200平成19  17 水曜日

キビ操業から1週間/高品質 糖度15度超
2工場とも好調な滑り出し


これまでに1万2323dの原料が搬入されている沖糖宮古工場=16日、下地字上地

 宮古製糖城辺工場と沖縄製糖宮古工場は、二〇〇六−〇七年産サトウキビの製糖操業を開始してから十六日で一週間が経過した。これまでに搬入された原料は両工場を合わせて二万二千百九十二d。平均の糖度は宮糖が一五・〇七度、沖糖は一五・一六度といずれも基準糖度帯(一三・一−一四・三度)を上回った。両工場ともほとんどのキビが基準値以上。今期は高品質取引が行われる好調な滑り出しとなっている。

 今期サトウキビは九月の台風13号や十月の干ばつの影響を受けるなどして生育が阻害された。しかし、年末年始の冷え込みや降雨などの気象条件に恵まれて品質面が好転している。生産量は前期並みだが、品質面では前期を大きく上回ることが予想されている。
 今期八万九千dの原料生産量を見込む宮糖城辺工場には十六日までに九千八百六十九dの原料が運び込まれた。糖度の内訳は基準以上が七八・〇四%、基準帯内が一九・七三%、基準以下は二・二三%。最高糖度は一七・九度、最低糖度は一一・九度となっている。トン当たりの農家手取り額は、二万一千二百六十一円(対策費除く)。
 沖糖宮古工場は、今期十一万一千三百dの原料生産を見込んでいる。十六日までに一万二千三百二十三dの原料が搬入された。糖度の内訳は基準以上が七八・〇五%、基準帯内が一八・四一%、基準以下は三・五四%。最高糖度は一九・一度で最低糖度は一〇・六度。トン当たり農家手取額は二万一千四百十一円(対策費除く)となった。
 操業から一週間が経過したが、両工場ともに高品質による取引が数字で示された。宮糖城辺工場農務課は「予想を上回る品質に驚いている。台風や干ばつの影響が考えていたより少なかったのではないか」としている。今後の天候次第では最終的に過去最高の品質も期待できるという。
 沖糖宮古工場も好調な滑り出しで関係者は「非常に素晴らしい品質。操業当初は過去最高かと思ったが若干落ち着いている。糖度が上がらなくても今の品質が保てれば良い出来だ」と話した。
top.gif (811 バイト)

Jr育成ボール発売/宮古ゴルフ連盟
メーカーが協力 観光ロゴプリント


上地会長(中央)らが会見を開きゴルフボールの発売を発表した=16日、野津商事


発売されたジュニアゴルファー育成ゴルフボール

 宮古ゴルフ連盟(上地安増会長)は十六日、会見を開き、ジュニアゴルファー育成を目的にしたゴルフボールの発売を発表した。ボールはタイトリストのNXTで三個入り八百四十円(税込み)。宮古島市観光ロゴがプリントされている。売り上げの一部がジュニア育成基金に寄付される。昨年十二月末から各ゴルフ場などで販売中。同連盟は地元ゴルフ愛好者の利用と、観光客の新たな土産品になることを期待している。
 ジュニアゴルファーを安定的に育成することと、スポーツアイランドとしての宮古観光もPRすることが目的。基金は全国ジュニアゴルフ選手権宮古島大会の運営費やジュニア育成に利用する。同連盟によると、このような目的の発売は県内で初めてという。
 上地会長は「ジュニア育成の資金が不足している。このボールを販売して資金を増やし、将来、世界で通用する選手を育てたい」と述べた。
 同席した宮古観光協会の藤村明憲会長は「マンゴーをモチーフにした観光ロゴも印刷されている。広く観光客に示すことで、利用されてほしい」と期待した。
 同連盟は四百ダース、計四千八百個を製作。現在は各ゴルフ場やホテルなど七カ所で販売している。今後は市内や空港の土産店などに販売協力を求め、販路を拡大する予定。
top.gif (811 バイト)

農地の不在地主6595人/宮古島市
大半が農家台帳記載されず/沖縄本島で相談会実施へ

 宮古島で農地を所有し、島外に移住した、いわゆる「不在地主」は六千五百九十五人(二〇〇六年八月末現在)に上ることが宮古島市農業委員会のまとめで分かった。農地はほとんどが農家台帳に記載されない無公認耕作になっているという。同委員会では「小作者」の実態把握と、不在地主に売買をあっせんするなどの相談会を沖縄本島で実施し、農地の有効利用を図っていく方針だ。

 不在地主は沖縄本島では▽那覇市千九百六十六人▽浦添市千四十七人▽宜野湾市二百九十五人▽豊見城市二百四十七人−など、全体では四千五百六十七人いる。
 県外では、東京都五百五十七人、神奈川県三百九十八人を含め二千二十八人となっている。
 出身者別では沖縄本島、県外含め▽旧平良市二千七百五十四人▽旧城辺町千百七十三人▽旧伊良部町千九百七十六人▽旧下地町四百十四人▽旧上野村二百七十八人。
 農地面積については、同委員会でも把握していないが「かなりの面積になる」(同委員会)
 これらの農地は、不在地主の地縁血縁者らが小作をしている場合が多いが、それはほとんどが農家台帳に記載されていない無公認耕作者という。
 中には遊休化し原野となっている農地や、自分の農地が現在どうなっているのか知らない不在地主もいる。
 相談会では、このような実態を解消するため@農地は個人同士で貸しているのか。または農業委員会を通して貸しているのかA委員会を通して農地を売買する場合の税の優遇制度の紹介B遊休化した農地の指導−などを不在地主に説明し、理解を求めていく。
 ただ、不在地主の転居先が不明なことや県外にいる不在地主らに相談会が開けないことが大きな課題となっている。
 無公認耕作地の解消のため、所有権移転などの事務手続きの煩雑さを敬遠する不在地主も多く「同問題についての理解が十分得られていない」(同委員会)のも現状だ。
 同委員会では、県や総合事務局など関係機関と協議し、県外での相談会実施へ向けた環境づくりや、不在地主が農地の売買を希望した場合、認定農業者らへあっせんしていく連絡協議会の立ち上げを計画している。
 不在地主農地相談会は二月一日が浦添市産業振興センター三階研修室で午後六時−八時まで。二日はJAおきなわ南風原支店ホールで午後四時−七時までそれぞれ実施する。問い合わせは宮古島市役所農業委員会事務局(電話0980・76・3236、内線251)まで。
top.gif (811 バイト)

伊良波さんが県知事賞/県青壮年・女性漁業者交流大会
3月の全国大会に出場へ


賞状を手に喜ぶ伊良波さん=16日、水産会館

 【那覇支局】第十二回県青壮年・女性漁業者交流大会(主催・県、県漁連)が十六日、那覇市の水産会館で行われ、実績発表では宮古から参加した伊良部漁協小型船主会の伊良波淳世さんがマグロの品質保持をテーマに発表した「マグロのヤケ対策U」が最優秀賞(県知事賞)に選ばれた。伊良波さんは、三月に東京で行われる全国大会への出場も決定した。伊良波さんは「全国大会に参加することは荷が重いが一九八七年にも参加しているので、今回は大臣賞を目指して頑張りたい」と笑顔で意気込みを示した。
 伊良波さんの発表テーマであるマグロの「ヤケ」とは、浮魚礁周辺で行なうジャンボ引き縄や流し釣漁法で捕れるマグロ類が、水温が高くなる夏場を中心に身が白くヤケていて、酸味が強い魚肉となり、商品価値が落ちることから、この「ヤケ」をなくすために取り組んきた成果を発表するとともに、伊良部式「ヤケ対策」の普及で漁業経営の向上に役立ててほしいと呼び掛けている。
 伊良部式「ヤケ対策」は、マグロを即殺し、エラはらわたを取り除いて水氷につけるのではなく、マグロを生きたまま氷温ではない魚槽にいれ、釣り上げる際に激しい運動を行ったマグロ自身の体温調整能力を利用して、マグロからの放熱を抑止し、ゆっくりと休ませてから保冷槽(一〇−一五度の水氷)に入れる。さらに、手の空いたときにエラ・内臓を取り出し、保冷槽(水氷)で十分に冷やせば「ヤケ」をほぼ抑えられるとしている。
 この伊良波さんの発表には、審査員も感心し「十分に参考になる内容で漁獲高の向上にも期待が高まる。これからもさらに研究を進めてほしい」と講評した。
 伊良波さんは、池間中学校卒業後、十九歳から二十五歳まで三重県のカツオ船に乗り込み、一九八〇年から伊良部町漁協に所属。翌年に漁船を購入し、パヤオ漁業に専念。これまでに海区漁業調整委員を二期務め、漁協の理事、監事をも歴任している。
 そのほか、交流会では、大会スローガンとして▽漁村の多面的機能を利用し、地域社会の活性化を図る▽漁場の自主管理を徹底し、資源管理型漁業を推進▽新規就業・新規参入を促進し、活力ある漁業環境を確立する−など六項目も示された。
top.gif (811 バイト)

「地域要望に逆行」/下地地域審議会
分庁方式廃止で住民


委員らが地域活性化に向けた意見を交換した=16日、宮古島市下地支所

 下地地域審議会(川満省三会長)は十六日午後三時から、宮古島市下地支所で第二回地域審議会を開いた。宮古島市総務部、経済部長らを招き、分庁、支所方式や補助事業について意見交換を行った。補助率や行政サービスの低下、分庁方式が廃止する方向にあることに委員からは「地域が望んでいることと逆方向に進んでいる」などの声が上がった。審議会では今後、住民からの声をまとめ、市政に訴えていく。合併後、地域の声を行政に反映させる諮問機関として発足した地域審議会。第一回が行われてから約八カ月ぶりとなる開催だ。川満会長は「市長に諮問され審議するだけでなく、地域にどのような意見があるのかを把握するために開催した」と話した。
 審議会の議題は組織・機構(分庁方式、支所機能)と農林水産関係事業(補助事業、総合補助金制度)、地域振興全般に関するものの三つ。
 意見としては▽合併協定とは異なり、補助率が旧下地町と比較し下がった▽分庁方式の廃止や支所機能の低下によって地域は廃れてしまう−などが上がった。
 市に対する要望としては高齢者の移送サービスの実現や救急医療の体制強化などが議論された。具体的な内容について審議していく方針。
top.gif (811 バイト)

狩俣小児童が室蘭へ/現地交流団体が無料招待


室蘭出発を久貝教育長(後列中央)に報告した安谷屋会長(後列右)と狩俣小学校のみなさん(前列)=16日、教育長室

 宮古島市の交流都市、北海道室蘭市との交流活動を行っているスワンの会(安谷屋昭会長)は十六日、宮古島市教育委員会に久貝勝盛教育長を訪ね、宮古島の子どもたちが室蘭エメラルドの会の招待を受けて、今月十九日から四日間、同市でホームステイすることを報告した。企画名は「宮古島の子供たちと雪で遊ぼう!」。参加する宮古島市立狩俣小学校(桃原廣市校長)の児童らも同席し、北と南の交流に期待を膨らませていた。
 スワンの会とエメラルドの会は一九九七年、当時の平良市で開かれたプロビデンス号来航二百年祭への参加をきっかけに、交流を深めているという。今回の旅費などはすべてエメラルドの会が負担。
 安谷屋会長は両会のこれまでの活動経緯などを報告した後、「子ども間の交流が主。楽しんできてほしい」と話した。
 桃原校長は「貴重な雪遊びや歴史文化、家族との交流など子どもたちにとって良い体験ができる」と期待を寄せた。
 参加する大橋優海さんは「遊びだけでなく北と南の違いを勉強したい」と意気込み。根間真也君は「宮古でできない雪遊びが楽しみです」と笑顔を見せた。
 父母を代表して江川孝子さんは「たくさんのことを学び、宮古の良さを相手に伝えてほしい」と招待に感謝した。
 久貝教育長は「交流する相手の良さを吸収して、互いを高め合ってほしい」と激励した。
 児童たちは今月十九日に三泊四日の日程で室蘭市へ出発。スキーなどの雪遊びをメーンに交流を深める。参加児童は次の通り。(敬称略)
 ▽根間真也▽根間太一▽伊良部昌平▽根間誠▽江川慶海▽川満香苗▽大橋優海
top.gif (811 バイト)