200平成19  12 金曜日

市長「責任、自ら律する」/市議会臨時会
市有地売買で野党が追及/職員は分限委諮問


市有地の売買契約で「行政報告」を行う伊志嶺市長=11日、宮古島市議会議場

 宮古島市議会(友利恵一議長)臨時会が十一日開かれた。伊志嶺亮市長が市有地の土地売買契約について述べた行政報告の文言について、野党議員らが厳しく追及。伊志嶺市長は議会議決を経ずに契約を交わしたことを「判断ミス」と述べ再度陳謝するとともに自身の責任については「自ら律していく。(契約に携わった)職員については分限委員会に諮っていく」と明言。議会に同問題を「追認」するよう求めたことについても「議会軽視だった」と述べた。

 臨時会の開催は、昨年十二月の定例会で市有地の売買契約をめぐり一般会計補正予算案が否決されたことを受け、伊志嶺市長が招集した。
 しかし、冒頭、伊志嶺市長が「売買契約に関し、地方自治法に触れる瑕疵(かし)ある行為をした」「議会の議決を得て有効なものにしていただくようお願いしてきたところですが、議会の理解を得ることができなかった」などと、補正予算案の否決に至る一連の流れを「行政報告」したことに対し野党議員らが反発。
 新城啓世議員は「すべての職員や執行部が地方自治法に疎いということか。地方自治法違反を追認してくれというのは議会に違法を認めろということか」などと指摘した。
 伊志嶺市長は、議会議決を経ずに売買契約を交わしたことについて「私の判断ミス」と謝罪。「今後は、地方自治法の勉強を職員と一生懸命しながら市政の運営に当たりたい」と述べた。
 真栄城徳彦議員と池間健栄議員が「なぜ行政ミスが起こったのか、内部調査をすべきだ」とただしたことについて、伊志嶺市長は「内部調査はした」と明言。今月十七日までには同問題を調査する市議会特別委員会に報告するとした。
 池間雅昭議員が「市が違法行為をしておきながら、議会に追認を求めるのはどうか。謝罪して済まされる問題ではない」と明確な責任を求めたことについて伊志嶺市長は「議会にはまったく責任はない。議会に追認を求めたことは私の判断ミスで、職員も私も職務怠慢だったと認める」と述べ、自らの責任については「自分自身で律していく」と答弁した。
top.gif (811 バイト)

太モズクの収穫始まる/品質も上々、増産に期待


今期産の太モズクが初めて水揚げされた=11日、狩俣漁港

 二○○六−○七年産の太モズクが十一日、初収穫され宮古島市平良地区の狩俣漁港で水揚げされた。収穫量は一・二dだった。宮古島漁業協同組合の目標生産量は糸モズクが前期産の三・三倍の四百四十七d、太モズクが同一・四倍の五百十一d。収穫は五月ごろまで続けられる。
 初水揚げした川満寿明さん、秀明さん親子はこの日の午前九時から午後二時ごろまで収穫作業に当たった。息子の秀明さんは「品質が良く、初日にしてはまずまず」と笑顔を見せた。父の寿明さんは「強風の影響で流されたものもあったが、太モズクの品質は昨年より良い。糸モズクは今後の天気と水温次第」と話した。
 関係者によると、今期は十一、十二の両月に水温が上昇し、生育が悪い時期があったがその後は順調に生育したという。
 同漁協の儀保正司組合長は「漁協の赤字解消のため、生産者に対して漁協に多く搬入するようお願いしている。昨年以上の生産に期待している」と述べた。
 昨年実績は糸モズクが百三十四d、太モズクが三百五十八dだった。糸モズクの収穫は一月下旬ごろから始まる。
top.gif (811 バイト)

観光や安全対策の整備を/港湾に関する意見交換会
平良港の活性化探る/国、交付金の有効活用促す


平良港の活性化についてさまざまな意見や提言があった交換会=11日、ホテルアトールエメラルド宮古島

 宮古圏域における港湾に関する意見交換会(主催・沖縄総合事務局開発建設部)が十一日、市内ホテルで行われ、平良港の整備などについて意見や提言があった。国土交通省は、新しく創設された「みなと振興交付金」を有効活用し、交流拠点づくりを促したほか、宮古島市からは大型旅客船が接岸できるバースや耐震バースの整備、待合い所の設置など、観光振興や安全対策に重点を置いた施設整備が求められた。

 この意見交換会は、港を中心とした宮古圏域の活性化を探ろうと開催した。
 西銘恒三郎衆院議員ほか、中尾成邦国交省港湾局長ら国、県の職員らが出席。地元からは、伊志嶺亮市長や中尾英筰宮古島商工会議所会頭、藤村明憲宮古観光協会会長、宮古島市議会議員、港湾関係者ら多数が参加し、それぞれの立場から意見を出し合った。
 伊志嶺市長は、宮古の観光振興においては大型旅客船の定期的な寄港が望ましいとして、旅客船が接岸できるバースの整備を要望。「宮古は観光が大きな産業となり、観光客の増加が宮古経済の発展につながっている」と述べ、観光客が呼べる港の整備に国側の配慮を求めた。
 中尾会頭は、明和の大津波で大きな被害を受けた宮古島の歴史を紹介した上で、災害に対応できる耐震バースを市街地に近い場所に整備するよう求めた。
 港湾関係者は、冬場における強風が、入港する船舶の接岸に支障を来していることや、待合所がなく観光客らが不便を被っていることなどを挙げ、危険性の除去や観光客へ配慮する港の整備を訴えた。
 これに対し国側は、トゥリバー地区の開発や伊良部大橋建設との関連で、物流の拠点および観光の港というきちんとした目標を定めた整備を進めていく必要があると指摘。耐震バースの整備については「災害時だけでなく平常時にはどのような利用をしていくのか、考え方を明確にすれば実現可能である」と述べた。待合所設置については、新しく創設された「みなと振興交付金」の活用を促し、知恵と工夫を凝らして地域の活性化につなげていくよう提言した。
top.gif (811 バイト)

週明けに対策会議/デイゴのヒメコバチ被害


デイゴの被害状況を調査する市役所の職員ら=10日、市熱帯植物園

 宮古島市商工観光課・農政課の職員らは十日午前、市熱帯植物園のデイゴ並木でヒメコバチによる被害状況を調査した。その結果、デイゴの全樹木約百本が絶滅の危機に陥っていることを確認した。市と県宮古支庁では十五日午後三時から同支庁で、今後のヒメコバチ駆除の時期などについての対策会議を開く。県がヒメコバチを駆除する農薬を指定するが、現在は指定農薬はない。今年五、六月ごろに指定する予定。
 ヒメノコバチは、デイゴの葉の裏に産卵し、その卵はこぶ状に覆われる。幼虫は全長二_ほど。全幼虫が葉から栄養分を摂るため、葉の成育が阻害され落葉するという。デイゴはすべての葉が落ちると、花が咲く時期が訪れても咲かずに樹勢は衰え枯れていく。
 デイゴ並木では、既に枯死したデイゴや枯死寸前のデイゴが混在し、無残な姿。農薬で駆除するめどは立っていない。
 市農政課側では「県が早めに農薬指定を行わないと、宮古のデイゴは全滅するのでは」と危機感を募らす。
 ヒメコバチによるデイゴの被害は、宮古全域に拡大。ヒメコバチを駆除できないことから、デイゴの枯死はさらに広がりそうだ。
 市農政課は十日までに、城辺地区の二カ所で団体的に生えているデイゴ約五百本が全滅状態になっているのを確認した。農政担当者は「宮古全域のデイゴの本数などは分からないが、予想以上の本数が枯死の危機にあるのでは」と語った。
top.gif (811 バイト)

サトウキビ収穫に挑戦/岩手県宮古市の児童生徒ら
多良間/「めったにできない体験」


慣れない手つきながらもキビ刈り体験に挑戦した=11日、多良間村

 【多良間】交流のため多良間村を訪れている岩手県宮古市の児童生徒は日程三日目の十一日、サトウキビの収穫体験を行った。ホームステイ先の家族らに、キビ刈りのコツなどを習いながら、慣れない作業に汗を流した。
 児童らは身長よりも長いキビに悪戦苦闘しながらも、キビ刈り用のかまを手に一本一本、丁寧に作業を進めた。地元ではなかなかできない経験だけに、一生懸命に取り組んでいた。
 田老第三中学校の畠山善郁君(二年)は「めったにできない体験なので楽しい」と懸命にかまを使った。茂市小学校の中済温妃さん(六年)は「キビが長くて大変。難しいけれど慣れればなんとかできそう」と感想を話した。磯鶏小学校の佐々木菜穂さん(同)は「かまの使い方がちょっと難しい」と汗をぬぐった。
 午後はサイクリングでの自然観察や、海での熱帯魚観察を行い、多良間の自然を満喫。多良間で過ごした四日間の思い出を胸に、一行はきょう十二日、帰路につく。
top.gif (811 バイト)

投手陣が自主トレ開始/オリックス
キャンプインまでに体づくり


自主トレーニングをスタートさせたオリックスの投手ら=11日、宮古島市前福多目的運動場

 プロ野球パ・リーグ、オリックス・バファローズの投手陣八人が十一日、合同自主トレーニングのため来島した。二十四日までの十四日間、走り込みなどの基礎体力づくりに励み、二月一日のキャンプインに備える。
 参加しているのは、昨季先発で三勝を挙げた本柳和也投手、投手陣の中心として活躍が期待されるベテランの山口和男投手をはじめ、昨季、プロ初勝利を挙げた金子千尋、歌藤達夫、岸田護、山本省吾、小松聖、中山慎也の八投手。合同自主トレに参加予定の加藤大輔投手は後日、来島するという。小松投手は昨年十一月の大学・社会人ドラフト希望枠で入団したルーキーで初めて参加。
 選手らは、午後二時すぎの飛行機で宮古入りすると早速、宮古島市前福多目的運動場に移動。トレーナーの指導の下、ストレッチやキャッチボールをなど軽めのメニューで汗を流した。
 本柳投手は「宮古島は暖かくて最高。第二のふるさとという感じ」と笑顔。「(本土は)寒くて投げられなかったが、こちらに来るとすぐ投げられる体になる。しっかり体づくりをして、二月一日(のキャンプインに)に万全の態勢で入れるようにしたい。先発ローテーションを目指して頑張りたい」と意気込みを示した。
 期間中は同運動場を中心に練習する。十五、二十の二日間は休日。
top.gif (811 バイト)