ることの大切さも訴えていた。
 また、ぼけ防止策として▽きょうの月日▽一日の出来事(昨日は何をしたかなど)▽きょうは何曜日か−など、自らに問う十二項目を挙げたほか、「確信を持てば何事も成し遂げることができる。何にでも挑戦して頑張ろう。『老人よ大志を抱け』」と訴えた。
 表彰式で、下地さんは最優秀賞の賞状と盾を高々とかざして会場にアピール。体全体で喜びを表現する下地さんに会場からは大きな拍手が送られた。
 同大会は、高齢者が地域社会で生活し活動する中で、地域福祉の発展のために日ごろそれぞれの立場で感じていることを発表し、生きがいを求め、心豊かな活力に満ちた福祉社会の充実発展を目的に毎年、開催している。
top.gif (811 バイト)

仲間さんら9人を表彰/障害者雇用ポスター原画展
平良庁舎であすまで


賞状を受け取り喜ぶ受賞者ら=17日、宮古島市役所平良庁舎

 毎年九月に開催される「障害者雇用支援月間」の啓発活動の一環で、障害のある児童生徒から募集しているポスターの原画を集めた展示会(主催・沖縄雇用開発協会)が十七日、宮古島市役所平良庁舎で始まった。同日、同庁舎一階ロビーで表彰式とオープニングセレモニーが行われ、銀賞を受賞した宮古養護学校中学部一年の仲間琴妃さんら合わせて九人に賞状が贈られた。
 テーマは「働くこと」、「仕事に関係あるもの」。会場にはいずれも色彩鮮やかな作品がずらり。宮古から応募のあった三十点を含む五十二点が展示されている。あす十九日まで。
 主催者を代表して同協会の親泊一郎会長に代わって出席した久場良昌専務理事は「広く障害者雇用への理解が深まることが、雇用改善につながる。多くの応募に感謝したい。一人でも多く雇用されるよう、今後も取り組みたい」とあいさつした。宮古島市の下地学助役が「子どもたちの個性あふれる表現の豊かさに感動を覚える」とたたえた。
 引き続き、受賞者の仲間さんと久場専務理事、下地助役のテープカットで展示会がスタート。保護者らが受賞作品をバックに子どもたちを写真に収める姿が見られた。
 受賞者は次の通り。(敬称略)
 【金賞】▽国仲正和(宮古養護学校中学部一年)【銀賞】▽新城美菜子(同小学部二年)▽仲間琴妃(同中学部一年)▽本村直大(同二年)▽平良雄飛(南小五年)【銅賞】▽安室朱莉(宮古養護学校小学部二年)▽田名勝利(同六年)▽仲間千賀子(同中学部一年)▽野崎高之(同)
top.gif (811 バイト)

下里君(宮工3年)、優秀部員に/県高野連が表彰
文武両道で球児の模範


表彰状と盾を手に笑顔の下里君=17日、宮古工業高校

 宮古工業高校野球部の下里知之君(自動車機械システム科三年)が十三日、部活動と学業を両立させ高校球児の模範となったとして、県高等学校野球連盟(狩俣幸夫会長)から優秀野球部員表彰を受けた。同日、沖縄市の県総合運動公園陸上競技場で表彰式があり、砂川恵重副会長から表彰状と盾が贈られた。下里君は「まさか自分が選ばれるとは思わなかったのでうれしい。これを励みに、卒業後も頑張りたい」と喜びを語った。
 下里君は二塁手、遊撃手で一番打者として活躍した。昨年の夏の甲子園県予選では、一回戦の北部工戦で同予選のタイ記録となる一試合三本の三塁打をマークした。学業でも成績優秀で、卒業後は日本トランスオーシャン航空(JTA)への就職が決まっているという。
 下里君は「小学校から野球をやってきた忍耐力やチームで築いた協調性は、社会人になっても生かせると思う。野球は職場などのチームで続けてやれれば」と、社会人生活に向け目を輝かせた。後を託す野球部の後輩には、「自分たちで考えて練習すれば、いち早く上達すると思う。ベスト8を目指して頑張って」とエールを送った。
 同部監督の糸数辰信教諭は「とにかくまじめな子。成績も良く、野球の技術でもレベルが高い。チームの要だった」と、教え子の受賞を喜んだ。
top.gif (811 バイト)

拡幅工事が急ピッチ/北市場通り
電線地中化も、事業費26億円


急ピッチで整備されている通称北市場通り=12日、平良

 県の街路事業による道路拡幅工事が、宮古島市平良の通称北市場通りで急ピッチで進められている。併行して道路両側では、自然災害に強い電線地中化が整備される。完成は二○○八年度予定。総事業費は二十六億円見込む。
 同工事の区間は、旧宮古郵便局前十字路交差点−北東の巴里舎写真館前十字路交差点までの三百bで、県道83号線(通称保良西里線)の一部。現在の道路幅員六−七bは、二倍余りの十六bに拡幅される。
 道路拡幅工事に伴う取り壊し建物は二十六戸。総事業費二十六億円には物件補償や営業補償などが含まれる。
 この工事は、安全で快適な都市空間の形成を図り、市街地の活性化を目的として実施しているもの。
 通称北市場通りは、交通量が多い上、道路幅員は狭く、歩道は無い。今回の道路整備完了後には、歩行者の安全確保や交通量の緩和が期待されている。
top.gif (811 バイト)