200平成19  15 月曜日

西村(高知)前人未踏の5連覇/第17回宮古島100`ワイドーマラソン
他寄せ付けず独走/女子も山澤(茨城)がV4達成


5連覇をアピールしてゴールテープを切る西村譲治=14日午後零時25分ごろ、うえのドイツ文化村

最長100`部門のスタート=14日午前5時、うえのドイツ文化村

 「第十七回宮古島100`ワイドーマラソン」(主催・宮古島市など)が十四日、うえのドイツ文化村をゴール会場に、百`、五十`、ハーフ(二十一`)の三部門で行われた。宮古島を一周する百`の部では、西村譲治(40)=高知県=が7時間25分59秒で五連覇を達成。女子は山澤洋子(39)=茨城県=が8時間38分41秒で四連覇を果たした。宮古勢ではハーフの部で平良国治(30)=宮古島市=が1時間13分41秒で初優勝した。優勝者はハーフの部男子以外はすべて昨年と同じ顔ぶれ。今大会は三部門に六百五十人が出場し、百`の部の完走率は七七・九%、全体の完走率は八八・九%だった。

 五十`の部は3時間18分58秒で松本博(44)=福岡県=が四連覇、女子は長瀬陽子(28)=福岡県=が4時間20分34秒で二連覇をそれぞれ達成。ハーフの部の女子は井床善絵(45)=兵庫県=が1時間24分10秒で二連覇を果たした。
 この日は、最高気温が二〇・四度(午後二時二十七分)。強風注意報が発令されるほどの強い風に、選手らは苦しい表情を見せながらも、力強い走りでゴールを目指した。
 百`の部は午前五時、大会長の伊志嶺亮宮古島市長の号砲でうえのドイツ文化村をスタート。下地、来間島、市街地を通過し、池間島、東平安名崎を回って宮古島を一周するコースを駆け抜けた。
 百`の部では五連覇を狙う西村は五十`地点で沖山を振り切ると、そのままゴールまで独走。五連覇を飾った。
 五十`の部は連覇中の松本が、二十`すぎでトップに躍り出ると、そのままゴールまで一人旅。四連覇を果たした。
 ハーフの部は、平良国治がスタート直後から抜けだし二位に約6分差をつけ初優勝した。
 ゴールのうえのドイツ文化村には、選手の家族や友人らが多数訪れ、ボランティアらとともに、次々に戻ってくるランナーを温かく迎えた。
 制限時刻となる午後七時からは同文化村で表彰式と交流パーティーが行われた。参加者同士が完走の達成感を味わいながら、互いの親睦を深めた。
 

 

00`総合1位西村譲治(高知)
コース知り尽くし冷静な走り/風に苦しむも50`から独走

5連覇を果たし、笑顔でレースを振り返る西村=14日、うえのドイツ文化村

 右手を大きく広げ、「V5」を表現。宮古島100`ワイドーマラソンの「顔」とも言える西村譲治(40)=高知県=が、五連覇を達成した。「『君は宮古島の風に勝てるか』というキャッチフレーズがあったがここ四年、苦しむことはなかった。今回は本当に、風に苦しめられた」と感想。「(五連覇は)率直にうれしい。終わってほっとした気持ち」と笑った。
 過去四度の優勝と違ったのは、スタートから先頭を走れなかったこと。二木明彦=東京都=が序盤からハイペースで飛ばす中、沖山健司=東京都=と二位グループで好機をうかがった。「ラップタイムが悪くなかったので自重した」という判断が奏功。二十三`付近でペースの落ちた二木をつかまえ、沖山との一騎打ちとなった。
 前に出たのは宮古養護学校近くの五十`付近。沖山のペースが落ちたのを見て、「一人で行く覚悟を決めて前に出た」。かいた汗が風で冷える難しいコンディションの中、沿道の声援を励みに残りの五十`を一人で走り抜いた。
 序盤のハイスピードにプレッシャーも感じた。「今までにない飛び出しで。今年はまずいなと思った」という。それでも四度制した経験から冷静に判断し優勝する、王者ならではの走りだった。
 地元・高知県の中学校で陸上部顧問。毎年、栄冠を勝ち取り、「僕の言うことはしっかり聞いてくれる」と、生徒たちは敬意を抱いている様子。「続けてできるものなら連覇したい。重みがありますから」と六連覇に意欲を見せた。「レースナンバー1」は、誰にも譲らない。  (砂川拓也)
 

100`女子1位 山澤洋子(茨城)
ひざの痛み耐え4連覇

痛みに耐えて得た4連覇に笑顔を見せる山澤

 百`女子で8時間38分41秒のタイムでゴールし、4連覇を果たした山澤洋子(39)=茨城県。強風に苦しみ自身にとっての好タイムではなかったが「『走り切れた。連覇できた』とほっとしている」と穏やかな表情を見せた。
 山澤は国内外のフルマラソンやウルトラマラソン(百`)に出場しており、年間で計七、八本の大会に出場しているランナー。ワイドーマラソンは六回目の出場だ。
 昨年の十月ごろから「練習不足」で両ひざを故障し、今回のレースでは痛みに苦しんだ。「五十`を越えてからは両ひざに水を掛けて痛みをごまかした」と振り返る。
 後半、同じペースで走っていた集団とも差がつき、痛みにも耐えかね「歩こう」と心をよぎった。八十`折り返し地点(東平安名崎付近)で二位を走っていた大沼玲子の姿が見えたとき、「タイムではなく連覇」と目標を定め、ゴールまで一位を守り、走り抜いた。
 後半を振り返って、「ひざはきつかったが、走り終わった後のビールを楽しみにそればかり考えていた」と茶目っ気も見せた。次大会への目標は「今回は『記録より連覇』と逃げに走ってしまったので、次回は自己タイムを更新したい」。 (深沢千絵子)

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「選定に納得できない」/新ごみ施設建設で住民反発

 宮古島市(伊志嶺亮市長)は十三日夜、あさつゆの里会館で新ごみ処理施設建設についての住民説明会を開いた。地域住民ら約三十人が集まり「宅地が多いこの場所での建設は絶対に納得できない」などと建設反対を強く訴えた。今回の説明会は住民からの要望で開催された。市は先進地視察後に再度、住民説明会を開く予定。
 市側からは環境施設整備局の平良哲則局長らが参加した。候補地に同市クリーンセンター西側の市有地が選定された理由や状況について説明。住民らの質問にも答えた。
 住民らは「老人施設のそばに建てることは絶対に許せない」「前回の住民説明会に団地やアパートの住民を呼ばなかったことはなぜか」と市側に求めた。また、「どうしても造りたければトゥリバーに造れば誰も反対しない」と話す住民もいた。
 市側が今月十八、十九の両日に実施する先進地視察について「建設反対しているのに、なぜ視察に行かなければならないのか。視察を取りやめてほしい」と中止を求める声もあった。
 市側は昨年、同市クリーンセンターに隣接する西側の市有地を予定地に絞り込み、同年十二月に住民説明会を開催。その後、建設に反対する住民らは昨年末に新ごみ処理施設建設反対住民の会(石垣元幸会長)を結成し、看板設置や署名活動などで反対運動を展開している。
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妻への指輪握りしめ/100`出場 島田啓さん(埼玉)
宮古島100`ワイドーマラソン/サンタさん必死にゴール


明子さんに結婚指輪をプレゼントする島田啓さん(左)=14日、うえのドイツ文化村


初出場した代々木公園・伴走伴歩クラブの会員ら

 六百五十人が宮古路を駆け抜けた「宮古島100`ワイドーマラソン大会」。十四日の宮古島各地は「ワイドー、ワイドー」の声援が飛び交い、出場選手の背中を後押しした。百`だけでなく五十`、二十一`の部門もある同大会。それぞれの体力に応じて仮装姿、友人同士、職場仲間で出場する選手たちの姿も目立った。中でもサンタクロースの姿に扮(ふん)して出場した島田啓さん(42)にとっては最高の大会に。百`を完走して妻に結婚指輪を手渡すことを決めていた島田さんは、その目標を見事に達成。ゴールでは応援団をはじめ大会スタッフ、関係者から盛大な祝福を受けた。

 「妻の待つゴールへ」−。百`の部に出場した島田啓さん(42)=埼玉県=は、サンタクロースの衣装で百`を完走。ゴール地点でプレゼント袋から指輪を取り出し、昨年12月24日に結婚したばかりの妻明子(ともこ)さん(旧姓・渡辺)に手渡した。大いに会場を沸かせた島田さんは「マラソンとともに二人三脚で走っていける家庭を築きたい」と語った。
 島田さんと明子さんは前日十三日に開催された「宮古島100kmウルトラ遠足」にも出場。今大会では島田さんが百`、明子さんがハーフに挑戦した。
 二人は東京都で活動している代々木公園・伴走伴歩クラブの会員。同クラブは視覚、知的などの障害を持つ人が伴走者とともにマラソンを楽しむ団体だ。明子さんも視覚に障害を持つ。
 同クラブの椿聡企画部長が今大会出場経験があり、「宮古島は視覚障害者にとって、東京では聞くことができない波や風など自然の音を聞くことができる。道路も段差が少なく走りやすい」と考え、会員らに出場を促した。また、今大会は障害者の伴走者については選手登録なしでも可能としている。そのため、出場しやすいことで同クラブからは明子さんを含め、四人の視覚障害者がエントリーした。
 初出場した明子さんは「宮古の自然はのんびりしていて気持ちよかった。伴走者とおしゃべりしながら楽しく走れた。一人だったら挑戦できなかった」と感想。ゴール地点では、夫の島田さんに抱きしめられながら、指輪のプレゼントに感謝していた。
 同クラブの沖本武会長は「ワイドーマラソンはわれわれに出場しやすいよう考えてくれている。この大会に関する会員らの反響も大きく、『来年は出場したい』と言っている人も多い。次大会も皆を引き連れて出場します」と決意を新たにした。
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力走で理解呼び掛け/「ムコ多糖症」ネットのメンバー


ハーフの部に出場した川上さん(前列左)、神取さん(同右)と応援メンバー=14日、うえのドイツ文化村

 小児難病「ムコ多糖症」を知ってもらおうと活動する「ムコ多糖症支援ネットワーク(ムコネット)」のメンバーらは、シンボルにしているオレンジ色のTシャツ姿で走り、病気への理解や支援を呼び掛けた。メンバーらは十三日の「宮古島100`ウルトラ遠足(とおあし)」でも活動を展開。同ネットの鴨澤友美さんは「走りながら多くの人に声を掛けてもらえた。大変力になった。来年もまた来たい」と喜んだ。
 この日は、ハーフの部に川上純子さん(39)=千葉県=と神取孝さん(44)=愛知県=が、百`の部に榊原和宏さん=埼玉県=が、それぞれ出場した。ゴール地点では鴨澤さんが、完走者に手作りのサーターアンダギーとムコ多糖症に関するチラシを配り、理解を訴えた。
 初めての宮古島で、初めてのハーフマラソンを終え、川上さんは「走ることで、病気のことを少しでも知っていただくきっかけになったのでは」と笑顔を見せた。神取さんは「昨年は、渡嘉敷島のとかしきマラソンや、うるま市のおきなわマラソンなどで活動を行った。今年もできる範囲でやっていきたい」と話していた。
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乾杯で健闘たたえる/来年大会での再会誓う
表彰式


安堵した表情を浮かべ、乾杯で互いの健闘をたたえ合った=14日、うえのドイツ文化村

 「第十七回宮古島100`ワイドーマラソン」(主催・宮古島市など)の閉会式が十四日午後七時から、ゴール会場のうえのドイツ文化村で行われた。百`、五十`、ハーフ(二十一`)の各部門の上位入賞者に賞状や副賞が贈られ、大盛況のうちに幕を閉じた。表彰式後の交流パーティーでは、酒を酌み交わしながらランナーたちが互いの健闘をたたえ合った。
 閉会式で大会長の伊志嶺亮宮古島市長は「皆さんが限界にチャレンジする姿に、地元の人も力づけられている。十八回大会で再会できるのを期待しています」とあいさつを述べ、ランナーたちをねぎらった。
 兵庫県から初参加し、百`に挑戦した三藤福治さん(50)は「完走をあきらめていただけに奇跡です」とレースを振り返った。「八十`の関門を制限十分前に通過。あきらめかけたが、景色や小さい子の応援を励みに何とか帰ってきた。来年もトータル二百`走り抜けたい」と目を細めた。
 五十`の部に出場した宮古島市の古謝喜美子さん(41)は六年連続の出場。「前半は良かったが後半はアップダウンに体力が追いつかず、練習不足を痛感した。マラソンは自分との戦い。結果を振り返り来年の目標を立てたい」とさらなる意気込みを見せ、完走を喜んだ。
 宮崎県の山口悦子さん(50)は五十`の部に二回目の参加。「五`ずつの表示があり、目標設定しやすく楽しく走れる。吉野海岸など好きな景勝地を通過するたび、あと少しだと自分を鼓舞させてきた」と話し、「来年はもっと練習して前々回の記録に届くように頑張りたい」と白い歯をこぼした。夫の淳さん(54)は百`の部に出場したが、惜しくも八十二`でリタイア。「こんなはずじゃなかったと、正直情けない。来年はリベンジを果たします」と言葉に力を込めた。
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南クラブ(男子)が優勝/小学3、4年生バレー大会
女子は下地Aが輝く


粘り強いプレーを見せた南クラブのメンバーら=14日、東小学校体育館

優勝し笑顔を見せる下地Aクラブのメンバーら=14日、東小学校体育館

 第四回宮古地区小学生三、四年生バレーボール大会(主催・宮古バレーボール協会)が十四日、宮古島市立東小学校体育館で行われた。男子五チーム、女子十チームが出場して熱戦を繰り広げた結果、男子は南クラブが、女子は下地Aクラブが制した。
 男子の決勝は、南クラブと伊良部クラブが対戦。粘り強い攻撃を見せた南が二セットを連取して勝利した。一方、女子の決勝では下地Aクラブと伊良部クラブが対戦。下地Aの安定したチームワークが生み出す攻撃で伊良部を圧倒した。
 結果は次の通り。
 【男子】▽優勝=南クラブ▽二位=伊良部クラブ【女子】▽優勝=下地Aクラブ▽二位=伊良部クラブ

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